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ミスト The Mist (2007)

1980年に発表された、スティーヴン・キングの中篇小説”The Mist”の映画化。
田舎町を襲う謎の霧に身を隠す正体不明の生物の恐怖と住民の戦いを描く、製作、監督、脚本フランク・ダラボン、主演トーマス・ジェーンマーシャ・ゲイ・ハーデン他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■
監督:フランク・ダラボン
製作総指揮
リチャード・サパースタイン
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
製作
フランク・ダラボン
リズ・グロッツァー
原作:スティーヴン・キングThe Mist
脚本:フランク・ダラボン
撮影:ロン・シュミット

編集:ハンター・M・ヴィア
音楽:マーク・アイシャム

出演
トーマス・ジェーン:デヴィッド・ドレイトン
マーシャ・ゲイ・ハーデン:カーモディ
ネイサン・ギャンブル:ビリー・ドレイトン
ケリー・コリンズ・リンツ:ステファニー・ドレイトン
アンドレ・ブラウアー:ブレント・ノートン
フランシス・スターンハーゲン:アイリーン・レプラー
ローリー・ホールデン:アマンダ・ダンフリー
ジェフリー・デマン:ダン・ミラー
トビー・ジョーンズ:オリー・ウィークス
ウィリアム・サドラー :ジム・グロンディン
サム・ウィトワー:ウェイン・ジェサップ二等兵
デヴィッド・ジェンセン:マイロン
アレクサ・ダヴァロス:サリー
クリス・オーウェン:ノーム
ロバート・トレヴァイラー:バド・ブラウン
ブライアン・リビー:バイカー
アミン・ジョセフ:MP
メリッサ・スザンヌ・マクブライド:子供を家に残してきた女性

アメリカ 映画
配給
ディメンション・フィルムズ
MGM
2007年製作 126分
公開
北米:2007年11月21日
日本:2008年5月10日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $25,592,630
世界 $57,110,890


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
激しい雷雨が去った翌日の朝、コマーシャル・アーティストのデヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)は、息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)と家の修繕物資を買いに、不気味な霧が漂う、湖の対岸の町に出かけようとする。

隣人の弁護士ブレント・ノートン(アンドレ・ブラウアー)も、愛車を大木に潰されるなどの被害を受け、デヴィッドと共に町に向かうことになる。

町に着いたデヴィッドは、混雑しているスーパーマーケットで買い物を始めるが、軍隊や警察そして消防車までが物々しい動きをしているのが気になる。

その時、町にはサイレンが鳴り響き、駐車場から怪我をしたダン・ミラー(ジェフリー・デマン)が、スーパーに逃げ込んでくる。

ミラーは、住民が何者かにさらわれたと叫び興奮し、客の数名は駐車場の車で帰ろうとするが、霧に包まれた瞬間悲鳴が聞こえる。
...全てを見る(結末あり)

そして、地響きと共に建物が揺れ始めて客はパニックになる。

家に子供を残してきたと言い、助けを求める女性(メリッサ・スザンヌ・マクブライド)は、協力者がいないことに絶望して、客達の制止も聞かず霧の中に消えていく。

怯えるビリーのために、毛布を探しにいったデヴィッドは、倉庫のシャッターを、何かが外から壊そうとしているのを目撃してしまう。

店員のノーム(クリス・オーウェン)が、シャッターを開けて外に出ようとしたため、デヴィッドはそれを止めようとする。

しかし、機械工のジム・グロンディン(ウィリアム・サドラー)が強引にそれを開けてしまう。

外の霧の様子を窺ったノームは、触手のような得体の知れない生物に襲われ、霧の中へと引きずり込まれる。

謝罪するグロンディンに、デヴィッは殴りかかってしまう。

店員のオリー・ウィークス(トビー・ジョーンズ)と話し合ったデヴィッドは、客達に状況を説明しようとする。

デヴィッドは、弁護士のノートンに客達への説明をしてもらおうとするが、彼は触手の話を信じずにそれを拒否し、客達はそれを聞き嘲り笑う。

しかし、代表者が触手を確認し、危険を感じた客達は、協力して前面がガラスの店内の防御を始める。

ノートンは救援を呼ぶことを提案し、ユダヤ教の狂言的な信者カーモディ夫人(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、神に身を任せるべきだと言い張る。

やがて、デヴィッドをはじめとする、数人の客が外へ出ると言いだし、霧の中に消えていく。

そして、出て行った客の100mのロープが緩んだのを確認して手繰り寄せると、上半身を食いちぎられた死体が横たわっていた。

夜になり、店内の明かりに誘われて、巨大な昆虫と生物が窓ガラスを破り侵入し、何人かの命が奪われてしまう。

自殺する者もあらわれる中、薬が必要な客がいることが分かり、デヴィッドら数人は、隣の薬局に向かおうとする。

薬局で薬を手に入れたデヴィッド達だったが、そこは異様な生物達の巣窟だった。

犠牲者を出しながらも、スーパーに戻ったデヴィッドらだったが、カーモディ夫人が客達を洗脳し始める。

薬局の恐怖で、精神状態が不安定になったグロンディンも、彼女の狂言を信じてしまう。

薬局で死に掛けていたMPが、”自分達のせいだ・・・”と言っていた言葉が気になるデヴィッドと数人の者達は、それをつきとめるために脱出を考える。

店にいた、ジェサップ二等兵(サム・ウィトワー)の同僚は自殺し、軍のしたことを追求された彼は、科学者の実験で、異次元から現れた何かが原因で起きた事件であることを告白する。

カーモディに促された彼女の支持者は、ジョサップを生贄にしようと彼を霧の中に放り出す。

翌日、デヴィッドらは脱出しようとするが、刃物を持ったカーモディらが入り口に立ち塞がる。

子供や女達にまで襲い掛かろうとするカーモディに、オリーが銃口向けて彼女を射殺する。

その隙に、店を出たデヴィッドらは車に急ぐが、オリーらは巨大生物の餌食になる。

デヴィッド、ビリー、ミラーそしてレプラー夫人(フランシス・スターンハーゲン)とアマンダ(ローリー・ホールデン)の5人は、車で駐車場から脱出する。

自宅にたどり着いたデヴィッドは、妻の死を知り、惨劇の傷跡を目の当たりにしながら、ガソリンの続く限り車を走らせる。

ガソリンが切れ、覚悟を決めたデビッドは拳銃に4発の弾丸を込めて4人を射殺する。

全てを失ったデヴィッドは、車を降り巨大生物に立ち向かおうとする。

その時、轟音と共に救助に現れた軍隊と、子供のためにスーパーを出て行った女性を乗せた生存者のトラックが、彼の傍らを通り過ぎる。

そして、デヴィッドは霧の晴れた空を仰ぎながら、崩れ落ち絶叫する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
激しい雷雨が去った翌日の朝、コマーシャル・アーティストのデヴィッド・ドレイトンは、息子のビリーと、修繕物資を買いに対岸の町に出かける。
不気味な霧が漂う中、デヴィッドは混雑しているスーパーマーケットで買い物を始めるのだが、軍隊や警察そして消防車の物々しい動きを気にする。
その時、町にはサイレンが鳴り響き、負傷した住民ミラーが、人々が何者かに襲われていることを伝える。
客はパニックになり、デヴィッドは、怯える息子ビリーを気遣う。
その時、店の倉庫のシャッターを壊そうとする、触手のような得体の知れない生物が、店員に襲い掛かる・・・。
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シャイニング」(1980)を監督したスタンリー・キューブリックを酷評したスティーヴン・キングだが、フランク・ダラボンとは相性がいいようで組むのはこれが3作目。
・「ショーシャンクの空に」(1994)
・「グリーンマイル」(1999)

大スターが出演しているわけでもなく、興行的にヒットした作品とも言えない。
しかし、恐ろしいクライマックスと、あまりにも衝撃的なラストが論議を呼び、話題になった作品でもある。

協力し合っていた住民達が、恐怖に怯える極限状態の中で、狂言者に扇動され、次第に悪魔のように変貌していく、人々の心理描写などを、フランク・ダラボンは鋭く描いている。

どこにでもいそうな、正義感ある主人公トーマス・ジェーンよりも、実力派スター、狂言的な宗教マニアを演ずるマーシャ・ゲイ・ハーデンの鬼気迫る怪演が光る。

キングダラボンコンビ作品の常連、ウィリアム・サドラージェフリー・デマンブライアン・リビーが、再び顔を揃えているのも嬉しい。


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