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華麗なる週末 The Reivers (1969)

1962年に発表された、ウィリアム・フォークナーの”The Reivers”を基に製作された作品。
アメリカ南部を舞台に、使用人と共に祖父の自動車を無断で借用した少年の様々な体験と心の成長を描く、主演スティーヴ・マックイーンルパート・クロスバージェス・メレディス他共演、監督マーク・ライデルによるコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)

スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen 作品一覧
スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:マーク・ライデル

製作:アーヴィング・ラヴェッチ
原作:ウィリアム・フォークナーThe Reivers
脚本
アーヴィング・ラヴェッチ

ハリエット・フランクJr.
撮影:リチャード・ムーア
編集:トーマス・スタンフォード
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
ブーン・ホーガンベック:スティーヴ・マックイーン

コリー:シャロン・ファレル
ルーシャス・マキャスリン:ミッチ・ボーゲル
ネッド・マキャスリン:ルパート・クロス
マキャスリン”ボス”:ウィル・ギアー
ナレーター:バージェス・メレディス
フィビー:ダイアン・ラッド
リーバ:ルース・ホワイト
ビンフォード:マイケル・コンスタンティン
ブッチ・ラヴメイデン:クリフトン・ジェームズ
マーレー・マキャスリン:ロニー・チャップマン
B・F・ピーボディ医師:ダブ・テイラー
アンクル・ポッサム:ファノ・フェルナンデス
エドモンズ:チャールズ・タイナー

アメリカ 映画
配給 National General Pictures

1969年製作 111分
公開
北米:1969年12月25日
日本:1969年12月20日


アカデミー賞 ■
第42回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優(ルパート・クロス
作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1905年、ミシシッピ州、ジェファーソン郡
町の名士マキャスリン”ボス”(ウィル・ギアー)の孫で、11歳の少年ルーシャス(ミッチ・ボーゲル)は、汽車の到着を使用人のブーン・ホーガンベック(スティーヴ・マックイーン)に知らせる。

ボスは、黄色い四輪車”ウィントン・フライヤー”を町で初めて購入し、人々を喜ばせる。

ブーンは、驚きと共にその四輪車に心を奪われ、それが車両から降ろされるのを興味深く見守る。

車の管理を任されたブーンは、同じ使用人である黒人のネッド・マキャスリン(ルパート・クロス)に、隙を見て車を運転されてしまう。

ブーンは拳銃を持ってネッドを追い騒ぎを起こしたため、二人はボスの息子マーレー(ロニー・チャップマン)にその件で責められる。
...全てを見る(結末あり)

しかしネッドは、マキャスリン家の先祖が使用人に手をだしたため産まれたのが自分の祖母だと言って、一族であることを強調し反論する。

マーレーはそれを認めるものの、けじめをつけさせるために、二人に100ドルずつの罰金を言い渡す。

その後、ルーシャスの祖父が亡くなり、両親とボスは、葬儀のためセントルイスに旅立つ。

ボスは、車を倉庫にしまい、決して乗ることのないようにとブーンに伝え、彼にそそのかされないようルーシャスに忠告する。

帰り道にブーンは、ルーシャスに車を運転させてしまい、世間を知るためにメンフィスへ行くことを提案する。

ルーシャスは、ブーンに言いくるめられて使用人達に嘘をつき、不安を抱えながら町を離れようとする。

ところが、ネッドが車に忍び込んでいたことが分かり、ブーンは、彼の同行を許そうとしない。

自分はマキャスリンの親族だと言うネッドを、ブーンは仕方なく車に乗せて旅立つことになる。

その後、車はぬかるみにはまってしまい、それに手を貸して、金を請求するエドモンズ(チャールズ・タイナー)の魂胆にはまる気のなかったブーンだったが、結局は諦
める。

泥だらけになった車を掃除して、体を洗った三人はメンフィスへの道をひた走る。

メンフィス
ビンフォード(マイケル・コンスタンティン)の娼館に着いたブーンはネッドと別れて、ミス・リーバ(ルース・ホワイト)に挨拶する。

ブーンは馴染みのコーリー(シャロン・ファレル)に会い、何も知らないルーシャスは、彼女に惹かれてしまう。

結婚を考えるコーリーの意見を聞き入れないブーンは、金を払って楽しむだけだと答える。

一方ルーシャスは、娼館の怪しげな雰囲気に魅了され、ブーンに大人の世界を知らされる。

食事が始まり、ビンフォードは、遅れてきたフィビー(ダイアン・ラッド)に罰金を言い渡す。

その夜ルーシャスは、コリーの甥に、彼女が娼婦だと知らされる。

激怒したルーシャスは、それを否定して甥を殴り、相手がナイフを取り出したために手を怪我してしまう。

そこにブーンとコリーが現れ、怪我の手当てを受けるものの、ルーシャスの心は傷ついてしまう。

コリーは、自分のことで喧嘩をしてくれたルーシャスに感謝して、仕事を辞めることを決心する。

ブーンはそれを聞き戸惑うが、表に現れたネッドは、車と馬を交換してしまったことを知り焦ってしまう。

ネッドは、交換した相手と草競馬で車を賭け、それも取り戻すと言ってブーンに伝える。

アンクル・ポッサム(ファノ・フェルナンデス)の農場に向かったネッドは、ボスには馬を付けて車を返せると自信を見せる。

しかし、それが駄馬だと分かったブーンは、首吊り自殺を図る。

それに失敗したブーンは、ネッドを恨み襲いかかろうとするが、彼らを調べに来た、保安官のブッチ・ラヴメイデン(クリフトン・ジェームズ)が彼を制止する。

保安官がコリーを侮辱したために、ブーンは彼を叩きのめそうとする。

しかし、保安官は、ブーンらに脅しをかけて、その場を立ち去る。

その後、町医者のB・F・ピーボディ医師(ダブ・テイラー)にルーシャスの傷を診てもらったブーンは、彼がコリーに色目を使うことを気にする。

コリーが、診察代の代わりに、ガーターをピーボディに渡したため、ブーンは気分を害する。

その夜ネッドは、腐りかけた酢漬けのイワシで、馬が興奮することに気づく。

翌日、ネッドはルーシャスに騎乗させてその走りを確かめ、ブーンを喜ばせる。

しかし、現れたブッチがブーンらを逮捕しようとしたため、彼らは、レースを見に来たミス・リーバ達と共にそれに抵抗する。

結局、ブーンらは逮捕されてしまうが、コリーがブッチの相手をして、彼らは釈放される。

翌朝、レースに向かうことになったルーシャスは、コリーの行為を知らされてショックを受けるものの、ネッドに励まされる。

コリーの元に向かったルーシャスは、彼女が傷つけられたことを知り、優しい言葉をかける。

ブーンを恨んだルーシャスは、彼に殴り掛かり、泣きながら帰りたいことを伝える。

コリーの件は自分のせいだと言って、ブーンはルーシャスに謝罪する。

車に乗った相手と馬を見せられたルーシャスは、レースに出ることをブーンとネッドに伝える。

緊張するルーシャスは、自分と馬のことだけを考えろとネッドに助言されてコースに向かう。

レースは始り接戦となるが、相手がコースを外れてほぼ同時にゴールする。

勝者は決まらずに再レースとなり、ブーンは、酢漬けのイワシがあれば勝てると言うネッドの言葉を信じる。

スタート直後からリードを奪ったルーシャスは、そのままゴールし、ブーンとネッドは車を取り戻す。

そこにボスが現れたために、意気消沈するルーシャスだったが、多くを語らず、話は後だと言う祖父に見守られながら、彼は人々の祝福を受ける。

ブーンらは車で町に戻り、ルーシャスは自分の変化を実感するものの、変わらぬ故郷の風景などを見ながら4日間の旅の意味を考える。

マーレーは、躾として息子ルーシャスをムチで仕置きしようとするが、ボスはそれを止めさせる。

ボスは、4日間の出来事を聞き、過ちを指摘するものの、辛い経験を乗り越える強さを身につけることの大切さを教える。

祖父の寛大さに胸打たれたルーシャスは、彼の胸に抱かれて涙する。

孫の成長を知ったボスは、涙を洗い流すようルーシャスに指示する。

今回の件は自分に責任があることを、ルーシャスに伝えたブーンはある決断を語る。

ブーンは、男としてのけじめをつけるために、コリーと結婚することをルーシャスに知らせる。

ショックを受けるルーシャスだったが、産まれた子供には、自分と同じ名前を付けると言われて気分が晴れる。

そして、タイヤが外された車のエンジンをかけたブーンは、ルーシャスとネッドと共に、口笛を吹きながら楽しい時を過ごす。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1905年、ミシシッピ州、ジェファーソン郡
名士マキャスリン”ボス”が、町で初めて購入した自動車”ウィントン・フライヤー”は、汽車に積載されて到着する。
使用人のブーン・ホーガンベックは、その美しい四輪車に心を奪われる。
ボスの孫のルーシャスは、母方の祖父が亡くなったために一人で留守番をすることになる。
ブーンにそそのかされたルーシャスは、黒人の使用人ネッドと共に、メンフィスに向かうことになる。
娼館に着いたブーンはネッドと別れ、何も知らないルーシャスと共にそこに泊まることになる。
ルーシャスは、その場の雰囲気に戸惑いながらも、ブーンの馴染みの女性コリーに心惹かれてしまう。
そんな時、ネッドが車と馬を交換してしまい、彼は、草競馬で勝てば、それを取り戻せると自信を見せるのだが・・・。
__________

ノーベル文学賞作家ウィリアム・フォークナー最後の長編作品を、マーク・ライデルが情緒的に描く、ヒューマン・ドラマとして楽しめる作品。

大スターとしての道を歩み始めたスティーヴ・マックイーン自身の”ソーラー・プロダクション”で製作した作品でもある。

第42回アカデミー賞では、助演男優(ルパート・クロス)と作曲賞にノミネートされた。

少年が時を経て老人となり回顧する物語のような形で、そのナレーターを名優バージェス・メレディスが担当する。

主演はマックイーンではあるが、主人公は少年であり、彼の体験した出来事と、その成長を描いているために、マックイーンは控えめな演技になっている。

数十年振りの鑑賞だったが、以前は、前年公開の「ブリット」(1968)の印象が強く、そのようなキャラクターを望む作品でもないが、本作には物足りなさを感じた。
しかし、少年の目線を意識して観た場合、味わい深い心に残る作品となった。
要所要所で登場するマックイーンの温和な表情が、実に新鮮である。

音楽は、後に「11人のカウボーイ」(1972)でもマーク・ライデルと組むことになる、巨匠ジョン・ウィリアムズが担当している。(アカデミー作曲賞ノミネート)

主人公の馴染みの娼婦シャロン・ファレル、旅の体験で多くを学ぶ少年ミッチ・ボーゲル、使用人役をユーモアを交えて好演するルパート・クロス、町の名士ウィル・ギアー、その息子役ロニー・チャップマン、娼婦役のダイアン・ラッドルース・ホワイト、娼館のオーナー、マイケル・コンスタンティン、保安官クリフトン・ジェームズ、町医者ダブ・テイラー、黒人の農場主役ファノ・フェルナンデス、道路にぬかるみを作り嫌がらせをするチャールズ・タイナーなど個性派が脇を固めている。


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