1954~1955年に発表された J・R・R・トールキンの3部作からなる「指輪物語」を原作に製作された作品。 壮大なスケールで描く映画史上に残るファンタジー・ドラマの傑作である3部作の第1作目。 監督ピーター・ジャクソン、イライジャ・ウッド、ショーン・アスティン、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、オーランド・ブルーム他共演のファンタジジー超大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ジャクソン
製作総指揮
マーク・オーデスキー
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
ロバート・シェイ
マイケル・リン
製作
ピーター・ジャクソン
バリー・M・オズボーン
ティム・サンダース
フラン・ウォルシュ
原作:J・R・R・トールキン
脚本
フラン・ウォルシュ
フィリパ・ボウエン
ピーター・ジャクソン
撮影:アンドリュー・レスニー
編集:ジョン・ギルバート
美術・装置
グラント・メジャー
ダン・ヘナ
音楽:ハワード・ショア
主題歌:エンヤ“May It Be” “Aniron”
出演
フロド・バギンズ:イライジャ・ウッド
サムワイズ・ギャムジー(サム):ショーン・アスティン
ペレグリン・トゥック(ピピン):ビリー・ボイド
メリアドク・ブランディバック(メリー):ドミニク・モナハン
ガンダルフ:イアン・マッケラン
アラゴルン/ストライダー:ヴィゴ・モーテンセン
ギムリ:ジョン・リス=デイヴィス
レゴラス:オーランド・ブルーム
ボロミア:ショーン・ビーン
ガラドリエル:ケイト・ブランシェット
サルマン:クリストファー・リー
エルロンド卿:ヒューゴ・ウィーヴィング
アルウェン:リヴ・タイラー
ビルボ・バギンズ:イアン・ホルム
ケレボルン:マートン・チョーカシュ
ゴラム:アンディ・サーキス
ラーツ:ローレンス・マコーレ
サウロン:サラ・ベイカー
イシルドゥア:ハリー・シンクレア
アメリカ/ニュージーランド 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
2001年製作 178分(特別編208分)
公開
北米:2001年12月19日
日本:2002年3月2日
ニュージーランド:2001年12月20日
製作費 $93,000,000
北米興行収入 $314,776,110
世界 $869,797,420
■ アカデミー賞 ■
第74回アカデミー賞
・受賞
撮影・視覚効果・メイクアップ・作曲賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(イアン・マッケラン)
脚色・編集・録音・美術・歌曲・衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
すべては指輪の誕生で始まる・・・
3つの指輪が”エルフ”のものになり、不死の命を持つ賢く美しい種族となる、7つは”ドワーフ”の族長に渡り、鉱石採掘と細工物に優れた種族に、そして9つは”人間”に贈られて、何よりも権力を欲すことになる。
各種族は指輪で自らを治める力を得たはずだったが、指輪はもう一つあり、彼らは欺かれたのだ。
モルドール国の”滅びの山”で、冥王サウロン(サラ・ベイカー)は、密かに他に勝る指輪を造ったのだ。
その指輪にサウロンが注いだのは、邪悪な残忍さと支配欲で、全世界を支配する指輪だった。 ”中つ国”(ミドル・アース)の自由な大地は、指輪の魔力に屈していたが、モルドールの大軍に対し人間とエルフの連合軍は、国の自由をかけて”滅びの山”の中腹で戦い、勝利を目前にして指輪の力は彼らを圧倒する。 サウロンの前に、希望をが失いかけたその時、イシルドゥア (ハリー・シンクレア)は父王の剣を取る。 イシルドゥアが、サウロンの指輪のはまった指を切り落とすと、敵軍とサウロンは滅び去った。 指輪はイシルドゥアの手に渡り、それは悪を永遠に葬る絶好の機会だった。 しかし、堕落の道をたどるのが人間の心で、自らの意思を持つ指輪は、イシルドゥアを裏切り彼を死に導き、この教訓は忘却の中に埋もれ、歴史は伝説となり、伝説は神話となった。 そして、2500年が経ち指輪は忘れ去られていたが、ふとしたこ とで新しい持ち主を得る。 新しい指輪の持ち主”ゴラム”(アンディ・サーキス)は、指輪と共に”霜降り山脈”の洞窟に潜み、その虜となってしまう。 指輪は、500年にわたりゴラムの心を毒し続け、暗い洞窟で指輪は時の到来を待った。 そして、指輪はゴラムの元を離れ、ビルボ・バギンズ(イアン・ホルム)という”ホビット”で、指輪に似つかわしくない者の手に渡り、ホビットが、あらゆる種族の運命を左右することになる。 60年後、”シャイア/ホビット庄”。 魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)も村に姿を現し、ビルボの養子フロド(イライジャ・ウッド)や子供達は、彼の到着を歓迎する。 ガンダルフはビルボに迎えられ、その夜、誕生日を祝う盛大な祝宴が繰り広げられる。 しかしビルボは、スピーチで旅立つことを告げ、不思議な指輪をはめて突然姿を消してしまう。 ビルボは家に戻り、指輪のことを知るガンダルフに、それを手放す時がきたことを伝えられ、彼は、養子のフロドと指輪を託して旅立つ。 ガンダルフは指輪の秘密を詳しく調べ、指輪に刻まれた文字を浮かび上がらせ、フロドにそれを説明する。 その頃、指輪と共に生き残ったサウロンの魂は、全力をかけて指輪を捜し初めていた。 捕らえられたゴラムが、シャイアとビルボの名前を吐いてしまった事実も、ガンダルフはフロドに語る。 フロドは、指輪をガンダルフに渡そうとするが、彼はそれを拒む。 仕方なくフロドは、その話を聞いてしまった庭師サムワイズ・ギャムジー/サム(ショーン・アスティン)と共に、指輪を持参して旅立つ決意をする。 その後ガンダルフは、白の賢者サルマン(クリストファー・リー)に助言を求める。 サルマンは、サウロンと手を組むようガンダルフを誘惑して、それを聞き入れない彼を捕えてしまう。 フロドとサムは、旅の途中、友人のメリー(ドミニク・モナハン)とピピン(ビリー・ボイド)に出くわし、ガンダルフと落ち合うためブリー村に向かう。 村に着いたフロドらは、ストライダー(ヴィゴ・モーテンセン)という放浪者と出会い、ガンダルフが来る前に、追っ手である指輪の僕”ナズグル”が現れることを知らされる。 フロドらはストライダーと共に、エルフの国の”裂け谷”エルロンドの館に向かう。 一行は野営中にナズグルに襲われ、フロドは指輪をはめて姿を消すものの、肩を剣で刺されてしまい、ストライダーが敵を追い払う。 一方、サルマンは森の木を倒して火を焚き、剣や甲冑を作り、人間とオークを掛け合わせたウルク=ハイの大軍隊を組織していた。 捕らわれの身のガンダルフは、巨大鷲グワイヒアの助けで脱出し”裂け谷”に急ぐ。 呪いの剣で傷つけられたフロドは衰弱し、ストライダーが、彼を”裂け谷”に連れて行く途中、エルフの姫アルウェン(リヴ・タイラー)が現れる。 アルウェンは、ナズグルの追撃をかわしながら、フロドを連れてエルロンドの館に向かう。 館に着いたフロドは、エルロンド卿(ヒューゴ・ウィーヴィング)により命を救われる。 フロドは、ガンダルフに見守られながら目覚め、彼を介抱したサム達を迎え、館内で旅立ったビルボと再会する。 フロドは、ビルボが、”ホビットの冒険”という題名で書を書き残していることを知る。 その後エルロンドは、中つ国の危機を救うべく、各種族を集めて会議を開き対策を練る。 指輪を葬るためには、モルドールの、滅びの山の火口にそれを投げ込むしかなかった。 ストライダーが、イシルドゥアの末裔アルゴルンと知っても敬意を示さないゴンドールの執政の息子ボロミアン(ショーン・ビーン)は、レゴラス(オーランド・ブルーム)やギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)らと言い争いになる。 そんな中、フロドが自らの手で指輪を葬る意思を示し、彼を守ることを、ガンダルフ、そしてアルゴルンが誓い、レゴラスやギムリも続く。 ボロミアンもそれに従うことを告げ、サム、メリー、ピピンも名乗りをあげ、ガンドルフを含む9人の”指輪が結ぶ旅の仲間”が誕生する。 そしてフロドは、かつてビルボが愛用した、エルフの短剣とミスリルを譲られ、戦いの旅に出発する。 一行は、サルマンの策略で危険な道”モリアの坑道”を通ることになり、オークに支配され廃墟となったドワーフの地下宮殿”ドワローデルフ”にたどり着く。 しかし、一行は、ピピンの失態でオークに気づかれて襲撃を受け、巨獣トロルにフロドが槍で刺されるが、ミスリルを着ていたために命拾いをする。 その場を逃れた一行に、古代に生まれた悪鬼バルログが迫る。 崩れかけた階段で、ガンダルフがバルログに立ちふさがるが、彼はバルログもろとも谷底に転落してしまう。 坑道を抜けた一行はガンダルフの死を悲しみ、ロスロリアンの森で、エルフ達に出会い協力を要請し、王女ガラドリエル(ケイト・ブランシェット)の元に導かれる。 ガラドリエルはフロドを勇気付け、闇夜を照らす、エルフが大切にしている星、”エアレンディルの光”が入ったガラス瓶を手渡す。 旅を再開した一行は、岸辺に船を止めて夜になるのを待つが、森にいたフロドに、我を失ったボロミアがに指輪を渡すように襲い掛かる。 フロドは指輪をはめて姿を隠し、彼を見つけたアラルゴンまでもを疑ってしまう。 その時、危険を察知したアラルゴンが、フロドを逃がし、現れたウルク=ハイの大軍に立ち向かう。 レゴラスとギムリも加勢するが、フロドを逃がしたメリーとピピンを助けるために、ボロミアが犠牲になる。 アラルゴンはウルク=ハイを倒し、瀕死のボロミアに言葉をかけて死を見届ける。 フロドは独り川の対岸に向かおうとするが、泳げないサム彼を追う。 溺れかけたサムを助けたフロドは、彼が自分を守り抜こうとしていることを理解し二人で旅を続ける。 フロドの行動を彼の運命に任せアラルゴンは、、レゴラスとギムリを伴い、連れ去られたメリーとピピンを救いに向かう。 そして、フロドとサムは、モルドールの”滅びの山”を目指して旅を続ける。
...全てを見る(結末あり)
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ビルボ・バギンズの111歳の誕生日を祝うために、村は大騒ぎだった。
参考:
・「ロード・オブ・ザ・リング」旅の仲間(2001)
・「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」(2002)
・「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(2003)
・「ホビット 思いがけない冒険」(2012)
・「ホビット 竜に奪われた王国」(2013)
・「ホビット 決戦のゆくえ」(2014)
*(簡略ストー リー)
遠い昔、冥王サウロンは、他の何者にも勝る魔力を秘め指輪を造った。
指輪の魔力に屈してしまった中つ国では、人間とエルフの連合軍がサウロンに抵抗するものの圧倒される。
希望を失いかけた時、勇者イシルドゥア がサウロンの指を切り落とし、そして敵は滅びる。
数千年の時を経て、指輪は新しい持ちゴラムに、そしてホビット族ビルボから養子のフロドの手に渡る。
しかし、サウロンの魂が指輪を奪い返そうと迫り、フロドは、指輪の秘密を魔法使いガンダルフから知らされ、庭師のサムや友人メリーとピピンと共に旅立つ。
途中フロドらは、流れ者ストライダー/アラゴルンに危険を知らされ、彼と共にエルフの国に向かう。
その後、指輪の僕ナズグルに襲われたフロドは負傷し、瀕死の彼はエルフの姫アルウェンに救われる。
エルロンドの館で回復したフロドは、サム達と合流しビルボとも再会する。
フロドは、指輪を葬るためには、モルドール国の滅びの山の火口に、それを投げ込むしかないことを知る。
そして、フロドが自らの手で指輪を葬る意思を示し、ガンドルフ、アルゴルン、ゴンドールの執政の息子ボロミア、レゴラス、ギムリ、サム、メリー、ピピン、を含めた9人が、”指輪が結ぶ旅の仲間”として、運命の旅に出る・・・。
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大スターが主演した作品ではないが、多彩な登場人物など、原作を読んでいないと解りにくい複雑なストーリーを、ゆるやかな展開で丁寧に描いたピーター・ジャクソンの演出で、物語を知らなくても、子供から大人まで十分楽しめる。
3作共に大ヒットとしたシリーズで、3部作の合計が全世界で約30億ドルというとてつもない記録を打ち立てた。
*本作
北米興行収入 $314,776,110
世界 $869,797,420
第74回アカデミー賞では作品賞をはじめ13部門にノミネートされ、撮影、視覚効果、メイクアップ、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演男優(イアン・マッケラン)
脚色・編集・録音・美術
歌曲・衣装デザイン賞
作曲賞を受賞したハワード・ショアの、ゆったりとした美しい音楽、同じく候補になったエンドロールで流れる、エンヤの主題歌”May It Be“は、ドラマの余韻が残る中で心地よく見終わることができる。
CGを多用してるとは言え、ニュージーランド・ロケの大自然の美しさは特筆すべきものとなった。
本作で度肝を抜かれた映像美やスケールの大きな戦闘シーンは、今後、続編ではそれを遥かに凌ぐ物になっていくところに驚かされる。
派手な部分だけでなく、人間とホビットとの身長差が違和感なく見える工夫や、メイクアップや衣装なども見事な出来栄えだ。
主人公イライジャ・ウッドは、メイクをしている訳でもない、いつもの彼なのだが、このファンタジー物語のイメージに妙に合っている。
9人の“旅の仲間”のリーダー、魔法使いのガンダルフを演ずるイアン・マッケランと、今後ドラマの中心人物となっていく、指輪の持ち主の末裔ヴィゴ・モーテンセンの、勇気と活躍が本作では目を引く。
主人公フロド(E・ウッド)に忠誠を誓う庭師の友人、女優パティ・デュークの息子ショーン・アスティンと、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハン、ドワーフの戦士で、どう見ても本人に見えないメイクが見事なジョン・リス=デイヴィス、弓の名手で、貴公子のようだが実に頼もしいオーランド・ブルーム、旅の目的を理解しながらも、指輪を葬ることに疑問を抱きつつ命を落とす、ゴンドールの執政の長子ショーン・ビーン、正に妖精のような美しさで画面に映える、物語にアクセントを加える、二人ケイト・ブランシェットとリヴ・タイラー、冥王サウロンに寝返るクリストファー・リー、裂け谷の主人ヒューゴ・ウィーヴィング、そして、この物語のきっかけを作るホビットのイアン・ホルム、今後、重要なキャラクターとなるゴラム役のアンディ・サーキスなどが共演している。