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将軍たちの夜 The Night of the Generals (1967)

1962年に発表された、第二次大戦ものを得意とするドイツ人作家ハンス・ヘルムート・カーストの小説”The Night of the Generals”を基に製作された作品。
ヒトラー暗殺計画”ワルキューレ”をベースに描く、製作サム・スピーゲル、監督アナトール・リトヴァク、主演ピーター・オトゥールオマー・シャリフトム・コートネイドナルド・プレザンスクリストファー・プラマー他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:アナトール・リトヴァク
製作:サム・スピーゲル

原作:ハンス・ヘルムート・カーストThe Night of the Generals
脚本
ジョセフ・ケッセル
ポール・デーン

撮影:アンリ・ドカエ
編集:アラン・オズビストン
音楽:モーリス・ジャール

出演
ピーター・オトゥール:タンツ中将
オマー・シャリフ:グラウ少佐
トム・コートネイ:ハルトマン伍長
チャールズ・グレイ:フォン・シーディッツ=ガーブラー将軍
ドナルド・プレザンス:カーレンベルク少将
フィリップ・ノワレ:モラン刑事
クリストファー・プラマーロンメル元帥
ジョアンナ・ペティット:ウルリケ
ジュリエット・グレコ:ジュリエット
ジョン・グリーソン:サンダウアー大佐
コーラル・ブラウン:シーディッツ=ガーブラー夫人
ニコール・クールセル:レイモン
ナイジェル・ストック:オットー
ゴードン・ジャクソン:エンゲル大尉

アメリカ/イギリス/フランス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1967年製作 143分
公開
北米:1967年2月2日
イギリス:1967年1月29日
フランス:1967年4月1日
日本:1967年5月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1942年冬、ナチス・ドイツ支配下のワルシャワ
あるアパートで、情報部のスパイであった娼婦が殺され、犯人はドイツ軍将校であろうということが分かる。

情報部のグラウ少佐(オマー・シャリフ)は、3人の将軍を容疑者としてあげる。

貴族出身の第7軍団長フォン・シーディッツ=ガーブラー将軍(チャールズ・グレイ)、その参謀長カーレンベルク少将(ドナルド・プレザンス)、師団長タンツ中将(ピーター・オトゥール)だった。

同じ頃、前線で負傷したハルトマン伍長(トム・コートネイ)が、音楽家志望の学生だったことから、いとこのコネで夜会の音楽担当をカーレンベルクに命ぜられる。

エンゲル大尉(ゴードン・ジャクソン)を伴い、夜会に出向いたグラウは、3人の将軍に会い探りを入れる。
...全てを見る(結末あり)

一方、プレイボーイのハルトマンは、夜会の音楽を仕切るガープラー将軍夫人エレノアの指示を受けていた。

そして、ハルトマンは、その娘ウルリケ(ジョアンナ・ペティット)と親密な関係になっていく。

翌日、再びタンツの元を訪ねたグラウは、抵抗市民を制圧することに追われる彼を見て、その場を立ち去る。

さらに、カーレンベルクの差し金で、中佐に昇進したグラウは、パリ転属を命ぜられる。

1944年7月。
連合軍ノルマンディーに上陸したものの、パリはまだドイツ占領下で、各師団が集結していた。

パリ情報部勤務となっていたグラウは、再びガープラーとカーレンベルクの前に現れ、やがて前線から呼び戻されたタンツも現れる。

戦闘部隊を率いた前線を好むタンツを、カーブラーらは好ましく思わなかった。

カーレンベルクは、ハルトマンを、24時間タンツの監視に付けることにする。

グラウは、モラン刑事(フィリップ・ノワレ)を訪ね、将軍達の捜査を、レジスタンス3人の釈放を条件に協力してもらう。

その頃、将軍達によるヒトラー暗殺計画が実行されつつあり、失敗すれば、その擁護派ロンメル元帥(クリストファー・プラマー)の命も危ぶまれていた。

そんな時、カーブラーとカーレンベルクの元に、ロンメルが負傷したという連絡が入る。

ハルトマンは、タンツの運転手兼付き人として、昼はパリ見物、夜はナイトクラブへと案内し、人間味のない彼の監視役に戸惑いを感じる。

グラウはモランの情報から、娼婦殺人犯がカーレンベルクかタンツであると考える。

ナイトクラブの女を連れ出したタンツは、アパートで彼女を殺害し、ハルトマンに罪をかぶせて逃走する。

殺人現場で、ハルトマンの認識票を見つけたグラウだったが、でき過ぎた犯行に疑問を抱き、カーレンベルクの元に向かう。

グラウの面会を受けたカーレンベルクは、その時、ヒトラー暗殺計画、暗号名”ワルキューレ”実行の一報を受ける。

ヒトラーが死亡したと思い込んだカーレンベルクは、直ちに部下達に、クーデターのための指令と危険人物タンツの逮捕を命ずる。

グラウは、ニーベルンゲンの師団本部のタンツの元に急行して、彼を逮捕しようとする。

そこに”ワルキューレ”失敗の連絡が入り、タンツはグラウを射殺してしまう。

1965年、ハンブルグ
国際警察の警部になっていたモランは、友人のグラウの遺志を継ぎ、今でもワルシャワパリで起きた事件を追っていた。

モランは、生き延びていたカーレンベルクから、パリの事件当時、ハルトマンが、2日間だけタンツの付き人をしていたことを聞く。

そしてモランは、未だに起きる怪奇殺人事件の犯人が、タンツであると確信する。

カーブラーと娘ウルリケに会ったモランは、師団創設25周年記念行事で演説するタンツと、行方不明となっていたハルトマンを対面させる。

そして、タンツは付き人から銃を受け取り、祝宴会場で自殺する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1942年冬。
ナチス支配下のワルシャワで、情報部のスパイであった娼婦が殺され、同所属のグラウ少佐は、ドイツ軍の3人の将軍を容疑者とする。
貴族出身の第7軍団長ガーブラー、その参謀のカーレンベルク、師団長タンツだった。
グラウは3人に探りを入れるものの、カーレンベルクの差し金で、彼はパリ転属を命ぜられる。
1944年7月、連合軍ノルマンディーに上陸し、未だドイツ軍占領下のパリには各師団が集結、3人の将軍も顔を合わせることになる。
グラウは、地元警察のモラン刑事を訪ね、レジスタンスの釈放を条件に将軍達の捜査協力を依頼する。
その頃、将軍達によるヒトラー暗殺計画が進められ、失敗すると、擁護派のロンメル元帥の命も危ぶまる状況にあった。
ガーブラーは、前線を好むタンツを好ましく思わず、参謀カーレンベルクは、部下のハルトマン伍長を彼の運転手兼付き人として監視役にする。
グラウはモランの情報から、娼婦殺人の犯人が、カーレンベルクかタンツだと確信する。
同じ頃タンツは、ナイトクラブの女を連れ出して殺害し、ハルトマンに罪をかぶせて逃走する。
殺人現場を検証した、グラウの訪問を受けたカーレンベルクだったが、その時、ヒトラー暗殺計画”ワルキューレ”実行の一報を受ける・・・。
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1960年代前半から活躍し始めた、 イギリス人若手俳優らを中心にした、豪華顔合わせのサスペンス超大作。

同じ題材である”ヒトラー暗殺計画”が登場する「ワルキューレ」(2008)、「砂漠の鬼将軍」(1951)も参考にしたい作品だ。

ナチス・ドイツの将軍による殺人事件を、第二次大戦中の歴史の事実に絡め、多彩な登場人物を見事に操る、ウクライナ生まれの国際派監督アナトール・リトヴァクの、重厚且つ巧みな演出は見応え十分で、晩年の彼の代表作と言える。

ナチス占領下のワルシャワパリの様子、または軍隊の描写にも手抜きがなく、サスペンス作品の域を越えて、戦争映画としても楽しめる。

特に、ヒトラー暗殺計画”ワルキューレ”を、後半の殺人犯捜査と共に描く、緊迫した展開は非常に興味深い。

モーリス・ジャールの、戦争サスペンスの要素を見事に表現した音楽も印象に残る。

サディスティックな殺人犯を、異様な雰囲気で演ずる、ピーター・オトゥールの怪演が見所のひとつで、感情を表に出さない非情な人物を好演している。

正義感があり、上官の圧力にも怯まない、殺人事件を追う情報部将校オマー・シャリフ、前線を嫌ったがために、変質的な将軍の犯罪の犠牲になる伍長トム・コートネイ、楽観的な貴族出身の将軍チャールズ・グレイ、その参謀で”ワルキューレ”の黒幕的存在のドナルド・プレザンス、敵味方を越えた、友情と信念で殺人犯を追い続ける刑事フィリップ・ノワレら、主な登場人物の演技のぶつかり合いは見ものだ。

他、ロンメル元帥役でクリストファー・プラマー、ハルトマン(T・コートネイ)と恋仲になるジョアンナ・ペティット、その母でカーブラー将軍(C・グレイ)夫人コーラル・ブラウン、情報部将校役ゴードン・ジャソンなどが共演している。


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