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ザ・ピーナッツバター・ファルコン The Peanut Butter Falcon (2019)

漁師仲間に追われる青年とプロレスラーになることを夢見るダウン症の青年の親交を描く、主演シャイア・ラブーフザック・ゴッサーゲンダコタ・ジョンソンブルース・ダーンジョン・バーンサルトーマス・ヘイデン・チャーチジョン・ホークス他共演、監督、脚本タイラー・ニルソン、マイケル・シュワルツによるコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督
タイラー・ニルソン
マイケル・シュワルツ
製作
アルバート・バーガー
ロン・イェルザ
クリストファー・ルモール
ティム・ザジャロフ
リイェ・サルキ
デヴィッド・ティース
製作総指揮
マニュ・ガルギ
アーロン・スコッティ
ティモシー・シュライヴァー
アンソニー・K・シュライヴァー
ミシェル・シー・ウィッテン
カーメラ・カシネリ
脚本
タイラー・ニルソン
マイケル・シュワルツ
撮影:ナイジェル・ブラック
編集
ナット・フラー
ケヴィン・テント
音楽
ザカリー・ドーズ
ノア・ピケルニー
ジョナサン・サドフ
ゲイブ・ウィッチャー

出演
タイラー:シャイア・ラブーフ
ザック:ザック・ゴッサーゲン
エレノア:ダコタ・ジョンソン
カール:ブルース・ダーン
マーク:ジョン・バーンサル
クリント/ソルトウォーター・レッドネック:トーマス・ヘイデン・チャーチ
ダンカン:ジョン・ホークス
ラットボーイ:イェラウルフ
サム:ジェイク・ロバーツ
ジェイコブ:ミック・フォーリー
ジャスパー・ジョン:ウェイン・デハート

アメリカ 映画
配給 ロードサイド・アトラクションズ
2019年製作 98分
公開
北米:2019年8月9日
日本:2020年2月7日
製作費 $6,200,000
北米興行収入 $20,457,150
世界 $133,031,470


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ダウン症である22歳のザック(ザック・ゴッサーゲン)は、州の指示で老人養護施設で暮らしていた。

ザックは、かつてのプロレスのスター、ソルトウォーター・レッドネック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)に憧れ、彼のスクールでレスリングを習うことが夢だった。

そんなザックは、入居者である老婦人ローズマリーに協力してもらい施設から逃げ出すものの、すぐに捕まってしまう。

漁師のタイラー(シャイア・ラブーフ)は、ダンカン(ジョン・ホークス)のカニを盗み、雇い主のウィンキーの元に運ぶ。

施設の看護師エレノア(ダコタ・ジョンソン)は、今回のことでザックと話し注意するものの、入居者の老人カール(ブルース・ダーン)は彼を擁護する。

タイラーはカニを盗んだことがウィンキーにバレてしまい、解雇される。

ウィンキーから、亡くなった兄マーク(ジョン・バーンサル)も悲しむと言われたタイラーは、人生について考え直せと助言される。
...全てを見る(結末あり)

その夜ザックは、カールの協力を得て、下着姿で施設から逃げ出す。

翌朝、埠頭に向かったザックは、タイラーがダンカンとラットボーイ(イェラウルフ)に痛めつけられる様子を目撃しながら、ボートに隠れる。

ザックがに逃げたことを知ったエレノアは驚き、カールは知らぬフリをする。

ダンカンの漁の道具に火を点けたタイラーは、ボートで逃げる。

ダンカンらに追われたタイラーは、隠れていたザックに気づきながら逃げ延びる。

所長のグレンに呼ばれたエレノアは、今回の件で非難され、ザックを連れ戻すよう指示される。

ボートが動かなくなったボートを捨てたタイラーは、仕方なく連れて行くことにしたザックから、ソルトウォーター・レッドネックの話を聞く。

ザックが繰り返し見ていたソルトウォーターのビデオをチェックしたエレノアは、彼がノースカロライナ州のエイデンで、プロレス・スクールを開いていることを知る。

ザックと別れてヒッチハイクをしたタイラーは、火事の件で警察が犯人を追っていることを知り、車を降りて戻る。

子供にイジメられていたザックが海に突き落とされたため、タイラーは、泳げない彼を助けるために飛び込む。

フロリダに行く予定のタイラーは、エイデンが途中であることから、ザックのプロレス・スクールの話を信じて、彼をその場に送ることにする。

キャンピングカーで出発したエレノアは、ザックの写真を各地で見せて捜し始める。

ダンカンとラットボーイも、タイラーの行方を追っていた。

ザックにシャツとズボンを貸したタイラーは、ガソリンスタンドの店で食料を調達しようとする。

金が足りなかったために、ピーナツバターと釣り針だけ買ったタイラーは、店主から自家製の酒を譲ってもらう。

店に寄ったエレノアは、不躾なタイラーから質問され、不快に思いながらザックの写真を見せる。

知らないフリをしたタイラーはエレノアと別れ、ザックの元に戻り、追われている身の彼をからかう。

川を渡るタイラーは浮き袋を作り、泳げないザックをロープで引っ張りながら対岸に向かう。

途中で漁船が近づき、タイラーは何とか泳ぎ切り、ザックも無事に渡ることができる。

タイラーは、自分の腕をつかみ立ち上がらせたザックの腕力の強さに驚く。

その後タイラーは、ザックに泳ぎを教える。

悪役レスラーになるつもりだったザックは、タイラーから自分はヒーローだと言われ、彼に協力してもらいトレーニングを始める。

ショットガンの撃ち方なども教わったザックは、タイラーとの親交を深める。

ある民家に着いたタイラーとザックは、家主の盲目の老人ジャスパー・ジョン(ウェイン・デハート)に銃を向けられる。

2人が神を信じることを知ったジャスパーは、必要なものを提供する代わりに洗礼を受けさせる。

タイラーとザックは、ジャスパーから譲ってもらった材料でイカダを作り、彼に感謝して川を下り始める。

その後、ジャスパーの家を訪ねたエレノアは、彼から話を聞く。

海に出て南下した2人は、イカダを岸につけてキャンプをする。

タイラーはザックのリングネームを考え、”ファルコン”がいいと言う彼のコスチュームを作り、ピーナツバターを顔に塗りメイクをする。

”ピーナツバター・ファルコン”というリングネームにしたザックは、それが気に入り、タイラーと共にキャンプを楽しむ。

翌朝、海岸でザックを見つけたエレノアは、知らぬフリをしたタイラーを非難する。

タイラーは、ザックを病人扱いするエレノアが、彼の自由を奪おうとしているようにしか思えず、エイデンまで送ると約束したことを伝える。

ザックはエレノアの車のキーを海に投げ込んでしまい、ソルトウォーターに会いに行くと彼女に伝える。

エレノアは、仕方なく2人と共にイカダで移動することになる。

当初はタイラーに反発したエレノアだったが、彼とザックの信頼関係を知り、旅を楽しむことにする。

その夜、眠っていたタイラーは、追ってきたダンカンとラットボーイにイカダを焼かれる。

銃を向けられたタイラーは、ダンカンから被害総額の1万2000ドルを請求される。

そこにショットガンを手にしたザックが現れ、ダンカンとラットボーイは引き下がる。

その後、エレノアと話したタイラーは、彼女が夫に先立たれたことを知り、正確は正反対の自分たちは似た境遇だと伝える。

エイデン
3人でダイナーに寄りグレンに電話をしたエレノアは、ザックを他の施設に移そうとしていることを知る。

ウエイトレスにソルトウォーターのことを尋ねたエレノアは、この辺りでは有名人であることを知り、住所を教えてもらう。

3人はソルトウォーターの家に着き、タイラーは彼に挨拶して事情を話し、スクールをやめたことを知る。

ザックを気の毒に思ったタイラーは、ソルトウォーターのクリントという本名を知り、本人は引っ越したことにする。

タイラーは、ザックにクリントを紹介して、ソルトウォーターが引っ越したことを伝える。

クリントと別れたザックは、ソルトウォーターに会うことを諦めることができず、タイラーとエレノアを困らせる。

そこに、ソルトウォーターに扮したクリントが現れ、感激したザックは喜ぶ。

クリントは、ザックに本物のプロレスを教えるためにレスラー仲間のサム(ジェイク・ロバーツ)を呼び、彼に技を伝授する。

アトミック・スローをやりたいザックだったが、クリントは、あれはフェイクだったと彼に伝える。

エレノアから今後のことを訊かれたタイラーは、ダンカンに金を返してフロリダに向かうと答え、彼女を誘う。

その夜、ザックが本物の試合をしたいことを知ったクリントは、ジェイコブ(ミック・フォーリー)の裏庭で行われる試合で、彼とサムと戦わせようとする。

翌日クリントらはジェイコブの家に向かい、ザックは特設リングでの試合に挑むことになる。

その場にいたダンカンの仲間は、タイラーを見つけたことをダンカンに知らせる。

クリントに助言されるものの怖気づいたザックは、タイラーに励まされてその気になり、段ボールでコスチュームを作る。

タイラーは、試合にのことを心配するエレノアにキスしながら、彼女が妨害しないように手錠をかけてしまい、ジェイコブに紹介されたザックをリングに向かわせる。

段ボールのファルコンのコスチュームで登場したザックは、観客の声援を受けて、サムと戦うためにリングに上がる。

巨漢のサムは手加減するはずだったが、ザックを容赦なく痛めつける。

そこにダンカンとラットボーイが現れ、エレノアはその場にあった工具で手錠を外そうとする。

反撃したザックはサムを持ち上げ、アトミック・スローで彼をリングの外に投げる。

手錠を外したエレノアは危険を知らせようとするが、タイラーはダンカンにタイヤレンチで殴られる。

病院に向かったエレノアとザックは、治療を受けるタイラーのことを心配する。

その後、エレノアが運転する車の中で眠っていたザックは、フロリダに着いたことを知らされる。

ザックは、後部座席に横たわっていたタイラーに、それを知らせる。

タイラーの手を握るエレノアは、幸せそうなザックを見つめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
漁師のタイラーは、同業者ダンカンのカニを盗んだために追われる身となる。
老人施設で暮らすダウン症の青年ザックは、伝説のプロレスラーであるソルトウォーター・レッドネックに憧れ、彼のレスリング・スクールに入ることを夢見ていた。
施設から逃げ出したザックは、ダンカンらに追われるタイラーのボートに隠れていたために、彼と一緒に逃げることになる。
施設の看護師エレノアは、ザックを捜して各地を回る。
ザックを迷惑に思うタイラーは、ソルトウォーターの元に向かおうとして考えを変えないザックに付き合うことにして旅を続けるのだが・・・。
__________

脚本を兼ねるタイラー・ニルソンとマイケル・シュワルツの長編映画監督デビュー作品。

漁師仲間に追われる自堕落な青年と、プロレスラーになることを夢見るダウン症の青年が、旅を通じて親交を深める姿を描くコメディ・ドラマ。

トラブルメーカーとして知られるシャイア・ラブーフが、撮影中に事件を起こして逮捕されてしまうものの、本作が長編デビュー作となるザック・ゴッサーゲンの言葉で改心し、アルコール依存症のリハビリを受ける決心をして作品は完成したという経緯がある。

様々な問題を起こし世間を騒がせるシャイア・ラブーフなのだが、自分の不注意で兄を亡くしたことを悔い苦しむ青年を好演し、役者としての実力は証明し、脇を固めるスターの確かな演技も見逃せない。

本作は批評家、一般から絶賛され、口コミで評判は広がり、製作費がわずか620万ドルにも拘わらず、北米興行収入は約2000万ドル、全世界では約1億3300万ドルのヒットとなった。

実際にダウン症であり、プロレスラーになることを夢見る青年を活き活きと演ずるザック・ゴッサーゲン、彼の世話係だった施設の看護師で、旅に同行することになり、彼から様々なことを学び新たな人生を踏み出すダコタ・ジョンソン、ザックの脱出に協力する施設の入居者ブルース・ダーン、亡くなった主人公の兄ジョン・バーンサル、ザックが憧れる伝説のプロレスラーのトーマス・ヘイデン・チャーチ、主人公を追う漁師ジョン・ホークスイェラウルフ、ザックと戦う元レスラーのジェイク・ロバーツ、その試合のレフェリー、ミック・フォーリー、主人公らに協力する盲目の老人ウェイン・デハートなどが共演している。


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