サイトアイコン That's Movie Talk!

アザーマン The Other Man (2008)

愛を読むひと」(2008)なども映画化されたドイツ人作家のベルンハルト・シュリンクが、2000年に発表した”逃げてゆく愛”の中の短編を基に製作された作品。
監督、脚本リチャード・エア、主演リーアム・ニーソンアントニオ・バンデラスローラ・リニーロモーラ・ガライ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・エア

製作
マイケル・ドライヤー

トレイシー・スコフィールド
原作:ベルンハルト・シュリンク
脚本
リチャード・エア

チャールズ・ウッド
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
編集:タリク・アンウォー
音楽:スティーヴン・ウォーベック

出演
ピーター・ライマン:リーアム・ニーソン

レイフ・コルテス:アントニオ・バンデラス
リサ・ライマン:ローラ・リニー
アビゲイル・ライマン:ロモーラ・ガライ
ヴェラ:パム・フェリス
ジョージ:クレイグ・パーキンソン
ラルフ:パターソン・ジョセフ
ジョイ:アマンダ・ドリュウ

アメリカ/イギリス 映画
配給 Image Entertainment

2008年製作 88分
公開
北米:2008年12月3日
日本:未公開
北米興行収入 $149,530
世界 $970,160


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロンドン郊外。
コンピューター・ソフトウェア企業を経営するピーター・ライマン(リーアム・ニーソン)は、靴のデザイナーの妻リサ(ローラ・リニー)の言動を気にしながら、ミラノへ出張する彼女を見送る。

携帯電話を置いていったリサを不審に思ったピーターは、彼女の靴の中から”コモ湖”というメモを見つけ、電話に届いていた男の伝言メッセージを聞く。

リサのパソコン内のデータやメールをチェックしたピーターは、”ラルフ”という男からの愛を告げるメッセージを目にしてしまう。

ピーターは、リサのスタッフのラルフ(パターソン・ジョセフ)を疑うが、それは誤解だった。
...全てを見る(結末あり)

娘のアビゲイル(ロモーラ・ガライ)に、その行動を非難されたピーターは、リサがここにはいないというメールを”ラルフ”に返信してしまう。

出社したピーターは、警備担当のジョイ(アマンダ・ドリュウ)を呼び出し、”ラルフ”のメールアドレスから身元を割り出すよう命ずる。

その後もリサのパソコンのデータを調べていたピーターは、ついにパスワードを解除して、彼女が男(アントニオ・バンデラス)と密会している写真を見てしまう。

そして、ジョイがその男のミラノの住所を突き止め、ピーターに知らせる。

殺意まで抱くピーターは早速ミラノに飛び、ラルフを見つけ彼の後をつける。

ピーターは、ラルフがチェスを趣味にしていることを知り、彼に接触することに成功する。

レイフという名で自己紹介されたピーターは、彼とゲームを始め、”レイフ”のつづりがラルフと同じかを確かめる。

その後レイフは、ミラノで12年前に出会った女性(リサ)のことをピーターに話し始める。

同じ頃、父ピーターの異常な嫉妬心を気にしていた娘のアビゲイルも、母リサへの男からの伝言メッセージを聞いてしまう。

ピーターとレイフはその後もゲームをして、互いの私生活などを語り合う。

ある日、二人のゲーム中、レイフにリサからの電話が入るが、それはアビゲイルがかけたものだった。

レイフが、リサから電話があったことを楽しげにピーターに伝えたため、彼はそれを気にし怒りが収まらない。

そこにアビゲイルが現れ、自分がリサの電話からレイフに電話したことをピーターに伝える。

ピーターは、レイフと毎日チェスをしていることをアビゲイルに話し、パソコン内のデータを見せる。

怒りと不満をぶちまけるピーターに対し、それを聞くに堪えないアビゲイルはその場を立ち去ってしまう。

レイフの家に向かったピーターは、彼を殴り殺そうとする。

しかし、レイフが単なるアパートの管理人だと知りピーターは思い止まりホテルに戻る。

ピーターはリサを装い、レイフを”コモ湖”での夕食に誘うメールを送る。

そのことをピーターに相談したレイフは、ロンドンに移り住んだ場合の、パーティーの資金援助をピーターから受け”コモ湖”に向かう。

しかし、そこでレイフを待ち構えていたのはピーターだった。

ピーターは、自分がリサの夫だということと、彼女が癌で死んだとことをレイフに伝える。

虚栄心だけで生きていたレイフを、ピーターは批判し席を立つ。

ロンドンに戻ったピーターは、メールでレイフのパーティー会場を尋ねその場に向かう。

ピーターは、アビゲイルと恋人ジョージ(クレイグ・パーキンソン)も呼び寄せる。

そして、ピーターはレイフを歓迎し、その場の人々と共にリサを想う。

レイフを不快に感じながらも、彼の心の美しさを理解したピーターは、アビゲイルとジョージに付き添われて家路につく。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
妻リサの浮気を疑う、会社経営者ピーター・ライマンは、リサのパソコンのメールアドレスから、相手がミラノ在住の男だということを突き止める。
その男レイフに接触したピーターは、彼と趣味のチェスをしながら様子を窺う。
その後、レイフに、リサとの情事を語られたピーターは、怒りの余り彼女を装い、彼を思い出の地”コモ湖”に誘う。
そしてピーターは、待ち構えていたレイフに、衝撃の事実を伝える・・・。
__________

妻の浮気を疑い嫉妬する夫の異常な行動、冒頭の細かなヒントが、終盤、明かされる真実につながるところなどが興味深い。

しかし、その衝撃の事実の描写が曖昧で、消化不良のように終わってしまう結末もいまいちシックリこない。

主演三人の魅力的なキャスティングも生かせず、商業的にも失敗に終わってしまった作品で、日本では劇場未公開となり、DVD化だけされている。

妻の浮気に嫉妬し、相手の男に殺意まで抱き、異常者にも見える実業家リーアム・ニーソンが、真実の分かった後には別人に見える、悲哀に満ちた表情は、さすがに実力派らしい演技を見せてくれる。

いかにも伊達男の雰囲気で登場するものの、哀れな生活を隠し、純愛に生きる姿を見て憎めなくなるアントニオ・バンデラス、冒頭の場面は主人公の幻覚だった・・・、その妻を演ずるローラ・リニー、孤独な父を案ずる娘ロモーラ・ガライ、その恋人のクレイグ・パーキンソン等が共演している。


モバイルバージョンを終了