サイトアイコン That's Movie Talk!

踊る海賊 The Pirate (1948)

カリブ海の村を舞台に伝説の海賊に憧れる女性と旅芸人一座の花形役者との恋を描く、製作アーサー・フリード、監督ヴィンセント・ミネリ、主演ジュディ・ガーランドジーン・ケリーウォルター・スレザクグラディス・クーパーレジナルド・オーウェン他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ジュディ・ガーランド / Judy Garland / Pinterest
ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ヴィンセント・ミネリ

製作:アーサー・フリード
原作:S・N・バーマン”The Pirate”
脚本
アルバート・ハケット
フランセス・グッドリッチ
フランシス・マリオン(クレジットなし)
ジョセフ・L・マンキウィッツ(クレジットなし)
ジョセフ・ザン(クレジットなし)
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:ブランチ・シューエル
音楽
コール・ポーター
レニー・ヘイトン
コンラッド・サリンジャー

出演
マヌエラ:ジュディ・ガーランド
セラフィン:ジーン・ケリー
ドン・ペドロ・バルガス/マック”ザ・ブラック・マココ:ウォルター・スレザク
イネス:グラディス・クーパー
弁護士:レジナルド・オーウェン
副王:ジョージ・ザッコ
劇団のダンサー:ニコラス・ブラザーズ
カプーチョ:レスター・アレン
イザベラ:ローラ・オルブライト
メルセデス:エレン・ロス
リザルダ:メアリー・ジョー・エリス
カシルダ:ジーン・ディーン
エロイーズ:マリオン・マレー
ガンボ:ベン・レッシー
ボロ:ジェリー・ベルゲン

アメリカ 映画
配給 MGM
1948年製作 102分
公開
北米:1948年5月20日
日本:1951年6月29日
製作費 $3,768,000
北米興行収入 $1,874,000
世界 $2,656,000


アカデミー賞
第21回アカデミー賞

・ノミネート
ミュージカル音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
カリブ海の小さな村カルバドス。
両親を亡くしたマヌエラ(ジュディ・ガーランド)は、伝説の海賊”マック”ザ・ブラック・マココ”が自分を連れ去ってくれることを夢見ていた。

そんなマヌエラは、育ての親である叔母イネス(グラディス・クーパー)から、市長のドン・ペドロ・バルガス(ウォルター・スレザク)が結婚相手に決まったことを知らされて戸惑う。

イネスは、地位や財産があるドン・ペドロとの結婚は、孤児であるマヌエラにとって最高の選択であると考える。

夫カプーチョ(レスター・アレン)と共にドン・ペドロを迎えたイネスは、彼にマヌエラを紹介する。

ドン・ペドロは、持参した婚約指輪をマヌエラに見せて、左手の薬指にはめる。

その夜マヌエラは、イネスから、セバスチャン港に嫁入り道具が届くころだと知らされる。

その場に行きたいと言うマヌエラは、結婚前にカリブ人に会ってみたいとイネスに伝えて説得し、許可を得る。

セバスチャン港。
マヌエラの荷物を運んだ船に同乗していた劇団の花形役者セラフィン(ジーン・ケリー)は、人々に宣伝を始める。
...全てを見る(結末あり)

団員と共に船を降りたセラフィンは、女性たちに声をかけながら歌い(Niña)、イネスと共に港に着いたマヌエラに気づき一目惚れしてしまう。

マヌエラに話しかけたセラフィンは、名前や既婚者かを尋ね彼女に迫る。

マヌエラが来週には結婚することを知ったセラフィンは、取り消すようにと言って、相手は自分だと伝える。

厚かましいセラフィンを相手にしないマヌエラはその場を去ろうとするが、今晩の席を取っておくと言う彼が役者だということを知る。

夜になり劇団のショーは始まり、マヌエラが観に来たことに気づいたセラフィンは、舞台に立ち彼女に催眠術をかける。

セラフィンは、マヌエラの名前と住んでいる場所を聞き出し、彼女が愛しているのはマココだということを知る。

マヌエラは、その考えを変えようとするセラフィンの話を聞かずに、マココの素晴らしさについて歌い踊り(Mack the Black)、喝采を浴びる。

セラフィンは、目覚めないマヌエラにキスしてしまう。

目覚めたマヌエラは、女が人前で歌ってしまったことを恥じて、その場から逃げ去り部屋に戻り、イネスを起こして、村に帰りたいと言って興奮しながら伝える。

結婚式当日。
準備をしていたマヌエラは、セラフィンが劇団を連れて現れたために驚く。

マヌエラから港で起きたことを聞いたイネスは焦り、カプーチョに誰も入れないようにと指示し、ドン・ペドロの家に向かう。

セラフィンは綱渡りをしてマヌエラの部屋に向かい、結婚式を阻止すると言って、ショーでは素晴らしい歌だったことを伝える。

愛しているのは自分だと言い張るセラフィンは、マヌエラに追い払われそうになり、現れたドン・ペドロと2人で話そうとする。

憤慨するドン・ペドロが悪名高きマココだと気づいたセラフィンは、その名を叫び、マヌエラに知られたくない彼を黙らせる。

部屋の外にいるマヌエラらに去るよう指示したドン・ペドロは、セラフィンの話を聞き、バルコニーに出て劇団の公演があることを人々に伝え、後援者になるよう指示される。

指示に従ったドン・ペドロは、劇団の興業を許可することを人々に伝える。

セラフィンは、ドン・ペドロとは知り合いだったことをマヌエラに話し、イネスとカプーチョを追い払う。

マヌエラを船旅に誘うものの断られたセラフィンは、結婚式は延期するしかないとドン・ペドロに伝えてその場を去る。

マヌエラは、自分の心を射止めるためにセラフィンがマココのふりをしているとも知らずに、本人が目の前にいたと思い込み気絶してしまう。

ドン・ペドロの屋敷を宿舎にすることを団員に伝えたセラフィンは、現れた兵士を撃退する姿を、意識が戻ったマヌエラに見せてマココを演ずる。

人々を集めたセラフィンは、マヌエラを手に入れなければ村を焼き払うと言って皆を脅す。

焦った弁護士(レジナルド・オーウェン)らはドン・ペドロに会い、マココ(セラフィン)の要求を伝える。

それを拒むドン・ペドロは兵士を呼びに行き、マヌエラと話をした弁護士は、村の人々のために犠牲になってほしいと彼女に伝える。

マヌエラは、それを断りながら着飾り、人々に見送られながら、セラフィンをマココだと思い彼の元に向かう。

迎えてくれた団員と話をしたマヌエラは、セラフィンがマココに扮しているだけだと気づいて苛立ち、復讐のために現れた彼を誘惑し始める。

マヌエラは花瓶などをセラフィンに投げつけて気絶させてしまい、意識が戻った彼に惹かれていることに気づ気ながら歌う(You Can Do No Wrong)。

国王の代理である副王(ジョージ・ザッコ)は、ドン・ペドロからマココの話を聞き、彼に盗まれた財宝を確認する。

副王と共に兵士を従えて屋敷に戻ったドン・ペドロは、セラフィンを捕らえる。

マヌエラから、セラフィンがマココに扮していた役者だと言われた副王は、彼女の話を聞こうとせず、家に送り届けるよう兵士に指示する。

マココだということを否定するセラフィンの話を無視する副王は、財宝を見せて、彼が盗んだものと断定して、強盗殺人罪で告発し収監することを命ずる。

その後、絞首刑に処せられるセラフィンは処刑場に向かい、彼を助けようとしたマヌエラは、海賊ではないと言って訴える。

財宝を見せられたマヌエラは、ドン・ペドロはから渡された指輪と同じデザインのブレスレットを見つけて、彼がマココだと気づく。

処刑の実行を告げた副王だったが、セラフィンの発言を認め、処刑前に最後の芝居をする許可を求められる。

それを断られるものの、副王を説得して許可されたセラフィンは、一座の兄弟ダンサー(ニコラス・ブラザーズ)と共に歌い踊る(Be a Clown)。

鏡を使いドン・ペドロに催眠術をかけたセラフィンだったが、イネスが日傘で鏡を割ってしまう。

それを見たマヌエラは、催眠術にかかっているふりをして、セラフィンに案内されて舞台に上がり歌う(Love of My Life)。

マヌエラはマココへの永遠の忠誠を誓いセラフィンにキスし、嫉妬したドン・ペドロは、自分がマココであることを明かしてしまい取り乱す。

ドン・ペドロは銃を手にするが、団員たちが襲いかかり取り押さえる。

その後、マヌエラは劇団に加わり、セラフィンと共に舞台に立ち歌い踊る(Be a Clown)。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
カリブ海の小さな村カルバドス。
両親を亡くしたマヌエラは、伝説の海賊”マココ”が自分を連れ去ってくれることを夢見ていた。
そんなマヌエラは、育ての親である叔母イネスの指示で、市長のドン・ペドロとの結婚が決まる。
嫁入り道具を受取りに港に向かったマヌエラは、旅芸人一座の花形役者セラフィンに一目惚れされてしまう。
マヌエラに迫り結婚を阻止しようとしたセラフィンは、彼女を追って村に向かうのだが・・・。
__________

1942年に上演された、S・N・バーマンの戯曲”The Pirate”を基に製作された作品。

殆どの作品でアーサー・フリードと組んでいたヴィンセント・ミネリが、妻ジュディ・ガーランドジーン・ケリーの共演で演出した作品。

カリブ海の村を舞台に、伝説の海賊に憧れる女性と旅芸人一座の花形役者との恋を描くミュージカル。

第21回アカデミー賞では、ミュージカル音楽賞にノミネートされた。

MGMのトップスターであるジュディ・ガーランドが、両親を亡くし叔母に育てられたという役柄を、ファンタジックな内容と共にお姫様のように演じ、豪華な衣装なども話題になり、もちろん見事な歌声も披露してくれる。
実は、撮影時のジュディ・ガーランドは精神的にかなり不安定な時期であり、療養所に入れられ自殺未遂まで起こしトラブル続きだったのだが、そう思えないところがプロ意識を感じさせてくれる。

また、彼女の相手役を演ずるジーン・ケリーは、旅芸人一座の花形役者を演じ、彼らしいアクロバティックなパフォーマンスを存分に見せてくれる。
クライマックスでニコラス・ブラザーズと歌い踊るコール・ポーターの書下ろし曲”Be a Clown”のダンスは見事で、ラストを飾るジュディ・ガーランドとの同曲のパフォーマンスも実に楽しい。

ヒロインとの結婚が決まるもののトラブルに巻き込まれる、実は海賊だった市長のウォルター・スレザク、ヒロインの叔母グラディス・クーパー、その夫レスター・アレン、弁護士のレジナルド・オーウェン、副王のジョージ・ザッコ、劇団のダンサー役ニコラス・ブラザーズ、村の女性ローラ・オルブライト、エレン・ロス、メアリー・ジョー・エリス、ジーン・ディーン、マリオン・マレー、劇団員のベン・レッシージェリー・ベルゲンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了