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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ The Place Beyond the Pines (2013)

恋人と息子のために生きる犯罪者と警官の因縁が両者の息子達に関わる問題として描かれる、監督、脚本デレク・シアンフランス、主演ライアン・ゴズリングブラッドレイ・クーパーエヴァ・メンデスレイ・リオッタ他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:デレク・シアンフランス

製作
リネット・ハウエル

シドニー・キンメル
アレックス・オルロフスキー
ジェイミー・パトリコフ
製作総指揮
マット・ベレンソン

ジム・タウバー
脚本
デレク・シアンフランス

ベン・コッチオ
ダリウス・マーダー
撮影:ショーン・ボビット
編集
ジム・ヘルトン

ロン・パテイン
音楽:マイク・パットン

出演
ルーク・グラントン:ライアン・ゴズリング

エイヴリー・クロス:ブラッドレイ・クーパー
ロミーナ・グティエレス:エヴァ・メンデス
ピーター・デルカ:レイ・リオッタ
ロビン・ファン・デル・ズィー:ベン・メンデルソーン
ジェニファー・クロス:ローズ・バーン
コフィ:マハーシャラ・アリ
ビル・キルカレン:ブルース・グリーンウッド
ジェイソン・カンカム:デイン・デハーン
AJ・クロス:エモリー・コーエン
アル・クロス:ハリス・ユーリン
ウィズボウスキー:ロバート・クロヘシー
マレーナ:オルガ・メレディス

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2013年製作 140分
公開
北米:2013年3月29日
日本:2013年5月25日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $21,403,520
世界 $35,485,610


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークオルタモント
移動カーニバルのバイクショーで稼ぐルーク・グラントン(ライアン・ゴズリング)は、天才ライダーではあったが、その日暮らしの生活が続いていた。

かつての恋人ロミーナ・グティエレス(エヴァ・メンデス)に再会したルークは、彼女を家まで送る。

翌日、ショーを終えたルークはロミーナの家に向かい、仕事で留守だった彼女の母親マレーナ(オルガ・メレディス)から、自分に子供がいたことを知らされる。

ロミーナが自分の子供を産み育てていたことにショックを受けたルークは、彼女の働くダイナーに向かう。

ルークはロミーナから事情を聞き、黙っていた理由と頼る気のないことを知りその場を去る。
...全てを見る(結末あり)

その後ルークは、仕事を辞めてロミーナを再び訪ねる。

町に残ったことをロミーナに伝えたルークは、恋人コフィ(マハーシャラ・アリ)と出かける彼女を見守る。

後を追ったルークは、教会で洗礼を受ける息子ジェイソンの姿を見て責任を感じる。

森の中を走っていたルークは、修理屋のロビン・ファン・デル・ズィー(ベン・メンデルソーン)に出会い、彼の元で働くことになる。

ロミーナとジェイソンのことを気にしながらの日々を過ごし、子供のために金が必要なルークは、バイクのテクニックに目を付けたロビンから銀行強盗に誘われるもののそれを断る。

ロミーナに会ったルークは、子供や家族を養いたいことを伝えるが、彼女に信じてもらえない。

仕方なくロビンの話に乗ったルークは、単独で銀行を襲いバイクで逃走する。

郊外で待機していたロビンのトラックの荷台に隠れ、警察をまいたルークは大金を手に入れて喜ぶ。

その後、ロミーナと寄りを戻したルークは、満ち足りた日々を過ごすようになる。

ルークはロビンと銀行強盗を続け、ロミーナやジェイソンのために尽くそうとする。

しかし、コフィの家で暮らしているロミーナは、彼と言い争いになり暴力を振るったルークを非難する。

ルークは傷害罪で逮捕され、保釈金を払い釈放されるものの、ロミーナらには近づけなくなる。

その後もルークは銀行強盗を続けようとするが、ロビンは手を引く。

ロミーナに相手にされないものの現金を渡したルークは、ロビンにバイクを壊され、彼を脅して金を巻き上げる。

再び銀行を襲ったルークは、代わりのバイクの不調で警官に追われる。

タイヤがパンクして横転し、民家に逃げ込んだルークは、新米警官のエイヴリー・クロス(ブラッドレイ・クーパー)に追い詰められる。

エイヴリーは、ルークのいる部屋に押し入り警告もせずにいきなり彼を銃撃する。

銃弾を受けたエイヴリーは、二階から落下して死亡したと思われるルークを見て動揺する。

入院したエイヴリーは、妻ジェニファー(ローズ・バーン)や父親のアル(ハリス・ユーリン)に見守られる。

エイヴリーは英雄となるが、検事ビル・キルカレン(ブルース・グリーンウッド)から事件の状況を聞かれ調査を受ける。

退院したエイヴリーはテレビでも報道され、州最高裁判事の父アルは喜びを伝える。

死亡したルークの犯罪歴などが明らかとなり、エイヴリーは、彼に自分と同じ幼い子供がいたことを知る。

そのことが気になったエイヴリーは苦悩し、ジェニファーは、それでも復帰しようとする夫が気になる。

ある日、同僚のピーター・デルカ(レイ・リオッタ)らが訪ねてきたため歓迎したエイヴリーは、用があると言われて連れ出される。

ロミーナの家に向かったピーターは、彼女がルークから金を受け取った事実を調べようとするが、エイヴリーは戸惑う。

子供のベッドから現金は見つかるが、何もなかったということになり、ピーターらは引き上げる。

1万4000ドルあった現金の半分を渡され受け取ってしまったエイヴリーは、それをガレージに隠す。

その後エイヴリーは表彰され、それを利用するべきだと言う父アルの言葉を気にしながら彼は職務に復帰する。

キルカレン検事及び内部調査の結果、エイヴリーのルークに対する発砲は合法と判断される。

退職か異動を選択することになり、風俗犯罪化に配属されたエイヴリーは、金を受け取った見返りとして、悪徳警官に利用されそうになる。

現金をロミーナに返そうとしたエイヴリーは、人生を台無しにされたと言われて彼女にそれを拒まれる。

署に戻ったエイヴリーは、現金の件を署長ウィズボウスキー(ロバート・クロヘシー)に伝えるものの、仲間を売ることになることを非難されて相手にされない。

保管庫に向かい、ルークの証拠品のリュックサックに現金を入れたエイヴリーは、ピートに呼び出されるものの、危険を察してその場を逃れる。

父アルに相談したエイヴリーは、自分に協力を求める同僚との会話を録音しキルカレンに聴かせる。

覚悟を決めたエイヴリーは、自分に地方検事補の職を約束させて、キルカレンはそれを承知しピーターらは逮捕される。

15年後。
父アルの葬儀を終えたエイヴリーは、別れた妻ジェニファーと暮らしていた息子AJ(エモリー・コーエン)を引き取ることになる。

州司法長官候補のエイヴリーは、選挙のため多忙ではあったが、親子関係がしっくりいかないAJと仕方なく暮らすことになる。

AJは地元の高校への転校手続きを済ませて、ジェイソン・カンカム(デイン・デハーン)と親しくなるが、ドラッグ所持で逮捕されてしまう。

連絡を受けて警察署に向かったエイヴリーは、AJといた少年ジェイソン(ルークの息子)の名前を聞いて驚く。

AJに会ったエイヴリーは、ジェイソンと付き合うことを禁じられるものの、二人は釈放された後も顔を合わせる。

ジェイソンは、ロミーナといた黒人のコフィのことをAJに問われて気分を害し、帰宅後に父親についてを母に尋ねる。

ロミーナはそれに答えようとせず、ジェイソンは、コフィから父親の名前を聞きネットで調べる。

父ルークはバイク乗りの銀行強盗で、警官に射殺されたことを知ったジェイソンは、彼が働いていたロビンの工場を訪ねてみる。

ロビンに会ったジェイソンは、当時の新聞を見せられて、父ルークを撃った警官エイヴリーのことなどを知る。

学校でAJに謝罪されたジェイソンは、パーティーに誘われてドラッグを持参するよう言われる。

薬局で薬を盗んだジェイソンはAJの家に向かい、彼の父親がルークを撃った警官だということを知ってしまう。

AJに言い寄ったジェイソンは、家から追い出されて叩きのめされる。

病院に運ばれたジェイソンは、何も話さなかったロミーナを恨み、退院後に姿を消してしまう。

銃を手に入れたジェイソンは、AJの家に向かい彼を傷つけ、帰宅したエイヴリーを連れて森に向かう。

エイブリーに銃を向け財布を奪ったジェイソンは、彼に謝罪されてその場を去る。

ジェイソンは、自分とルークそしてロミーナが写っている写真をエイヴリーが持参していたことを知りながら車でその場から走り去る。

その後エイヴリーは、選挙では、息子AJの飲酒問題や強盗に襲われたことなどで苦境に立たされる。

しかし、犯人の身元は不明のまま、エイヴリーは選挙で逆転勝利する。

ロミーナは、ジェイソンからの手紙を受け取り、ルークと共に3人で撮った写真を確認する。

旅を続けていたジェイソンは、バイクを手に入れて西に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨークオルタモント
ライダーのルーク・グラントンは、移動カーニバルのバイク・ショーを担当する、その日暮らしの男だった。
元恋人ロミーナと再会したルークは、彼女が自分の子供を産み育てていることを知る。
責任を感じたルークは町に残り、ロミーナと息子のために尽くそうとするものの、それを彼女に信じてもらえない。
その後ルークは、知り合った修理工のロビンに誘われ、バイクのテクニックを活かし銀行強盗をして大金を手に入れる。
ロミーナと寄りを戻したルークだったが、その後も強盗を続け、新米警官エイヴリー・クロスに追われて銃撃される。
傷を負いながらも事件を解決して、英雄となったエイヴリーだったが、銃撃して落下死したルークにも、自分と同じ幼い子供がいたことを知り苦悩する・・・。
__________

ブルーバレンタイン」(2010)で高い評価を得たデレク・シアンフランスライアン・ゴズリングが再び組み、豪華スター競演も話題になった作品。

世間の一般的な考えと逸脱する生活を送る青年が、元恋人や我が子の存在を知り平凡な暮らしを求める単純な物語と思いきや、主人公の人生が一変する事件(主人公は死亡)から、それに関わった警官、そしてお互いの子供の世代が絡む、デレク・シアンフランスの奥深い演出が光るドラマとなっている。

繋がりを見せる二人の男の物語は、驚くことに、中盤前に主人公は死亡してしまう。
後半は、警官から検事補となった州司法長官候補者と息子達の関係が描かれているため、二つのストーリーのような内容が実に興味深い。

軽重犯罪や警察内部の汚職、ドラッグや銃など、アメリカ社会の抱える問題を浮き彫りにする社会派ドラマとも言える作品。

後半は写真のみでしか登場しない、その日暮らしの生活から、犯罪者ではあるが、恋人や子供のために生きる、一途な男を好演するライアン・ゴズリング、彼の死の意味を考え苦悩する警官ブラッドレイ・クーパー、主人公の元恋人で幸薄い雰囲気の女性を演ずるエヴァ・メンデス、悪徳警官レイ・リオッタ、主人公と銀行強盗で共謀する修理工のベン・メンデルソーン、エイヴリー(B・クーパー)の妻役ローズ・バーン、息子エモリー・コーエン、父親ハリス・ユーリン、主人公の息子デイン・デハーン、ヒロインの恋人マハーシャラ・アリ、母親オルガ・メレディス、警察署長ロバート・クロヘシーなどが共演している。


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