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民衆の敵 The Public Enemy (1931)

少年時代から悪の限りを尽くし裏社会で成り上がった男の運命を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督ウィリアム・A・ウェルマン、主演ジェームズ・キャグニージーン・ハーロウエドワード・ウッズジョーン・ブロンデルドナルド・クックレスリー・フェントン他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・A・ウェルマン

製作:ダリル・F・ザナック
原作
”Beer and Blood”
キューベック・グラスマン
ジョン・ブライト
脚本:ハーヴェイ・F・シュウ
撮影:デイヴ・ジェニングス
編集:エドワード・マイケル・マクダーモット

出演
トム・パワーズ:ジェームズ・キャグニー
グウェン・アレン:ジーン・ハーロウ
マット・ドイル:エドワード・ウッズ
メイミー:ジョーン・ブロンデル
マイク・パワーズ:ドナルド・クック
サミュエル”ネイルズ”ネイサン:レスリー・フェントン
パワーズ夫人:ベリル・マーサー
パディ・ライアン:ロバート・エメット・オコナー
パティ・ノーズ:マレー・キネル
キティ:メイ・クラーク
トム・パワーズ(少年期):フランク・コグレンJr.
マット・ドイル(少年期):フランキー・ダーロ
パット・バーク巡査:ロバート・ホーマンズ
ウェイター長:サム・マクダニエル
ジェーン:ミア・マーヴィン

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1931年製作 83分
公開
北米:1931年4月23日
日本:1931年11月6日


アカデミー賞
第4回アカデミー賞

・ノミネート
原案賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1909年、シカゴ
問題児のトム・パワーズ(フランク・コグレンJr.)と親友マット・ドイル(フランキー・ダーロ)は、パティ・ノーズ(マレー・キネル)に盗品を売って小遣いを稼いでいた。

1915年。
成長したトム(ジェームズ・キャグニー)とマット(エドワード・ウッズ)は、パティ・ノーズが計画した毛皮強盗に加わることになり、銃を渡される。

マットや仲間たちと倉庫に向かったトムは、クマの剥製を見て驚き発砲してしまう。

その場から逃げたトムとマットは、仲間のリンピーが駆け付けた警官に撃たれたことを知り動揺する。

追われた二人は銃を捨ててパティ・ノーズの元に戻るものの、逃げた後だと知ったトムは、必ず守ると言われていたてめに憤慨する。

その後トムとマットは、リンピーの葬儀に出席する。
...全てを見る(結末あり)

1917年。
アメリカが第一次大戦に参戦し、マットの妹モリーと付き合うトムの兄マイク(ドナルド・クック)が徴兵される。

運送業をしながら盗みを続けていたトムとマットは、バーの経営者パディ・ライアン(ロバート・エメット・オコナー)の元に向かい、仕事を紹介してもらう。

家に戻ったトムは、マイクのことで悲しむ母(ベリル・マーサー)から志願しないでほしいと言われ、旅立つ支度をする兄と話をする。

マイクから後のことを任されたトムは、悪い噂を聞いていると言われて口論になり、侮辱したために殴られる。

1920年。
禁酒法が施行されることになり酒の価格が高騰し、トムとマットは、パディの指示でタンクローリーを使い酒を奪う。

大金を手に入れたトムとマットは、その後、その世界で名が知られるようになる。

あるバーで、トムとマットは、キティ(メイ・クラーク)とメイミー(ジョーン・ブロンデル)と知り合い、付き合い始める。

パディから醸造所を所有するリーマンを紹介されたトムとマットは、密造酒のビジネスを始める。

ギャングの大物サミュエル”ネイルズ”ネイサン(レスリー・フェントン)と組むことを知ったトムとマットは驚き、現れた彼に挨拶する。

ネイルズの指揮下で密造ビジネスは始まり、トムとマットは、酒場を回り強引に密造酒を売りつける。

終戦後、無事に戻ったマイクは、酒の密売に手を出すトムが逮捕されるのも時間の問題だということを、パット・バーク巡査(ロバート・ホーマンズ)から知らされる。

帰還を祝う食事会を開いてもらうものの、楽しめる気になれないマイクは、トムの行動を批判する。

苛立つトムは、戦場で喜んで人を殺したマイクを非難し、マットと共にその場を去る。

キティに飽きていたトムは、通りを歩くグウェン・アレン(ジーン・ハーロウ)に一目惚れする。

グウェンに声をかけて車で送ったトムは、彼女と再会を約束する。

その後、マットはメイミーと結婚することになり、ネイルズは、二人とトムとグウェンを伴い、クラブで祝うことにする。

その場にパティ・ノーズがいることに気づいたトムは、マットと共に店を出た彼を追う。

パティ・ノーズと話をしたトムは、命乞いする彼を射殺する。

母の元に向かったトムは現金を渡すものの、それを知ったマイクと口論になり、二度と家に来るなと言われたために帰ろうとする。

元金を返そうとするマイクはトムを殴る。

札を破り捨てたトムは、引き止める母に何も言わずにその場を去る。

その後、グウェンとは合わない気がしたトムは、彼女と別れようとする。

そんなトムに、グウェンは愛し続けることを伝える。

現れたマットから、ネイルズが馬車から落ち、馬に蹴られて死んだことを知らされたマットは、その馬を買い取り射殺する。

その後、ギャングの抗争が激化し、ネイルズの死後パディの力が弱まる。

マットらの金と銃を集めたパディは、暫く身を隠すよう指示する。

しかし、その場は敵対する組織に知られてしまう。

パディから世話を任された恋人のジェーン(ミア・マーヴィン)は、酔ったトムと愛し合ってしまう。

翌朝それを知ったトムは憤慨し、パディの指示を無視して出かけてしまう。

トムを追ったマットは、背後から機関銃で撃たれて死亡する。

その場から逃げたトムは銃砲店で拳銃を奪い、敵対する組織のボスを殺す。

銃弾を受けたトムは病院に運ばれ、マイクとモリーに連れられた母は見舞いに行く。

わだかまりが消えたマイクと話したトムは、今まで迷惑かけたことを謝罪する。

兄弟が仲直りしたことを喜ぶ母は、トムから、自分よりマイクのことが好きか訊かれ、同じ息子だと答える。

その後、家に訪ねて来たパディから、トムが病院から誘拐されたことを知らされたマイクは、手下に捜索させていると言われ、家に居ることを指示される。

相手には、今夜中にトムを返せば自分の縄張りは渡すことを伝えてあると言うパディは、マイクを納得させる。

電話があったら知らせろと伝えたパディは、その場を去る。

食事中に電話に出たマイクは、トムが家に戻ることを知り、それを母に伝える。

喜ぶ母は、モリーと共にトムを迎える準備をする。

誰かが訪ねて来たために入り口を開けたマイクは、トムの死体だったために驚く。

倒れた死体を確認したマイクは、その場を離れる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
シカゴ
少年時代から悪事の限りを尽くしたトム・パワーズは、親友のマットと共に次第に頭角を現す。
付近を仕切るパディと組んだトムとマットは、ギャングの大物ネイルズを紹介され、禁酒法が始まることを利用して荒稼ぎを始めるのだが・・・。
__________

新聞記者であるキューベック・グラスマンジョン・ブライトによる未出版の小説”Beer and Blood”を基に製作された作品。

第1回アカデミー賞で作品賞受賞した「つばさ」(1927)を監督するものの、監督賞にはノミネートされなかったウィリアム・A・ウェルマンが、撮影当時弱冠28歳の製作者ダリル・F・ザナックと組んだ作品。

更には、前年デビューしたばかりのジェームズ・キャグニーが、冷酷且つ凶暴なギャングを見事に演じ、イメージを決定づけてトップスターとなった、記念すべき作品でもある。

第4回アカデミー賞では、原案賞にノミネートされた。

ギャング映画の古典的名作として高く評価された本作は、1998年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

出番が少ないのが残念だが、撮影当時18歳とは思えない魅力を感じさせる、主人公の愛人となるジーン・ハーロウ、主人公の幼馴染である仕事仲間のエドワード・ウッズ、彼と結婚するジョーン・ブロンデル、主人公とは対照的に悪を嫌う兄のドナルド・クック、主人公らと組むギャングの大物レスリー・フェントン、彼を主人公に紹介するギャングのロバート・エメット・オコナー、その恋人ミア・マーヴィン、主人公の母親ベリル・マーサー、少年時代から主人公に仕事を与えるマレー・キネル、主人公と付き合うメイ・クラーク、主人公の少年期フランク・コグレンJr.、その友人マットの少年期フランキー・ダーロ、巡査のロバート・ホーマンズ、ウェイター長のサム・マクダニエルなどが共演している。


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