入植者の町の悪党に父を殺された無法者の復讐を描く、製作ハル・B・ウォリス、監督ロイド・ベーコン、主演ジェームズ・キャグニー、ハンフリー・ボガート、ローズマリー・レーン、ドナルド・クリスプ、ハーヴィー・スティーヴンス、ワード・ボンド他共演の西部劇。 |
・西部劇
・ハンフリー・ボガート / Humphrey Bogart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロイド・ベーコン
製作
サミュエル・ビスコフ
ハル・B・ウォリス
原作
エドワード・E・パラモアJr.
ウォーリー・クライン
脚本
エドワード・E・パラモアJr.
ロバート・バックナー
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
編集:オーウェン・マークス
音楽:マックス・スタイナー
出演
ジム・キンケイド/オクラホマ・キッド:ジェームズ・キャグニー
ウィップ・マッコード:ハンフリー・ボガート
ジェーン・ハードウィック:ローズマリー・レイン
ハードウィック判事:ドナルド・クリスプ
ネッド・キンケイド:ハーヴィー・スティーヴンス
ジョン・キンケイド:ヒュー・サザーン
アレック・マーティン:チャールズ・ミドルトン
エース・ドゥーリン:エドワード・ポーレー
ウェス・ハンドリー:ワード・ボンド
エド・カーリー:ルー・ハーヴェイ
イディアン・ジャック・パスコ:トレヴァー・バーデット
リンゴ(弁護士):ジョン・ミルジャン
モーガン判事:アーサー・エイルスワース
ホテルのスタッフ:アーヴィング・ベーコン
キーリー:ジョー・デヴリン
エイブ・コリンズ保安官:ウェイド・ボトラー
教授:レイ・メイヤー
保安官補:ダン・ウォルハイム
陪審員:ボブ・コートマン
バーの老人:テックス・クーパー
秘書:ジョン・ハロン
グロバー・クリーブランド大統領:スチュアート・ホームズ
タイムズ・レポーター:ジェフリー・セイアー
開拓地エージェント:フランク・メイオ
郵便局員:ジャック・モワー
入植者:アル・ブリッジ
酔っ払い:ドン・バークリー
バーテンダー:ホレイス・マーフィー
バーテンダー:ロバート・ホーマンス
バーテンダー:ジョージ・ロイド
マヌエリタ:ロジーナ・ガリ
ペドロ:ジョージ・レガス
郵便局員:クレム・ビヴァンス
先住民の女性:ソレダッド・ヒメネス
陪審長:エド・ブレイディ
入植者:トム・チャタートン
殺し屋:エリオット・サリヴァン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1939年製作 85分
公開
北米:1939年3月3日
日本:1940年5月29日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
クリーブランド大統領(スチュアート・ホームズ)は、オクラホマ準州の”チェロキー・ストリップ”(実際にはチェロキー・アウトレット)の土地販売を許可する法案に署名する。
土地取得のために先住民に支払われる現金が列車で到着し、駅馬車に積まれて運ばれるものの、ウィップ・マッコード(ハンフリー・ボガート)とその一味が強奪する。
それを目撃していたオクラホマ・キッド(ジェームズ・キャグニー)は、マッコードらを待ち伏せして現金を奪う。
チェロキー・シティ。
入植者が集まり、リーダーのジョン・キンケイド(ヒュー・サザーン)は、立派な町を建設することを皆と共に誓う。
息子ネッド(ハーヴィー・スティーヴンス)が必ず最初に杭を打ち込むと言うキンケイドは、明日の準備をする。
キンケイドは、信頼するハードウィック判事(ドナルド・クリスプ)に法の整備を任せる。 ハードウィックの娘ジェーン(ローズマリー・レイン)は、町の将来に希望を抱く。 人々のダンスが始まり、現れたキッドは仲間に入りジェーンと踊る。 キッドの元に向かったネッドは、会いたくない男だった彼を相手にせず、ジェーンを連れて行く。 町のホテルに向かったキッドは満室だと知り、ハードウィックとジェーンのために、18人泊っている部屋の男たちを追い出し、その場を2人に提供する。 手下のウェス・ハンドリー(ワード・ボンド)らと酒場にいたマッコードは、エース・ドゥーリン(エドワード・ポーレー)から、奪われた金を使った男がオクラホマ・キッドだと知らされる。 キッドを連れて来るよう指示したハンドリーが殴り倒されたために、マッコードは、金を返せと彼に迫る。 キッドは隙を見てその場から逃れ、騒ぎに気づき駆け付けたエイブ・コリンズ保安官(ウェイド・ボトラー)は、逃げたのが駅馬車強盗のオクラホマ・キッドだと言うマッコードの言葉を信じ、使われた金を確認する。 翌日、土地取得レースが始まり、ネッドら入植者はスタートする。 酒場に1人でいたキッドがレースに興味がないことを知ったハードウィックは、土地は先住民のものであり、町ができても土地の略奪や政治家が現れ、混乱するだけだという考えていることを知る。 人の権利を守るために法律があると言われたキッドは、新天地では無理な話であり、頼れるのは拳銃だけだとハードウィックに伝える。 そこにコリンズ保安官が現れ銃を向けられたキッドは、駅馬車の現金を奪った疑いで連行されそうになるものの、隙を見て逃げる。 一番手で到着したはずのキンケイドとネッドは、マッコードらが杭を打っていたために違反したと考える。 抗議されるものの、自分の土地だと言い張るマッコードは、キンケイドらを納得させる。 その後、”タルサ”(実際にはチェロキー・アウトレット内ではない)の町造りが始まり、マッコードは酒場と賭博場を開く。 町の発展と共に違法賭博や犯罪も増え、それに絡むマッコードを裁くことができず、合法的に追い出すためにキンケイドが市長に立候補する。 選挙活動を妨害したマッコードは、いずれ法で裁かれると警告するキンケイドの行動を阻止しようとする。 メキシコ人のペドロ(ジョージ・レガス)と妻マヌエリタ(ロジーナ・ガリ)の家に潜んでいたキッドは、キンケイドが、対立候補の殺人容疑で新任の保安官ネッドに拘留されたことを知り、タルサに向かう。 キッドの手配書を壁に貼っていた郵便局員(クレム・ビヴァンス)は、キッドから留置場の場所を訊かれ、彼が去った後でお尋ね者だと気づく。 現れたキッドに気づいたキンケイドは、それをネッドに伝える。 郵便局員からキッドのことを知らされたネッドは、彼を捜そうとする。 ハードウィック家を訪ねたキッドは、判事がいなかったためにジェーンと話し、お尋ね者であることを心配する彼女に、キンケイドを救いたいと伝える。 マッコードがキンケイドをワナにハメたことに気づいたキッドは、公平なハードウィックが裁くので、有罪にはならないだろうと考える。 キッドがキンケイドの息子だと知ったジェーンは驚き、ネッドが訪ねてきたことに気づく。 キッドが来ていると思っていたネッドは彼を捜し、ジェーンは誰もいないと言ってシラを切る。 ジェーンは、兄弟だったキッドのことを話さなかったネッドから、子供の頃はいい弟だったが犯罪者になってしまい、父に追い出されたという話を聞く。 ジェーンに惹かれているネッドは彼女にプロポーズするが、その話は今夜にしたいと言われて、その場を去る。 キッドの名がジムだと知ったジェーンは、ネッドと結婚するようにと言い残して去る彼を見送る。 マッコードは、弁護士のリンゴ(ジョン・ミルジャン)と今後のことを話し、ハードウィックを裁判から外しモーガン判事(アーサー・エイルスワース)に裁かせることを考える。 ドゥーリンに信頼できる者を集めさせたマッコードは、兄からの手紙をハードウィックに書くようリンゴに指示する。 病気だという兄の手紙を受け取ったハードウィックは、見舞いに行くことにする。 伯父から手紙を受け取っていたジェーンは、父が出かけたことを不思議に思い、マッコードが仕組んだ偽の手紙だと気づき駅馬車を追おう。 馬を走らせるジェーンから話を聞いたキッドは、マッコードが書いた偽の手紙を見せられ、モーガン判事に裁かせようとしていることを知る。 裁判を延期させることをジェーンに任せたキッドは、ハードウィックを必ず連れ戻すと彼女に約束する。 駅馬車に追いついたキッドは、マッコードの偽の手紙の件を話し、モーガンが裁くことを伝える。 この件に自分が関係する理由を訊かれたキッドは、キンケイドの息子だと答えて、ハードウィックと共に町に戻る。 裁判は始まり、マッコードら殺人現場の目撃者は証言し、キンケイドは有罪になる。 町に戻ったキッドはジェーンの元に向かい、父が有罪になったことを知り、自分のやり方で方をつけようとする。 留置場に向かったキッドは看守を留置場に閉じ込め、父の元に向かい逃がそうとする。 キンケイドは、法と秩序への信念を貫き逃げようとしない。 ネッドが留置場に戻り、キッドはその場から逃げる。 キッドがキンケイドの息子だと知ったマッコードは、酒場にいた男たちを扇動して、キンケイド親子をリンチにしようとする。 それを知ったハードウィックはその場に向かうが、留置場に閉じ込められてしまう。 ドゥーリンらに襲われたキンケイドは吊るされ、それを目撃したジェーンは悲しむ。 町に戻ったキッドは、ジェーンから、父が暴徒に殺されたことを知らされる。 キッドは、マッコードの手下ドゥーリン、ハンドリー、エド・カーリー(ルー・ハーヴェイ)、イディアン・ジャック・パスコ(トレヴァー・バーデット)ら4人が暴徒を扇動したことを知り、ハードウィックが、町に戒厳令を敷き首謀者を裁くつもりだと知るが、自分が何とかすると伝える。 ハードウィックは、ジェーンに頼まれてもキッドを止めようとしなかった。 酒場に向かったキッドは、マッコードがいないことを知り、手下の1人ジャックを殺す。 マッコードに許さないと伝えるよう警告したキッドは、その場を去る。 キッドを恐れるドゥーリンらは、リンチのことを目撃されているために身を隠すことにする。 その後、町に戒厳令が敷かれ、ネッドが連邦保安官に任命され、ドゥーリンら3人は殺人罪で告発されてお尋ね者となる。 カーリーを見つけたキッドは、彼を殺す。 ハンドリーを追ったキッドは、列車に飛び乗った彼を、銃撃戦の末に殺す。 逃亡に疲れたドゥーリンを捕らえたキッドは、黒幕がマッコードだと白状した彼を町に連れて帰る。 ジャックとハンドリーが死んだことを知ったハードウィックは、アレック・マーティン(チャールズ・ミドルトン)と共にキッドの仕業だと考え、ドゥーリンも同じ運命だと思う。 マッコードを逮捕するための証拠がないハードウィックとマーティンは、戻ったキッドからドゥーリンを連れて帰ったことを知らされる。 ドゥーリンから供述をとれることを確認したハードウィックは、彼を拘留するようマーティンに指示する。 後を任せたキッドは、マッコードを捜そうとするものの、引き止めるジェーンから愛していると言われ、ネッドが相応しい相手だと伝える。 決着をつけなければならないとジェーンに伝えたキッドは、ネッドのためにも無事でほしいと言われてその場を去る。 ネッドは、ドゥーリンからマッコードが首謀者だという証言を聞き、彼を逮捕しようとする。 ドゥーリンがキッドと戻ったことを知ったマッコードは、警戒して手下に見張らせる。 酒場に向かったネッドは、マッコードに銃を向けて逮捕しようとするが、撃たれてしまう。 キッドはマッコードを捜し、襲いかかってきた彼と格闘になる。 無事だったネッドが、キッドを助けるためにマッコードを射殺する。 ネッドは、恩赦を与えてほしいという手紙を知事に書いたことをキッドに伝える。 キッドに支えられたネッドだったが、力尽きて息を引き取る。 その後、アリゾナ準州に旅立とうとするキッドを引き止めたジェーンは、考えを変えないために諦めようとする。 広大な土地で帝国を築くなら1人では無理だと言うジェーンが、キッドと旅立つ決心をしたことを知ったハードウィックは、その場で結婚式を行い2人を夫婦と認める。 ジェーンを抱き寄せたキッドは、彼女にキスする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
オクラホマ準州の先住民の土地の販売が許可され、入植者たちは大挙して集まる。
入植者のリーダーであるキンケイドの息子ジムは、”オクラホマ・キッド”の名で知られる無法者だった。
入植者により造られた町”タルサ”で酒場と賭博場を仕切る悪党のマッコードは、敵対するキンケイドが市長に立候補しようとしたために、妨害して殺人の濡れ衣を着せる。
それを知ったキッドは町に向かい、ハードウィック判事と娘のジェーンの協力を得て、父を助けようとするのだが・・・。
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チャールズ・チャップリン作品の多くに出演したことでも知られ、その後、監督としてのキャリアを重ねるロイド・ベーコンが演出し、ジェームズ・キャグニーとハンフリー・ボガートの豪華共演が話題になった作品。
小柄を意識させない、他を圧倒する存在感のジェームズ・キャグニーは、無法者ではあるものの、町の悪党に立ち向かう男を熱演している。
黒ずくめの悪党として登場するハンフリー・ボガートが、西部劇のイメージに合わないと思いきや、クセのある役柄を見事に演じ、クライマックスではジェームズ・キャグニーとの大格闘も見せてくれる。
”レイン・シスターズ”の三女として知られるローズマリー・レインは、無法者である主人公に惹かれる判事の娘を魅力的に演じている。
マックス・スタイナーの軽快且つ勇壮な音楽も印象に残る。
無法者の主人公を見守り協力する判事のドナルド・クリスプ、主人公の兄である保安官のハーヴィー・スティーヴンス、その父親である入植者のリーダー、ヒュー・サザーン、判事の協力者チャールズ・ミドルトン、マッコード(ハンフリー・ボガート)の手下エドワード・ポーレー、ワード・ボンド、ルー・ハーヴェイ、トレヴァー・バーデット、マッコードの弁護士ジョン・ミルジャン、マッコード側の判事アーサー・エイルスワース、ホテルのスタッフ役アーヴィング・ベーコン、バーテンダーのジョー・デヴリン、保安官のウェイド・ボトラー、陪審員のボブ・コートマン、長官のジョン・ハロン、グロバー・クリーブランド大統領のスチュアート・ホームズ、開拓地エージェントのフランク・メイオ、郵便局員のジャック・モワーとクレム・ビヴァンス、入植者のアル・ブリッジ、トム・チャタートン、酔っ払いのドン・バークリー、バーテンダーのホレイス・マーフィー、ロバート・ホーマンス、ジョージ・ロイド、主人公を匿うメキシコ人夫婦のロジーナ・ガリとジョージ・レガス、陪審長のエド・ブレイディ、殺し屋のエリオット・サリヴァンなどが共演している。