1939年に発表された、エリック・アンブラーの小説”The Mask of Dimitrios”を基に製作された作品。 死体で発見された犯罪者に興味を持ったミステリー作家が真相を探ろうとする姿を描く、監督ジーン・ネグレスコ、出演シドニー・グリーンストリート、ザカリー・スコット、フェイ・エマーソン、ピーター・ローレ他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジーン・ネグレスコ
製作:ヘンリー・ブランク
原作:エリック・アンブラー”The Mask of Dimitrios”
脚本:フランク・グルーバー
撮影:アーサー・エディソン
編集:フレデリック・リチャーズ
音楽:アドルフ・ドイッチ
出演
ピータース:シドニー・グリーンストリート
ディミトリオス・マクロポロス:ザカリー・スコット
イラナ・プレベザ:フェイ・エマーソン
コーネリアス・ライデン:ピーター・ローレ
ラディスロウ・グロデク:ヴィクター・フランセン
カロル・ブリック:スティーヴン・ジェレイ
マダム・エリーゼ・シャヴェス:フローレンス・ベイツ
ハキ大佐:カート・カッチ
マルカキス:エドュアルド・シャネリ
パパス:ジョン・アボット
アブドゥル・ドリス:モンテ・ブルー
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1944年製作 95分
公開
北米:1944年6月23日
日本:1950年7月18日
■ ストーリー ■
1938年、イスタンブール。
海岸で、”ディミトリオス・マクロポロス”と思われる男の死体が発見される。
憲兵隊の指揮官ハキ大佐(カート・カッチ)は、オランダのミステリー作家コーネリアス・ライデン(ピーター・ローレ)が滞在していることを知る。
ライデンのファンだったハキは、彼を訪ねて事件のことを話し、興味を持つだろうと考える。
ライデンと共にディミトリオスの死体を確認したハキは、ディミトリオスが1922年に殺人を犯したことを話す。
その後ディミトリオスは国外に逃亡し、アテネ、ソフィア、ベオグラード、そしてパリでは国際犯罪組織に加わり、常に反逆や裏切りに関わっていたことをライデンは知る。
ディミトリオスが小説のキャラクターになると考えたライデンは、彼の調査を始めようとする。
その頃、謎の男ピータース(シドニー・グリーンストリート)が、”ゴロス”という男の足取りを探っていた。
ピータースは、ディミトリオスの死体が発見されたことを新聞記事で知り、遺体を確認しに行くものの、すでに処置された後だった。
アテネに向かったライデンは、犯罪記録局で”ディミトリオス・タラット”という男の資料を確認し、ディミトリオスの犯罪歴と一致することを知る。
その場に現れたピータースは姿を消し、ソフィアに向かう列車でライデンと同室になる。
翌朝、列車はソフィアに到着し、ピータースに別れを告げたライデンは、彼が自分の名前を知っていたことを不思議に思いながらその場を去る。
記者のマルカキス(エドュアルド・シャネリ)に迎えられたライデンは、あるクラブに案内され、ディミトリオスの元恋人イラナ・プレベザ(フェイ・エマーソン)から彼の話を聞くのだが・・・。
エリック・アンブラーの小説”The Mask of Dimitrios”を基に、監督ジーン・ネグレスコ、シドニー・グリーンストリート、ザカリー・スコット、フェイ・エマーソン、ピーター・ローレなどが共演した作品。
死体で発見された犯罪者に興味を持ったミステリー作家が、真相を探ろうとする姿を描くフィルム・ノワール。
クレジットとしては4番目であるが、事件に興味を持ち真相を探るミステリー作家を演ずるピーター・ローレを中心に物語は進行する。
彼が、殺された犯罪者”ディミトリオス”の足取りを追い、イスタンブールからヨーロッパの各地で展開するミステリイアスな内容が実に興味深く描かれている。
ジーン・ネグレスコの、緊迫感溢れるエキサイティングな演出も見どころの作品。
ディミトリオスのことを探る謎の男を異様な雰囲気で演ずるシドニー・グリーンストリート、デビュー作と思えない熱演でディミトリオスを演ずるザカリー・スコットの好演も注目だ。
ディミトリオスに関わった元恋人フェイ・エマーソン、かつてディミトリオスと組んだヴィクター・フランセン、彼とディミトリオスに騙されるベオグラードの役人スティーヴン・ジェレイ、貴婦人のフローレンス・ベイツ、イスタンブールの憲兵隊指揮官カート・カッチ、ライデン(ピーター・ローレ)に協力する記者のエドュアルド・シャネリ、アテネの犯罪記録局職員ジョン・アボット、ディミトリオスの仲間モンテ・ブルーなどが共演している。