シンデレラ・ストーリーとしてスマッシュ・ヒットとなった「プリティ・プリンセス」(2001)の続編。 女王の戴冠式を控えた主人公が王位継承権の争いに巻き込まれる騒動を描く、監督ゲイリー・マーシャル、アン・ハサウェイ、ジュリー・アンドリュース、クリス・パイン、ヘクター・エリゾンド共演のコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゲイリー・マーシャル
製作総指揮:エレン・H・シュワルツ
製作
ホイットニー・ヒューストン
デブラ・マーティン・チェイス
マリオ・イスコヴィッチ
原作:メグ・キャボット”The Princess Diaries”
原案:ジーナ・ウェンドコス
脚本:ションダ・ライムズ
撮影:チャールズ・ミンスキー
編集:ブルース・グリーン
音楽:ジョン・デブニー
出演
アミーリア”ミア”ミニョネット・サーモポリス:アン・ハサウェイ
クラリス・レナルディ女王:ジュリー・アンドリュース
ジョー”ジョゼフ”:ヘクター・エリゾンド
リリー・モスコヴィッツ:ヘザー・マタラッツォ
ニコラス・デヴロー卿:クリス・パイン
アンドリュー・ジャコビー公爵:カラム・ブルー
シャーロット・カタウェイ:キャスリーン・マーシャル
メイブリー子爵:ジョン・リス=デイヴィス
パリモア卿:トム・ポストン
アサナ:レイヴン=シモーネ
パオロ・プッタネスカ:ラリー・ミラー
ヘレン・サーモポリス:キャロライン・グッドール
ハーモニー卿:ポール・ウィリアムズ
パトリック・オコーネル:ショーン・オブライアン
キャロリーナ:アビゲイル・ブレスリン
結婚式の招待客:スタン・リー
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2004年製作 113分
公開
北米:2004年8月11日
日本:2005年2月26日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $95,149,435
世界 $134,734,481
ジェノヴィアのプリンセスだと知らされて5年、プリンストン大学を卒業したアミーリア”ミア”ミニョネット・サーモポリス(アン・ハサウェイ)は、警護官ジョゼフ(ヘクター・エリゾンド)と共に、祖母のクラリス・レナルディ女王(ジュリー・アンドリュース)の待つ祖国に向かう。
母ヘレン(キャロライン・グッドール)は、ミアの高校の教師パトリック・オコーネル(ショーン・オブライアン)と再婚して、子供が生まれる予定だった。
ミアの親友リリー・モスコヴィッツ(ヘザー・マタラッツォ)は、UCバークレーの大学院生だった。
宮殿に戻ったミアの、21歳の誕生パーティーが盛大に行われ、ニコラス・デヴロー卿(クリス・パイン)とのダンスも楽しんだミアは、王位が継承される戴冠式を待つことになる。
ところが、ジェノヴィア議会議員のメイブリー子爵(ジョン・リス=デイヴィス)は、甥のニコラスに王位継承権があることを主張して混乱が生ずる。 その結果ミアは、30日以内に結婚しなければ王位継承権を失うことになり、恋もしていない彼女は戸惑ってしまう。 クラリスは、ニコラスとメイブリーを宮殿に呼ぶがのだ、ミアは、パーティーでは友好的だったニコラスに、失礼な態度をとってしまう。 少々小言を言われたミアだったが、彼女は、クラリスから豪華な部屋を与えられ、宮殿に招待されたリリーとも再会する。 その後、結婚相手探しが始り、イギリス空軍パイロットでもあるアンドリュー・ジャコビー公爵(カラム・ブルー)が気に入ったミアは、彼と会うことになる。 両家の親族や警護官、マスコミも同行しながら親交を深めた二人は婚約を発表する。 しかし、ミアが政略結婚を望んでいないことに気づいているメイブリーは、ニコラスに彼女の気を引くよう指示を出す。 同じ頃ジョゼフは、共に引退する身のクラリスとの、新たな生活を考えようとする。 ニコラスは、ミアに接近するもののそれをかわされてしまい、メイブリーが彼女に恥をかかせる方法を実行に移す。 ジョゼフは、それがメイブリーの仕業だと気づき、警護官としての自分の立場を彼に伝えて脅しをかける。 その後ミアは、アンドリューを愛していないとニコラスから指摘されて憤慨するが、成り行きで彼とキスしてしまう。 二人は噴水にも落ちてしまい、さすがのクラリスも、結婚を前にして、未だに問題ばかり起こすミアに呆れてしまう。 パレードが行われる日、そこでもミアは車を止めて、孤児のキャロリーナ(アビゲイル・ブレスリン)の元に歩み寄る。 ミアは、子供達全員をパレードに参加させてしまい、人々から喝さいを受ける。 その後ミアは、子供達のためにリゾート地の城を提供する計画を考える。 更にミアは、結婚式の1週間前に世界各国のプリンセスを招待して、クラリスやリリーらと共に宮殿内で楽しむ。 その頃、ジェノヴィアのために尽くそうとするミアに、国を任せることが得策ではないかと、ニコラスはメイブリーに意見する。 メイブリーに、ミアの結婚の邪魔をしたくないことを伝えたニコラスは、彼女の元に向かう。 ニコラスは、滞在していた宮殿を去ることをミアに告げるが、二人は互いに意識し始める。 クラリスと余生を過ごしたい思いでいるジョゼフだったが、彼女はそれを決心できずにいたため、ジョゼフは失望してしまう。 その夜、ニコラスが現れたために、宮殿を抜け出したミアは彼と森に向かい、心寄せ合う二人はその場で夜を明かしてしまう。 目覚めたミアはカメラマンを見つけ、それをニコラスが仕組んだことと思い込み、憤慨してその場を去る。 宮殿に戻ったミアは、既に映像がテレビで流されていることを知るが、それでも彼女と結婚するというアンドリューとキスする。 二人は、互いに何も感じないことに気づきながらも、責任を果たすために結婚式を挙げることにする。 結婚式当日。 ニコラスは式への出席を拒み、諦めていないメイブリーは、何かを企みながら教会に向かう。 使用人の話で、盗み撮りをさせたのがメイブリーだと知ったニコラスは教会に急行する。 式の準備が整い、ミアはジョゼフから、ニコラスが盗み撮りには関わっていないことを知らされる。 式は始まるが、ミアはその場を離れてしまい、彼女に歩み寄ったクラリスは、自分の思う道を選ぶべきだと助言する。 教会に戻ったミアは、アンドリューに指輪を返して、彼は友好的に結婚を辞退する。 ミアは、夫がいなくても、立派に女王を務められることを宣言し、出席者を納得させる。 そこで演説を始めたメイブリーは、別の王位継承者の話を始めるが、現れたニコラスがそれを否定し、二人はその場を去る。 その場で、女王即位に関する、婚姻法撤廃のミアの動議は可決される。 ミアはクラリスに後を譲り、女官のシャーロット・カタウェイ(キャスリーン・マーシャル)にも後押しされた女王は、愛するジョゼフにプロポーズする。 クラリスとジョゼフが結婚式を引き継ぎ、二人は永遠の愛を誓い祝福される。 その後、戴冠式が迫り、その準備を勧めるミアの元にニコラスが現れる。 ニコラスは、女王となる女性に恋したことを告げて、ミアは彼の元に歩み寄り二人は愛を確かめる。 ミアは、戴冠式でクラリスから王冠受け継ぎ、ジェノヴィア女王”アミーリア・ミニョネット・サーモポリス”が誕生する。 その後、ジェノヴィア議会は女性議員としてシャーロットらを迎え、ミアの提案した子供達の施設が開設される。
...全てを見る(結末あり)
ミアは、子供が生まれた母ヘレンの到着を喜び、ヘアー・スタイリストのパオロ・プッタネスカ(ラリー・ミラー)も現れて式の準備を始める。
*(簡略ストー リー)
平凡な少女アミーリア”ミア”・サーモポリスは、ジェノヴィアのプリンセス及び王位継承者となり、大学を卒業して祖国に向かう。
祖母である女王クラリスの元で、戴冠式の準備を始めていたミアだったが、メイブリー子爵が、甥のニコラス・デヴロー卿に王位継承権があると主張する。
女王の婚姻法により、ミアは30日以内に結婚しない場合に、王位継承権を失うことになってしまう。
恋人もいないミアは戸惑うが、何んとか理想の男性アンドリューを見つけて、早々に婚約を発表する。
しかし、ニコラスに王位を渡すため、メイブリーは諦めることなく、ミアの結婚を妨害し始める。
メイブリーの指示で、ミアに接近するニコラスだったが、次第に彼女に心寄せるようになり、二人はお互いを意識し始めるのだが・・・。
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舞台がアメリカからジェノヴィアに移り、前作を意識させない雰囲気で展開するストーリーは新鮮だ。
王位継承権をめぐる、王室、議会のゴタゴタに巻き込まれるヒロインは、相変わらずトラブルばかり起こすのだが、少女から大人となりつつあり、その成長も窺える行動力が見どころとも言える。
興行収入は前作を下回るものの、北米で約9500万ドル、全世界では約1億3500万ドルのまずまずのヒットとなった。
ゲイリー・マーシャルの小気味よい演出は健在なのだが、前作の記事でも触れた、彼が気の毒に思えてしまう、本作の宣伝文句”プリティ・シリーズ最新作”とは、いったい何を意味しているのだろうか???
それはともかく、王位をめぐる陰謀もそれほど陰湿でもなく、イングランド”ロングフォード城”のロケや美しい自然を映し出す映像が、いかにもディズニー作品らしい。
20歳も過ぎて落ち着きも感じられる中で、内気な少女から快活な女性になったプリンセスを熱演するアン・ハサウェイ、彼女を温かく見守りながら、自らの愛も実現させるエピソードが微笑ましい女王のジュリー・アンドリュース、彼女との愛に、男としてのプライドを懸ける警護官を好演するヘクター・エリゾンド、ヒロインの友人ヘザー・マタラッツォ、ヒロインを陥れる立場から、愛し合うようになるクリス・パイン、その叔父で、王位を奪うための陰謀を画策する子爵ジョン・リス=デイヴィス、ヒロインが選ぶ結婚相手の公爵カラム・ブルー、王室の女官キャスリーン・マーシャル、議会の長老トム・ポストン、某国王女役のレイヴン=シモーネ、ヘアー・スタイリストのラリー・ミラー、ヒロインの母キャロライン・グッドール、その再婚相手ショーン・オブライアン、議会議員ポール・ウィリアムズ、そして、パレードに参加する孤児でアビゲイル・ブレスリンや、結婚式の招待客でスタン・リーなども登場する。