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月蒼くして The Moon is Blue (1953)

1951年にブロードウェイで上演されたF・ヒュー・ハーバートの舞台劇の映画化。
風変わりな女性に惹かれた建築家が巻き起こす騒動を描く、製作、監督オットー・プレミンジャー、主演ウィリアム・ホールデンデヴィッド・ニーヴンマギー・マクナマラ他共演のロマンチック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:オットー・プレミンジャー

製作:オットー・プレミンジャー
原作:F・ヒュー・ハーバート
脚本
F・ヒュー・ハーバート

撮影:アーネスト・ラズロ
編集:オットー・ルディング
音楽:ハーシェル・バーク・ギルバート
作詞:シルヴィア・ファイン

出演
ウィリアム・ホールデン:ドナルド・グレシャム
デヴィッド・ニーヴン:デヴィッド・スレーター
マギー・マクナマラ:パティ・オニール
ドーン・アダムス:シンシア・スレーター
トム・テューリー:マイケル・オニール
グレゴリー・ラトフ:タクシー・ドライバー
ハーディ・クリューガー:観光客

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1953年製作 99分
公開
北米:1953年7月8日
日本:1954年2月


アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優(マギー・マクナマラ
編集・歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークエンパイア・ステート・ビル
建築家ドナルド”ドン”グレシャム(ウィリアム・ホールデン)は、ロビーにいた忙しない女性パティ・オニール(マギー・マクナマラ)を見かける。

パティが気になったドンは、展望台まで彼女を追いかけて行き声をかける。

ドンは、パティが物色していた口紅を彼女にプレゼントして、展望台の入場料も払ってあげる。

ビル内にオフィスを持つドンは、スーツのボタンが取れて針を探すという理由で、パティをオフィスに連れて行く。

そして、針が見つからぬままドンは彼女を食事に誘う。

駆け出しの女優だという、風変わりなパティに惹かれたドンは、タクシーの車内で巧みに彼女を誘惑する。

結局2人は、ドンが口説かないという約束で彼のアパートに向かうことになる。
...全てを見る(結末あり)

2人はアパートのエレベーターで、ドンと婚約を解消したという、シンシア・スレーター(ドーン・アダムス)に出くわしてしまう。

パティはドンの部屋で、オフィスにもあったシンシアの写真や”卑きょう者”という口紅の殴り書きを見つける。

それを気にしないパティは、情婦がいないかなどと過激な質問をドンに浴びせる。

そんな会話をしながら、ドンのスーツのボタンを付けたパティは、針を隠して自分を誘った彼の魂胆や、婚約を解消したというシンシアが恋人だと見抜いていた。

雨のため外出を止めた2人は、パティの手料理で食事をすることになるが、食材がないためにドンが買い物に出かけることになる。

そこにシンシアが現れ、ドンはエレベーターで彼女を避けるが、シンシアはパティと対面してしまう。

パティは気軽にシンシアに声をかけるが、彼女は無言で立ち去ってしまう。

今度は中年の紳士デヴィッド・スレーター(デヴィッド・ニーヴン)が現れ、階上に住む彼をパティは気軽に部屋に招き入れて食事に誘う。

デヴィッドはシンシアの父親だったのだが、彼は奔放で愛嬌のあるパティに惹かれてしまう。

やがてドンが買い物から戻るが、デヴィッドの存在を歓迎しなかった。

デヴィッドは、シンシアがドンの部屋に泊まって朝帰りしたことを責めるが、ドンは彼女に指一本触れていないと反論する。

しかしデヴィッドは、シンシアがドンを誘ったにも拘らず、何もしなかったことに、彼女が腹を立てていることをドンに伝える。

その時、シンシアがドンの部屋に押し入ろうとするが、ドンは彼女を締め出してしまう。

憤慨したシンシアは、土砂降りの中、窓から階下のドンの部屋に侵入しようとする。

ドンの部屋では食事が始まるが、デヴィッドがパティのブラウスにケチャップをかけてしまう。

パティは、ドンのバスローブに着替え、それを窓越しに目撃していたシンシアは、ドンに電話をかけ、会いに来なければ自殺すると彼を脅してしまう。
仕方なくドンはシンシアの元に向かうが、デヴィッドはその間にパティに求婚してしまう。

シンシアが、浴室の水を出したままにしたのに気づいたデヴィッドとパティは、彼の部屋に向かいその後始末をする。

富豪のデヴィッドは、彼にすればはした金で一喜一憂するパティに600ドルを渡そうとする。

所持金7ドル少々のパティは、週休40ドルで15週間の生活保障だと割り切り、ピン札を受け取り興奮する。

その頃、ドンはパティの魅力をシンシアに告げて、捨てゼリフを吐いて彼女と別れ部屋に戻る。

シンシアも部屋に戻り、父デヴィッドとパティの会話を聞いてしまう。

大真面目にパティを口説いているデヴィッドに、彼女は軽いお礼の気持ちでキスをする。

そこにドンが現れ、2人がキスしているのを目撃してしまい、彼はパティを見限り部屋に戻ってしまう。

パティもドンの元に戻り、デヴィッドが優しい男性で求婚してくれたことを彼に告げる。

ドンはデヴィッドの本心ではなく、愛人になれという意味だと吐き捨てる。

ショックを受けたパティは、身支度をして帰ろうとするが、そこに見知らぬ男マイケル・オニール(トム・テューリー)が現れ、着替えをしている彼女を見て、いきなりドンを殴り倒す。

デヴィッドもそこに現れるが、パティは父親のマイケルに気づき驚いてしまう。

警察官のマイケルは、パティが電話した同居人から娘の居場所を知り、父親としての義務を果たしに来たことをデヴィッドに告げる。

そしてマイケルは、居座ろうとするパティを強引に連れ帰ってしまう。

目に青あざをつくりながら、夜中にパティが出演するというテレビ番組を見ようとしたドンは、シンシアからの電話でそれを見逃してしまう。

そこに父親を追い払ったパティが現れ、何とか2人は休戦状態になるが、またしてもデヴィッドが現れる。

パティがいることに気づいたデヴィッドは、彼女から600ドルを返金されそうになり困惑する。

パティは、お金のお礼にキスしたことをドンに話すが、それが自分からポーカーで巻き上げた金だと知った彼は笑い出してしまう。

デヴィッドは、あくどい金融業者に賭けで勝った金だと言って、気取ってパティに渡した金を受け取り、彼女がドンに惹かれていることを知り励まして退散する。

部屋に閉じこもったドンに、別れを告げようとしたパティだが、彼女はそのまま立ち去る。

翌日、エンパイア・ステート・ビルで呆然とするドンの元に、パティが寄り添う。

ドンは、パティのことが気になり、仕事も食事も出来ないことを告げ、彼女にプロポーズする。

パティは相変わらず、展望台の料金が高いなどと、細かいことにこだわりながらしゃべり続ける。

そしてドンは、入場料を渡してパティを黙らせ、彼女を固く抱きしめてキスをする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
エンパイア・ステート・ビルにオフィスを持つ建築家ドン・グレシャムは、ロビーで風変わりな若い女性パティ・オニールを見かける。
パティが気に入ったドンは、展望台まで追いかけて声をかけ、その後、彼は、あの手この手でパティを口説こうとする。
結局パティは、ドンが口説かないという条件で彼のアパートに向かうことになる。
2人は、ドンと婚約を解消したシンシアに出くわし、その後、彼女の父デヴィッドも現れる。
そして、デヴィッドまでも、奔放で愛嬌のあるパティに惹かれてしまうのだが・・・。
__________

少ない登場人物が、入れ替わり立ち代りで展開する、実に”忙しい”ロマンスの行方を、オットー・プレミンジャーが無駄のない軽快な演出で見せてくれる実に愉快な作品。

第26回アカデミー賞では、主演女優(マギー・マクナマラ)、編集、歌曲賞にノミネートされた。

シルヴィア・ファイン作詞の楽しい主題歌も印象に残る。

平凡を通り越した風変わりな女性を演じた、マギー・マクナマラの傑出した魅力が際立つ作品で、ハイセンスでリッチな雰囲気の建築家&富豪紳士との組み合わせ、そしてそのギャップが最高に可笑しい。

出演作も少ないマギー・マクナマラのデビュー作でもあり、彼女は本作で、いきなりアカデミー主演賞候補になり注目されることになる。
しかし、1978年、睡眠薬の飲み過ぎにより49歳の若さで亡くなっている。

同じ年、本作の直前に公開された「第十七捕虜収容所」(1953)で、アカデミー主演賞を獲得するウィリアム・ホールデンは、その作品で共演した、オットー・プレミンジャーの演出作品に出演したというところも注目で、30代半ばにして、ハリウッドの頂点を極めようとしていた彼の、正に絶頂期の作品でもある。

戦前からハリウッドで活躍し従軍し復帰していたデヴィッド・ニーヴンも、彼らしいお茶目な紳士振りを存分に発揮して楽しませてくれる。

主人公といがみ合う婚約者ドーン・アダムス、パティ(M・マクナマラ)の父親トム・テューリー、タクシー・ドライバーでゲスト出演のグレゴリー・ラトフ、そして若きハーディー・クリューガーがクライマックスの観光客で登場するが、即、彼だとわかったら、かなりの映画通だ。


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