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ポゼッション The Possession (2012)

悪霊にとり憑かれた娘を救おうとする父親と家族を襲う恐怖を描く、製作サム・ライミ、主演ジェフリー・ディーン・モーガンキーラ・セジウィック他共演、監督オーレ・ボールネダルによる実話を基にしたホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■
監督:オーレ・ボールネダル

製作
サム・ライミ

ロバート・タパート
J・R・ヤング
製作総指揮
スタン・ワートリーブ

ピーター・シュレッセル
ジョン・サッキ他
脚本
ジュリエット・スノードン

スタイルズ・ホワイト
撮影:ダン・ローストセン
編集:エリック・L・ビーソン
音楽:アントン・サンコー

出演
クライド・ブレニク:ジェフリー・ディーン・モーガン

ステファニー・ブレニク:キーラ・セジウィック
エミリー”エム”ブレニク:ナターシャ・カリス
ハンナ・ブレニク:マディソン・ダヴェンポート
ザデック:マティスヤフ
ブレット:グラント・ショウ
マクマニス教授:ジェイ・ブラゾー

アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート

2012年製作 92分
公開
北米:2012年8月31日
日本:2013年5月25日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $49,130,150
世界 $85,446,080


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
あるアンティークの木箱から不気味な声を聞いた老婦人は、髪の毛が抜けたことに気づく。

木箱を金槌で壊そうとした婦人だったが、何かにとり憑かれたようになり暴れ始めて傷を負い倒れこむ。

大学のバスケットボール・コーチであるクライド・ブレニク(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、妻ステファニー(キーラ・セジウィック)と3カ月前に離婚していた。

そんなクライドは、週末ごとに二人の娘ハンナ(マディソン・ダヴェンポート)とエミリー”エム”(ナターシャ・カリス)と過ごす日々を送っていた。

娘達を迎えに行き新しい家に連れて行ったクライドは、翌日、彼女らとドライブに出かける。
...全てを見る(結末あり)

三人は、通り沿いの家のガレージセールに寄り、エミリーは、ある言葉(ヘブライ語)が書かれた、アンティークの木箱を見つける。

エミリーは、家の住人(老婦人)が、重傷を負って部屋の中で療養していることに気づく。

老婦人は、エミリーが木箱を持っていることに気づき取り乱す。

木箱が気に入ったエミリーは、それを家に持ち帰り、中に何かが入っているのをクライドと確認するものの、開けることはできなかった。

その夜、眠っていたエミリーは箱が気になり、それを開けることができた彼女は、中にあった蛾の死骸や指輪、抜かれた歯などを確認する。

翌朝、ハンナの叫び声で目覚めたエミリーは、彼女のベッドに蛾がいることを知り、それをクライドが殺す。

指輪をはめていたエミリーは、体調がおかしいことに気づきながら、母ステファニーの元に帰る。

ステファニーに渡した家から私物を運び出そうとしたクライドは、彼女が付き合う歯科医ブレット(グラント・ショウ)が、自分の家のような顔をしてその場にいることを気にする。

翌週末、クライドの家に向かったエミリーは、冷蔵庫の中身が床に投げ出されていることに気づく。

クライドは、それがアライグマの仕業だろうと言って歯入り口を塞ぐ。

その夜、箱の蓋が開き、エミリーは自分の名前を呼ぶ声を聞く。

朝食の際、エミリーがフォークで皿を叩くためにクライドはそれを叱る。

エミリーは、咄嗟にクライドの手の甲をフォークで刺してしまい、彼に謝罪する。

その夜ハンナは、洗面所に大量の蛾がいることに気づき、クライドは、蛾の大群の中でベッドに座り込むエミリーを助け出す。

娘達をステファニーの家に戻したクライドは、エミリーに異変がないかを尋ねる。

ステファニーは、自分達の離婚でエミリーが混乱していると答える。

その後クライドは、ハンナのダンスを見に行けなかったことを謝罪するために電話を掛ける。

気分を害していたハンナから電話を渡されたエミリーは、箱に近づかないようにとクライドに伝え、そのことを異常に気にする。

帰宅したクライドは箱の中を調べ、同じ頃、エミリーは体に異変を感じ、喉の奥に何かがいることを確認する。

翌週、箱を学校にまで持っていったエミリーは、それを見ようとしてクラスメイトに乱暴して取り乱す。

校長に呼ばれたクライドとステファニーは、最近様子のおかしいエミリーが、友達と遊ばずに宿題もやってこないことなどを知らされる。

両親の離婚が関係しているのではないかと言うクライドとステファニーだったが、担任は、エミリーが箱を異常に気にしていることを伝える。

話し合いを終えたステファニーは、クライドがノースカロラナ大学のコーチに誘われていることを知っていたため、娘達を見捨てるつもりだと言って彼を非難する。

その夜、箱を預かったエミリーの担任は、それを開けようとして異変に襲われ、二階の窓を突き破り転落死する。

箱についてエミリーと話し合ったクライドは、中にいる女性の友達と会話をしていると言われる。

クライドは箱を処分するが、エミリーにそれを責められ、彼女は暴力を振るわれたと言って家を飛び出す。

手は出していないとハンナに言ったクライドはエミリーを追う。

エミリーは箱を見つけて、中から飛び立った蛾を大量に吸い込んでしまう。

クライドがエミリーを見つけて、駆け付けたステファニーに引き渡す。

エミリーを殴ったことをステファニーに疑われたクライドは、彼女に罵倒され見限られる。

ある日エミリーは、箱の中の歯をブレットに渡し、嫌っていることを伝えて彼を罵る。

その後、箱を大学教授マクマニス(ジェイ・ブラゾー)に見せたクライドは、それが、1920年代のポーランドで、ユダヤ人により作られた”ディブック”(死者の霊)の箱だと知らされる。

クライドが恐ろしい物を所持することに驚くマクマニスは、”決して開けるな”という警告のため、開かないようにしてあったはずだと語る。

クライドは除霊についてを調べ、ステファニーが留守の間に、エミリーの元に向かいそれを試す。

それが無駄だと分かったクライドは、エミリーにとり憑いている者に話しかけるが、そこにステファニーが現れて追い出される。

クライドは、ブルックリンにある”ハシド派”のコミュニティーに向かい、連絡していたユダヤ人ザデック(マティスヤフ)に会う。

ザデックは、ラビである父親にクライドのことを伝え、彼が持参した箱を見せる。

娘が箱を開けてしまったことを正直に話したクライドは、悪魔が、純粋な魂を持つ、とり憑く者を探しているとラビから知らされる。

悪魔が、最後にはとり憑く者を食い殺し”生命”を求めるとも言われたクライドは、娘を救う方法を尋ねる。

ラビは、悪魔の名前を呼び箱に戻るよう命ずることだと答えるが、クライドは名前は分からないと伝える。

除霊の儀式を見たというクライドは、それが危険だと言うラビに、変わってしまった娘を助けたい気持ちを伝える。

神の意思に任せるしかないとラビに言われたクライドは、彼らの協力を得られないと考え箱を持ってその場を去る。

しかしザデックが、許される範囲の戒律違反であり、人命を救うを手助けをすると言ってクライドに同行する。

その夜ステファニーは、野獣のように変わり果てたエミリーに驚く。

エミリーは、襲い掛かる寸前で正気に戻り、ステファニーに抱き付く。

ブレットに相談したステファニーは、エミリーを専門医に診せることを提案される。

外泊を装い出かける準備をしていたブレットは、エミリーに見つめられながら歯が抜け落ちたことに気づき、取り乱してその場から車で走り去る。

エミリーは発作を起こし、見守るハンナの前で口から蛾を吐き出す。

その頃、車内で箱の鏡を割ったザデックは、”アビズー”(子殺し)という言葉が書かれていることを確認する。

病院に運ばれたエミリーは、MRI検査を受けるのだが、彼女の体内の映像に人の顔が映ったため、ステファニーとハンナ、そして医師らは驚く。

ステファニーは、駆け付けたクライドに、エミリーの体内に何かがいたことを伝える。

自分を信じて欲しいことをステファニーに伝えたクライドは、ザデックを紹介する。

理学療法室に場所を移し、ザデックは除霊を始めるが、エミリーは暴れてその場から逃げ去る。

それを追ったクライドは、遺体安置所でエミリーに襲われる。

正気に戻ったと思われるエミリーと抱き合うクライドを見て、ザデックは、消えた悪魔を呼び出そうとして”アビズー”と言って叫ぶ。

クライドにとり憑いていた悪魔は、ザデックの除霊により箱に戻る。

エミリーと意識の戻ったクライドは抱き合い、ザデックは落ちていた指輪を拾い箱を持ち帰る。

その後、クライドは家に戻り家族4人元は平穏な生活を始める。

ザデックは、車を譲るというクライドに別れを告げ、箱を持参してブルックリンに戻ろうとする。

しかし、車はトラックと衝突してザデックは死亡し、無傷だった路上の箱からは、ポーランド語の言葉が聞こえる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
大学のバスケット・ボールのコーチ、クライド・ブレニクは、3カ月前に妻ステファニーと離婚し、週末を娘達と過ごす日々を送っていた。
ある週末、クライドは娘達を連れて出かけた際にガレージセールに寄り、次女エミリーがアンティークの木箱を気に入る。
箱を家に持ち帰ったエミリーは、その中に蛾の死骸や指輪、抜けた歯などが入っていることを確認する。
その後、エミリーは箱を異常に気にするようになり、体調に異変を感じる。
クライドは、娘が別人のようになってしまったことを心配するが、ステファニーは、離婚によりエミリーが混乱しているだけだと考える。
その後、クライドは大学教授の助言により、箱が悪霊を閉じ込めるユダヤ人が作った物だということを知る・・・。
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ファンから絶大な支持を受けるスプラッター・ホラー「死霊のはらわた」(1981)シリーズのサム・ライミが製作に参加している。

アメリカでマニアがオークション・サイトに出品して話題になった出来事を基にしている物語で、監督オーレ・ボールネダルの、悪魔祓いを描いた名作「エクソシスト」(1973)を意識した演出も見逃せない。

ショッキングなシーンや恐ろしい描写はどぎつくなく、それよりも、ドラマのキーポイントとなる、死者の霊を閉じ込めるという開けてはならない”ディブック・ボックス”の存在の他、ユダヤ教の儀式による除霊が実に興味深い。

娘を救おうとして命を懸ける父親を熱演するジェフリー・ディーン・モーガン、その妻キーラ・セジウィック、悪霊にとり憑かれる主人公の次女役ナターシャ・カリス、長女のマディソン・ダヴェンポート、家族を救うハシド派ユダヤ人役で、レゲエ・ミュージシャンのマティスヤフ、ステファニー(K・セジウィック)の恋人グラント・ショウ、大学教授ジェイ・ブラゾーなどが共演している。


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