現代文明から逃避しようとする男達と人生に怯えて生きる女の交流をジョン・ヒューストンらしく男臭く野性味溢れるタッチで描く、主演クラーク・ゲイブル、マリリン・モンロー、モンゴメリー・クリフト、セルマ・リッター、イーライ・ウォラック他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・クラーク・ゲーブル / Clark Gable / Pinterest
・マリリン・モンロー / Marilyn Monro / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ヒューストン
製作:フランク・E・テイラー
脚本:アーサー・ミラー
撮影:ラッセル・メティ
編集:ジョージ・トマシーニ
音楽:アレックス・ノース
出演
クラーク・ゲイブル:ゲイ・ラングランド
マリリン・モンロー:ロズリン・テイバー
モンゴメリー・クリフト:パース・ハウランド
セルマ・リッター:イザベル・スティアーズ
イーライ・ウォラック:ギドー
ケヴィン・マッカーシー:レイモンド・テイバー
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1961年製作 124分
公開
北米:1961年2月1日
日本:1961年6月3日
製作費 $4,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ネバダ州、リノ。
6週間滞在すれば離婚が許されるこの街に、各地から人々が集まってくる。
ロズリン・テイバー(マリリン・モンロー)も、離婚希望者に要領を教えるイザベル・ スティアーズ(セルマ・リッター)の助言で、離婚を決意していた。
自動車修理工ギドー(イーライ・ウォラック)は、ロズリンの車の修理を依頼され、彼女に惹かれてしまう。
夫レイモンド(ケヴィン・マッカーシー)と、裁判所の前で待ち合わせていたロズリンは、 無事に彼と離婚することが出来る。
ギドーは、親友のカウボーイのゲイ・ラングランド(クラーク・ゲイブル)に、ロズリンのことを話すが、彼は興味を示さなかった。 その後、バーに向かったロズリンとイザベルは、偶然にギドーとゲイに出くわす。 ロズリンと言葉を交わしたゲイは、ギドーが驚いていた理由を理解し、彼女と話を弾ませる。 ゲイらは、郊外にあるギドーの家にロズリンとイザベルを招待し、彼女らと共にその場に向かう。 家に着いたロズリンは、ギドーの妻が出産を前に死亡したことを聞かされる。 ゲイは、今後も滞在する気はないかロズリンに尋ね、別世界を見せることを約束して彼女を誘う。 酔ったロズリンを送ろうとしたゲイだったが、彼女を気に入り、家に引き返す。 ロズリンは男らしく逞しいゲイに惹かれ、彼女は暫くその家で暮すことになり、2人は家に手を加えながら気ままな毎日を過ごす。 数日後、ギドーがイザベルと複葉機で現れ、4人はロデオを見に行くことになる。 途中ゲイの知人で、青年パース・ハウランド(モンゴメリー・クリフト)と出くわす。 パースと共にロデオ会場に着いた4人は、別れた夫に偶然出くわしたイザベルが一行と別れることになる。 ロデオに出場したパースが、落馬して怪我をしても、競技に挑戦し続ける姿を見たでロズリンは、無謀な男達の行動に動揺してしまう。 そしてロズリンは、突然現れた若くて溌剌としたパースに心惹かれる思いもする。 その後、ロズリンに、離婚した妻と暮す娘達を会わせようとしたゲイだったが、彼女らは姿を消してしまう。 酔い潰れたゲイとパースを労わりながら、ロズリンはギドーの運転で家に戻る。 翌日、ゲイの野生馬捕獲の計画に同行したロズリンは、捕らえられた馬が殺され、ドッグフード用に処置されることを知る。 ショックを受けたロズリンに、それを理解させようとするゲイは、彼女を大切にしていることを伝え、一応、納得させる。 翌日、ギドーが複葉機で飛び立ち、馬を見つけて砂漠に追い立て、ゲイ達は先回りして待機する。 暫くすると馬が現れ、ギドーの複葉機は着陸し、彼の運転で、ゲイとパースが次々と馬にタイヤを結んだ縄をかけていく。 雄大な原野で繰り広げられる、男のロマンを感じる野生馬狩りに、男達はロズリンの気持ちなどかまっていられなかった。 その後、種馬となる馬との格闘が始まり、ロズリンはゲイに駆け寄るが、彼はそれを振り払ってしまう。 居たたまれなくなったロズリンは、馬を買い取ると言い出し、気分を害したゲイは引き上げようとする。 ギドーは、ロズリンに自分と一緒に暮してくれるなら、狩りを止めることを彼女に伝える。 ロズリンは、妻や戦友への思いやりをなくし、自分本位の意見を口にするギドーを非難する。 子馬を連れた母馬を縛り上げたゲイが、儲けと分け前の話を始めたため、ロズリンは耐え切れなくなりその場から走り去る。 それに夢中になる男達の非情さに、ロズリンは叫び声を上げて泣き出してしまう。 男達は落胆するが、ロズリンの気持ちを理解したパースは、捕らえた馬を次々に放してしまう。 激怒したゲイは、一人で1頭の馬にくらいつき、悪戦苦闘して傷だらけになりながら、その馬を捕らえてしまう。 しかし、それで満足したゲイは、捕らえたばかりの馬を解放してしまう。 パースに残りの馬を放すよう伝えたゲイは、それに納得しないギドーの言葉を無視して、車で走り去ろうとする。 ロズリンは、何かに立ち向かい戦いを挑む時こそ、生甲斐を感じるのが男だということを理解し、ゲイの気持ちを察する。 ゲイならば、自分を守ってくれると確信したロズリンは、車に乗り彼に寄り添う。 そしてゲイも、考えを変えさせてくれたロズリンに感謝して、星を目印に家路を急ぐ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
離婚をするために、リノに滞在していたロズリンは、仲介人のイザベルと共に、自動車修理工のギドーとカウボーイのゲイに出会う。
ゲイとギドーは、美しいロズリンを気に入り郊外の家に彼女らを招待する。
ゲイは、ロズリンに暫く滞在することを勧め彼女の知らない世界を見せようとする。
ロズリンは男らしく逞しいゲイに惹かれ、それを受け入れる。
その後、4人はロデオに向かうことになり、途中、ゲイの知人パースに出くわす。
パースはロデオに出場し、怪我をしながらも強引に競技を続け、ゲイらもそれに口出ししない。
そんな姿を見たロズリンは、動揺してしまうと同時に若いパースに心惹かれてしまう。
その後、男達は野生馬捕獲を計画し、それに同行したロズリンは、生き物を稼ぎの道具にしか思わない男達の行動に再び心を痛める・・・。
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共演のマリリン・モンローの夫で同年に離婚することになるアーサー・ミラーの脚本、
原題”The Misfits”(かみ合わない者達)を案じさせる、ジグソーパズルが合わないオープニング・タイトルや、アレックス・ノースの主題曲も印象に残る。
主演のクラーク・ゲイブルは、撮影終了直後に心臓発作で亡くなり遺作となった。
画面上の彼は、年齢相応でやつれている様子もないが、スタントを使わなかった激しい撮影が原因だと言われている。
男のロマンを感じさせる、彼のイメージが十分発揮された作品でもある。
マリリン・モンローは、既にかなり前から精神不安定
状態が続いていた状況での出演となり、本作の彼女自身の評価も悪く、更にクラーク・ゲイブルの死も彼女の原因にされたりもする中、失意の内に翌年この世を去ることになり彼女自身の遺作にもなった作品である。
同年「ニュールンベルグ裁判」(1961)でアカデミー助演賞候補になる、中盤から登場するモンゴメリー・クリフトも、5年後に45歳の若さでこの世を去っている。
クラーク・ゲイブルの個性が強調されているために、マリリン・モンロー同様、彼もやや物足りなさを感じる。
しかし、ロデオ会場ではしゃぐ演技などは新鮮だ。
世渡りのうまい”離婚斡旋業”の女性セルマ・リッターや、遊び人風なのだが実は堅実な生活を夢見る修理工イーライ・ウォラック、2人の見事な演技も見逃せない。
また、ケヴィン・マッカーシーもモンローと別れる夫役で出演している。