劇作家アーサー・ミラーの娘であるレベッカ・ミラー(ダニエル・デイ=ルイス夫人)の小説の映画化で、彼女自身が監督、脚本を担当した作品。 老いる夫の今後を不安視する妻の揺れる心を描く、製作総指揮ブラッド・ピット、主演ロビン・ライト、アラン・アーキン、キアヌ・リーヴス、ウィノナ・ライダー、マリア・ベロ、ジュリアン・ムーア他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ジュリアン・ムーア / Julianne Moore / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:レベッカ・ミラー
製作総指揮
ブラッド・ピット
ジル・フットリック
ジャン=リュック・デ・ファンティ
製作
デデ・ガードナー
レモア・シヴァン
原作:レベッカ・ミラー
脚本:レベッカ・ミラー
撮影:デクラン・クイン
編集:ザビーネ・ホフマン
音楽:マイケル・ロハティン
出演
ピッパ・リー:ロビン・ライト
ハーブ・リー:アラン・アーキン
クリス・ナドー:キアヌ・リーヴス
サンドラ・ダレス:ウィノナ・ライダー
スーキー・サーキシアン:マリア・ベロ
サム・シャピロ:マイク・バインダー
グレース・リー:ゾーイ・カザン
ジジ・リー:モニカ・ベルッチ
ベン・リー:ライアン・マクドナルド
ピッパ・サーキシアン:ブレイク・ライヴリー
カット:ジュリアン・ムーア
ドット・ナドー:シャーリー・ナイト
トリッシュ:ロビン・ワイガート
アメリカ 映画
配給 Screen Media Films
2009年製作 98分
公開
北米:2009年11月27日
日本:2010年2月5日
北米興行収入 $337,360
世界 $2,740,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
50歳のピッパ・リー(ロビン・ライト)は、30歳年上のベストセラー作家の夫ハーブ(アラン・アーキン)と、コネチカットの新居に移る。
自身も心ではそう思いながら、死を迎える土地だと考えるハーブを、ピッパは優しく励ます。
出生時に、毛深かったという問題などを抱えながら成長したピッパは、奔放だが薬物依存症の母スーキー・サーキシアン(マリア・ベロ)に育てられたという過去があった。
ある日、隣人ドット・ナドー(シャーリー・ナイト)がピッパを訪ね、離婚した35歳の息子クリス(キアヌ・リーヴス)が戻ってくるということを知らされる。
そんな時、夜中にキッチンが荒らされ、冷蔵庫に靴下が入れられるなど、ハーブが原因と思われる出来事が起き、ピッパは夫の老い先を不安に思う。
数日後、クリスの歓迎パーティーに招待されたピッパだったが、彼が部屋に引き篭もってしまったことを知らされる。 母親ドットは困惑して、ピッパはクリスに挨拶するが、彼は素っ気無い態度で窓から逃げ去ってしまう。 16歳になったピッパ(ブレイク・ライヴリー)は、母スーキーのクスリを止めさせようとするが、それが無理だと分かり自分もクスリを飲んでしまう。 ハイになってしまったピッパは、ついに母親を見限り家出してしまう。 ある夜、再びキッチンに食べ物が散乱しているのに気づいたピッパは、監視カメラのビデオをチェックする。 そして、その犯人が自分だと知ったピッパは動揺し、それをハーブに伝え彼に慰められる。 翌日、買い物に行ったピッパは、店員として働くクリスと出くわし、先日の態度を謝罪される。 叔母のトリッシュ(ロビン・ワイガート)の家に転がり込んだピッパは、ルームメイトのカット(ジュリアン・ムーア)と叔母がレズビアンだということを知る。 その後、両親が迎えに来るが、ピッパは二度と家には戻らなかった。 作家のサム・シャピロ(マイク・バインダー)とサンドラ・ダレス(ウィノナ・ライダー)のカップルと自宅で食事したピッパは、サンドラが浮気していることに気づく。 翌日、ハーブの新しいオフィスを見つけたピッパは、通りで車の事故に巻き込まれた犬を介抱する、優しい眼差しのクリスに声をかける。 その後、サンドラと会ったピッパは、サムとの破局を嘆く彼女に助言しながら、自分の神経が参っているのではないかと考え始める。 そんなピッパは、クリスの店にいる夢遊病者のような自分に気づき、彼に家まで送られる。 叔母トッシュのアパートが天国に思えたピッパは、やがてカットに惹かれ、写真家の彼女のモデルとなる。 過激な写真を撮っていたことを、トッシュに知られたピッパは、アパートを出ることになる。 翌日、車をクリスの店に忘れたことを思い出したピッパは、彼に店まで送ってもらう。 ピッパは、世捨て人のように自分のことを卑下するクリスの話を聞き流す。 トッシュのアパートを出たピッパは、麻薬に溺れ堕落した毎日を送り、その後、母スーキーの死を知らされる。 ある日、ピッパは作家ハーブと出会い、彼に急速に惹かれていく。 街でクリスと出くわしたピッパは、彼とドライブに行くことになり、報道写真家の娘グレース(ゾーイ・カザン)や、二度と会えない母親スーキーの話などをする。 自宅では、ピッパは自分を病人扱いするハーブとしっくりこない毎日を送る。 ハーブと出会ってから1週間、ピッパは彼が恋しくなり連絡を入れ、二人は頻繁に会うようになる。 ピッパは、妻ジジ(モニカ・ベルッチ)がいる身のハーブに教育され、そして二人は愛し合うようになる。 ある日、ピッパとランチを共にすることになったジジは、彼女の前で拳銃を抜き、自殺してしまう。 一生ジジに付きまとわれることになったピッパは、ハーブと結婚してクスリを止め、新しい人生を歩むことになり、やがて双子が生まれる。 陶芸教室に通い始めていたピッパは、講師に暴言を吐き、そこを追い出されてしまい、ハーブのオフィスに向かう。 ピッパはそこで、サンドラの浮気相手がハーブだったことを知ってしまう。 ハーブは、老いていく自分をピッパが哀れんでいるのを非難し、サンドラと結婚することを告げる。 それを聞いていたサンドラは自殺を図り、幸い軽症だった彼女の治療をしたピッパはクリスの元に向かう。 二人は求め合ってしまうが、それをクリスの母ドットに見られてしまいピッパは誤解を解こうとする。 その後、帰宅したハーブはピッパに謝罪するが、彼女は開き直り離婚を考えるよう彼に告げる。 ピッパは家を出ようとするが、ハーブが発作で倒れてしまい病院に運ばれる。 息子ベン(ライアン・マクドナルド)とハーブに付き添ったピッパは、同じ病院にいたサンドラから謝罪される。 ベンに、ハーブの浮気で家を出ようとしたことを伝えたピッパは、急遽帰国した娘グレースを迎える。 母親を理解していなかったグレースだが、昏睡状態が続く父親を前に、彼女は素直にピッパに謝罪して、二人は心が通い合う。 ベンにハーブの付き添いを任せていたピッパは、自宅で眠れぬ夜を過ごしていたが、クリスにドライブに誘われ、その後、二人は愛し合う。 病院に向かったピッパは子供達と話し合い、ハーブを安楽死させて帰宅する。 そして、無意識のうちにクリスの店に向かってしまったピッパは、ベンとグレースに後を任せ、西部に行くという彼と共に新しい人生を探求する旅に出る決心をする。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
50歳になるピッパ・リーは、30歳年上の人気作家の夫ハーブと、老人の多く住む街に移り住む。
ハーブの老い先を不安視するピッパだったが、自分が夢遊病の疑いがあることに気づく。
そんな時ピッパは、心を閉ざす隣人の息子クリスに出会う。
ハーブを気遣う気持ちが、空振りしてしまうピッパは、自分なりに日々を楽しむ方法を見つけようとする。
しかし、自分を年寄り扱いするピッパの態度が気に障るハーブは、友人のサンドラと浮気し、結婚すると言い出してしまう・・・。
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ブラッド・ピットも製作にかかわり、豪華実力派スターの競演が注目の作品だが、商業ベースには乗らず、拡大公開もされなかった。
群像ドラマとまではいかないが、多くの登場人物の個性を丹念に描く、原作者でもあるレベッカ・ミラーの演出手腕が見所だ。
邦題同様、50歳の理想の妻が、15歳年下の男性と出会い恋に落ちる恋愛物語のような宣伝をされたが、心に傷を負い苦悩する女性の生き様を描いた人間ドラマである。
非の打ち所がないセレブな雰囲気で登場するロビン・ライトは、荒れた青春期が衝撃的に描かれる中盤あたりから、空虚な人生に気づき悩む女性を、深みのある演技で好演しドラマを支えている。
イメージとは違う、穏やかなインテリ作家役のアラン・アーキンは、老人扱いされて浮気をするその原因を、言葉を荒げながら語る、彼の本領が発揮されるシーンを見て妙にホッとしてしまう。
10代の主人公を演ずる、テレビ・シリーズ”ゴシップガール”のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役で人気のブレイク・ライヴリー、その母親役マリア・ベロの、体を張った熱演が印象に残る。
主人公と心通い合う隣人の青年で、実際はロビン・ライトより年上のキアヌ・リーヴス、その母シャーリー・ナイト、主人公達の友人の作家マイク・バインダーとパートナー役のウィノナ・ライダー、主人公達の娘ゾーイ・カザン、息子のライアン・マクドナルド、叔母ロビン・ワイガート、そのルームメイトのジュリアン・ムーア、ハーブ(A・アーキン)の前妻モニカ・ベルッチなどが共演している。