2001年にブロードウェイで上演されて大ヒットとした傑作ミュージカル”プロデューサーズ”の映画化。 落ちぶれた演劇プロデューサーが失敗間違いない舞台を企画して大儲けを企んだことで巻き起こる騒動を描く、製作、脚本、音楽、出演(声)メル・ブルックス、監督は舞台を演出したスーザン・ストローマン、主演ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン、ウィル・フェレル、ゲイリー・ビーチ、ロジャー・バート他共演のミュージカル・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スーザン・ストローマン
製作
メル・ブルックス
ジョナサン・サンガー
脚本
メル・ブルックス
トーマス・ミーハン
撮影:ジョン・ベイリー
編集:スティーヴン・ワイズバーグ
音楽
メル・ブルックス
トーマス・ミーハン
出演
マックス・ビアリストック:ネイサン・レイン
レオ・ブルーム:マシュー・ブロデリック
ウーラ:ユマ・サーマン
フランツ・リーブキン:ウィル・フェレル
ロジャー・デ・ブリー:ゲイリー・ビーチ
カルメン・ギア:ロジャー・バート
ジュリー・フォアマン:リチャード・カインド
マークス:ジョン・ロヴィッツ
アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
コロンビア・ピクチャーズ
2005年製作 134分
公開
北米:2005年12月16日
日本:2006年4月8日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $19,377,730
世界 $38,058,340
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1959年、ニューヨーク。
マックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)は、老婦人から小切手を巻き上げては、最悪の芝居しか作れない、演劇プロデューサーだった。
そんなマックスの元に、彼のファンでもある会計士で、気が弱く青い毛布が手元にないとパニクってしまう、レオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)が訪ねてくる。
マックスに、前回の興行の収支が合わないことを指摘したレオだったが、失敗間違いなしの舞台に大金を集めれば、製作費以外は丸儲けだということに気づき、それも伝える。
そこでマックスは、史上最悪ミュージカルを作り200万ドルを集めて大儲けしようと企む。
臆病者のレオは、その話に乗る気はなかったが、会計事務所の退屈な仕事に飽き飽きし、ブロードウェイのプロデューサーになる夢が広がってくる。 そしてレオは、公認会計士マークス(ジョン・ロヴィッツ)に辞表を突きつけ、シュー・ビジネスの世界に足を踏み入れることを決意し、マックスの元に向かう。 2人はまず、フランツ・リーブキン(ウィル・フェレル)というドイツ人の書いた最悪脚本”春のヒトラー”に目を付ける。 ヒトラーとナチスの信奉者であるフランツは、2人の話を大歓迎して、即決で契約する。 次に、マックスとレオは、史上最悪の演出家ロジャー・デ・ブリー(ゲイリー・ビーチ)の元に向かい、”内縁”の助手カルメン・ギア(ロジャー・バート)に迎えられる。 ドレス姿で現れたロジャーは、ゲイ仲間の取り巻きを2人に紹介するが、”春のヒトラー”の演出に戸惑ってしまう。 しかしロジャーは、トニー賞受賞も夢ではないとマックスに言われて、それを快諾する。 やがて、マックスとレオのオフィスに、スウェーデンの女優志願ウーラ(ユマ・サーマン)が現れる。 2人はウーラの魅力に引かれ、とりあえず役を与える前に”秘書”兼受付として彼女を雇うことにする。 マックスは、パトロンの老婦人達から、大量の小切手を集め200万ドルの資金を調達し、その間、レオとウーラの仲は親密になっていく。 その後、リハーサルは続くもののヒトラー役が決まらず、手本を見せたフランツが、その役に決まってしまう。 いよいよ、初日にして最終日だろう舞台が幕開けとなるが、レオが劇場の入り口で”幸運を”と口走ってしまう。 それはブロードウェイでは禁句の言葉で、”足を折れ”が幸運を呼ぶ言葉だった。 しかし、その言葉を叫んだフランツは、本当に足を骨折してしまい、急遽ヒトラーの代役を演出家のロジャーがやることになる。 ロジャーはそれを拒もうとするが、カルメンに渇を入れられて、役の準備を始める。 そしてついに、失敗間違いない”春のヒトラー”の第一幕は始まる。 役を得たウーラも出演する、オープニングを見た観客は、その悪趣味な演出に言葉を失い、劇場を出ようとする人々が続出する。 しかし、ヒトラー役のロジャーが登場し、コメディとして笑いを誘うとしていることを知った観客は納得し、席に戻り大喝采を贈る。 新聞各社も大絶賛し、全く当てが外れて途方に暮れるマックスとレオは、自分の思い通りにいかなかったことに腹を立てたフランツに、銃で脅されてしまう。 フランツに金をやり、役者を殺させようとしたマックスだったが、押し入ってきた警官に銃を振り回すフランツと、2冊の帳簿が見つかったマックスは逮捕されてしまう。 隠れていたレオは、自首してマックスと共に刑務所で暮らすか、200万ドルを持ってウーラと逃げるかを迷い、結局は彼女とリオに逃亡する。 裏切られたと思い込んだマックスは、失意のうちに裁判を迎えるが、そこにレオとウーラが現れる。 レオは、マックスのおかげで平凡な人生から脱却できたことを訴えて友情を示し、彼もそれに感謝する。 そこで裁判長は、友情は壊すわけにはいかないと判断し、”シンシン刑務所”で懲役5年を過ごす判決を、2人に言い渡す。 やがて、囚人達を相手に、歌や踊りで喜びを与えたことを評価されたマックス、レオ、フランツは釈放となる。 そして、ブロードウェイに復帰したマックスとレオは、”シンシン”を題材にした舞台を成功させて、偉大なプロデューサーとなる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1959年、ニューヨーク。
落ちぶれた演劇プロデューサーのマックス・ビアリストックの元に、彼のファンでもある、気が弱く青い毛布が手元にないとパニクってしまう会計士レオ・ブルームが訪ねてくる。
レオはマックスに、前回の興行の収支が合わないことを指摘する。
更に、失敗が間違いなしの舞台に大金を集めれば、製作費以外は丸儲けだということをマックスに伝える。
そこでマックスは、史上最悪ミュージカルを作り、大儲けしようと企む。
マックスに誘われたレオは躊躇するものの、プロデューサーになる夢がかなうと考えて、それを受ける。
そして2人は、ドイツ人のフランツの最悪脚本”春のヒトラー”に目を付け、彼の元に向かうのだが・・・。
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ハリウッド喜劇の重鎮メル・ブルックスの1968年の監督デビュー作「プロデューサーズ」のリメイク作品と言うよりも、2001年にブロードウェイで初演されて大ヒットとしたトニー賞史上最高の12部門受賞の快挙を成し遂げた傑作ミュージカル”プロデューサーズ”の映画化。
80歳近いメル・ブルックスは、舞台を演出したスーザン・ストローマンに監督を任せるものの、脚本と音楽、更には声の出演も担当して、なんとエンドロールの終わりに元気な顔を見せてくれる。
トニー賞を受賞したネイサン・レインをはじめ、共演者マシュー・ブロデリック、ゲイリー・ビーチ、ロジャー・バートら、舞台でのオリジナルキャストの芸達者ぶりは見ものである。
しかし、大規模な拡大公開がされなかったこともあり、残念ながら舞台の大ヒットとは裏腹に、興行成績は散々なものとなり、全世界を合わせても製作費の4500万ドルを下回る結果に終わってしまった。
正統派ミュージカルを好む人は多いだろうが、元来ミュージカルとはこういうもので、ミュージカルの定義”偉大なるナンセンス”そのものと言える、非常に楽しい作品なのだが・・・。
単純明快なストーリーと、豪華で魅力的なキャスティング、メル・ブルックスらしい連発するギャグと楽しい歌や踊り、どれをとっても一級のエンタテインメントであり、個人的には大いに気に入っている作品でもある。
詐欺師と言っていい最悪プロデューサー、ネイサン・レインのどぎつさと、気弱な会計士役マシュー・ブロデリックの生真面目さのミスマッチが、絶妙な笑いを誘う。
小柄な2人に比べると、背が高過ぎる女優志願ユマ・サーマン、狂信的なナチ信者を怪演するウィル・フェレルの可笑しさもたまらなくいい。
ミュージカル”プロデューサーズ”のオリジナル・キャストであるゲイ・コンビのゲイリー・ビーチとロジャー・バートに至っては、ドラマに更なるアクセントを加え、その演技は惚れ惚れしてしまうほどだ。
公認会計士役でジョン・ロヴィッツなども共演している。