記憶を失って発見されたごく普通の女性が雇った私立探偵の協力を得て国家が絡む陰謀と戦う姿を描く、製作、監督レニー・ハーリン、主演ジーナ・デイヴィス、サミュエル・L・ジャクソン、ブライアン・コックス、デヴィッド・モース共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:レニー・ハーリン
製作
レニー・ハーリン
ステファニー・オースティン
シェーン・ブラック
脚本:シェーン・ブラック
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演
ジーナ・デイヴィス:サマンサ・ケイン/シャリーン・エリザベス”チャーリー” ボルティモア
サミュエル・L・ジャクソン:ミッチ・ヘネシー
クレイグ・ビアーコ:ティモシー
パトリック・マラハイド:リーランド・パーキンス
ブライアン・コックス:ネイサン・ウォルドマン博士
デヴィッド・モース:ルーク/デダラス
G・D・スプラドリン:大統領
トム・アマンデス:ハル
イヴォンヌ・ジーマ:ケイトリン・ケイン
ジョセフ・マッケナ:片目のジャック
ラリー・キング:本人
アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
1996年製作 120分
公開
北米:1996年10月11日
日本:1997年4月26日
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $33,328,050
世界 $89,456,760
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ペンシルベニア州、ホンスデール。
夫ハル(トム・アマンデス)と8歳の娘ケイトリン(イヴォンヌ・ジーマ)とで、平凡に暮らすサマンサ・ケイン(ジーナ・デイヴィス)は、8年前にニュージャージーの浜辺に打ち上げられていたところを助けられ、それ以前の記憶を全く失っていた。
自分の過去を探ろうとするサマンサは、イカサマ私立探偵のミッチ・ヘネシー(サミュエル・L・ジャクソン)を雇っていた。
そんなサマンサは、夜道で交通事故を起こし、その衝撃で、以前の体の感覚と記憶の一部を取り戻す。
その頃、服役中の”片目のジャック”(ジョセフ・マッケナ)は、ニュースでサマンサを見て驚き脱獄する。 犯罪組織のリーダー、ティモシー(クレイグ・ビアーコ)は、自分と脱獄した片目のジャックが、8年前に殺したはずのチャーリー・ボルティモア(サマンサ)が生きていることを知らされる。 ある夜サマンサは、自分に襲いかかる片目のジャックを、無意識のうちに撃退してしまったことに驚く。 そしてサマンサは、隠された過去を知るためにミッチと共に旅立つ。 ホワイトハウス。 大統領は、問題ばかり起こすCIAの諜報活動の予算を削り、衛生や福祉に回すことをパーキンスに強い口調で伝える。 サマンサに、婚約者がいたことを突き止めていたミッチはそれを知らせて、記憶を甦らせる鍵となるネイサン・ウォルドマン(ブライアン・コックス)の元に向かう。 その夜、宿泊先のモーテルで、ミッチからかつて自分が所持していたカバンを渡されたサマンサは、その中に、銃器が隠されていることに気づく。 銃を手際よく組み立てたサマンサは動揺してしまい、ミッチの前で銃を暴発させてしまう。 ミッチは、正体不明のサマンサと別れて引き返そうとするが、彼女はそれを引き止める。 ウォルドマンに会うために、駅に向かった二人だったが、ティモシーはサマンサの行動を監視していたため、彼女に接触して、手下に二人を始末するよう指示を出す。 近づいてきた男がウォルドマンだと思ったサマンサだったが、男は二人に銃を向け、彼女は咄嗟にミッチのポケットの銃で男を倒し、その場から逃走する。 ティモシーの手下は、サマンサとミッチを駅内で容赦なく銃撃する。 駅から逃走した二人は、そこに現れたウォルドマンに救われる。 サマンサというのは仮の姿で、彼女がCIAの暗殺工作員であり、自分が訓練したことを、ウォルドマンはチャーリー(サマンサ)に告げる。 8年前、チャーリーは武器商人のデダラスとティモシーの暗殺を命ぜられ、失敗した彼女は死んだものと思われていた。 ミッチはそれを信じようとせず、サマンサも同調してウォルドマンを置き去りにしてその場から逃れる。 そして二人は、サマンサ宛の絵葉書を頼りに、婚約者だったというルーク(デヴィッド・モース)の元を訪れる。 ミッチは、ルークも信用しないまま彼に銃を向け、サマンサは、ルークと二人で話しをしてみることにする。 そこにウォルドマンが現れ、ミッチから聞いたルークの話で、彼がデダラスだということが分かる。 ミッチとウォルドマンは、サマンサにそれを知らせようとするが、ティモシーがヘリコプターで現れ、三人は捕らえられてしまう。 ウォルドマンは殺され、チャーリーは拷問にかけられ、再び現れた理由をデダラスに追求される。 テダラスは口を割らないチャーリーに、現在進行中の”ハネムーン作戦”を阻止するために派遣されたのかを問い質す。 しかし、チャーリーは、ウォルドマンの死体から銃を抜き取り、テダラスを射殺してミッチを救出する。 そしてチャーリーは全てを思い出し、”殺し屋”に変身してCIAのパーキンスに接触しようとする。 しかし、ティモシーと裏で手を組んでいたパーキンスは、”ハネムーン作戦”を成功させるために、チャーリー殺害の命令をティモシーに出す。 娘ケイトリンのことまで忘れ去ろうとしたチャーリーは、街角でパーキンスの手下に狙われるが、加勢に現れたミッチの力も借りずに、難なく敵を倒す。 国外へ向かうため、パスポートと資金が必要になったチャーリーは、ケイトリンのぬいぐるみに付けておいた、大金を預けてある、銀行の金庫の鍵を取りに自宅に向かう。 しかし、ケイトリンがティモシーに誘拐されてしまい、電話局を襲い、彼の電話を逆探知したチャーリーとミッチは、誘拐されたケイトリンが、ナイアガラの滝にいることを突き止める。 そしてチャーリーは、”ハネムーン作戦”が、新婚旅行の地ナイアガラで決行されることに気づく。 現場に到着したチャーリーとミッチは、ティモシーがパーキンスと手を組んでいることを知る。 チャーリーはミッチに援護を頼み、単身ケイトリンを救出に向かう。 ケイトリンを助け出したチャーリーだったが、彼女とミッチは、ティモシーとパーキンスに捕らえられてしまう。 パーキンスは、悪党と手を組んでテロに見せかけた事件を起こし、CIAの予算を獲得しようとしていたのだ。 ティモシーは、チャーリーとケイトリンを冷凍室に閉じ込めて、凍死させようとする。 しかし、チャーリーは、ケイトリンがティモシーの子供だということを告げる。 それを信じないティモシーは二人を閉じ込め、”ハネムーン作戦”を実行させようとする。 チャーリーは、ケイトリンの人形に隠していたガソリンを使い脱出しようとするが、バールをコンクリートに打ち付けても火花が出ない。 さすがに弱気になるチャーリーだったが、ケイトリンが、ロウソク用のマッチを持っていたため、それでガソリン爆発を起こして脱出する。 その爆破で、捕らえられていたミッチも外に放り出されるが、ケイトリンが、爆破を起こす予定のタンクローリーのボックスに隠れてしまう。 それを知ったチャーリーだったが、ミッチがタンクローリーに向かう途中で銃撃されてしまう。 そしてチャーリーは、爆薬が仕掛けられたタンクローリーに隠れたケイトリンの救出に向かう。 チャーリーはタンクローリーを奪うが、ブレーキが利かずに暴走してしまう。 タンクローリーは横転し、追ってきたティモシーはそれに激突する。 車から脱出したティモシーはチャーリーに襲い掛かり、彼女は負傷して、ティモシーは水路に落下する。 ケイトリンを助け出したチャーリーは、彼女を逃がし力尽きて倒れる。 しかし、引き返してきたケイトリンに励まされ、意識を取り戻したチャーリーは、タンクローリーから遠ざかろうとする。 ヘリコプターに救助されたティモシーは、チャーリー達を見つけて攻撃してくるが、無線を聞いた瀕死のミッチが、車で彼女らを救おうとする。 チャーりーはヘリのティモシーを銃撃し、タンクローリーの上に落下した彼は爆死する。 事件は解決し、チャーリーはサマンサに戻り、金庫の大金を手に入れる。 大統領から復帰を求められたチャーリーだったが、彼女はそれを断り、大統領に、ミッチを英雄にする便宜を計らってもらう。 やがてミッチは、ラリー・キングの”ラリー・キング・ライブ”に出演する。 そしてサマンサは、ハルとケイトリンとで平穏な生活に戻る。
...全てを見る(結末あり)
大統領(G・D・スプラドリン)は、特殊任務で殺されたはずの”チャーリー・ボルティモア”の件で、CIA工作員だった彼女の養父でもある、局長リーランド・パーキンス(パトリック・マラハイド)の報告を受ける。
*(簡略ストー リー)
8年前に、浜辺に打ち上げられていたところを助けられ、それ以前の記憶を全く失っていたサマンサ・ケインは、夫ハルと娘ケイトリンとで平凡に暮らしていた。
サマンサは、自分の過去を探るため、イカサマ私立探偵のミッチ・ヘネシーを雇っていた。
ある日サマンサは、夜道で交通事故を起して、その衝撃で以前の体の感覚と記憶の一部を取り戻す。
犯罪組織のリーダー、ティモシーは、8年前に殺したはずのサマンサが生きていることを知る。
そしてサマンサは、自分を襲う男を、無意識のうちに撃退してしまったことに驚き、隠された過去を知るためにミッチと旅立つ。
その頃、大統領は、特殊任務で殺されたはずの、CIAの工作員”チャーリー”(サマンサ)の件を、彼女の養父である局長パーキンスから報告を受ける。
サマンサに、婚約者がいたことを突き止めていたミッチは、彼女の記憶を甦らせる鍵となる人物、ウォルドマの元に向かおうとする。
ミッチは、かつてサマンサが所持していた鞄の中に隠された銃を、彼女が手際よく組み立てたことに驚く。
そしてミッチは、正体不明のサマンサと別れ、引き返そうとするのだが・・・。
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レニー・ハーリンが当時の妻であるジーナ・デイヴィスを起用したアクション大作。
レニー・ハーリンらしい派手なアクションや、サスペンスとしての仕上がりはまずまずで、ご都合主義的なところも多々あるものの、肩が凝らずに楽しめる作品。
また、レニー・ハーリンは製作も兼ね、アラン・シルヴェストリが音楽を担当している。
スーパーモデルのようなジーナ・デイヴィスが、記憶を失ったCIAの工作員で殺し屋という設定自体はなかなか面白い。
踏ん張りどころで吐くセリフは、「エイリアン」(1979)のシガニー・ウィーバーを彷彿させる勇ましさだ。
大柄なジーナ・デイヴィスが、迫力満点で活躍し奮闘してはいるものの、本物のプロの殺し屋には見えない、ややぎこちないところなどが気になる。
いい加減な、詐欺師まがいの私立探偵を演ずるサミュエル・L・ジャクソンは、彼女の引き立て役に徹しているが、人間味溢れるキャラクターを好演している。
個人的には、お気に入りのデヴィッド・モースの出番が少なかったのは残念だ。
クレイグ・ビアーコは,犯罪組織の大物の割には凄みが足りない。
事件の黒幕CIA情報局長のパトリック・マラハイド、主人公を殺し屋として育てたブライアン・コックス、大統領G・D・スプラドリン 、主人公の夫のトム・アマンデス、娘のイヴォンヌ・ジーマ、そしてラリー・キングが本人役で登場する。