1996年に発表された、ニコラス・スパークスの小説”The Notebook”を基に製作された作品。 身分違いの男女の時代を越えた恋を描く、監督ニック・カサヴェテス、主演ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジェームズ・ガーナー、ジーナ・ローランズ、ジョアン・アレン、ジェームズ・マースデン他共演のラブ・ロマンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニック・カサヴェテス
製作
マーク・ジョンソン
リン・ハリス
製作総指揮
トビー・エメリッヒ
アヴラム・ブッチ・カプラン
原作:ニコラス・スパークス”The Notebook”
原案:ジャン・サルディ
脚本:ジェレミー・レヴェン
撮影:ロバート・フレース
編集:アラン・ハイム
音楽:アーロン・ジグマン
出演
ノア・カルフーン:ライアン・ゴズリング
アリソン”アリー”ハミルトン:レイチェル・マクアダムス
ノア・カルフーン(老年期)/デューク:ジェームズ・ガーナー
アリソン”アリー”ハミルトン(老年期):ジーナ・ローランズ
アン・ハミルトン:ジョアン・アレン
ロン・ハモンドJr.:ジェームズ・マースデン
マーサ・ショー:ジェイミー・ブラウン
フランク・カルフーン:サム・シェパード
フィン:ケヴィン・コナリー
ジョン・ハミルトン:デヴィッド・ソーントン
サラ・タフィントン:ヘザー・ウォールクィスト
エスター:スターレッタ・デュポワ
アメリカ 映画
配給 ニュ ー・ライ ン・シネマ
2004年製作 124分
公開
北米:2004年6月25日
日本:2005年2月5日
製作費 $29,000,000
北米興行収入 $81,001,790
世界 $115,603,230
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
老人養護施設で暮らす痴呆症のアリー・ハミルトン(ジーナ・ローランズ)の部屋を訪ねる同じ入所者のデューク(ジェームズ・ガーナー)は、ノートを持参しては、彼女にノアとアリーの物語を話して聞かせていた。
1940年6月6日、サウスカロライナ州、シーブルック・アイランド。
製材所で働くノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)と友人のフィン(ケヴィン・コナリー)は、カーニバルに向い楽しんでいた。
サラ・タフィントン(ヘザー・ウォールクィスト)と一緒にいる17歳のアリソン”アリー”ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)が気になったノアは、避暑でこの地に来ている彼女が大金持ちだということを知る。
アリーを誘ったノアは、彼女に連れがいたために断られる。 その後、アリーが乗っていた回転ゴンドラに乗り込んだノアは、彼女を強引にデートに誘う。 承知しないと飛び降りとノアが言うため、アリーは仕方なくデートの約束をする。 数日後、フィンとサラと共に映画を観に行ったノアとアリーは、映画館を出た後、車で帰った二人と別れる。 様々なことを話したノアとアリーは、たちまち恋に落ちる。 ある夜、カルフーン家を訪ねたアリーは、ノアが、父フランク(サム・シェパード)を前に詩の朗読をしていたために驚く。 フランクに挨拶したアリーは、趣味で描いた絵をプレゼントして、幼い時に吃音だったノアが、詩の朗読でそれを克服したことを知る。 田舎者と都会育ちで裕福なノアとアリーは、釣り合わない恋ではあった。 喧嘩もする二人ではあったが、一つだけ共通するのは愛し合っていることだった。 父ジョン(デヴィッド・ソーントン)からノアに会ってみたいと言われたアリーは、彼を日曜日のパーティーに招待する。 出席者から仕事や時給のことを聞かれても正直に話すノアは、アリーとのことは真剣なのかと母親アン(ジョアン・アレン)に聞かれる。 夏も終り、アリーがニューヨークの大学に通うようになると言うアンだったが、ジョンは、子供達の好きにさせるようにと意見する。 その後、ノアとアリーの楽しそうに過ごす姿を見ながら、ジョンは、ひと夏の恋だとアンに伝える。 ある夜ノアは、アリーを農園の古い家に連れて行き、そこを買い取り直して暮らす夢を語る。 二人は愛し合おうとするが、初めてのアリーは動揺する。 そこに現れたフィンは、アリーの両親が心配して警察に捜査を依頼したとことをノアに知らせる。 アリーを家に送ったノアは、ジョンにその場で待つよう言われる。 書斎に向かったアンは別れさせると言って声を荒げ、ノアはよい青年だが、クズであり相手として相応しくないとアリーに伝える。 アリーは、肉体労働者の家に嫁ぎ子供を産む気なのかとアンに言われる。 冷静に対応するジョンからも、ノアが相応しくない相手だと言われたアリーは、17歳の自分に愛が分かるのかとアンに問われる。 両親こそ愛し合っているとは思えないと反論するアリーは、出て行ったノアを追う。 話を全て聞いていたノアは、考えたいと伝えてその場を去ろうとするが、アリーは彼を引き留める。 アリーの将来を思うと、幸せになれるはずがないと考えるノアは苦悩し、夏の終わりまで様子を見ることを提案して帰ろうとする。 納得いかないアリーは、自分から別れると言ってノアを突き放すが、車で去る彼を見つめながら後悔する。 翌日、家に帰るとアンに言われたアリーは製材所に向い、ノアが配達でいなかったために、フィンにこの地を離れることを伝える。 愛していることをノア伝え謝罪してほしいと言うアリーは、ノアをこれ以上、傷つけないほうがいいとフィンに助言される。 ノアの気持ちを理解するべきだと言われたアリーは、愛しているとだけ伝えてほしいとフィンに言い残してその場を去る。 戻って来たノアはフィンから話を聞き、アリーの家に向かうものの、彼女は去っていた。 その後ノアは、別れたことを謝罪する手紙をアリーに書くが、アンがそれに気づき保管する。 毎日、1年間、365通の手紙を書き続けたノアだったが、返事はなかった。 1年後、最後の手紙を出したノアは、フィンと共にアトランタに向かい工事現場で働く。 やがてアメリカは参戦し、陸軍に入隊したノアとフィンは北アフリカ戦線で2年間戦う。 その後、二人は、パットン将軍率いる第3軍に配属され、フィンは戦死する。 大学に通うアリーは、3年生の時に病院でのボランティアに参加し、重傷を負った負傷兵ロン・ハモンドJr.(ジェームズ・マースデン)からデートに誘われる。 その後、回復したロンはアリーをデートに誘い、二人は恋に落ちる。 南部の大富豪の家系である弁護士のロンとの交際には、アリーの両親も賛成だった。 プロポーズされたアリーはそれを受けるものの、その瞬間ノアを想い浮かべてしまう。 終戦となり故郷に戻ったノアは父フランクに迎えられ、家を売って農園を買ったことを知らされる。 農園の家を前にノアが想うのは、アリーだった。 ノアは、改築の夢を果たすためにチャールストンに向い、その許可を得ようとする。 バスに乗っていたノアは、アリーを見かけたために彼女を追う。 しかし、アリーが男性(ロン)とキスして楽しそうにしていたために、ノアはショックを受ける。 アリーとの思いでの家を直せば彼女が戻ると考えたノアは、正気を失ったように改築に没頭する。 父フランクを亡くしたノアには家だけが残り、そして改築は終わった。 成し遂げたことに満足したノアは、家を燃やしてしまうことを真剣に考え、買い手は何人も現れるもののそれを断ってしまう。 鬱憤を晴らそうとしたノアは毎朝ボートを漕ぎ、寂しさを紛らすために、戦争未亡人のマーサ・ショー(ジェイミー・ブラウン)と愛し合った。 しかしノアは、恋をする気にはなれなかった。 結婚式の準備をしていたアリーは、改築した家と共に写ったノアの写真記事を見て驚き卒倒してしまう。 やり残したことを片付けたいとロンに伝えたアリーは、シーブルック・アイランドに向かう。 ノアの家を訪ねたアリーは、彼が何も話さないために帰ろうとする。 車を垣根にぶつけてしまったアリーは、ノアに声をかけられて家に寄ることになる。 いい話だというアリーだったが、以前何度も聞いたことがあるような気がするとデュークに伝える。 診察を受けたデュークは、認知症は諦める時期を考える必要があると医師から言われるが、時に、神の力は科学の限界を超える場合があると伝える。 ロンのことをアリーから聞いたノアは、食事をして会話を弾ませ、かつて、この場で愛し合おうとしたことを思い出す。 アリーを見送るノアは、翌朝、連れて行きたい場所があると言って、会う約束をする。 突然、アリーが自分の世界に戻ったことで、再び彼女を失った場合の苦しさをノアは考える。 早く結末が知りたいと言うアリーは、デュークの家族が現れたために、昼寝をする時間だと彼に伝えて部屋に戻る。 娘や息子から、自分達のことも分からない母親アリーが認知症であるため、家に戻ってほしいと言われたデュークは、最愛の人である妻と一緒にいるこの場が家だと伝える。 ホテルに戻ったアリーは、ロンから心配していたという電話を受ける。 翌朝、ノアと共にボートで渡り鳥を見に行ったアリーは、容姿や雰囲気が変わったことを伝える。 家の改築をやり遂げたことに感心するアリーは、それは約束したことだったとノアに言われる。 雨に降られながらボートで戻ったノアは、7年も待ったのになぜ連絡をくれなかったのかとアリーに問われる。 1年間、毎日、365通も手紙を書いたと言うノアは、それを知らないアリーに、今でも愛していると伝えてキスする。 家に戻ったノアとアリーは、激しく愛し合う。 翌朝、マーサが現れ、ノアから話を聞いているアリーは、彼女を歓迎する。 夜までその場で過ごしたマーサは、夫が死んで以来、初めて人を愛せる気がするとノアに伝えてその場を去る。 翌日、目覚めたアリーは、買い物に行ったノアのメモに気づき、彼が自分のために絵の道具を用意してくれてあったことを知る。 絵を描いてたアリーは、現れた母アンからロンが来ると言われる。 アンに手紙のことを問い詰めたアリーは、謝罪する母を避難するが、帰る支度をするようにと言われてある場所に向う。 採石場に着いたアンは、その場で作業する男性の話を始め、25年前に駈け落ちまでした相手だとアリーに伝える。 結局は隣町に着く前に保護されたアンは、その後もこの場を訪れたのだが、今の生活がどんなに幸せかを実感すると話しながら涙する。 夫を愛していると言うアンは、アリーを抱きしめる。 ロンが町に着いたことを確認したアンは、アリーをノアの家に送り、彼からの手紙を渡して、正しい選択をするよう伝えてその場を去る。 ホテルにロンが来ていることをアリーから知らされたノアは、ようやく手紙を受け取った彼女に、今後どうするのかを尋ねる。 答えられないアリーに、また振り出しに戻るのかと問うノアは、この二日間のことが理解し合えない彼女と口論になる。 将来を思い描き、自分が今どうしたいか考えるようにと言われたアリーは、ロンの元に向かうとノアに伝えてその場を去る。 涙しながら運転していたアリーは対向車とぶつかりそうになってしまい、車を止めてノアの手紙を読みホテルに向かう。 デュークと共に部屋に戻ったアリーは、ノアとロンは、結局どちらが選ばれたのかを問う。 ロンと話し合ったアリーは、ノアの元に戻る。 思い出したと言うアリーは、自分達の物語だとデュークに伝える。 ”ノア”とアリーに呼ばれたデュークは、愛していることを伝えて彼女を抱きしめる。 再び忘れてしまうまでの時間を尋ねたアリーは、前は5分持たなかったとノアに言われる。 二人は、自分達の曲を流して踊り、アリーは子供達のことをノアに尋ね、謝ってほしいと伝える。 あの頃に戻れるかと尋ねながら、アリーはドライブしたいと言い出すが、ノアはやめておこうと伝える。 アリーは、突然、記憶を失い、ノアが誰なのかが分からなくなり動揺する。 取り乱してしまったアリーは、現れた看護師に支えられながら、医師に鎮静剤を打たれる。 その姿を見たノアは、アリーを気の毒に思い涙する。 部屋に戻ったノアは、アリーとの思い出の写真を眺めながら、彼女の書いた愛の物語を見つめる。 その後、心臓発作を起こしたノアは病院に運ばれる。 退院して施設に戻ったノアは、部屋を抜け出してアリーの様子を見に行くが、看護師(スターレッタ・デュポワ)は許可してくれない。 看護師がその場を離れた隙にアリーの部屋に向かったノアは、暫く物語を読んであげられなかったことを謝罪する。 何も思い出せなくなっても決して離れないと言うノアは、心配するアリーを安心させる。 自分達の愛が奇跡を起こすかと聞かれたノアは、そうなると答え、今までもそうであったとアリーに伝える。 一緒に死ねるかと聞かれたノアは、二人の愛に不可能はないと言って愛を確かめ合い、アリーに寄り添って眠る。 翌朝、アリーの様子を見に行った看護師は、ノアとアリーが、手を取り合いながら亡くなっていることに気づく。
...全てを見る(結末あり)
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■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
老人養護施設で暮らすデュークは、痴呆症の女性アリーに、度々、物語を話して聞かせていた。
1940年、製材所で働くノア・カルフーンは、避暑でこの地を訪れていた富豪令嬢のアリーに一目惚れしてしまい、たちまち恋に落ちる。
しかし、アリーの両親は身分違いだと判断して交際に反対し、その地を離れることにする。
仕方なくそれに従ったアリーを諦めきれないノアは、1年間、毎日、彼女に手紙を書き続けるものの返事はなかった・・・。
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人気作家ニコラス・スパークスの原作を、ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズの息子であるニック・カサヴェテスが監督した作品で、彼の母ジーナ・ローランズがヒロインの老年期を演じている。
1950年代のメロドラマを思い起こさせる作風のラブロマンスであり、若き日に出会った男女の生涯を通した愛を描く、心に響く秀作ドラマに仕上がっている。
純粋なラブ・ストーリーではあるが、痴呆症とその介護などの問題に焦点を当てた内容でもあり、わずかな時間だけ戻る記憶を取り戻すため、献身的に妻に寄り添う夫の姿が心を打つ。
ハリウッドの一時代を築いた名優ジェームズ・ガーナーとジーナ・ローランズが主人公達の老年期を演じ、感動を誘う深い演技を見せてくれる。
過去と現在の恋物語をうまくまとめた内容は、観客の評価はよかったものの、批評家には不評だった。
北米興行収入は約8100万ドル、全世界では約1億1600万ドルのヒットとなった。
自分の生き方に自信は持っているのだが、身分違いの女性との恋に苦悩する青年を好演するライアン・ゴズリング、結局は主人公との恋を選ぶ富豪令嬢レイチェル・マクアダムス、主人公の老年期ジェームズ・ガーナー、ヒロインの老年期ジーナ・ローランズ、ヒロインの母親ジョアン・アレン、父親デヴィッド・ソーントン、ヒロインと結婚する弁護士ジェームズ・マースデン、主人公と親交を深める戦争未亡人ジェイミー・ブラウン、主人公の父親サム・シェパード、主人公の親友ケヴィン・コナリー、ヒロインの友人ヘザー・ウォールクィスト、看護師スターレッタ・デュポワなどが共演している。