サイトアイコン That's Movie Talk!

オペラの怪人 The Phantom of the Opera (1925)

1909年から日刊紙”Le Gaulois”に連載された、ガストン・ルルーの小説”オペラ座の怪人”を基に製作された作品。
オペラ座に出没する怪人に怯える人々に襲いかかる恐怖を描く、製作カール・レムリ、監督ルパート・ジュリアンロン・チェイニーエルンスト・レムリエドワード・セジウィック、主演ロン・チェイニーメアリー・フィルビンノーマン・ケリーアーサー・エドマンド・ケアウィ他共演のサイレント・ホラーの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督

ルパート・ジュリアン
クレジットなし:
ロン・チェイニー
エルンスト・レムリ
エドワード・セジウィック
製作:カール・レムリ クレジットなし
原作:ガストン・ルルーオペラ座の怪人
脚本
クレジットなし:
ウォルターアンソニー
エリオット・J・クローソン
レイモンド・L・シャロック
バーナード・マッコンヴィル
フランク・M・マコーマック
トム・リード
ジャスパー・スピアリング
リチャード・ウォレス
撮影
クレジットなし:
ミルトン・ブライデンベッカー
ヴァージル・ミラー
チャールズ・ヴァン・エンガー
編集
クレジットなし:
エドワード・カーチス
モーリス・パイヴァー
ギルモア・ウォーカー

出演
オペラ座の怪人/エリック:ロン・チェイニー
クリスティーヌ・ダーエ:メアリー・フィルビン
ラウル・シャニュイ子爵:ノーマン・ケリー
ルドゥ:アーサー・エドマンド・ケアウィ
シモン・ブケー:ギブソン・ゴウランド
フィリップ・シャニュイ伯爵:ジョン・セント・ポリス
フロリン・パピヨン:スニッツ・エドワーズ
カルロッタ/カルロッタの母親:ヴァージニア・ピアソン

クレジットなし

ジョセフ・ブケー:バーナード・シーガル
劇場支配人:ジョセフ・ベルモント
メフィストフェレス:アレクサンダー・ビヴァニ
ファウスト:エドワード・セシル
バレリーナ:ルース・クリフォード
道化師:ロイ・コールソン
クリスティーヌの楽屋の警備員:ジョージ・デイヴィス
マダム・ジリー:マダム・フィオレンツァ
旧劇場支配人:チェザーレ・グラヴィナ
モンシャルマン:ブルース・コヴィントン
デビエン:ウィリアム・ハンフリー
リカール:ジョージ・B・ウィリアムズ
メグ・ジリー:カーラ・レムリ
マルタ:クレイス・マーヴィン
ヴァレンティン:ジョン・ミルジャン
役名不明:ロルフ・セダン
闇のメッセンジャー:ウィリアム・トレイシー
プロンプター:アントン・ヴァヴァカ
照明技師:ジュリアス・ハリス

カットされたシーン

ソレッリ:オリーヴ・アン・アルコーン
オーデラリー:チェスター・コンクリン
ルボフ伯爵:ウォード・クレイン
クリスティーヌのメイド:ヴォラ・ヴェイル
ママ・ワレリウス:エディス・ヨーク

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1925年製作 107分(1925)/93分(1930)
公開
北米:1925年9月6日
日本:1925年9月26日
北米興行収入 $3,751,480
世界 $4,360,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
パリ、オペラ座。
劇場の地下には、忘れ去られた中世の拷問部屋があった。

新シーズンの演目として”シャルル・グノー”の”ファウスト”が上演される。

重役室では契約が交わされ、新しい支配人(ジョセフ・ベルモント)が誕生する。

旧支配人(チェザーレ・グラヴィナ)は”怪人”の話をしながら、特別席5番の人物に注意するよう伝えてその場を去る。

新支配人はその席を調べ、その場に座っていた外套を着た男性を見て驚く。

一旦、部屋を出た支配人が席に戻ると、男性の姿はなかった。

ステージを下りたバレリーナたちは、外套を着た男性の影を見かけて、道具係のフロリン・パピヨン(スニッツ・エドワーズ)と共に怪人ではないかと思う。

その場に謎めいた男ルドゥ(アーサー・エドマンド・ケアウィ)が現れたため、彼が地下から出てきた直後に怪人の噂が広がったことがバレリーナに伝わる。
...全てを見る(結末あり)

バレリーナとフロリンは、怪人を見たと言われている道具係のジョセフ・ブケー(バーナード・シーガル)の元に向かう。

怪人の容姿について語るジョセフは、怖がるバレリーナたちを、怪人を見た地下三階の道具部屋に案内する。

その場に向かったバレリーナたちは、怖くなり逃げ出す。

プリマドンナのカルロッタの母親(ヴァージニア・ピアソン)は、代役のクリスティーヌ・ダーエ(メアリー・フィルビン)が主演することを不満に思い、支配人に抗議する。

怪人から届いた手紙を見せる母親は、クリスティーヌの出演を邪魔した場合は仕事に支障が生じるという、脅迫する内容を支配人に確認させる。

あくまでカルロッタを主演させると言い張る母親は、その場を去る。

しかし、カルロッタが病気になったために、クリスティーヌが”マルグリート”を演ずることになる。

フィリップ・シャニュイ伯爵(ジョン・セント・ポリス)と弟のラウル・シャニュイ子爵(ノーマン・ケリー)は、桟敷席で観劇する。

クリスティーヌの恋人ラウルは、彼女を支援する者がいるらしいと言うフィリップに、自分たちの愛は誰にも邪魔されないと伝える。

閉演後、楽屋に向かったラウルは、夢を実現させたクリスティーヌに求婚する。

オペラを優先するクリスティーヌはそれを断り、ショックを受けたラウルはその場を去る。

壁の向こう側から、天使のような声がクリスティーヌに語りかける。

”今夜の大成功は自分のおかげであり、自分のすべてを与えることで、パリの人々はあなたを尊敬するようになる
仕事に専念し、私のことだけを考えるように
あなたの愛を捧げる価値はある
いつでも私を呼びなさい、待っている・・・”

その言葉を聞いたクリスティーヌは、嬉しく思う。

カルロッタの元には黒い縁取りの手紙が届き、母親はそれを支配人に見せる。

手紙には、”明日、舞台に立つなら不幸が訪れる、仮病を使うように 怪人”という内容が書かれていた。

母親は、クリスティーヌの友人の仕業と思い、何があろうと娘を舞台に立たせると支配人に伝える。

母親が去った後で、デスクに別の黒縁の手紙があることに気づいた支配人は、”明日、舞台に立つのはクリスティーヌであり、違った場合は劇場に呪いをかける”という怪人からの脅迫状を確認する。

翌日、母親に言われたカルロッタ(ヴァージニア・ピアソン)は、警告を無視して舞台に立ち、”マルグリート”を演ずる。

支配人は、桟敷席から舞台を見守り警戒する。

ラウルは、もう会えないというクリスティーヌからの伝言を受け取る。

暫くして照明に問題が起き、シャンデリアが観客席に落下して大惨事になる。

劇場内が混乱する中、ラウルは、不審な男ルドゥが気になる。

クリスティーヌの楽屋に向かったラウルは、戻って来た彼女が、誰かの声に導かれて鏡の奥に姿を消したために、それを追うものの入ることはできなかった。

背後にいた仮面の男/怪人(ロン・チェイニー)を見て驚いたクリスティーヌは、放心状態のまま馬に乗せられて地下に向かう。

ゴンドラに乗り水路を進んだ怪人は、クリスティーヌを住居に案内し、地下5階であることを伝える。

怪人から愛していると言われたクリスティーヌは驚き、愛を求められたために逃げようとするものの、制止される。

愛で救ってほしいとクリスティーヌに伝えた怪人は、かつてエリックという名だったことを話す。

クリスティーヌは意識を失い、怪人は彼女をベッドに運ぶ。

地上では、シャンデリアの惨劇と共にクリスティーヌが失踪したことが、新聞で報道される。

目覚めたクリスティーヌは、自分のために用意された靴やドレスに気づく。

クリスティーヌは、”仮面に触れなければ危害は加えない、恐れず愛してくれれば自由にする”という内容のエリックのメモを確認する。

”Don Juan Triumphant”をオルガンで弾く怪人に近づいたクリスティーヌは、彼の仮面を外してしまう。

その醜く恐ろしい顔を見たクリスティーヌは驚き、忠告を聞かなかったことを怪人に非難されながら、愛しているなら解放してほしいと伝える。

奴隷になると言うクリスティーヌを地上に戻すことにした怪人は、もう一度、舞台で歌うことを許す。

恋人ラウルには二度と会ってはいけない、会えば2人とも死ぬと言われたクリスティーヌは、それを約束する。

クリスティーヌは、”明日、舞台に立つが、見張られているので用心するように”という手紙をラウルに届ける。

人々は、年に一度開催される仮面劇のためにオペラ座に集まる。

クリスティーヌは、仮面をつけたラウルを見つける。

赤い服をまとった幽霊のような者”赤死病の仮面”(怪人)が現れて注目される中、ラウルとクリスティーヌは屋上に向かう。

”アポロン像”の下でラウルと語り合うクリスティーヌは、怪人を見たことを話す。

怪人は、その様子を像の上から見つめていた。

クリスティーヌは、怪人から自分を救ってほしいとラウルに伝える。

カルロッタが怪人の呪いで二度と歌えないので、明日の公演の後で自分を連れて逃げてほしいとラウルに伝えたクリスティーヌは、イングランドに向かうことを提案する。

怪人は、クリスティーヌの裏切りにショックを受ける。

愛を確かめるラウルとクリスティーヌは抱き合い、その場を去る。

劇場内に戻ったラウルとクリスティーヌは、ルドゥに逃げ道を教えてもらう。

その頃、支配人は、エリックという男が、独学で音楽を学んだ黒魔術の達人で、心神喪失したまま逃亡中であることを知る。

翌日の9時、怪しげな馬車がオペラ座の前に止まり、それから降りたラウルは、西門で待つよう御者に指示し、クリスティーヌの楽屋に向かう。

クリスティーヌは現れたラウルに、再び怪人の声を聴き、自分たちの計画は見抜かれていることを伝える。

動揺するクリスティーヌを落ち着かせたラウルは、馬車を待たせてあるので、公演後に逃げると彼女に伝えて安心させる。

その頃、怪人の正体を知ったジョセフが殺され、フロリンが死体を発見する。

兄の死を知ったシモン(ギブソン・ゴウランド)は、怪人への復讐を誓う。

ラウルのことを気遣うフィリップも、劇場で観劇する。

舞台に立つクリスティーヌは、怪人の出現に気づき取り乱す。

幕は閉じられ、ラウルは、姿を消したクリスティーヌを捜して楽屋に向かう。

そこに現れたルドゥから、クリスティーヌの居場所を教えると言われたラウルは、彼が、何か月も怪人を調査している秘密警察だということを知る。

鏡の仕掛けを教えたルドゥは、それを開けてラウルと共に奥に向かう。

昔の拷問部屋を見つけたと言うルドゥは、怪人が地下牢にクリスティーヌを幽閉していることをラウルに知らせる。

警戒しながら地下に向かった2人は、秘密の入口を見つける。

フィリップも地下に向かい、ラウルを捜す。

闇のメッセンジャー(ウィリアム・トレイシー)が現れ、ラウルとルドゥは、引き返さなければ死ぬと警告される。

クリスティーヌの裏切りを批判して責める怪人は、彼女を愛しているために手出しすることはできなかった。

怪人の隠し部屋を見つけたラウルとルドゥは、鏡張りの拷問部屋に落下してしまう。

侵入者に気づいた怪人は、パイプで息をして水路の水に潜り、ゴンドラに乗っていたフィリップに覆いかかり溺れさせる。

ラウルとクリスティーヌは互いの声に気づくものの、居場所が分からない。

戻った怪人、侵入者が死んだことをクリスティーヌに伝え、オルガンを弾き始める。

怪人の隠れ家を見つけたと言うシモンは、今夜、復讐することを皆に伝える。

ラウルとルドゥに気づいた怪人は、彼らを高熱にさらし、苦しむ様子をクリスティーヌに見せる。

仮面を取った怪人は、2人を助けるために何を差し出すかクリスティーヌに尋ねる。

床の扉を見つけたラウルとルドゥは、その場から脱出する。

逃げた場所が火薬庫だと知ったラウルとルドゥは、出口を塞がれてしまう。

怪人は、自分の花嫁になるか、ラウルが死ぬ姿を見るか、クリスティーヌに選ばせる。

その場にあった箱を開けた怪人は、サソリの向きを変えれば自分の花嫁となりラウルを救える、バッタの向きを変えればオペラ座は吹き飛ぶとクリスティーヌに伝える。

シモンが引き連れた多くの人々は、オペラ座に押し入る。

クリスティーヌがサソリの向きを変えると、水路の水が火薬庫に流れ込む。

ラウルとルドゥは溺れそうになり、クリスティーヌから、2人を救うためなら何でもすると言われた怪人は、床の扉を開けて彼らを救い出す。

侵入者に気づいた怪人は、クリスティーヌを連れてその場から逃げる。

シモンらは隠れ家に乱入し、ラウルとルドゥと共に怪人を追う。

西門に出た怪人は、馬車の御者を突き落とし、クリスティーヌを乗せて走り去る。

人々はそれを追い、車輪が外れて馬車が傾き、クリスティーヌが放り出される。

馬車は転倒し、追ってくる人々に気づいた怪人は逃げ去る。

クリスティーヌを助けたラウルは、彼女を抱きしめる。

セーヌ川で怪人を追い詰めたシモンらは、彼を捕らえて痛めつけ、川に投げ込む。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
パリ、オペラ座。
地下に潜む怪人が出没すると言われる中、新シーズンが開幕する。
プリマドンナのカルロッタの代役として、クリスティーヌを主演させなければ劇場に呪いをかけるという、怪人からの手紙が届く。
代役で舞台に立ったクリスティーヌの演技は絶賛され、恋人のラウルと共に喜ぶ。
自分のおかげだという怪人の声に導かれたクリスティーヌは、彼と共に地下に向かい、愛を告げられるのだが・・・。
__________

ガストン・ルルーの小説”オペラ座の怪人”を基に製作された、”ユニバーサル・モンスターズ”の有名なキャラクターである”オペラの怪人”が登場するホラー映画の傑作。

製作者のエルンスト・レムリが原作者ガストン・ルルーに出会い、”パリ国立オペラ”を称賛したために原作を贈られ、ロン・チェイニーを起用して製作されたという経緯がある。

自ら考えたメイクで登場したロン・チェイニーの演技は映画史上に残るキャラクターとなり、数ある彼の出演作の中で、最も有名で成功した作品と言える。
また、製作を兼ねるロン・チェイニーは、公開されるまで本作の内容を外部に洩らさなかった。

1998年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

絢爛豪華なオペラ座や、怪人が潜む地下の陰鬱な雰囲気を漂わせるセットも見事な仕上がりであり、クライマックスの大群衆が怪人を追うシーンなどの迫力ある映像も見応えある。

怪人/エリックに愛される歌手クリスティーヌ・ダーエのメアリー・フィルビン、彼女を救おうとする恋人ラウル・シャニュイ子爵のノーマン・ケリー、謎めいた雰囲気で登場する、怪人の調査をする秘密警察のアーサー・エドマンド・ケアウィ、道具係の兄を怪人に殺され復讐を誓うシモン・ブケーのギブソン・ゴウランド、ラウルの兄フィリップ・シャニュイ伯爵のジョン・セント・ポリス、怪人を目撃する道具係のスニッツ・エドワーズ、プリマドンナのカルロッタとその母親役ヴァージニア・ピアソン、以下クレジットなし:怪人に殺される道具係ジョセフ・ブケーのバーナード・シーガル、劇場支配人のジョセフ・ベルモント、旧劇場支配人のチェザーレ・グラヴィナ、メフィストフェレスのアレクサンダー・ビヴァニ、ファウストのエドワード・セシル、バレリーナのルース・クリフォード、道化師のロイ・コールソン、クリスティーヌの楽屋の警備員ジョージ・デイヴィス、マダム・ジリーのマダム・フィオレンツァ、モンシャルマンのブルース・コヴィントン、デビエンのウィリアム・ハンフリー、リカールのジョージ・B・ウィリアムズ、メグ・ジリーのカーラ・レムリ、マルタのクレイス・マーヴィン、ヴァレンティンのジョン・ミルジャン、役名不明ロルフ・セダン、闇のメッセンジャー役ウィリアム・トレイシー、プロンプターのアントン・ヴァヴァカ、照明技師のジュリアス・ハリスなどが共演している。


モバイルバージョンを終了