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スパイ・レジェンド The November Man (2014)

引退したCIAエージェントがロシアの大統領候補とCIAの陰謀に立ち向かう姿を描く、監督ロジャー・ドナルドソン、主演ピアース・ブロスナンルーク・ブレイシーオルガ・キュリレンコラザル・リストフスキービル・スミトロヴィッチウィル・パットン他共演の犯罪サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ロジャー・ドナルドソン
製作
ボー・セント・クレア
スリラム・ダス
原作:ビル・グレンジャー”There Are No Spies”
脚本
マイケル・フィンチ
カール・ガイダシェク
撮影:ロマン・ラクールバ
編集:ジョン・ギルバート
音楽:マルコ・ベルトラミ

出演
ピーター・デヴェロー:ピアース・ブロスナン
デヴィッド・メイソン:ルーク・ブレイシー
アリス・フルニエ/ミラ・フィリポワ:オルガ・キュリレンコ
アルカディ・フェデロフ:ラザル・リストフスキー
ジョン・ハンリー:ビル・スミトロヴィッチ
サラ:イライザ・テイラー
セリア:カテリーナ・スコーソン
ペリー・ワインスタイン:ウィル・パットン
ナタリア・ウラノヴァ:メディハ・ムスリオヴィック
アレクサ・ディモイストリア:アミラ・テルツィメヒッチ
メイヤーズ:アキー・コタベ
エドガー・シンプソン:パトリック・ケネディ
セミヨン・デニソフ:ドラガン・マリンコヴィッチ
ジョーンズ:ベン・ウィレンズ

アメリカ/イギリス 映画
配給 レラティビティ・メディア
2014年製作 108分
公開
イギリス:2014年11月7日
北米:2014年8月27日
日本:2015年1月17日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $25,018,120
世界 $32,556,120


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2008年、モンテネグロ
CIAエージェントのピーター・デヴェロー(ピアース・ブロスナン)は、若い工作員のデヴィッド・メイソン(ルーク・ブレイシー)と同僚のジョン・ハンリー(ビル・スミトロヴィッチ)と共にある作戦を実行する。

大使の身代わりになり広場で殺し屋の標的になったデヴェローは、狙撃の準備をしたメイソンに撃つよう指示する。

メイソンは殺し屋を射殺するものの、少年が流れ弾に当たり犠牲になる。

銃弾を受けるものの防弾チョッキを着ていたため無事だったデヴェローは、撃つしかなかったと言って動揺するメイソンに、命令通り行動するよう伝える。
...全てを見る(結末あり)

5年後、スイスローザンヌ
引退してレマン湖畔のカフェを経営していたデヴェローは、訪ねて来たハンリーから、殺された工作員の写真を見せられる。

犯人はモスクワ出身の殺し屋アレクサ・ディモイストリア(アミラ・テルツィメヒッチ)で、元陸軍の将軍で次期ロシア大統領候補のアルカディ・フェデロフ(ラザル・リストフスキー)が、自分の過去を知る者を始末しているらしいということを、ハンリーはデヴェローに話す。

その件と自分との関係をハンリーに訊いたデヴェローは、フェデロフに近づいたスパイのナタリア・ウラノヴァ(メディハ・ムスリオヴィック)が重要な秘密をつかみ、潜入から抜けたがっていると言われる。

自分の後を継いだナタリアが、フェデロフの命取りになるある人物の名前を知ったと言われたデヴェローは、モスクワで彼女を救い、国境を越えてヘルシンキに向かう作戦の実行をハンリーから依頼される。

自分を指名したナタリアからの要望だと言われたデヴェローは、それを引き受ける。

モスクワ、下院ビル。
作戦は実行され、フェデロフの金庫から写真を取り出したナタリアは、それを携帯電話のカメラで撮影する。

戻ってきたフェデロフに気づかれぬまま、駐車場に向かい車を出したナタリアはビルを離れる。

棚に鍵がついていたため金庫を確認したフェデロフは、それが開いていることに気づく。

セルビアベオグラード、アメリカ大使館。
作戦本部のハンリーは、回収チームと合流するナタリアの位置などを部下のセリア(カテリーナ・スコーソン)から知らされる。

CIA本部の局長ペリー・ワインスタイン(ウィル・パットン)も、重要な作戦であるためにそれを見守る。

回収地点に近づいたナタリアは”FSB/連邦保安庁”に追跡され、車を捨てて逃亡する。

そこに現れたデヴェローは、ナタリアを車に乗せて逃亡する。

デヴェローとの間に子供がいるナタリアは、娘のルーシーが自分に会いたがっているということを知らされる。

ワインスタインから、現地で作戦に加わるメイソンに”42”を遂行させろと言われたハンリーは、それを拒む。

聞き入れないワインスタインの命令を受けたセリアは、”42”をメイソンに伝える。

重要人物の名前を言えと言われたナタリアは、”ミラ・フィリポワ”だとデヴェローに伝える。

ハンリーは、その名前をデヴェローから知らされる。

駐車場の屋上に向かったメイソンは、デヴェローの車が現れるのを待つ。

自分は終わりだとハンリーから言われたデヴェローは、ナタリアが撃たれたためにハンドルを誤り、衝突事故を起こす。

携帯電話をデヴェローに渡したナタリアは、息を引き取る。

怒りがこみ上げるデヴェローは車を降り、追跡用のドローンが回収されるのを確認する。

ナタリアは仲間であり、ロシア側が気づいた時点で命はなかったことを、ワインスタインはハンリーに伝える。

CIAの車両の数人を射殺したデヴェローは、残った一人がメイソンだったために驚き、互いに何もしないままその場を去る。

車を爆破したメイソンは、なぜこの場にデヴェローがいるのかを本部に問う。

その件を知らないセリアは、デヴェローが何者なのかをワインスタインに尋ね、1977~2008年まで活動しハンリーと組んでいたことを知らされる。

タクシーで空港に向かうデヴェローは、ナタリアから渡された携帯電話の写真を確認して、メモリーを取り出して本体を捨てる。

セルビアベオグラード
”ミラ・フィリポワ”のことを調べていたハンリーは、何者かに襲われる。

アパートに戻ったメイソンは、隣人のサラ(イライザ・テイラー)の猫が迷い込んでいたため、彼女の部屋に向かう。

猫を返したメイソンは、サラからコーヒーに誘われるものの、電話が入ったために部屋に戻る。

難民センター。
ニューヨーク・タイムズ”の記者エドガー・シンプソン(パトリック・ケネディ)は、ソーシャルワーカーのアリス・フルニエ(オルガ・キュリレンコ)から、フェデロフの話を聞こうとする。

ベオグラード・ニコラ・テスラ空港
到着したアレクサは街に向かい、予約したホテルの部屋で武器を確認して準備を始める。

アメリカ大使館。
現地に到着したワインスタインはメイソンを呼び出し、デヴェローと向き合った際に互いに撃たなかった理由を訊く。

自分が見つけ出して必ず説得すると伝えたメイソンは、恋人は持つなと言っていたデヴェローが、ナタリアと愛し合っていた証拠の写真を見せられる。

ナタリアを殺されたデヴェローが必ず自分達を狙うと言うワインスタインは、彼の抹殺をメイソンに命ずる。

その頃、ベオグラードに到着したデヴェローはハンリーの家に向かい、資料を調べる捜索チームの二人を叩きのめす。

ハッカーに会ったアレクサは、1990年代末に難民としてベオグラードに来たミラが、ソーシャルワーカーのアリス・フルニエの支援を受けていたものの、10年前に消息を絶ったことを知る。

アリスがレストランでランチの予約をしたことも知ったアレクサは、その場に向かう。

メイソンは、デヴェローが4時間前にベオグラード入りしたことを確認する。

ハンリーのパソコンでミラのことを調べたデヴェローは、アリス・フルニエの情報を入手する。

捜索チームの一人に扮して本部に電話をしたデヴェローは、セリアにアリスの携帯電話番号を伝えて位置を追跡させて、彼女がレストランにいることを知る。

ハンリーの家の捜索チームが二人だったことをセリアに確認したメイソンは、もう一人に電話をかけるよう指示する。

電話に出ないために、メイソンは相手がデヴェローだと考える。

ハンリーのデスクを探ったデヴェローは、彼と自分、そしてワインスタインが写っている写真を見つけて持ち去る。

レストランでエドガーに会ったアリスはフェデロフのことを訊かれ、残忍な行為で多くの者が犠牲になったと話す。

今が彼を叩くチャンスだと言われたアリスは、傷ついた多くの女性などへの影響を考えないエドガーを批判する。

フェデロフの悪事は暴かれるべきだと言うエドガーは、アリスが担当する女性からも話を聞こうとする。

彼女らを守るのが自分の仕事だと言うアリスは、フェデロフに逆らうことはできないとエドガーに伝える。

そこに、ウェイトレスに扮したアレクサが現れ、アリスに電話がかかっていることを伝える。

携帯電話が通じないということだったが、席を立ったアリスは電話を受けて、奥にいるデヴェローから、ウェイトレスは殺し屋だと知らされる。

叫んでアリスを呼び寄せたデヴェローは、現れたメイソンらから逃れるために、店を出て市場に向かう。

メイソンに電話をしたデヴェローは、6人で自分を捕えられると思うのかと伝える。

動揺するアリスが騒ぐために落ち着かせたデヴェローは、逃げたければ自分を信じるようにと伝える。

再びメイソンに電話をして駐車場に誘き寄せたデヴェローは、その場の車のガソリンのパイプを外す。

アリスを車に乗せたデヴェローは、車を爆破して逃走する。

店を出たアレクサは、エドガーを尾行する。

デヴェローから、ミラの居場所と最後に会った時を訊かれたアリスは、3年位前だと答える。

ウェイトレスはロシアの殺し屋で、追ってきた男はCIAだと話すデヴェローは、どちらもミラを捜していることをアリスに伝え、保護した女性の資料があることを確認する。

追われた男を憎んでいないと言うデヴェローは、むしろ親友だと伝えて、アリスと共に難民センターに向かう。

ミラの資料はないと言うアリスは、ボードに貼ってあった、”第二次チェチェン紛争”でフェデロフの右腕だったレベデンコことセミヨン・デニソフ(ドラガン・マリンコヴィッチ)の写真を確認し、売春を仕切っている彼の元に向かう。

デニソフを知るデヴェローは歓迎され、フェデロフの情報を聞き出そうとするものの拒まれる。

次は自分が殺されると言われたデニソフは、戦争を始めたフェデロフだったが、当時CIAが全てを仕切っていたことをデヴェローに話す。

貨物保管所のコンテナに監禁されていたハンリーは、ローザンヌでデヴェローに会い、彼を使ったことをセリアから追及される。

デヴェローを始末できなかったことをワインスタインから責められたメイソンは、ケースオフィサー(現場担当官)だった彼の自分の評価を渡される。

アパートに戻り、デヴェローの指導報告書をチェックしたメイソンは、落第の評価を確認する。

サラの猫に気づき返しに行ったメイソンは、部屋に戻ろうとするものの、彼女に呼び止められて、初めてまともに挨拶する。

数台の携帯電話を手に入れたデヴェローは、フェデロフとCIAが共謀して紛争を起こした証拠を知るミラを捜そうとする。

最初にミラを見つけた者がフェデロフを支配できると言うデヴェローは、メイソンのアパートが監視できる住人が留守中の家に忍び込む。

アリスからモスクワのことを訊かれたデヴェローは、ナタリアという女性に不幸な出来事が起きたことを話す。

メイソンが女性(サラ)と出かけるのを確認したデヴェローは、アリスから、自分を助けた理由を訊かれる。

自分を信用するなと言うデヴェローは、失望することになるとアリスに伝える。

アリスがロシア語を話すことを知ったデヴェローは、大学教授だった両親から教えられたと言われる。

クラブで楽しんだメイソンとサラは、アパートに戻り愛し合う。

ミラを殺す考えのデヴェローに、見つからなかった場合のことを訊いたアリスは、必ずいつかは見つかると言われる。

危険な場所に向かうと言うデヴェローは、アリスに金を渡し、身を隠して連絡を待つようにと伝えて携帯電話を渡す。

夜中に目覚めたメイソンはサラがいないことに気づき、彼女からのメールを受けて不審の思い、隠してあった銃もないため彼女を捜す。

デヴェローに銃を向けられていたサラは怯えながら、話を聞くようにと言わされる。

自分は助ける価値があるかを尋ねろと言われたサラは指示に従い、デヴェローは、メイソンが答えないために彼女を脅す。

助ける価値はあると答えたメイソンは、自分を見限ったデヴェローを非難し、なぜ落第させたのかを問う。

ナタリアの狙撃は撃つしかなかったと伝えたメイソンは、彼女が恋人とは知らなかったと言うものの、銃を渡されてテストされる。

デヴェローに銃を向けたメイソンは、標的が深い関係の相手の大動脈を切ったらどうすると言われる。

撃つことができないメイソンは、サラの大腿部の大動脈を切って逃げたデヴェローを追わずに、救急車を呼んで彼女を病院に運ぶ。

ハンリーの尋問を続けるセリアは、CIAの仕事は何かを訊かれ、情報収集だと答える。

そんなものは役には立たず、人を集めることが重要で、フェデロフを支配することが自分の目的だと話す。

ベオグラード、インペリアル・ホテル。
到着したフェデロフは、アレクサに指示を与える。

エドガーに会ったアリスは、フェデロフの話をすることを伝える。

フェデロフがヨーロッパ・エネルギー会議に出席するためにインペリアル・ホテルに宿泊していることを、アリスはエドガーから知らされる。

エドガーの家に向かたアリスは、喋れない振りをしたミラという女性が、フェデロフに気に入られたことを話す。

奥の部屋に隠れていたアレクサは、エドガーに襲い掛かりナイフで彼を刺す。

瀕死のエドガーがアレクサの脚をつかみ倒した隙に、アリスはその場から逃げる。

アパートに戻りデヴェローの情報を調べたメイソンは、引退してローザンヌに滞在する彼には娘がいることを知る。

ハンリーが監禁されているコンテナに押し入ったデヴェローは、セリアに銃を向ける。

自分が来ることをナタリアが知らなかった理由をハンリーに問うデヴェローは、指示以上の行動を始めた彼女の回収が決まったことを知る。

ナタリアも自分も動けない状況で、デヴェローを行かせるしかなかったと言うハンリーは、本部は疑ったが、フェデロフが紛争を仕掛けた証拠を彼女がつかんだと話す。

全てはCIAがやったことだと言うデヴェローは、こちら側で関与したのは誰かをハンリーに問い、ナタリアの危機を知らせて回収を命じ、殺害を指示した男だと言われる。

ワインスタインに会ったメイソンは、デヴェローには12歳になる娘のルーシーがいて、母親はナタリア・ユリノフであることを伝える。

デヴェローがベルリンでナタリアをスパイにしたとワインスタインから知らされたメイソンは、恋人すら持つなと教わったデヴェローが、家族がいることを隠していたことを話す。

ハンリーは、ワインスタインがメイソンにナタリアを殺させ、ミラも殺す気だとデヴェローに話す。

口が利けたミラの両親は大学教授で、英語とロシア語も話せるため、フェデロフの話を全て理解できたこともデヴェローは知らされる。

デニソフの元に向かったアリスは、デヴェローの頼みだと言ってあることを頼む。

アリス・フルニエが死亡していることをセリアから知らされたメイソンは、デヴェローといた女の正体を調べる。

デニソフが派遣した娼婦としてフェデロフがいるホテルに着いたアリスに扮していたミラは、デヴェローからの電話を受け、思い止まるよう説得される。

電話を切ってフェデロフの部屋に向かったミラは、紛争時に両親と弟を殺され、フェデロフのペットのように弄ばれたことを想いだしながら、復讐のために凶器にする鏡を割ってドレスに隠す。

ミラがアリスに扮していたことを知ったメイソンは、フェデロフがホテルに滞在していることを知る。

ベッドに向かったミラは、鏡の破片を取り出してフェデロフの首筋に押し当てる。

家族の恨みだと言う娼婦がミラだと気づいたフェデロフは、彼女を抑え込み、自分が誰か分かっているのかと言って彼女を脅す。

ホテルに忍び込んだデヴェローは、警備の男達を次々と倒し、フェデロフの部屋に押し入る。

再びフェデロフに襲い掛かり殺そうとするミラに、彼の悪事を世間に公表してからだと言って、デヴェローは思い止まるよう説得する。

携帯電話で撮影するようミラに指示したデヴェローは、チェチェン紛争時に協力したCIAは誰かを、フェデロフから聞き出そうとする。

ロシアンルーレット”でフェデロフを脅したデヴェローは、共謀したCIAがハンリーだと知り、写真を取り出してそれを確認させる。

ワインスタインでないかと言うデヴェローだったが、デヴェローはそれを否定し、ミラがハンリーを指差す。

その場から逃れたデヴェローは、現れたメイソンらに発砲する。

ミラに、戻らない場合はオランダ大使館に向かい全てを話すようにと伝えたデヴェローは、その場を去る。

メイソンと格闘になり叩きのめしたデヴェローは、携帯電話を置いて中を確認しろと伝えて姿を消す。

本部に戻ったメイソンは、セリアに携帯電話の映像を見せてワインスタインに伝えようとするものの、彼のオフィスにいたのはハンリーだった。

セリアを下がらせたハンリーは、自分が責任者で上司だとメイソンに伝える。

ホテルに戻ったデヴェローは、今後の身の安全は確保するとミラに伝え、彼女から感謝される。

翌朝、ミラから1週間前のことを訊かれたデヴェローは、ローザンヌで湖畔のカフェを経営し、両親のことをよく知らない12歳になる娘のルーシーと暮らしていることを話す。

寄宿学校にいるはずのルーシーに電話をしたデヴェローは、それを受けたハンリーに娘を傷つけたら殺すと伝える。

構わないと言うハンリーは、フェデロフを支配することがCIAにとって最も重要なことだと伝え、ワインスタインは帰国したことをデヴェローに知らせる。

ルーシーの情報はメイソンが入手したと言うハンリーは、ミラを渡せば娘を返すとデヴェローに伝える。

駅に向かい3人分の席を確保し国境を越える準備をするようミラに指示したデヴェローは、失敗したら諦めてほしいと伝えて覚悟を決める。

ハンリーに会ったデヴェローは、フェデロフが大統領になればロシアは”NATO”に加盟し、それを自分が支配すると言われる。

ミラは、駅のカフェでネットを使い、エドガーとの連名でフェデロフの戦争犯罪について文章を書き始める。

ハッカーから、ミラが駅で乗車券を3枚購入したことを知らされたアレクサは、用済みの彼を射殺する。

ルーシーと話したデヴェローの交信をキャッチしたセリアは、その場所を探る。

ハンリーからミラの居場所を訊かれたデヴェローはバス停だと答え、行き先を伝える。

それをメイソンに伝えたハンリーは、ミラを連れてくるよう指示する。

ミラを渡せばルーシーは返すことを約束するハンリーは、暗号名”ノーベンバー・マン”と言われ恐れられたデヴェローは健在だったと語る。

ルーシーの居場所をセリアから知らされたメイソンは、行き場所が違うと言う同僚のジョーンズ(ベン・ウィレンズ)から銃を向けられる。

助手席のシートベルトのバックルにコインを詰めたメイソンは、車を暴走させて壁に突っ込む。

シートベルトをしていなかったジョーンズは、フロントガラスを突き破って死亡し、メイソンはエアバッグで助かる。

駅に向かったアレクサは、ミラを捜す。

ルーシーの監禁されている場所に向かったメイソンは、監視していた男達を殺し、彼女を救い出す。

チェチェン紛争での我が国の犠牲は皆無で、東西の対立は終わり、今後は文明社会と中東の対立だと、ハンリーはデヴェローに話す。

アレクサに気づいたミラはその場から逃げて、彼女を待ち伏せして殴り倒す。

カフェに戻ったミラは、文章の続きを書く。

戻ったメイソンは同僚達を殺し、ハンリーに銃を向ける。

まだ東西対立をさせる気かとハンリーから言われたデヴェローは、これが自分のやり方だと伝えて、メイソンに感謝してその場を去る。

待っていたルーシーを抱きしめたデヴェローは、駅に向かいミラを捜す。

文章を完結させてフェデロフの写真を添付したミラは、それを”ニューヨーク・タイムズ”にメールで送る。

デヴェローに気づいたミラは駆け寄り、ルーシーと共にホームに向かう。

オランダハーグ国際刑事裁判所
ミラは、フェデロフに家族を殺され、自分は2年間監禁され辱めを受けたことを話す。

CIAのジョン・ハンリーと共謀して民間のビルを爆破したフェデロフが、第二チェチェン紛争のきっかけを作ったことを、ミラは証言する。

大統領の夢を絶たれたフェデロフは、今後のことを考えるためにクルーザーで長期休暇を楽しんでいたが、狙撃されて水中に落下する。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
CIAを引退したピーター・デヴェローは、ロシアの次期大統領候補であるフェデロフが命取りとなる情報を入手したスパイ、ナタリアの回収作戦を、元同僚のハンリーから依頼される。

デヴェローの教育を受けた工作員のメイソンは回収作戦に加わり、情報を入手してデヴェローに救出されたナタリアを、ワインスタイン局長の命令で狙撃する。
その情報の詳細を知るのは、第二チェチェン紛争時のロシア陸軍の将軍フェデロフに家族を殺され辱めを受けた女性ミラ・フィリポワだった。
大統領になるために自分の過去を知る者を殺し屋に排除させていたフェデロフは、難民だったミラを担当したソーシャルワーカーのアリスの抹殺も命ずる。
そして、フェデロフ、CIA、恋人だったナタリアを殺されたデヴェローは、全ての鍵を握るミラを捜そうとするのだが・・・。
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1987年に発表された、ビル・グレンジャーの小説”There Are No Spies”を基に製作された作品。

セルビアの首都ベオグラードを舞台に、第二チェチェン紛争が、ロシアの将軍とCIAの共謀により引き起こされたという設定で展開する犯罪サスペンス。

それを隠蔽しようとする権力者の陰謀に巻き込まれる元CIA工作員と、秘密を知る紛争の犠牲者である女性が絡む複雑な内容を、ロジャー・ドナルドソンは無難にまとめ、軽快な演出によりまずまず見応えある作品に仕上がっている。

実際は地道で泥臭い諜報活動が、美しいベオグラードのロケや登場人物のキャラクターにより、スマートで洗練された雰囲気で描かれているため、娯楽作品としても楽しめる。

007/ダイ・アナザー・デイ」(2002)で”007シリーズ”を降板したピアース・ブロスナンが、その”ジェームズ・ボンド”を彷彿させる役柄で元CIAエージェントを演ずることが話題になった作品。

ピアース・ブロスナンは、CIAケースオフィサー(現場担当官)だったために、度々、厳しい言動で物事に対処する工作員を熱演している。

主人公に教育を受けた工作員のルーク・ブレイシー、物語の鍵を握る、主人公に協力する、第二チェチェン紛争で家族を殺された女性を演ずるオルガ・キュリレンコ、その家族を殺し彼女を弄んだ次期ロシア大統領候補で、自分の秘密を知る者の排除を実行するラザル・リストフスキー、彼と組んでチェチェン紛争を引き起こしたCIAビル・スミトロヴィッチ、メイソン(ルーク・ブレイシー)の隣人イライザ・テイラーCIAの作戦オペレーター、カテリーナ・スコーソン、陰謀の黒幕的な存在に見せる演出で局長を演ずるウィル・パットン、主人公の恋人であるスパイのメディハ・ムスリオヴィックロシアの殺し屋アミラ・テルツィメヒッチ、CIAの作戦オペレーター、アキー・コタベ、”ニューヨーク・タイムズ”の記者パトリック・ケネディベオグラードの売春を仕切るドラガン・マリンコヴィッチCIA工作員のベン・ウィレンズなどが共演している。


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