西部開拓史に名を残した3人、ビリー・ザ・キッド、パット・ギャレット、ドク・ホリデイの関係を描く、製作、監督ハワード・ヒューズ、主演ジャック・ビューテル、ジェーン・ラッセル、トーマス・ミッチェル、ウォルター・ヒューストン他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督
ハワード・ヒューズ
ハワード・ホークス(クレジットなし)
製作:ハワード・ヒューズ
脚本:ジュールス・ファースマン
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ウォレス・グリッセル
音楽:ヴィクター・ヤング
出演
ビリー・ザ・キッド:ジャック・ビューテル
リオ・マクドナルド:ジェーン・ラッセル
パット・ギャレット:トーマス・ミッチェル
ドク・ホリデイ:ウォルター・ヒューストン
グアダルーペ:ミミ・アガグリア
チャーリー・ウッドラフ:ジョー・ソーヤー
ビリーをだまそうとする男:ジーン・リッツィ
少年:ディッキー・ジョーンズ
スワンソン:エドワード・ペイルSr.
カードディーラー:リー・シュムウェイ
パブロ:ジュリアン・リヴェロ
保安官補:ベン・ジョンソン
アメリカ 映画
配給 RKO
1943年製作 116分
公開
北米:1943年2月5日
日本:1952年11月1日
製作費 $3,400,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニュー・メキシコ準州、リンカーン。
保安官のパット・ギャレット(トーマス・ミッチェル)は、ドク・ホリデイ(ウォルター・ヒューストン)が現れたことを知らされる。
親友のドクに会い話をしたギャレットは、彼が、盗まれた赤毛の馬を捜していることを知る。
ギャレットが保安官であることを知ったドクは、酒場の主人から、馬が歯医者の前にいたと言われその場に向かおうとする。
バーテンダーに絡んでいた男に親しげに近づき殴り倒したギャレットは、ドクも知っているいつものやり方だと伝える。
愛馬レッドを見つけて喜ぶドクは、馬は買ったと言う持ち主の青年(ジャック・ビューテル)が、アウトローの”ビリー・ザ・キッド”だということを知り自分の名も名乗る。
二人は牽制し合い、ドクからビリーの名を知らされたギャレットは、彼に親しげに近づくものの殴り倒される。 ビリーは、ギャレットを警戒しながらレッドに乗ってその場を去る。 レッドを預けようとしたビリーの元に向かったドクは、ギャレットと共に彼の銃を奪う。 馬泥棒の罪で逮捕すると言われたビリーは、それを否定する。 人の手を借りたことでビリーにプライドを傷つけられたドクは、自分の主義に反すると言って彼に銃を返す。 ビリーに誘われたドクは彼と共にその場を離れ、納得いかないギャレットだったが、日没前に街を出るようにと二人に指示する。 その後、カードで買ったドクはビリーの泊るホテルに向かい、伯母と越してきた女の元に行くと彼に伝える。 女を信じないと言うビリーに、レッドは譲ると伝えたドクは、感謝する彼に明日、会う約束をして別れる。 レッドを連れ出そうとしたドクは見つかってしまい、ビリーは見張りをするため、その場で眠ることにする。 何者かに銃撃されたビリーはそれをかわし、相手の隙を見て襲い掛かる。 それが女(ジェーン・ラッセル)だったために驚いたビリーは、彼女の名前がリオ・マクドナルドだということを知る。 マクドナルドという男を殺したビリーは、それが彼女の兄であることを知り、復讐を考える彼女に、仕方なく撃ったと伝える。 隙を見て襲い掛かったリオに惹かれたビリーは、彼女を抱きしめて離さなかった。 翌朝、ドクと共に酒場に向かったビリーは、見知らぬ男(ジーン・リッツィ)に騙されそうになるが、銃を抜いた彼を射殺する。 男が保安官補になることを望んでいたことを知ったビリーは、ギャレットのことを心配するドクに、気にすることはないと伝える。 保安官補と共に現れたギャレットは男の死体を確認し、ドクは、男が先に抜いたと伝える。 それを信じないギャレットを相手にしないドクは、ビリーと共に去ろうとする。 ビリーはギャレットに撃たれ、ギャレットの銃を撃っったドクは、保安官補を射殺する。 ギャレットから、これで自分との中も終わりだと言われたドクは、無事だったビリーと共にその場から逃げる。 保安官補に捜索の指示を出したギャレットは、二人を追う。 恋人だったリオの元にビリーを連れて行ったドクは、傷の手当てをしようとする。 撃たれたのがビリーだったためにリオは驚き、ドクに看病を頼まれ、出て行く彼を見送る。 伯母のグアダルーペ(ミミ・アガグリア)が協力してくれないため、リオは一人でビリーの世話をする。 ギャレットの遣いで来たチャーリー・ウッドラフ(ジョー・ソーヤー)にビリーが見つからずに済んだリオは、うなされる彼の体を温めようとする。 ビリーに惹かれたリオは、彼と一緒に寝て体を温める。 様態が安定したビリーは、リオが看病してくれたことと、彼女がドクの女だということを知る。 ドクがレッドと共に去ったことを知ったビリーは、リオからグアダルーペを紹介される。 ビリーが起きて幸運の指輪を捜すと言うため、それをはめていたリオは戸惑う。 知られないようにして指輪を外したリオはビリーに迫られ、拒むことができない。 グアダルーペに呼ばれたリオは、彼女と買い物に行く。 その夜ドクが戻り、リオとビリーの関係に気づいていたグアダルーペは焦る。 二人の関係を知ったドクは、リオを責める。 リオから、意識がない間にビリーと結婚したと言われたドクは驚く。 仕方がないと考えるドクは、後悔するだろうと言ってリオに忠告する。 レッドを取り戻そうとしたビリーは、馬とリオのどちらかをドクに選ばせる。 ドクがレッドを選びビリーががっかりしたために、ショックを受けたリオは傷つく。 ドクから金を借りたビリーはそれをリオに渡し、後で呼び寄せると伝えて出発しようとする。 ドクが連れて来た暴れ馬に乗ったビリーは、水筒に水を入れてくれたリオに別れを告げてその場を去る。 暫くして休息したドクとビリーは、追ってくるギャレットを確認する。 リオが話したと考えながら水を飲もうとしたビリーは、中身が砂だと知り、ドクは先を急ぐことにする。 翌朝、現れたギャレットに銃を向けられたドクは、ビリーがレッドと共に逃げたことを知り捕えられる。 リオの元に戻ったビリーは、水筒の砂とギャレットに話したことを責める。 水場で休んだギャレットとドクは、その場に拘束されていたリオに気づく。 二人に助けられたリオは、ドクから、ビリーは自分に惹かれていると言われる。 ビリーがリオを助けに来ると考えたギャレットは、ドクと共にリオを元の状態に戻して待ち伏せする。 ドクからリオに惹かれていると言われたビリーはそれを否定し、意地を張って喧嘩になる。 それを制止したギャレットは、出発しようとする。 水を飲もうとしたビリーにからを貸すように言われたリオは、彼を背後から殴る。 その後、先住民の狼煙が上がっていることに気づいたギャレットは、ビリーとドクの手錠外して出発する。 焼き討ちされた場所を確認したギャレットらは、先住民が近づくことに気づく。 ビリーとドクに銃を渡し何とか逃げ延びたギャレットは、パブロ(ジュリアン・リヴェロ)の家に向かう。 ギャレットは、フォートサムナーの保安官に伝言を渡すようパブロに指示し、それを知ったドクとビリーは警戒する。 レッドのことで決着をつけようとするドクとビリーは、鳩時計の時報を合図にしようとする。 時計の時報と共に銃に手を当てたドクだったが、ビリーは抜こうとしない。 決着をつけようとするドクは、ビリーの手と両耳を撃って挑発する。 それでも銃を抜かないビリーは、躊躇したのは唯一の相棒だからだとドクに伝える。 ビリーの気持ちを察したドクは共に去ろうとするものの、彼から別れようと言われる。 レッドに二人は乗れないと言われたドクは、馬はビリーに譲り彼と共に去ろうとする。 侮辱されたと思い込むギャレットは、親友を裏切ったと言ってドクを責めて憤慨する。 ギャレットを落ち着かせよようとするドクは、銃を構えようとする彼の前に銃を抜く。 撃たれたドクは、自分を殺さなかった理由を訊くギャレットに、その気になれなかったと伝えて息を引き取る。 ギャレットに謝罪したビリーは、ドクとの親友関係を崩したことを後悔する。 出発しようとするビリーは、ギャレットから、ドクの銃を形見に渡すと言われる。 ガンベルトを腰につけたビリーは、自分の銃と比べてチェックする。 自分の銃を渡せと言われたビリーは、それを皆に見せれば死んだ証明になると考えるギャレットの話を聞く。 リオと人生をやり直せると言うギャレットに説得されたビリーは、彼の指示に従い銃を渡す。 去ろうとするビリーにどこにも行かせないと伝えたギャレットは、ドクの銃の撃針は抜いてあることを知らせる。 銃を抜いて近づくビリーに発砲しようとしたギャレットは、それがドクの銃だと気づく。 自分の銃を手にするビリーは、すり替えたと言うギャレットに、ドクの銃と入れ間違えたと伝える。 その後、ギャレットを拘束したビリーは、自分の銃を置いて行くことを伝える。 ギャレットに別れを告げたビリーは、リオから渡された水筒の中身が水であることを確認する。 去ろうとしたビリーは、自分を見つめるリオに合図して彼女を馬に乗せる。 ドクの墓には、”パット・ギャレットに殺されたビリー・ザ・キッドが眠る”と刻まれていた。 ビリー・ザ・キッドの伝説は、不正確な史実として語り継がれた。 汚名を着せられて、殺し屋に怯えつつ不幸な人生を送ったという者もいれば、冷酷非情なガンマンであり、法の番人に殺されたという者もいる。
...全てを見る(結末あり)
戻ったはビリー、ギャレットに銃を向けらて捕らえられる。
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*(簡略ストー リー)
ニュー・メキシコ準州、リンカーン。
保安官のパット・ギャレットは、親友のドク・ホリデイがアウトローのビリー・ザ・キッドに愛馬を盗まれたことを知る。
向こう見ずな青年ビリーが気に入ったドクは、ギャレットに撃たれたビリーを連れて逃亡し、恋人リオの元に向かう。
ビリーを看病したリオは彼に惹かれ、それに気づいたドクは、回復したビリーと共にその場を離れ、ギャレットの追跡から逃れようとするのだが・・・。
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製作者のハワード・ヒューズが、ハワード・ホークス(クレジットなし)の演出で進んでいた撮影に参加し、監督も兼ねた作品。
西部開拓史に名を残した三人、ビリー・ザ・キッド、パット・ギャレット、ドク・ホリデイの関係を描いた西部劇。
主演は無鉄砲なアウトローのビリー・ザ・キッドを熱演するジャック・ビューテルなのだが、デビュー作となったジェーン・ラッセルの魅力が話題となった作品。
撮影当時21歳のジェーン・ラッセルのセクシーシーンが検閲に触れ、問題になったことで知られている。
その二人に加え、パット・ギャレットを演ずるトーマス・ミッチェルとその親友ドク・ホリデイ役ウォルター・ヒューストンの、ベテラン二人の好演が光る見せ場が多い楽しめる西部劇に仕上がっている。
ヴィクター・ヤングの素晴らしい楽曲は印象に残るのだが、大袈裟に挿入される拍子抜けした音楽が気になる。
ヒロインの伯母ミミ・アガグリア、保安官補ジョー・ソーヤー、ビリー・ザ・キッドをだまそうとする男ジーン・リッツィ、町の少年ディッキー・ジョーンズ、カードディーラーのリー・シュムウェイ、保安官補として端役で出演しているベン・ジョンソン、他エドワード・ペイルSr.、ジュリアン・リヴェロなどが共演している。