1953年に発表された、レイモンド・チャンドラーの同名小説を基に製作された作品。 犯罪者犯扱いされギャングにも追われる私立探偵が真相を追求しようとする姿を描く、監督ロバート・アルトマン、主演エリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、スターリング・ヘイドン、デヴィッド・キャラダイン、端役でアーノルド・シュワルツェネッガー共演のハードボイルド犯罪サスペンス。 |
・アーノルド・シュワルツェネッガー / Arnold Schwarzenegger 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・アルトマン
製作総指揮:エリオット・カストナー
製作:ジェリー・ビック
原作:レイモンド・チャンドラー
脚本:リー・ブラケット
撮影:ヴィルモス・シグモンド
編集:ルー・ロンバルド
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
フィリップ・マーロウ:エリオット・グールド
アイリーン・ウェイド:ニーナ・ヴァン・パラント
ロジャー・ウェイド:スターリング・ヘイドン
マーティ・オーガスティン:マーク・ライデル
テリー・レノックス:ジム・バウトン
ヴァーリンジャー医師:ヘンリー・ギブソン
ハリー:デヴィッド・アーキン
オーガスティンの手下:アーノルド・シュワルツェネッガー
デイヴ/ソクラテス:デヴィッド・キャラダイン
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1973年製作 112分
公開
北米:1973年3月7日
日本:1974年2月23日
製作費 $1,700.000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス郡。
私立探偵のフィリップ・マーロウ(エリオット・グールド)は、夜中だというのに、餌を欲しがる猫に起こされる。
餌を買いに行き戻ったマーロウは、夫婦喧嘩をしたと言う、怪我をした親友のテリー・レノックス(ジム・バウトン)の訪問を受ける。
レノックスは、ある者達に追われていると言って、メキシコのティファナへの逃亡の協力をマーロウに頼む。
テリーをティファナに送ったマーロウはアパートに戻るが、待っていた刑事二人にレノックスのことで尋問を受ける。
何も答えようとしないマーロウは、警察に連行されてしまい、レノックスの妻殺しの従犯容疑で逮捕され、再び尋問を受ける。 傷を負ってはいたが、レノックスが殺人を犯すとは、マーロウは信じることができなかった。 マーロウは留置場に入れられるが、レノックスが自白の遺書を残して自殺したため、3日後に釈放される。 レノックスが、ティファナで死んでいないことや、彼が妻を殺すはずがないと考えるマーロウは、彼の自殺を疑う。 その後マーロウは、小説家ロジャー・ウェイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーン(ニーナ・ヴァン・パラント)からの仕事の依頼を受け、彼女の家に向かう。 アイリーンは、行方が分からない、アルコール依存症のロジャーの捜索をマーロウに依頼する。 マーロウは、早速、病院に向かうが、ヴァーリンジャー医師(ヘンリー・ギブソン)と思われる男性や看護師は、ロジャーを知らないと言って白を切る。 ロジャーが病院にいると確信するマーロウは、彼を連れ戻してほしいとアイリーンに言われる。 再び病院に向かったマーロウは、ロジャーがいることを確認して、自分が私立探偵だと伝えて彼を家に連れ戻す。 マーロウは、役目を果たして帰ろうとするが、レノックスを知るアイリーンは、彼が妻を殺したことが信じられないと伝える。 アパートに戻ったマーロウは、手下を引き連れたギャングのマーティ・オーガスティン(マーク・ライデル)に、レノックスが奪った金を隠していることを疑われる。 オーガスティンは、連れてきた女の顔面をコーラの瓶で殴り、自分の怖さを教えてマーロウに金を返すよう脅す。 マーロウは、その場を去ったオーガスティンを追い、彼がアイリーンに会ったことを確認する。 翌日、マーロウは、見張り役の、オーガスティンの手下ハリー(デヴィッド・アーキン)を従えて、ロジャーの家に向かう。 アイリーンに、別れ話を切り出されたロジャーは驚きもせずに、オーガスティンに5万ドルを貸していると言う彼は、レノックスも知っていることをマーロウに伝え二人は話し込む。 アパートに戻ったマーロウは、5000ドル札が同封された、レノックスからの手紙を受け取る。 マーロウは、レノックスが自殺したという田舎町オタトクランに向かい、何も手がかりを掴めないまま戻る。 その後マーロウは、パーティーが開かれていたロジャーの家を訪ねるのだが、ヴァーリンジャー医師が現れる。 ヴァーリンジャーは、ロジャーに借金の返済を迫り、それに応じない彼を殴る。 ロジャーは動揺して、アイリーンは来客を帰してその場を鎮め、ヴァーリンジャーはロジャーから小切手を受け取る。 ヴァーリンジャーは、今後はロジャーの治療を拒否することを、アイリーンに伝えてその場を去る。 アイリーンと食事をしたマーロウは、オーガスティンからロジャーが1万ドルを借りているという、彼とは違う話を聞かされる。 レノックスはオーガスティンの手下だったため、マーロウはどのようにロジャーと関係しているか、アイリーンに探りを入れる。 ロジャーが、レノックスの妻と浮気をしていた可能性があったため、マーロウはそれをアイリーンに問い質す。 その時、マーロウとアイリーンは、ロジャーが浜辺に向かったことに気づく。 二人は、入水したロジャーを助けに行くのだが、彼は見つからないまま、警察などが駆けつけて自殺と断定される。 マーロウは、自分に隠していることがないかをアイリーンに問い、動揺する彼女は、ロジャーとレノックスの妻の関係がバレたという話を聞く。 それでもロジャーが別れようとしないために、レノックスは妻を殺したということだった。 マーロウは、そのことを警察に伝えるのだが、ロジャーとレノックスの妻が会っていたことを警察は承知していた。 警察に手を引けと言われたマーロウは、憤慨しながらその場を去り、オーガスティンの元に向かう。 金はないというマーロウを、オーガスティンは痛めつけようとするが、金が戻ったことが分かり、マーロウは解放される。 その後、街角でアイリーンを見かけたマーロウは、彼女の車を追うものの、通りで車に轢かれてしまう。 幸い軽傷だったために、マーロウは病院を抜け出してしまう。 翌日、アイリーンを訪ねたマーロウだったが、彼女は家を引き払った後だった。 マーロウは、再びオタトクランに向かい、警官と検視官に5000ドルの賄賂を渡し、レノックスが替え玉を使い自殺を偽装し、生きていることを知る。 レノックスに会ったマーロウは、アイリーンとの仲を知られたために、仕方なく妻を殺したことを知り、自分が利用されたと分かり苛立つ。 アイリーンが、ロジャーの遺産を相続したため、レノックスは大金を手中にしたのだった。 マーロウは真相を知り、自分を侮辱するレノックスをためらわずに射殺してその場を去る。 アイリーンは車で戻ってくるが、マーロウは彼女を無視して街道を歩き続ける。
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*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス郡。
私立探偵フィリップ・マーロウは、妻と喧嘩をし、男達に追われていると言う親友レノックスに頼まれ、彼をメキシコのティファナに連れて行く。
しかし、マーロウは、妻を殺したレノックスの共犯者として逮捕されてしまう。
一件を信じないマーロウだったが、レノックスが、殺人を自白して自殺したために釈放される。
戸惑うマーロウは、小説家ロジャー・ウェイドの妻アイリーンに呼ばれる。
アイリーンは、行方のわからないアルコール依存症のロジャーの捜索をマーロウに依頼する。
マーロウは、病院にいたロジャーを難なく連れ戻すのだが、同時にギャングのオーガスティンに、レノックスが奪った金を隠していることを疑われてしまう。
ところが、マーロウは、ロジャーやアイリーンがオーガスティンと関係していることを知り、複雑な事件の真相を探ろうとするのだが・・・。
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名匠ロバート・アルトマンが、1950年代の原作を現代(1970年代)を舞台にして描く、シャープな演出は今観ても斬新であり、一級のサスペンスに仕上がっている。
優柔不断な作家や、どこか謎めいた存在のその妻、ただ脅しをかけるだけでない、ユーモラスなギャングなど、個性豊かな登場人物それぞれが、実に印象深い役柄として描かれている。
キャリアは十分であり、いよいよ軒並み話題作を担当し、第一人者となるジョン・ウィリアムズが音楽を担当している。
魅力的な主人公を演ずるエリオット・グールドは、キャリア・ベストと言ってもいい熱演を見せる。
こちらもヘミングウェイをモデルにした作家を好演する、際立つ長身のスターリング・ヘイドンと、エリオット・グールドが体格で引けを取らないことに気づき、終盤に登場する端役のアーノルド・シュワルツェネッガーが小柄に見えるのには驚いた。
陰謀に加担していた小説家の妻ニーナ・ヴァン・パラント、ギャングのボスを怪演するマーク・ライデル、主人公を裏切る友人ジム・バウトン、医師ヘンリー・ギブソン、ギャングのデヴィッド・アーキン、同じく、筋肉だけは凄いアーノルド・シュワルツェネッガー、そして、デヴィッド・キャラダインが、主人公と同じ留置場内で登場する。