強盗を続けながら人生を楽しむ犯罪者フォレスト・タッカーの生き様を描く、監督、脚本デヴィッド・ロウリー、製作、主演ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、ダニー・グローヴァー、ティカ・サンプター、トム・ウェイツ、エリザベス・モス他共演の犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・ロウリー
製作
ジェームズ・D・スターン
ドーン・オストロフ
ジェレミー・ステックラー
アンソニー・マストロマウロ
ビル・ホールダーマン
トビー・ハルブルックス
ジェームズ・M・ジョンストン
ロバート・レッドフォード
製作総指揮
パトリック・ニュウォール
ルーカス・スミス
ジュリー・ゴールドスタイン
ティム・ヘディントン
原作:デヴィッド・グラン”The Old Man and the Gun”
脚本:デヴィッド・ロウリー
撮影:ジョー・アンダーソン
編集:リサ・ゼノ・チャージン
音楽:ダニエル・ハート
出演
フォレスト・タッカー:ロバート・レッドフォード
ジョン・ハント刑事:ケイシー・アフレック
テディ・グリーン:ダニー・グローヴァー
モーリン・ハント:ティカ・サンプター
ウォラー:トム・ウェイツ
ジュエル:シシー・スペイセク
ドロシー・ヘイズ:エリザベス・モス
ジーン・デントラー刑事:イザイア・ウィットロックJr.
カルダー警部:キース・キャラダイン
ケリー警部補:ジョン・デヴィッド・ワシントン
サンドリーヌ:オーガスティーン・フリッツェル
オーウェンズ:ジーン・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2018年製作 93分
公開
北米:2018年9月28日
日本:2019年7月12日
製作費 $15,800,000
北米興行収入 $11,277,100
世界 $17,860,400
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1981年7月26日、午前10時02分、テキサス州、ベルミード。
銀行で現金を奪ったフォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)は逃走する。
車を替えたタッカーはハイウェイに乗り、暫くして、立ち往生しているピックアップトラックに気づき停車する。
故障したトラックを運転していたジュエル(シシー・スペイセク)に声をかけたタッカーは、自分を追うパトカーを気にしない。
ジュエルを車に乗せて送るタッカーは、彼女の夫が亡くなったことを知り、”宝石”という彼女の名前が気に入る。
”ボブ・キャラハン”と名乗ったタッカーはセールスマンだと伝えて、ジョエルとダイナーに寄り食事をする。
気さくなジュエルに惹かれたタッカーは、セールスマンはウソだと言って、仕事は秘密だと伝える。 知ったら二度と会えなくなると言われたジュエルは、今後は会いたくないか訊かれ、タッカーが強盗だと知るものの信じられない。 証明してほしいと言われたタッカーはそれを拒み、自分のスタイルではないと伝える。 この場が自分のスタイルでないと言うタッカーは、ダイナーが銀行だった場合の話をしてジュエルを楽しませる。 1981年8月4日、午後11時59分、テキサス州、ダラス。 帰宅したハントは、妻モーリン(ティカ・サンプター)と子供たちアベリーンとタイラーに迎えられ、誕生日を祝ってもらう。 子供たちを車に乗せて銀行に向かったハントは、アベリーンを残してタイラーと中に入る。 仲間のテディ・グリーン(ダニー・グローヴァー)とウォラー(トム・ウェイツ)と共に駐車場で監視するタッカーは、銀行に入り支店長のオーウェンズ(ジーン・ジョーンズ)に銃を持っていることを知らせる。 オーウェンズに金を要求したタッカーは、鞄に現金を入れる彼が通報ボタンを押したことに気づき、監視役のウォラーに合図をする。 タイラーと話をしていたハントは、それに気づかない。 タッカーとウォラーが出て行き、入り口を閉めたオーウェンズは、銀行強盗が入ったことをその場の人々に知らせる。 タッカーとウォラーは車に戻り、グリーンの運転で逃走する。 警官が来ると言うオーウェンズに、自分が刑事だと伝えたハントは、外に出て車に向かう。 ある場所に着いたタッカーらは、それぞれの車に乗り別れる。 警官から事情を訊かれたオーウェンズは、銃があると言われたので現金を渡したと話し、犯人は紳士だったと伝える。 問題なく自宅に戻ったタッカーは、その後、グリーンとウォラーとで奪った現金を山分けする。 事件現場に居ながら何もできなかったハントは、仕事を辞めることも考え、それをモーリンに話す。 ジュエルに電話をしたタッカーは、ダイナーで彼女と会い楽しい時間を過ごす。 再び同じ犯人による銀行強盗が起きて、ハントは、ジーン・デントラー刑事(イザイア・ウィットロックJr.)から事件を任される。 ハントは捜査を始めるものの、同一犯の犯行は各地で起きる。 事件の当事者である銀行員に話を聞いたハントは、犯人が幸せそうだったと言われ、不思議に思う。 ジュエルの農場を訪れたタッカーは、そこが彼女と銀行のものだということを知る。 結婚のことを訊かれたタッカーは、若いころ一度したが、子供はいないと思うと答える。 1981年9月26日、午前7時55分、ミズーリ州、セントルイス。 その後タッカーは、グリーンとウォラーと共に強盗計画を練る。 その間タッカーは、老人による銀行強盗を捜査しているダラスの担当刑事がハントであることを知り、彼に興味を持つ。 銀行が襲われたという連絡を受けたハントは現場に向かい、現金ではなく金塊が奪われたことを知る。 ハントは、犯人が残した100ドル札に書かれた、”幸運を祈る”という自分へのメッセージを見て、思わず笑ってしまう。 脇腹を撃たれたグリーンは、ウォラーに手当てをしてもらう。 銀行の監視カメラの映像をチェックしたハントは、犯人が笑っていることに気づく。 その後、捜査はFBIが引き継ぐことになり、ハントは担当を外れる。 金塊を山分けしたタッカーは、グリーンとウォラーと別れる。 捜査のことが心残りのハントは、サンフランシスコに住むドロシー・ヘイズ(エリザベス・モス)からの手紙を受ける。 タッカーの娘だというドロシーの手紙には、妻子と写る彼の写真が同封されたいた。 ジュエルと暮らすことも考えるタッカーは銀行に向かい、農場の抵当を引き継ぎ一括で支払おうとするが、彼女のサインが必要だと知り、内緒にできないために諦める。 1981年10月12日、午前9時17分、カリフォルニア州、サンフランシスコ。 ドロシーと話したハントは、父親タッカーが服役中に生まれたために覚えていないが、何をしているか分からない父親は必ず帰ってくると信じていたことを知る。 15歳の時に母から真実を知らされたと言うドロシーは、仮釈放でも戻ってこなかった父が、娘の存在を知らないのではないかとハントに伝える。 ハントが父を逮捕するつもりだと知ったドロシーは、関わりたくないと伝える。 何度も同じことを繰り返す父を刑務所から出さないでほしいと言われたハントは、そんな夫でも母は死ぬまで愛していたというドロシーの話を聞く。 宝石店でジュエルにブレスレットをプレゼントしようとしたタッカーは、店員が目を話した隙に店を出る。 店に戻ったジュエルは、ブレスレットを購入することを店員に伝え、タッカーは代金を支払う。 タッカーの資料を手に入れたハントは、少年時代から盗みを始めた彼が、サン・クエンティン州立刑務所などから16回も脱獄し、人生を楽しんでいることを知る。 帰宅したハントは、モーリンと出かけてダイナーに向かう。 1981年10月13日、午後8時57分、ダラス。 テレビで見た事件の担当刑事だと言われたハントは、相手がタッカーだと気づき、彼の名を呼び自分は優秀だと伝える。 帰りにガソリンスタンドに寄ったジュエルは、タッカーが店に入った間に、グローブボックスに拳銃があることに気づき動揺する。 家に戻ったジュエルは、玄関まで来てくれたタッカーにキスして別れる。 帰宅したタッカーは、ポーチにグリーンがいることに気づき不審に思う。 警官に囲まれたタッカーは車で逃走し、路地で車を止める。 女性が運転する車に乗り込んだタッカーは、子供が乗っていることを知り、二人を降ろして車を奪う。 ジュエルの家に向かったタッカーは、彼女を起こすことができず、馬に乗って移動しようとしながら、自分を捜すパトカーの隊列を見つめる。 タッカーがFBIに逮捕されたことを知ったハントは、刑務所に収監されることになる、入院中の彼を訪ねる。 ハントは、記念にとっておいた100ドル札をタッカーに渡し、何も語らずにその場を去る。 グリーンも逮捕され、逃亡中のウォラーの逮捕も時間の問題だと報道される。 収監されたタッカーは、面会に来たジュエルと話し、偽名などウソをついていたことを謝罪する。 タッカーは、1936年から1979年までの16回の脱走の記録をジュエルに渡す。 ジュエルから、17回目は考えずに最後までいたらと言われたタッカーは、その通りにして刑期を終えて釈放される。 迎えに来てくれたジュエルと共に彼女の家に向かったタッカーは、その場で平穏な日々を過ごす。 町に向かいハントに電話をしたタッカーは、バッグを手にして銀行に向かう。 タッカーは、その後も4件の銀行強盗を重ねた。 最後に逮捕された際の警官の証言では、タッカーは笑っていたということだった。
...全てを見る(結末あり)
40歳になったジョン・ハント刑事(ケイシー・アフレック)は、殺人現場で事件を担当する。
タッカーは、ビルの屋上から向かいの銀行を観察する。
ハントは、写真のタッカーが犯人だと考えながらドロシーの家に向かう。
ジュエルとダイナーにいたタッカーはハントに気づき、トイレに行った彼と話をする。
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*(簡略ストー リー)
1981年、テキサス州。
2年前に脱獄した銀行強盗のフォレスト・タッカーは、紳士的に犯行を行い人生を楽しんでいた。
そんなタッカーは、未亡人のジュエルと知り合い親交を深める。
その後もタッカーは、仲間のグリーンとウォラーと共に犯行を重ねる。
事件を担当するハント刑事は、”幸せそう”に現金を奪うタッカーの行動に興味を持ちながら捜査を続けるのだが・・・。
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2003年に”ザ・ニューヨーカー”に掲載された、デヴィッド・グランの記事”The Old Man and the Gun”を基に製作された作品。
長きにわたり映画界に貢献するロバート・レッドフォードが、本作で俳優を引退することを宣言したことで話題になった作品。
「セインツ -約束の果て-」(2013)、「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」(2017)などで知られるデヴィッド・ロウリーが脚本を兼ねて監督し、同二作に主演したケイシー・アフレックが再び彼と組んだ作品でもある。
引退を宣言したロバート・レッドフォードの若かりし頃の写真や映像などが随所で使用され、彼の映画人生と主人公フォレスト・タッカーの生き様を照らし合わせて見せるような演出が興味深い。
捜査する立場であるが、普通の強盗とは違う主人公の魅力に惹かれる刑事ケイシー・アフレック、その妻ティカ・サンプター、主人公の仲間ダニー・グローヴァーとトム・ウェイツ、主人公と親交を深める未亡人のシシー・スペイセク、主人公の娘エリザベス・モス、ハント(ケイシー・アフレック)の上司イザイア・ウィットロックJr.、同じく警部のキース・キャラダイン、警部補のジョン・デヴィッド・ワシントン、強盗に遭う銀行の支店長ジーン・ジョーンズ、他オーガスティーン・フリッツェルなどが共演している。