フラン・ストライカー、ジョージ・W・トレンドルによる創作キャラクターでテレビ・ドラマ、映画化された西部のヒーロー”ローン・レンジャー”を基に製作された作品。 テキサス・レンジャーの兄を殺された地方検事が同じ復讐相手を追う悪霊ハンターと共に悪に立ち向かう姿を描く、製作ジェリー・ブラッカイマー、製作、監督ゴア・ヴァービンスキー、製作総指揮、主演ジョニー・デップ、アーミー・ハマー、トム・ウィルキンソン、ルース・ウィルソン、ヘレナ・ボナム=カーター、ウィリアム・フィクナー他共演による、コメディ・タッチのウエスタン・アクション超大作。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作
ジェリー・ブラッカイマー
ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮
ジョニー・デップ
エリック・マクレオド
エリック・エレンボーゲン
テッド・エリオット
チャド・オマン
マイク・ステンソン
テリー・ロッシオ
原作
フラン・ストライカー
ジョージ・W・トレンドル
”ローン・レンジャー”
原案
テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
ジャスティン・ヘイス
脚本
ジャスティン・ヘイス
テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
撮影:ボジャン・バゼリ
編集
ジェームズ・ヘイグッド
クレイグ・ウッド
音楽:ハンス・ジマー
出演
トント:ジョニー・デップ
ジョン・リード/ローン・レンジャー:アーミー・ハマー
レイサム・コール:トム・ウィルキンソン
レベッカ・リード:ルース・ウィルソン
レッド・ハリントン:ヘレナ・ボナム=カーター
ブッチ・キャヴェンディッシュ:ウィリアム・フィクナー
ダン・リード:ジェームズ・バッジ・デール
ダニー・リード:ブライアント・プリンス
ジェイ・フラー大尉:バリー・ペッパー
チーフ・ビッグ・ベア:サギノー・グラント
ウィル:メイソン・クック
フランク:ハリー・トレッダウェイ
ヘスース:ホアキン・コシオ
コリンズ:レオン・リッピー
ハバーマン:スティーヴン・ルート
バレット:ジェームズ・フレイン
レッド・ニー:ギル・バーミンガム
ウェンデル:JD・カラム
レイ:デイモン・ヘリマン
スキニー:マット・オリアリー
ナヴァロ:ロバート・ベイカー
ホリス:リュー・テンプル
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2013年製作 149分
公開
北米:2013年7月3日
日本:2013年8月2日
製作費 $215,000,000
北米興行収入 $89,302,120
世界 $260,502,120
■ アカデミー賞 ■
第86回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ&ヘアスタイリング・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1933年、サンフランシスコ。
”ローン・レンジャー”のコスチュームの少年ウィル(メイソン・クック)は、カーニバルのオールドウエストの展示物を見て回る。
ウィルは、コマンチの先住民で、頭にカラスを乗せた悪霊ハンターである年老いた”トント”(ジョニー・デップ)が自分を見たことに驚き、おもちゃの拳銃を向けて撃つ。
トントは”キモサベ?”と言って、ウィルが落としたポップコーンとお守りを交換する。
自分を誰と思ったのかとトントに尋ねるウィルはマスクを外す。
トントはマスクを外すなと言って、なぜだと質問するウィルを睨む・・・。
ローン・レンジャー(アーミー・ハマー)と銀行を襲ったことをトントから聞いた少年は、ローン・レンジャーはいい人ではなかったのかと尋ねる。
トントは、善人がマスクをつける時が来ると答える。
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1869年、テキサス州、コルビー。 同じ列車で護送されていた無法者ブッチ・キャヴェンディッシュ(ウィリアム・フィクナー)は、その場に隠されていた拳銃で見張りを殺す。 ブッチの仲間達は列車に乗り込み、異変に気づいたジョンがトントも拘束されていた護送車両に向かう。 ジョンはブッチの銃を奪い拘束するが、仲間達が現れてトントと共に鎖でつながれてしまう。 ブッチは馬で逃走し、機関士が殺された列車は暴走して停車駅を通過する。 トントは、鎖が固定された床板を壊してその場を逃れようとするが、ジョンと鎖がつながっていたため二人で屋根に上る。 鉄道が工事途中のため線路が切れていることに気づいた二人は、現れた無法者に銃を向けられる。 そこに、テキサス・レンジャーであるジョンの兄ダン(ジェームズ・バッジ・デール)が現れ二人を救う。 三人は機関車両を切り離すもののトントとジョンは取り残され、工事現場に突っ込む。 車両は脱線するが二人は助かり、ジョンは逃げようとしたトントを逮捕する。 ジョンは、ダンの妻で元恋人のレベッカ(ルース・ウィルソン)と再会する。 ダンは、鉄道会社の重役であるレイサム・コール(トム・ウィルキンソン)からブッチを必ず捕えるよう指示され、ジョンを助手にして旅立つ。 その後、ダンらは待ち伏せされてダンは撃たれてしまい、彼はレベッカのことをジョンに任せる。 ジョンも銃弾を受け気を失い、現れたブッチは服役した恨みを果たすため、瀕死のダンの心臓をえぐり出して容赦なく殺す。 牢屋から脱出したトントは、レンジャーが全滅した現場にたどり着き彼らを埋葬する。 ジョンが生きていることに気づいたトントは、現れた白馬がジョンの傍から離れないため、仕方なく彼を運び移動する。 気がついたジョンは、コマンチの悪霊ハンターだというトントからブッチを悪霊”ウェンディゴ”だと信じていると言われ、彼を捕えるための協力を求められる。 トントは、全滅したレンジャーの死体が一体足りず、コリンズ(レオン・リッピー)がその中にいなかったため、裏切った彼を捜せばブッチを捕らえられると考える。 ジョンにマスクを渡し、ブッチらに死んだと思われていることを利用するようトントは彼に提案する。 手掛かりを基に、象牙の脚の娼館のマダム、レッド・ハリントン(ヘレナ・ボナム=カーター)に会った二人は、コリンズの情報を得ようとする。 コマンチが約束を破り川を渡ったことをレッドから知らされたジョンは、レベッカの身を案じて町に戻ろうとする。 レッドは、二人がブッチを追っていると知り、自分の脚を奪った彼に仕返しをしてほしいために協力したことを伝える。 その頃、レベッカの家は襲われ、その場に向かいそれを確認したトントは、コマンチの仕業に見せかけた何者かの犯行だとジョンに指摘する。 襲ったのはブッチらで、その場にいた手下のフランク(ハリー・トレッダウェイ)らに襲い掛かったトントとジョンは、レベッカと息子ダニー(ブライアント・プリンス)を捜す。 ブッチは逃げ帰ったフランクから”ローン・レンジャー”に襲われたことを知らされ、コリンズにレベッカとダニーを殺すよう命ずる。 コリンズは、二人を殺すことができずに逃がしてしまう。 しかし、二人に立ち塞がった馬に乗った男がコリンズを射殺する。 砂漠を進むトントは砂に埋もれていた線路を見つけ、飛んできた矢がジョンの肩に命中する。 コマンチ居留地境界。 コマンチに捕えられたジョンは、トントに矢を抜かれて治療を受ける。 酋長ビッグ・ベア(サギノー・グラント)に会ったジョンは、トントが仲間でない理由を聞かされる。 トントが少年時代に助けた二人の白人が銀を見つけ、彼らはそれを手に入れようとした。 白人は懐中時計と交換で、大量の銀がある場所をトントから聞き出し、その後、部族を虐殺した。 トントは、全てを銀に宿る悪霊のせいにしてそれを”ウェンディゴ”と呼び、彼らを捜しだすことを誓ったのだった。 ビッグ・ベアはジョンがダンの弟だということを確認するが、彼の全てを信じることはできず、トントと共に頭だけを出して土に埋める。 騎兵隊の襲撃を前に部族は退避し、トントとジョンにサソリが襲い掛かる。 白馬がそのサソリを払いのけてジョンを地中から引きずり出し、彼はトントを残して去ろうとする。 しかしジョンは、トントがレベッカらがいるはずの銀がある”川の始まる谷”を知っているため、彼と共にその場に向かう。 ダイナマイトをトロッコに乗せて襲撃したトントとジョンは、爆発で気を失ったブッチに近づく。 ブッチがレベッカを殺したと考えたジョンは彼を殴り、トントは銀の弾丸を拳銃に込めてジョンに渡す。 ジョンがそれを拒んだため、トントはブッチに銃を向ける。 ”ウェンディゴ”などは幻想だと言うジョンを腰抜け呼ばわりしたトントだったが、彼にスコップで殴られてしまう。 ジョンは、ブッチに法の裁きを受けさせようと考え彼を連れてその場を離れる。 その頃コールは、レベッカを自分の者にしようと考えていた。 レベッカはレンジャーが生き残っていると信じ、ジョンがコールの列車にブッチを連行する。 ジョンは、白人を襲っていたのはコマンチではなくブッチだと言って、彼が手に入れていた銀の原石をコールに渡す。 コールが懐中時計を持っていたためジョンは不審に思い、彼の口からブッチが兄弟だと知らされる。 コマンチの居留地に、銀を運ぶ線路が引いてあることを知ったダンを殺したのもコールだと言って、ジョンは彼を拘束する。 レベッカが助けを求めるため出て行った後、見張りに銃を向けていたダニーは、現れたジョンが父を殺したとコールに言われて動揺する。 そこにブッチに捕えられたレベッカが現れ、ダニーは父が死んだことを確認して悲しむ。 部屋に入ってきたフラーはブッチがいたために銃を抜き、彼はジョンの話でコマンチに罪のないことを知る。 しかしフラーは、コールら鉄道会社側の話を信じる。 谷に到着したコールは、全てが手に入れられると言って採掘した銀をフラーに見せる。 ジョンは処刑されることになるが、トントがそれを妨害して救い、コマンチが騎兵隊に襲い掛かる。 迎え撃つフラーは反撃して、襲い掛かってきたビッグ・ベアを殺す。 ブッチにダイナマイトで攻撃されたトントとジョンは何とかそれを逃れるが、コマンチが全滅したことを知り意気消沈する。 鉄道は開通し、トントとジョンは渓谷の橋を爆破しようとするが失敗し、銀行を襲い隠されていたニトログリセリンを奪う。 式典が開かれ、コールは採掘した銀で全ての鉄道の権利を手に入れようとして、それに反対する鉄道会社会長ハバーマン(スティーヴン・ルート)の脚を撃ち有無を言わせない。 トントは列車の機関室に忍び込み車両を移動させ、レッドがフラーに近付き、象牙の脚を見せて油断させて妨害工作を始める。 白馬に乗りマスクをつけたジョンが現れ、コールも別の列車でトントの車両を追う。 フラーに銃撃されるトントにダニーが加勢し、一方、レベッカを助けようと列車に飛び乗ったジョンはブッチを殴り倒す。 トントは梯子を利用して並走する列車に乗り移り、ジョンの指示で銀が積載された車両に飛び乗る。 ジョンは車両から脱出して、それに乗っていたブッチはフラーの車両に衝突される。 フラーに振り落されたレベッカは白馬に落下して助かり、それに飛び乗ってきたジョンにキスして走り去る。 コールは、銀の積載車両を連結してトントに銃を向ける。 ジョンはレベッカを列車に乗せて、その場にいたダニーは、トントから渡されていた銀の弾丸をジョンに向かって放り投げる。 弾丸を受け止めたジョンは、それを銃に込めてコールを追う。 ジョンはコールの拳銃を撃ち、それを奪ったトントは、悪霊ではなく唯の人間だったことをコールに伝え、かつて彼から受け取った懐中時計を渡す。 トントは連結器を撃って車両を切り離し、コールは爆破された橋から落下する。 その後、再び式典が行われ、鉄道会社会長ハバーマンはローン・レンジャーに感謝し、今後の護衛を依頼する。 ジョンは記念品の懐中時計が鳥の餌に変わっていることに気づき、依頼をを断りレベッカとダニーに別れを告げて町を去る。 トントに追いついたジョンは、白馬を”シルバー”と名付けることを伝える。 ジョンは懐中時計を手に入れたトントに、その交換には合意が必要だと問う。 トントは、”鳥は時間を告げない、キモサベ”と答え、その呼び方を変えろというジョンを相手にしない。 ウィルは閉館となったために家に帰ろうとして、聞いたことは全て作り話だったのかをトントに尋ねる。 君次第だと答える正装したトントは、ウィルに銀の弾丸を渡して姿を消す。 その場にあった岩陰からカラスが飛び立ち、ウィルは外すなと言われたマスクをつける。 ジョンは、”ハイヨー、シルバー!、進め”と雄叫びを上げる。 しかし、トントは二度とするなと忠告する。 年老いたトントは、かつて住んでいた居留地に向かう。
地方検事のジョン・リード(アーミー・ハマー)は、完成途中の”大陸横断鉄道”に乗り故郷に向かう。
...全てを見る(結末あり)
鉄道工事を峡谷で進めるコールは、先住民を排除するためのニトログリセリンを用意し、ジェイ・フラー大尉(バリー・ペッパー)率いる騎兵隊の到着を歓迎する。
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*(簡略ストー リー)
1869年、テキサス州。
コマンチの先住民で悪霊ハンターのトントは、かつての痛ましい思い出を胸に無法者ブッチを追っていた。
地方検事ジョン・リードは故郷に戻るものの、ブッチにテキサス・レンジャーの兄ダンを殺され自分も重傷を負う。
ジョンに逮捕されていたトントは牢屋を脱出して、襲われて生き延びたジョンを助ける。
トントは、死んだと思われているジョンにマスクを渡しローン・レンジャーとなることを提案し、協力し合いブッチを捕らえようと考えるのだが・・・。
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お馴染のテーマ曲に乗り登場する、西部のヒーローの活躍に胸躍らされるファンは多いはずで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの、ジェリー・ブラッカイマー、ゴア・ヴァービンスキー、ジョニー・デップという超ビッグな組み合わせで製作された、とてつもないスケールのディズニー作品ということで大変な話題になった。
しかし、アメリカ人が愛して止まない伝説的ヒーロー物語は意外にも受け入れられず不評に終わってしまった。
2億1500万ドルをかけた超大作なのだが、北米興行収入は約8900万ドル、全世界では何とか健闘して約2億6000万ドルを稼ぎ出すものの、成功したとは言えない結果となった。
タイトル通りいけば”ローン・レンジャー”が完全な主役でなければいけないのだが、あくまでジョニー・デップ作品であり、彼とアメリカン・ヒーローの描き方のバランスが良くなかったとも言える。
ジョニー・デップは、全く素顔を見せない悪霊ハンター”トント”を怪演するが、キャラクターが「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの”ジャック・スパロウ”的でもある。
魅力的で楽しく演じているのだが新鮮味を考えると物足りない。
”ローン・レンジャー”演ずるアーミー・ハマーも、顔立ちが整った際立つ長身は見栄えはするが、一歩間違えば単なる”木偶の坊”になりかねない程度でインパクトに欠ける。
とは言え、西部劇ファンには嬉しいロケーションや、往年の作品を意識したようなオマージュ的なシーンもあり、ドタバタ喜劇の要素も含めたまずまずの仕上がりにはなっている。
大金をかけただけあり、メイク、セット、衣装などはなかなか凝っていて、アクションや特撮他スケール感もあり豪華キャストも注目だ。
第86回アカデミー賞では、メイクアップ&ヘアスタイリング、視覚効果賞にノミネートされた。
鉄道事業を支配しようとする悪の黒幕トム・ウィルキンソン、ジョン・リード/ローン・レンジャーのかつての恋人で、兄(ジェームズ・バッジ・デール)の妻ルース・ウィルソン、その息子ブライアント・プリンス、主人公らをサポートする娼館のマダム、ヘレナ・ボナム=カーター、無法者のリーダー、ウィリアム・フィクナー、騎兵隊大尉バリー・ペッパー、コマンチの酋長サギノー・グラント、老トントと話す少年メイソン・クック、無法者一味のハリー・トレッダウェイ、ホアキン・コシオ、レオン・リッピー、鉄道会社会長スティーヴン・ルートなどが共演している。