サイトアイコン That's Movie Talk!

腰抜け二挺拳銃 The Paleface (1948)

気弱でお調子者の歯科医と男勝りの悪党カラミティー・ジェーンが巻き起こす騒動を描く、人気絶頂のボブ・ホープがセクシー女優ジェーン・ラッセルと絶妙の笑いを提供してくれる、監督ノーマン・Z・マクロードによる抱腹絶倒のコメディ・ウエスタン。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ノーマン・Z・マクロード
製作:ロバート・L・ウェルチ
脚本
エドマンド・L・ハートマン
フランク・タシュリン
ジャック・ローズ

撮影:レイ・レナハン
編集:エルスワース・ホーグランド
音楽
ヴィクター・ヤング
レイ・エヴァンス(作詞)
ジェイ・リヴィングストーン(作曲)
Buttons and Bows”(ボタンとリボン)

出演
ボブ・ホープ:”ペインレス”ピーター・ポッター
ジェーン・ラッセルカラミティー・ジェーン
アイリス・エイドリアン:ペッパー
ロバート・アームストロング:テリス
ボビー・ワトソン:トビー・プレストン
ジャッキー・サール:ジャスパー・マーティン
チャールズ・トロウブリッジ:ジョンソン知事
ジョセフ・ヴィテール:スカウト
ヘンリー・ブランドン:ワパト
チーフ・ヨウラチ:イエロー・フェザー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1948年製作 91分
公開
北米:1948年12月24日
日本:1949年12月29日


アカデミー賞 ■
第21回アカデミー賞
・受賞
主題歌賞:”Buttons and Bows”(ボタンとリボン)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
投獄されていたカラミティー・ジェーン(ジェーン・ラッセル)は、ジョンソン知事(チャールズ・トロウブリッジ)に脱獄を手助けされ、先住民に銃を売りさばく一味の正体を探る任務を依頼される。

10年の禁固刑が決まっていたジェーンは、犯人を突き止めれば、無罪放免になるという条件にそれを引き受ける。

レディを装い、指示された弁護士事務所を訪ねたジェーンは、弁護士が死んでいるのを発見し、不審な者達の尾行をまくために大衆浴場へ向かう。

そこで治療していた、歯医者のピーター・ポッター(ボブ・ホープ)は、美しいジェーンにが現われたために散ってしまい、治療中の患者はどうでもよくなってましまう。

ジェーンは簡単に追っ手を倒し、騒動が怖くなり逃げ出そうとするピーターの馬車に乗り逃亡する。
...全てを見る(結末あり)

故郷に帰ろうとするピーターを、ジェーンは悩殺して気絶させ、馬車を奪って先を急ごうとする。

しかしジェーンは、疑いのかかる西部行きの幌馬車に、夫婦を装い乗り込めば怪しまれないと言われたことを思い出し、仕方なくピーターと結婚し幌馬車隊と合流する。

ピーターが浮かれている間に、幌馬車隊からはぐれてしまった彼とジェーンそして数家族は、空き家を見つけ宿泊することになる。

しかし、そこは先住民の居留地で、小屋に忍び込んだ先住民を、ピーターはジェーンと勘違いして寄り添うが、彼は殴られて気を失ってしまう。

やがて夜が明けて、先住民とのキスをジェーンだと思い込んだピーターは、機嫌よく髭を剃っていたが、そこに、先住民が現れ撃ち合いとなる。

ジェーンは次々と敵を倒し、同行者達は、ピーターが先住民を撃退しているのと勘違いし、彼を見直してしまう。

ヒーローとなったピーターをジェーンは持ち上げ、密売者達もそれを知り彼に一目置くようになる。

”捜査官”が、幌馬車隊に潜入しているという報告を受けた銃の密売者の黒幕トビー・プレストン(ボビー・ワトソン)は、その捜査官と思われる男ピーター抹殺の命令を出す。

ヒーローのピーターを先頭にして、町に到着した幌馬車隊は人々に大歓迎される。

ピーターを独り占めする訳にいかないと、理由をつけたジェーンは彼に別れ話を持ちかける。

それを聞いたピーターは、怒ってその場を立ち去ってしまう。

ジェーンは、幌馬車に隠されていたダイナマイトを発見し、ガンマン気取りで見栄を張るピーターを泳がせて、様子を見ることにする。

そしてピーターは、酒場の女ペッパー(アイリス・エイドリアン)をめぐり、決闘することになる。

威勢をつけて決闘に挑んだピーターだったが、勝ち目はなく、彼に死なれては困るジェーンが、陰から相手を射殺してしまう。

ピーターは再びヒーローとなり、ジェーンは彼をおだてて寄りを戻したように見せかける。

おめでたいピーターは、ようやくジェーンと一夜を共に出来ると思うが、彼女に一撃食らわされ気絶してしまう。

ジェーンは、ダイナマイトが葬儀屋に隠されていることを知り、ピーターを起こして向かわせる。

しかし、2人ともプレストンと先住民らに捕らえられてしまう。

ジェーンから、今まで敵を倒したのが全て彼女だと言われ、自分の不甲斐なさに、ショックを受けたピーターだったが、彼女から愛を告げられ、再び有頂天になる。

酋長イエロー・フェザー(チーフ・ヨウラチ)の命令で、股裂きの刑にされるピーターは、運良くブーツが脱げて森に飛ばされてしまう。

逃げようとしたピーターだったが、ジェーンを見捨てるわけにはいかず、イエロー・フェザーに追放された呪術師ワパト(ヘンリー・ブランドン)に森で出くわして彼を倒し、先住民に扮しジェーン救出に向かう。

ジェーンに近寄ったピーターだったが、イエロー・フェザーに見つかり、彼も火あぶりにされることになる。

ピーターは、ダイナマイト置き場の火薬を持って火あぶりの場所に追いたてられ、火が火薬に引火してダイナマイトが爆発してしまう。

混乱している隙に逃亡したピーターとジェーンは、追ってくる先住民らを、幌馬車に積まれていたダイナマイトを爆発させて逃げ延びる。

真のヒーローとして、町の人々に迎えられたピーターとジェーンは、やがて仲むつまじくハネムーンに向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
投獄されていたカラミティー・ジェーンは、知事に脱獄を手助けされ、先住民に銃を売りさばく一味の正体のを探る任務を依頼される。
無罪放免を条件に、その任務を引き受けたジェーンは、レディを装い町に向かう。
指定された弁護士事務所で、弁護士が死んでいるのを見つけたジェーンは、不審者に尾行され逃れようとする。
その後ジェーンは、気の弱いお調子者の歯科医ピーター・ポッターに出会い、彼が自分にのぼせているのを利用して、逃亡する。
さらにジェーンは、怪しい幌馬車隊に夫婦を装い合流し、仕方なくピーターと結婚して、行動を共にするのだが・・・。
__________

単純なストーリーと、正に職人芸と言えるボブ・ホープの軽妙な演技と、抜群のユーモア・センスが冴える傑作コメディ。

本作の成功で、1952年に続編「腰抜け二挺拳銃の息子」が公開された。

クールで逞しいカラミティー・ジェーン役のジェーン・ラッセルが、全く頼りにならない主人公のボブ・ホープに、次第に惹かれていく展開がほのぼのと描かれ、肩が凝らず、幸せな気分にまでしてくれる愛すべき作品だ。

第21回アカデミー賞で、主題歌賞を受賞した、レイ・エヴァンス作詞、ジェイ・リヴィングストーン作曲の主題歌”ボタンとリボン/Buttons and Bows”は余りにも有名だ。

偽装と知らずに美女と結婚を果たし、ボブ・ホープが幌馬車で、アコーディオンを弾きながら浮かれて唄うこの曲は最高に楽しい。

見事な総天然色カラーの映像、視覚効果、また、クライマックスの追跡シーンなども迫力満点で見所満載。

戦前から戦後まで、このような作品を途切れなく作製し続けられることが、アメリカ映画の奥深さを感じさせ、国力の豊かさだけでなく精神的余裕と強さを、コメディで感じさせられるところは驚きであり正に”文化”と言える。

酒場の女アイリス・エイドリアン、銃の密売者の黒幕ボビー・ワトソン、知事チャールズ・トロウブリッジ、呪術師ヘンリー・ブランドン、酋長チーフ・ヨウラチなどが共演している。


モバイルバージョンを終了