ボリス・カーロフ主演による、1932年のホラー映画「ミイラ再生」のリメイク。 葬られた3000年前の大司祭の呪いを解いてしまった冒険家の戦いを描く、監督、脚本スティーブン・ソマーズ、主演ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、ジョン・ハナー、アーノルド・ヴォスルー他共演のアクション・アドベンチャー大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーブン・ソマーズ
製作
ショーン・ダニエル
ジェームズ・ジャックス
パトリシア・カー
原作:ケヴィン・ジャー
脚本:スティーブン・ソマーズ
撮影:エイドリアン・ビドル
編集:ボブ・ダクセイ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
リチャード”リック”オコーネル:ブレンダン・フレイザー
エヴリン”エヴィー”カナハン:レイチェル・ワイズ
ジョナサン・カナハン:ジョン・ハナー
イムホテップ:アーノルド・ヴォスルー
アレン・チャンベーリン博士:ジョナサン・ハイド
アーデス・ベイ:オデッド・フェール
ベニー・ガボール:ケヴィン・J・オコナー
テレンス・ベイ博士:エリック・アヴァリ
ギャド・ハッサン刑務所長:オミッド・ジャリリ
アナクスナムン:パトリシア・ヴェラスケス
ウィンストン・ハーヴェロック:バーナード・フォックス
ヘンダーソン:スティーブン・ダンハム
ダニエルズ:コーリー・ジョンソン
バーンズ:タック・ワトキンス
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1999年製作 124分
公開
北米:1999年5月7日
日本:1999年6月19日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $155,247,830
世界 $415,933,410
■ アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
紀元前1290年、エジプト、テーベ、セティ1世の時代。
王に仕える大司祭、死者の番人でもあるイムホテップ(アーノルド・ヴォスルー)は、王の愛妾アナクスナムン(パトリシア・ヴェラスケス)と関係を持ってしまう。
その命をかけた恋の末に、二人は王を暗殺して捕らえられてしまい、アナクスナムンは自害する。
アナクスナムンの遺体を盗み出したイムホテップと僧侶は、砂漠の奥地、死者の都”ハムナプトラ”で、彼女を生き返らせる儀式を行う。
その最中、イムホテップらは乱入した衛兵に捕らえられてしまう。
イムホテップは、“ホムダイ”と呼ばれる血も凍る極刑を受けて、生きたままミイラにされ、死の安らぎは永遠に訪れることはなかった。
その棺を開ければ人類に死をもたらし、イムホテップを滅ぼすことは不可能だった。
__________
1923年。 トゥアレグ族の襲撃を受けたリックは、外人部隊の傭兵ベニー・ガボール(ケヴィン・J・オコナー)に見捨てられるものの、何とか難を逃れる。 砂漠の民アーデス・ベイ(オデッド・フェール)は、独り砂漠に向かうリックを捕えようとはせずに見逃す。 3年後、カイロ。 物音がしたため保管庫に向かったエヴリンは、隠れていた兄のジョナサン(ジョン・ハナー)がテーベで入手した、セティ1世の玉璽が入った地図とパズル・ボックスに興味を示す。 エヴリンとジョナサンは、地図が死者の都”ハムナプトラ”を示していることに気づく。 その話を聞いたベイは、その秘宝を狙いどれだけの者が命を落としたかを知るため、それを探そうとするエヴリンとジョナサンの身を案ずる。 エヴリンとジョナサンは、そのパズル・ボックスを見つけた、投獄されているリックに面会に行く。 リックと話したエヴリンは、ハムナプトラに行ったことが嘘ではないことを確認し、場所を知りたければ釈放させるようにと言われ、彼からキスされてしまう。 リックは絞首刑のなるため処刑台に向かい、エヴリンは刑務所長ギャド・ハッサン(オミッド・ジャリリ)を買収しようとするものの、刑は執行される。 エヴリンは、まだ生きているリックが、ハムナプトラの場所を知っているとハッサンに伝え、分け前を渡す条件で釈放させる。 ギザ港。 その夜リックは、ジョナサンから話を聞いたアメリカ人のヘンダーソン(スティーブン・ダンハム)とダニエルズ(コーリー・ジョンソン)、そしてバーンズ(タック・ワトキンス)が、ハムナプトラを探そうとしていることを知る。 リックと話をしたエヴリンは、無礼で粗野だが頼りになりそうな彼が、気になる存在になる。 キスした理由をリックに訊いたエヴリンは、死刑前の気まぐれだと言われたあため、気分を害して席を立つ。 その時、物陰に隠れていたベニーを見つけたリックは、アメリカ人の案内役をしようとする裏切り者の彼を川へ放り投げる。 部屋に戻っていたエヴリンはパズル・ボックスを狙う賊に襲われるものの、現れたリックに助けられる。 ランプの火が燃え移って船は炎上し、リックとエヴリン、ハッサン、そして、パズル・ボックスを持ったジョナサンは川に飛び込む。 その後、リック、エヴリン、ジョナサン、ハッサンの4人は、砂漠を渡りハムナプトラへと向かう。 そんなリックらを、アーデス・ベイが監視する。 リックらは、ベニーに案内されたヘンダーソンらアメリカ人とエジプト学者のアレン・チャンベーリン博士(ジョナサン・ハイド)らの一行と出くわす。 一同は、夜明けと共に目の前に現れたハムナプトラを確認し、先を争ってその場に向かう。 チャンベーリンらとは別々に発掘を始めたリックらは、地下で彼らと出くわし、先に財宝を見つけようとして一触即発になる。 ある場所を開けようとしたチャンベーリンは、雇ったエジプト人にそれを任せるが、彼らは噴出した酸で顔が溶けてしまう。 リックらの前には石棺が落下し、エヴリンは、身分が高く悪事を働いた者が埋葬されている可能性を指摘する。 石棺にパズル・ボックスをはめ込む場所があることを知ったエヴァンは、それがキーだと気づく。 そこに、肉食のスカラベが体内に入り取り乱すハッサンが現れ、壁に激突して死亡する。 その時、アーデス・ベイ率いるハムナプトラを守る部族が現れ、リックらに一日以内に立ち去るようにと伝えて立去る。 リックとヘンダーソンらは協力し合うことにして、交代で見張りを立てる。 その後、リックとエヴリンはいい雰囲気になるものの、彼女は酔い潰れてしまう。 チャンベーリンとヘンダーソンらはある箱を見つけるが、呪いを恐れるベニーは怯える。 石棺を開けたリックらは、生きたまま閉じ込められたと思われるミイラを確認する。 箱の中の”死者の書”こそが財宝だとヘンダーソンらに伝えたチャンベーリンは、一緒に入っていた壺などを彼らに渡す。 書を開けることができないチャンベーリンに、エヴリンはキーが必要であることを伝える。 石棺の中にあった肉食の”スカラベ”の骨をリックとジョナサンに見せたエヴリンは、それが、死体の肉を食べて何年も生き延びると話す。 ミイラがスカラベに食われたと知ったリックは、王の女に手を出したため、“ホムダイ”と呼ばれる刑を受けた者は、この世に甦ると10の災害がエジプトを襲うという話をエヴリンから聞く。 チャンベーリンが寝ている間に書を拝借したエヴリンは、パズル・ボックスでそれを開き、記述された呪文を唱えてしまい、ミイラは叫び声を上げる。 それに気づいたチャンベーリンが、読むなと警告した時には既に手遅れだった。 大量のバッタが襲い掛かり、リックらは遺跡の中に逃げ込む。 転んでメガネを壊してしまったバーンズは、何者かに襲われる。 現れたスカラベの大群から逃れたリックとジョナサンだったが、エヴリンが壁の奥の空間に入ってしまう。 その場にいたバーンズが両目をえぐられ舌を抜かれていることに気づいたエヴリンは、彼の目と舌を奪ったミイラ(イムホテップ)に襲われそうになる。 イムホテップからアナクスナムンかと訊かれエヴリンは、逃げようと言われる。 そこにリックが現れ、イムホテップを一撃してエヴリンとジョナサンと共に逃げる。 再び現れたアーデス・ベイは、復活したイムホテップを倒すことは不可能だとリックらに伝えて、救ったバーンズを引き渡す。 ベニーに近づいたイムホテップは、アナクスナムンを甦らせる”聖なる壷”を捜すために、財宝を渡して彼に従わせる。 カイロ、ブランドン砦。 納得できないリックは、酒場に向かい今後のことを考える。 仮面を被りベニーと共に現れたイムホテップは、バーンズから生気を吸い取る。 その後リックらは、街に災いを起こし肉体を取り戻していくイムホテップに襲われそうになる。 その場にいたネコを恐れたイムホテップは、姿を消す。 図書館に向かったリックらは、アーデス・ベイと館長のベイが、ハムナプトラを守る秘密結社の一員だということを知る。 完全に甦るまでは、イムホテップが聖獣であるネコを恐れることも知ったリックらは、ベイから、アナクスナムンを甦らせるための生贄にエヴリンが選ばれたと言われる。 ベニーを締め上げたリックとジョナサンは、イムホテップが”聖なる壷”でアナクスナムンを甦らせようとしていることを知る。 イムホテップがチャンベーリンを襲い、生気を吸い取り”聖なる壷”を奪ったことを知ったリックとジョナサンは、エヴリンの元に戻ろうとする。 ヘンダーソンを襲い生気を吸い取ったイムホテップは、眠っていたエヴリンに近づく。 そこに”聖獣”のネコを連れたリックが現れ、それを恐れたイムホテップは、砂に姿を変えてその場から逃れる。 ほぼ肉体が甦ったイムホテップは、最後の災害である、疫病に罹った民衆に呪いをかけて扇動する。 死者の書は甦えらせるためのものだが、”黄金の本アムン・ラー”がイムホテップを倒すことをリックに話したエヴリンは、遺跡のホラスの像の中にそれがあることを知る。 車でその場から逃れたリックらだったが、襲い掛かる人々に引きずり落されたダニエルズが、イムホテップから生気を吸い取られる。 最後の壺を手に入れたイムホテップは、完全に甦える。 リックらは包囲されてしまい、自分が犠牲になるしかないと考えたエヴリンは、イムホテップに歩み寄る。 エヴリンから、儀式の時間を稼ぐようにと言われたリックは、アーデス・ベイに説得されたため、仕方なくそれに従う。 ジョナサンからパズル・ボックスを奪ったベニーは、イムホテップとエヴリンと共にその場を去る。 民衆に襲われそうになったリックらはマンホールから下水道に逃げ込むが、ベイは捕らえられて殺される。 ギザ。 ハムナプトラに着いたイムホテップは、複葉機で追って来たリックらに、砂嵐を起こして襲い掛かる。 複葉機は墜落し、リック、ジョナサン、アーデス・ベイは無事だったが、ウィンストンは命を落とし流砂にのみ込まれる。 ハムナプトラに侵入したリックらは、財宝が隠されている場所にたどりつく。 そこに、イムホテップが甦らせた僧侶のミイラ達が現れる。 リックらは、襲ってくるミイラに対抗しながら黄金の書/アムン・ラーを探す。 財宝を見つけたベニーは、それを奪い逃げようとする。 アムン・ラーを見つけたリックとジョナサンは、再び現れたミイラにアーデス・ベイが立ち向かう隙にその場から逃れる。 アナクスナムンを甦らせる儀式を始めたイムホテップは、エヴリンを生贄に捧げようとする。 そこにリックが現れてエヴリンを解放し、彼女はジョナサンに書の表紙の文字を読むよう指示する。 ミイラの兵士達が甦えってリックとエヴリンに襲いかかり、ジョナサンは呪文を唱える。 指示に従ったミイラがアナクスナムンを葬り去る姿を見たイムホテップは、ジョナサンに襲い掛かる。 リックがイムホテップの腕を切り落とし、エヴリンがパズル・ボックスでアムン・ラーを開く。 リックに襲いっかったイムホテップは、エヴリンの呪文で人間に戻ってしまう。 剣でリックに刺されたイムホテップは、ミイラに戻り葬り去られる。 欲に目がくらみ、更に財宝を運び出そうとしたベニーは、仕掛けを動かしてしまい、遺跡は閉ざされそうになる。 リックらはその場から逃れるが、その場に取り残されたベニーは、スカラベの大群の餌食になる。 脱出したリックとエヴリン、そしてジョナサンは、ハムナプトラが崩壊する様子を見守る。 無事に脱出していたアーデス・ベイは、リックらに感謝して立ち去る。 今回も手に入れるものがなかったことを嘆くジョナサンだったが、自分は違うと言うリックは、エヴリンとの愛を確かめる。 気落ちするジョナサンと共に、その場から去ろうとするリックとエヴリンの乗るラクダには、ベニーが持ち去ろうとした財宝が積まれていた。
アメリカ人の冒険家リチャード”リック”オコーネル(ブレンダン・フレイザー)は、ハムナプトラに眠るといわれる財宝を探し求めていた。
...全てを見る(結末あり)
古代博物館の図書館に勤務する学者エヴリン”エヴィー”カナハン(レイチェル・ワイズ)は、整理していた本棚を誤って倒してしまい、館長のテレンス・ベイ博士(エリック・アヴァリ)から非難され、元通りにするよう指示される。
リック、エヴリン、ジョナサンは、ハムナプトラに向けて出発することになるが、財宝を狙うハッサンも同行することになる。
リックは引き上げることをエヴリンに伝えるものの、世界が滅びてしまうため、イムホテップが完全に甦る前に倒す必要があると言われる。
イギリス空軍基地に向かったリックは、知人のウィンストン・ハーヴェロック(バーナード・フォックス)の複葉機でハムナプトラに向かう。
参考:
・「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」(1999)
・「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」(2001)
・「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(2008)
*(簡略ストー リー)
紀元前1290年エジプト。
セティ1世に仕える大司祭、死者の番人でもあるイムホテップは、王の愛人アナクスナムンと愛し合ってしまう。
二人は、王を暗殺して捕らえられてしまい、アナクスナムンは自害する。
イムホテップはアナクスナムンの遺体を盗み出し、死者の都”ハムナプトラ”で彼女を生き返らせる儀式を行う。
しかし、イムホテップは再び捕らえられ、血も凍る極刑を受けて生きたままミイラにされ、その棺を開けば人類に死をもたらし、彼を滅ぼすことは不可能だと言われた。
1923年。
アメリカ人の冒険家リチャード”リック”オコーネルは、ハムナプトラに眠るといわれる財宝を探し求めていた。
3年後、カイロの古代博物館の図書館員である学者エヴリンは、兄ジョナサンが入手した、セティ1世の玉璽が入った地図とパズル・ボックスに興味を示し、地図がハムナプトラを示していることに気づく。
エヴリンとジョナサンは、そのボックスを見つけた投獄されているリックに面会し、処刑寸前で彼の命を助ける。
そして、死者の都ハムナプトラを目指す三人は、ギザ港を出発するのだが・・・。
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8000万ドルの製作費をかけたCGを駆使した迫力ある映像、復活したミイラと生身の人間との戦いなど、見応え十分のアクション・アドベンチャー大作。
「インディアナ・ジョーンズ」シリーズの亜流にならないかと心配された作品ではある。
しかし、逞しく力強い敵役イムホテップの存在や、復活する理由が、愛する人を甦らせるためだという、残虐な中にも哀愁漂うロマンチックな物語をうまくミックスさせた、メリハリの利いた歯切れのいいスティーブン・ソマーズの演出は見ものだ。
ドラマチックなストーリーを盛り上げる、ジェリー・ゴールドスミスの勇壮な音楽も印象に残る。
北米で、約1億5500万ドルの興行収入を上げ、全世界では約4億1600万ドルの大ヒットとなった。
第72回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
気のいい若者役などが似合うブレンダン・フレイザーが、無礼で粗野ではあるが男気のある冒険家を好演している。
細かいことを気にせずに、素早く行動を起こす決断力など、見ていて実に痛快だ。
学者としては優秀なのだが、世間知らずでややドジな役柄のレイチェル・ワイズも、演技派ならではの熱演を見せてくれる。
それに輪をかけておめでたい彼女の兄を、ユーモアたっぷりに演じるジョン・ハナー、ミイラ役を迫力で演ずるアーノルド・ヴォスルー、その愛人で出番は少ないものの、妖艶で魅力的なパトリシア・ヴェラスケス、思慮深く知性も感じる部族のリーダー役のオデッド・フェール、イムホテップの僕となる傭兵であるガイドのケヴィン・J・オコナー、ハムナプトラを守る秘密結社のリーダーだった図書館館長エリック・アヴァリ、エジプトの学者ジョナサン・ハイド、刑務所長のオミッド・ジャリリ、主人公の友人であるイギリス空軍のパイロット、バーナード・フォックス、ハムナプトラの財宝を狙うアメリカ人のスティーブン・ダンハム、コーリー・ジョンソン、タック・ワトキンスなどが共演している。