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レインメーカー The Rainmaker (1997)

1995年に発表されたジョン・グリシャム同名小説の映画化。
ロー・スクールを出たばかりの青年が巨大企業の不正に闘いを挑み成長する姿を描く、製作マイケル・ダグラス、監督、脚本フランシス・フォード・コッポラ、主演マット・デイモンクレア・デインズジョン・ヴォイトダニー・デヴィートミッキー・ロークロイ・シャイダー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

マット・デイモン / Matt Damon 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:フランシス・フォード・コッポラ

製作
マイケル・ダグラス

スティーヴン・ルーサー
フレッド・フックス
原作:ジョン・グリシャム
脚本:フランシス・フォード・コッポラ
撮影:ジョン・トール
編集:バリー・マルキン
音楽:エルマー・バーンスタイン

出演
マット・デイモン:ルーディ・ベイラー
クレア・デインズ:ケリー・ライカー
ジョン・ヴォイト:レオ・F・ドラモンド
ダニー・デヴィート:デック・シフレット
メアリー・ケイ・プレイス:マーヴェリン”ドット”ブラック
ミッキー・ローク:J・ライマン”ブルーザー”ストーン
ロイ・シャイダー:ウィルフレッド・キーリー
ヴァージニア・マドセン:ジャッキー・レマンシック
テレサ・ライト:コリーン”ミス・バーディー”バードソング
アンドリュー・シュー:クリフ・ライカー
ディーン・ストックウェル:ハーヴェイ・ヘイル判事
ジョニー・ホイットワース:ダニー・レイ・ブラック
レッド・ウエスト:バディ・ブラック
ダニー・グローヴァー:タイロン・キプラー判事

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1997年製作 135分
公開
北米:1997年11月21日
日本:1998年6月27日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $45,856,730


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
メンフィス
ロー・スクールを卒業したルーディ・ベイラー(マット・デイモン)は、大手法律事務所に入ることも出来ず、仕方なく悪名高き弁護士J・ライマン”ブルーザー”ストーン(ミッキー・ローク)に雇われる。

完全報酬制だということをルーディに告げたストーンは、司法試験に受からないデック・シフレット(ダニー・デヴィート)を、彼の相棒につける。

ルーディは、白血病のダニー・レイ・ブラック(ジョニー・ホイットワース)に対し、支払いを拒否している保険会社グレート・ベネフィット社(GB)を相手に、彼の母親マーヴェリン”ドット”(メアリー・ケイ・プレイス)と共に訴える仕事にとりかかる。

次にルーディは、家族を無視してテレビ・タレントに遺産を渡すという遺言状作成を、コリーン・バードソング(テレサ・ライト)から依頼され、裏の空き家を借りることになる。

その後、ルーディはデックから、病院で交通事故被害者から委任状をとり、強引に保険会社と話をつけるという、悪どい方法を伝授される。
...全てを見る(結末あり)

ストーンに、病院で”カモ”を探すようけしかけられたルーディは、夫クリフ・ライカー(アンドリュー・シュー)の暴力を受けて、大怪我をして入院している若い女性ケリー(クレア・デインズ)に出会う。

ルーディは、かつての自分の両親を見ているようで、彼女を守ってあげたいと思うようになる。

老女コリーンは、二番目の夫から莫大な遺産を相続したが、実は投資の失敗などで、それを殆ど失っていた。

ルーディは、そんなコリーンの家にダニー・レイを連れて行き、親交を持たせたりもする。

そしてルーディが司法試験に合格した直後、ボスのストーンが摘発され姿を消してしまう。

ルーディはデックから、2人で法律事務所を構えることを提案されて、それを実行に移す。

ハーヴェイ・ヘイル判事(ディーン・ストックウェル)の下、ダニー・レイの審問会が始まるが、ストーンが捕まってしまったため、司法試験に受かったばかりのルーディがその代わりを務めようとする。

それを認めようとしないヘイル判事に対し、GBの顧問弁護士レオ・F・ドラモンド(ジョン・ヴォイト)が立会人となり、宣誓してルーディを弁護士として認めてしまう。

ドラモンドは、GBの和解金7万5000ドルを提示し、ヘイル判事もそれを支持する。

判事もグルになった提案に対し、ルーディは、ダニー・レイと母マーヴェリンに戦いたいことを告げる。

そんな時、ヘイル判事が急死し、公民権派の黒人判事タイロン・キプラー(ダニー・グローヴァー)の下で、ルーディは審理に持ち込もうとする。

そしてルーディは、様態が悪化するダニー・レイの家の裏庭での審理を済ませる。

同じ頃、ケリーは退院して夫クリフと暮らし始めるが、彼女とルーディは愛し合うようになっていた。

クリーブランド
単独でドラモンドら弁護団とGB側に出向いたルーディは、臆することなく面会を済ませ、苦しむダニー・レイの前で復讐を誓う。

数日後、ケリー再がびクリフに暴力を振るわれてしまい、ルーディは彼女をコリーンに預ける。

その後、ルーディの努力も虚しくダニー・レイは他界してしまう。

和解金は17万5000ドルとなり、オフィスが盗聴されていることに気づいたルーディとデックは、それを利用してドラモンドに法廷で恥をかかせる。

ルーディは、ケリーにクリフとの離婚を決意させるが、2人に危険が及ぶ可能性が出てきた。

法廷では、ダニー・レイの母マーヴェリンが証言席に座り、彼女は、請求するつもりの数千万ドルの賠償金を寄付するつもりだと伝える。

しかし、ドラモンドに質問されたマーヴェリンは、骨髄移植をしても、助かる見込みがないと診断した主治医の言葉を偽証してしまい、親として、息子に最高の治療を受けさせたかったと語り退席する。

その夜、ケリーは、ルーディと自宅に荷物を取りに戻るが、そこにクリフが現れ2人に襲い掛かる。

クリフを叩きのめしたルーディだったが、ケリーは彼に帰るように伝え、その後、夫に止めを刺してしまい彼女は逮捕されてしまう。

裁判は大詰めを迎え、デックがGBが隠していた証人で、保険の査定係だったジャッキー・レマンジック(ヴァージニア・マドセン)を捜し出す。

ルーディは、会社の方針で、保険金請求は全て拒否されることをジャッキーから聞きだし、その詳細な手口を知らされる。

そして、ジャッキーが法廷に証人として姿を現したために、焦ったドラモンドは、異議を申し立てるが却下される。

ジャッキーは、GBの支払い拒否事実を暴露してしまうのだが、ドラモンドの巧みな戦略で、彼女の証拠は認められないことになる。

追い込まれたルーディだったが、デックが、姿をくらましていたストーンから、裏の手を入手する。

ケリーは、ルーディの努力で正当防衛が認められて釈放され、起訴されないことになる。

翌日、GBのCEOウィルフレッド・キーリー(ロイ・シャイダー)が証言席に座り、ルーディとデックは、ストーンの助言を実行にする。

ルーディは、GBが保険請求の殆どの支払い拒否をしていることを証明する。

キーリーが、骨髄移植は一般的な治療方法で、骨髄クリニックへの投資は、財政的に有益であるという趣旨を語った彼の資料が提出され、彼の考えが儲け優先だと印象付ける。

その後、ルーディは陪審員にダニー・レイの生前の姿を見せ、彼の苦しみを訴える。

すると、朝鮮戦争で頭に怪我をして、精神を病んでいたダニー・レイの父バディ(レッド・ウエスト)が、ルーディから受け取っていた息子の写真をキーリーの前に差し出す。

居たたまれなくなったキーリーは退廷し、うなだれて泣き崩れるバディをデックが労わる。

ルーディは、GBを罰しなければならないことを陪審員に訴え、最終弁論を終える。

結局、GBは保険金15万ドルと、5000万ドルにも及ぶ多額の懲罰的賠償金の支払いを命ぜられる。

その直後、キーリーは逃亡を図るが身柄を拘束され、GBは破産申告し、賠償金の支払いは不可能となり、ルーディらの報酬もなくなる。

デックは早い段階で和解するべきだったと後悔するが、世間の注目を浴びたルーディには、弁護士の仕事よりもケリーが大切な存在だった。

マーヴェリンに会ったルーディは、保険金や賠償金よりも、勝訴した意義を重視する思いで、彼女と意見が一致する。

そしてルーディは、良き協力者デックに別れを告げ、ケリーとの新たな人生を始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
一流法律事務所に入ることが出来なかったルーディ・ベイラーは、悪名高き弁護士ストーンに報酬制で雇われる。
ルーディは、司法試験に受からないデックとコンビを組み、少々外れた手法をなどを伝授される。
ルーディは、白血病で苦しむ青年ダニー・レイと家族に対し、保険金を払おうとしないグレート・ベネフィット社(GB)を訴えようとする。
病院で、示談金請求の”カモ”を見つけるよう指示されたルーディは、夫の暴力に苦しむケリーと出会い愛し合うようになる。
GBは、審理の段階で和解金を提示するが、病状が悪化するダニー・レイのために、ルーディは裁判に持ち込むことを決意する。
そしてルーディは、再び暴行を受け夫を殺害してしまったケリーを守りながら超一流の弁護士ドラモンド率いる弁護団を擁するGBに対し、デックと共に闘いを挑む・・・。
__________

マイケル・ダグラスが製作に参加し、弁護士でもあったジョン・グリシャムの法廷劇で、主人公の境遇や雇われる事務所の設定に違いはあるが、彼の著書で映画化された「ザ・ファーム」(1993)を思い起こさせる、青年弁護士の闘いのドラマだ。
しかし、ジョン・グリシャムの映画化作品にしては不発に終わった。
*北米興行収入 $45,856,730

フランシス・フォード・コッポラの演出は、巧みに練られた法廷論争がポイントというよりは、多彩な出演者の人物像などを描くことを重視しているようにも思える。
言われなければ、彼の監督作品とは思えない、独特の深みをあまり感じない。

マット・デイモンの知名度を一気に上げた、本作直後に公開された「グッド・ウィル・ハンティング」(1997)のインパクトに押されてしまったのは、作品及び彼にとっては残念な結果となり、公開が逆ならば、評価が上がっていたかもしれない。

主演のマット・デイモンが、誠実な新卒学生にも拘らず、就職難で悪徳弁護士事務所に入らざるを得ないという筋立ては面白い。
世の中の外れた人間の中に放りこまれながら、次第に成長していく姿を彼は好演し、その後の活躍を予感させてくれる。

夫の暴力に耐えかね殺害してしまうものの、結局は主人公との幸せを掴むクレア・デインズ、強かな敏腕弁護士ジョン・ヴォイト、外れた社会に染まっているのかと思いきや、金のためとは言え実に献身的に主人公を支える同僚ダニー・デヴィート、完全な悪党なのに憎めず、存在感を示す主人公のボス役のミッキー・ローク、原告の母親メアリー・ケイ・プレイス白血病患者の息子ジョニー・ホイットワース、裁判の大詰めで息子の無念の死を訴える父親役のレッド・ウエスト、被告側保険会社CEOロイ・シャイダー、会社の不正を暴露する元査定係ヴァージニア・マドセン、笑った笑顔が往年の面影を思い出させてくれる、主人公のクライアントであり協力者のテレサ・ライト、ケリー(C・デインズ)の夫アンドリュー・シュー、そして、要領よく事務的に訴えを処理しようとする判事役のディーン・ストックウェルと、思慮深い判事ダニー・グローヴァーなど、共演者は超豪華な顔ぶれだ。


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