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交渉人 The Negotiator (1998)

交渉人同士の巧みな心理戦を描く、監督F・ゲイリー・グレイ、主演サミュエル・L・ジャクソンケビン・スペイシーデヴィッド・モースロン・リフキンジョン・スペンサーJ・T・ウォルシュポール・ジアマッティ共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:F・ゲイリー・グレイ

製作
デヴィッド・ホッバーマン

アーノン・ミルチャン
脚本:ジェームズ・デモナコ
撮影:ラッセル・カーペンター
美術:ホルガー・グロス
編集:クリスチャン・ワグナー
音楽:グレーム・レヴェル

出演
ダニー・ローマン:サミュエル・L・ジャクソン

クリス・セイビアン:ケビン・スペイシー
アダム・ベック:デヴィッド・モース
グラント・フロスト:ロン・リフキン
アル・トラヴィス:ジョン・スペンサー
テレンス・ニーバウム:J・T・ウォルシュ
ルーディー・ティモンズ:ポール・ジアマッティ
カレン・ローマン:レジーナ・テイラー
ネイサン・ローニック:ポール・ギルフォイル
マギー:シオバン・ファロン
パレルモ:マイケル・カドリッツ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1998年製作 139分
公開
北米:1998年7月29日
日本:1999年7月3日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $44,547,680
世界 $48,947,680


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
シカゴ
市警の交渉人ダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)は、娘を人質にして銃を向け、妻に会わせろと言って自宅に立て篭もった男に対し、命を懸けて解決する。

バーで同僚から称えられていたローマンは、親友でもある刑事のネイサン・ローニック(ポール・ギルフォイル)から、警察の200万ドル近い障害基金が横領され、身近な警官や内務捜査局の人間が関わっていることを聞く。

帰宅したローマンは、英雄にはなったものの自分の身を案ずる妻カレン(レジーナ・テイラー)のために、無茶はしないことを約束する。

その後、ローマンは、ネイサンに呼び出されるが、彼が何者かに殺されているのを発見する。

そこに警官が現れ、現状証拠によりローマンは警官に連行される。
...全てを見る(結末あり)

ローマンは、グラント・フロスト警視(ロン・リフキン)と、内務局のテレンス・ニーバウム(J・T・ウォルシュ)に、ネイサンから聞いていた年金横領の件を話す。

ネイサンの葬儀を終え、自宅に戻っいたローマンは、再び濡れ衣を着せられ、家宅捜査を受ける。

アル・トラヴィス署長(ジョン・スペンサー)とフロスト警視は、ローマンの無実を信じるが、ニーバウムは、あくまで彼に疑いをかける。

しかし、ローマンの海外の隠し口座が見つかり、彼は再び警察に連行されてしまう。

署内では、HBT(人質救出チーム)のアダム・ベック(デヴィッド・モース)らもローマンを疑いの眼差しで見始める。

疑いが晴れぬまま、ローマンは定職処分となり、彼は、トラヴィス署長にバッジと拳銃を渡す。

ネイサンの妻からも非難されたローマンは、海外口座の金額と横領額が一致し、凶器の銃も彼と結びつく証拠となってしまう。

残りの金と仲間の名を出すよう要求されたローマンは、裁判で争っても勝ち目がない状況になる。

ローマンは、自らの潔白と妻カレンとの生活を守るために、内務局に押し入り、ニーバウムと助手のマギー(シオバーン・ファロン)、そこに居合わせたタレ込み屋のルーディー・ティモンズ(ポール・ジャマッティ)、そして、説得に現れたフロスト警視を人質にとり、立て篭もってしまう。

トラヴィス署長は、HBTのベックに、ローマンが自分達のやり方を熟知していることを伝え、即刻、市行政ビルを包囲させる。

FBIも交渉役に現れるが、ローマンは内部の裏切り者を警戒し、交渉人に西地区のクリス・セイビアン(ケヴィン・スペイシー)を指名する。

セイビアンが到着するまでの、時間稼ぎの交渉役を、全く相手にしないローマンは、銃を発砲して脅しをかける。

ベックは、セイビアンでも交渉は不可能だと考え、強行突入をトラヴィス署長に提案する。

警察側の動きを全て読んでいるローマンは、妥協を許さず完璧な交渉を始め、セイビアンの到着を待つ。

ローマンは、事件の鍵を握るニーバウムに圧力をかけ、銃を向けて真実を強引に聞き出そうとする。

そこに、セイビアンからの電話が入り、ローマンは落ち着きを取り戻し、内偵とネイサン殺害犯を8時間以内に捜すよう要求する。

そして、それが果たされなければ、1時間ごとに1人の人質を殺すことを伝える。

ローマンの妻カレンが現れ、夫の無実をセイビアンに訴える。

セイビアンはローマンに呼ばれ、内務局に向かい、人質を殺した場合は、この役を降りることを告げる。

ローマンは、外部の人間と交渉するしかなかったことをセイビアンに伝える。

しかし、強行手段を主張するベックとトラヴィス署長の指示でHBTが窓から突入し、ベックは、ローマンの射殺命令を狙撃手パレルモ(マイケル・カドリッツ)に出す。

パレルモは、ローマンを射殺することが出来ず、ベックに任務から外される。

セイビアンは、トラヴィス署長とベックに突入の説明を求めるが、あくまで交渉で事件を解決しようとした。

時間がかかるほど、ローマンの思う壺だとの考えで執った強攻策だったが、トラヴィス署長は、止むを得ずセイビアンに指揮を任せる。

ビルから警察を挑発するローマンを、ベックは尚も射殺するべきだと主張する。

ローマンは、突入した警官二人も人質に取り、その一人を射殺してしまい、その直後、FBIが大挙して現場に押し寄せる。

ニーバウムの助手マギーから、コンピューターの中に彼の秘密ファイルがあることを聞きだしたローマンは、再び現れたセイビアンに、電気を復旧するよう要求する。

セイビアンは、人質一人の解放と交換することをローマンに伝え、彼はフロスト警視を解放する。

コンピューターに詳しいルーディーが、ニーバウムの秘密ファイルを開き、彼が殺されたネイサンの電話を盗聴していたのが明らかになる。

トラヴィス署長とベックは、万一のために、換気口を通って、ローマンの頭上に隊員達を配備することをセイビアンに提案し、それが許可される。

しかし、HBT隊員は、隙を見てローマンを殺そうとしていた。

セイビアンは、内偵者の警官を見つけたと言って偽り、ローマンにそれを伝えるが、彼はニーバウムのファイルから、ネイサンが内偵者だということを突き止める。

ニーバウムを脅したローマンは、彼から、ネイサンが掴んだ証拠を、買収され処分した聞かされるが、HBTがセイビアンとの約束を無視し突入する。

ローマンは必死で抵抗し、セイビアンが攻撃を止めさせるが、基金を横領した者を吐いたニーバウムが射殺されてしまう。

FBIに指揮権を奪われたセイビアンは、周囲がローマンを殺そうとしているとしか思えず、何らかの圧力がかかっていることに気づき、独断でビルに向かう。

ルーディーやマギーは、無実だとわかったローマンを慰め、彼も迷惑をかけたことを人質に謝罪する。

マギーは、ニーバウムが自宅でも仕事をしていたことをローマンに伝え、証拠のコピーがあるかもしれないことがわかる。

現れたセイビアンに、ニーバウムが自白したため暗殺されたことを伝えたローマンは、突入した隊員を殺していないことも彼に知らせる。

ニーバウムの、自宅の証拠を手に入れようとするローマンは、人質を解放してビルに火を放つ。

HBT隊員はビルに突入し、ローマンは暖房の通気口からビルの外に脱出する。

セイビアンは、ローマンの無実を証明するチャンスを与えるため、彼の逃亡を助ける。

救出されたルーディーは、警察への協力を拒否するのだが、刑務所行きだと脅されたマギーは、ローマンが、ニーバウムの自宅に向かったことを話してしまう。

トラヴィス署長とベックは、HBT隊員を率いニーバウムの自宅に向かい、隊員とローマンは一触即発となる。

そこにフロストが現れ、黒幕が彼だと悟ったセイビアンは一芝居打ち、ローマンを銃撃してフロフトを罠にかけ彼の謀略を暴く。

フロストは自殺しようとするが、ベックが彼を銃撃しそれを阻止して逮捕する。

傷を負いながら、フロストに銃を向けたローマンだったが、彼はその拳銃をトラヴィス署長に渡す。

ローマンはセイビアンに感謝し、彼からバッジを渡されて、カレンに付き添われ病院に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
シカゴ市警の交渉人ダニー・ローマンは、親友の刑事ネイサンから、身近な警官や内務捜査局の人間が関わっている、200万ドル近い警察の障害基金が横領について知らされる。
その後、ローマンは、ネイサンが何者かに殺されていることに気づくが、現れた警察官に現状証拠で連行されてしまう。
ローマンは、フロスト警視と内務局のニーバウムに、ネイサンから聞いていた年金横領の件を話す。
しかし、ローマンは濡れ衣を着せられて家宅捜査を受け、海外の隠し口座が見つかってしまう。
疑いが晴れぬまま、ローマンは定職処分となり、状況証拠から完全に不利な立場に立たされ、仕方なく彼は、内務局に押し入り、ニーバウムと、その場に居合わせたタレ込み屋のルーディー、そして、説得に現れたフロスト警視を人質にとり、立て篭もってしまう。
トラヴィス署長は、HBT(人質救出チーム)のベックに、市行政ビルを包囲させる。
FBIも交渉役に現れるが、ローマンは、内部の裏切り者を警戒し、交渉人には別の地区のクリス・セイビアを指名する・・・。
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交渉人自らが事件に巻き込まれ、仲間を人質に取ることになり、別の交渉人と協力して、警察の内部汚職を摘発するという、冷静に考えると、とてつもなく不条理なストーリーであり、アメリカ社会の抱えている、大きな問題が見え隠れするところなどが実に興味深い。

家族や正義のために、単独で権力に立ち向かう、サミュエル・L・ジャクソンの体を張った熱演は、彼らしく迫力満点だ。

演技派のとして、着実にキャリアを積み始め、翌年「アメリカン・ビューティー」(1999)でアカデミー主演賞を獲得することになるケビン・スペイも、存在感抜群だ。

HBT隊長のデイヴィッド・モースや、他の作品でも、警察関係幹部役などがよく似合う、ロン・リフキンジョン・スペンサー、本作の公開を待たずに急死したJ・T・ウォルシュポール・ジャマッティという、脇を固める多彩な共演陣もうれしい。

他、主人公の妻レジーナ・テイラー、暗殺される主人工の同僚ポール・ギルフォイル、人質となる内務局長助手シオバン・ファロン、狙撃手のマイケル・カドリッツなども出演している。


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