2005年に発表された、人気作家マイクル・コナリーの小説”The Lincoln Lawyer”を基に製作された作品。 資産家の息子の弁護を引き受けた辣腕弁護士の陰謀に巻き込まれながら闘う姿を描く、主演マシュー・マコノヒー、マリサ・トメイ、ライアン・フィリップ、ウィリアム・H・メイシー、ジョシュ・ルーカス、ジョン・レグイザモ他共演サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブラッド・ファーマン
製作総指揮
エリック・リード
デビッド・カーン
ブルース・トール
製作
シドニー・キンメル
トム・ローゼンバーグ
ゲイリー・ルチェッシ
リチャード・S・ライト
スコット・スタインドーフ
原作:マイクル・コナリー”The Lincoln Lawyer”
脚本:ジョン・ロマーノ
撮影:ルーカス・エトリン
編集:ジェフ・マカヴォイ
音楽:クリフ・マルティネス
出演
ミック・ハラー:マシュー・マコノヒー
マギー・マクファーソン:マリサ・トメイ
ルイス・ルーレ:ライアン・フィリップ
フランク・レヴィン:ウィリアム・H・メイシー
テッド・ミントン:ジョシュ・ルーカス
ヴァル・ヴァレンズエラ:ジョン・レグイザモ
ヘスス・マルティネス:マイケル・ペーニャ
セシル・ドブス:ボブ・ガントン
メアリー・ウィンザー:フランシス・フィッシャー
ランクフォード刑事:ブライアン・クランストン
グロリア:キャサリン・メーニッヒ
レジーナ・カンポ:マルガリータ・レヴィエヴァ
カーレン刑事:マイケル・パレ
ハイディ・ソーベル刑事:ミカエラ・コンリン
ドウェイン・J・コーリス:シェー・ウィガム
エディ・ボーゲル:トランス・アドキンス
ローナ・テイラー:ペル・ジェームズ
アール:ローレンス・メイソン
アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2011年製作 119分
公開
北米:2011年3月18日
日本:2012年7月14日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $58,009,200
世界 $75,009,200
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス郡。
辣腕弁護の士ミック・ハラー(マシュー・マコノヒー)は、高級車”リンカーン・タウンカー”の後部座席をオフィス代わりにしていた。
ハラーは、強引な方法で司法取引に持ち込み、ドラッグ・ディーラーや娼婦の刑を軽減させることを主に引き受けていた。
ドライバーのアール(ローレンス・メイソン)と共に移動するハラーは、保釈保証人ヴァル・ヴァレンズエラ(ジョン・レグイザモ)から、ある話を持ち掛けられる。
不動産業者で富豪のメアリー・ウィンザー(フランシス・フィッシャー)の息子ルイス・ルーレ(ライアン・フィリップ)が、女を殴り重傷を負わせ、保釈金100万ドルで立件が確実だという件の弁護だった。 その後ハラーは、バイカーのエディ・ボーゲル(トランス・アドキンス)に車を止められ、仲間の裁判が延期されたことについて責められる。 ハラーは、追加の弁護料が必要だと言って、エディから1万ドルを受取り先を急ぐ。 ルイスが拘留されている留置場に向かったハラーは、ハメられたという彼から話を聞く。 その後ハラーは、ルイスの件から外されたものの、保釈を阻止しようとする検事で、元妻マギー・マクファーソン(マリサ・トメイ)に声をかける。 結局ルイスの保釈は認められ、ハラーは、メアリーの顧問弁護士セシル・ドブス(ボブ・ガントン)に会い、保釈保証人をヴァルにするよう伝える。 ルイスが自分を選んだことを知ったハラーは、ドブスに報酬などの条件を提示して他の仕事をこなす。 私立探偵のフランク・レヴィン(ウィリアム・H・メイシー)を伴い、ハラーは、ドブスとメアリーとの会合に向かう。 メアリーからの弁護料の受け取りと、その場での協力を断ったハラーは、彼女が退席した後、裁判に持ち込み司法取引の準備を始めようとする。 しかし、濡れ衣で服役はしたくないと言うルイスは、事件の詳細を語り始める。 バーでレジーナ・カンポ(マルガリータ・レヴィエヴァ)に誘われたルイスは、ある男が彼女の家から出てきた後に部屋に向かい、いきなり殴られて意識を失う。 気がついたルイスは、二人組のゲイに抑え込まれ、意識が朦朧とする中、現れた警官の前で、自分がレイプ犯だと言われたというのだ。 ハラーは、レジーナがルイスを部屋に入れた時には既に痛めつけられていて、彼女か男がルイスを殴ったと考える。 レジーナの証言は全く違い、ルイスが襲いかかり酒瓶で彼を殴ったということだった。 それが嘘だと言うなら、簡単に勝てると言うハラーは、隠していることがないかをルイスに確認する。 レヴィンはレジーナをプロでないかと疑い、彼女やバーを調べることをハラーに伝える。 翌朝、ハラーの家に現れたレヴィンは、バーの防犯カメラの映像を調べた結果、レジーナがルイスを誘い、一緒にいた男が犯人と一致する左利きであり、彼女が娼婦だったことを伝える。 事件の担当検事テッド・ミントン(ジョシュ・ルーカス)の元に向かったハラーは証拠の映像を見せるが、起訴を取り下げる考えがないことを知る。 その後ハラーは、検事局の事務員から渡された資料と、ミントンの物が違っていることに気づく。 ルイスに会ったハラーは、自分に嘘をついていたことを追求する。 会合の席ではナイフ所持を否定したルイスは、危険が伴う不動産業界で、護身用にそれを持っていたことを認める。 ハラーは、刑務所に入りたくなければ、母メアリーを証人にするようルイスに伝えてその場を去る。 レジーナの資料を調べていたハラーは、かつて担当した殺人犯ヘスス・マルティネス(マイケル・ペーニャ)の事件が、今回の件と似ていることに気づく。 マルティネスの襲った女とレジーナは容姿が似ていて、同じように顔の右側だけを痛めつけられていた。 犯行を否定しながら、死刑を逃れるために仕方なくそれを認め、マルティネスは、終身犯として服役していたのだった。 サンクエンティン刑務所。 そしてハラーは、事件当日に相手の女と話していた男を写真で確認させ、マルティネスは、ルイスの写真を見た瞬間に興奮し始めて看守を呼ぶ。 レヴィンの家を訪ねたハラーは、無実だったマルティネスの弁護をまともにしなかったことを悔やみ、犯行に使われたナイフが、ルイスの物と同じだったことを伝える。 ハラーは、所持する証拠は秘匿特権で使えないことを知るルイスの、自分を雇った理由に気づく。 ルイスが関係しているかもしれない、同じような事件を調べるようレヴィンに指示したハラーは、自宅に侵入者がいることに気づく。 その場にいたルイスは、マルティネスの事件の犯人であることを認め、弁護士は、それを秘密にしなければいけない秘匿特権があることを伝える。 ハラーは、マギーと暮らす娘のことなどを口にするルイスの、脅しとも取れる言葉に動ずることなく彼を追い払う。 裁判は始まるが、レヴィンが何者かに殺され、現場に向かったハラーはショックを受ける。 保証人ヴァルの元に向かったハラーは、ルイスの追跡装置を外したかを追求する。 翌日、殺される直前に、マルティネスの釈放に繋がる証拠を掴んだのレヴィンからの電話メッセージに気づいたハラーは、それを担当刑事のハイディ・ソーベル(ミカエラ・コンリン)に知らせる。 ハラーは、拳銃の薬莢が見つかったことをソーベルから知らされ、それが自分の物で、銃がなくなっていることを確認する。 ソーベルとランクフォード刑事(ブライアン・クランストン)に、登録されていた拳銃の件で捜査令状を渡されたハラーは、自宅を捜査され、銃の入っていた箱を押収される。 ハラーは、ドウェイン・J・コーリス(シェー・ウィガム)という男が、何度も証人として出廷して刑を軽減されていることを、助手のローナ・テイラー(ペル・ジェームズ)から知らされる。 コーリンと同じリハビリ施設にいる、面倒を見ている娼婦のグロリア(キャサリン・メーニッヒ)の元に向かったハラーは、彼と接触するよう頼む。 法廷ではレジーナが証人として呼ばれ、賠償金目的ではなかったことを語り、メアリーも、自分がレイプされた現場を見た息子ルイスが、護身用にナイフを持っていたことを認める。 ミルトンは、刑期6カ月で譲歩することをハラーに伝えるが、ルイスはそれに納得しない。 翌日ハラーは、ルイスを証言台に立たせるものの、彼は陪審員に、無実の者が裁かれる辛さを訴える。 ルイスが自分の質問にも動じないため、ミルトンは、反証人を立てる考えを述べて、最終弁論の前に時間を貰いたいことを判事に伝えて、それが認められる。 ミントンが、コーリスを証人に呼ぶことを知ったハラーは、マルティネスの事件担当刑事カーレン(マイケル・パレ)に召喚状を渡す。 ハラーは、ルイスと同じ留置場にいたというコーリスを密告屋だと言って証人に呼ぶことに抗議する。 判事はコーリスを証人と認め、彼は、ルイスが”女に当然の報いを受けさせた”と言ったと証言する。 反対尋問に立ったハラーは、コーリスに、親しくなったルイスが言った、過去にもう一人殺したという話も語らせて席に戻る。 ルイスは焦り、自分を罠にハメたとハラーに言い寄るが、彼は相手にしない。 コーリスは、ミルトンにその内容を聞かれ、マルティネスの事件を再現するような、ルイスから聞いたという話をし始める。 カーレンや、その場にいたランクフォードとソーベルは、コーリスの話を聞き驚き、ルイスもなぜこの件を知っているのか疑問に思うが、ハラーは白を切る。 助手のローナから資料を受取ったハラーは、それを基に、偽証したことがあるコーリスを追求する。 判事は休廷して、偽証経歴者を証人として呼んだミルトンに対して、もはや裁判を続行することが不可能でことを伝える。 判事が陪審員に代わり、無罪を宣言する指示評決が下されることになるが、ルイスは、コーリスがなぜ殺人事件のことを知っていたかを気にする。 ハラーは、レヴィンがそれを知ったために殺したのかをルイスに問い、その場を去る。 ミルトンは、上司と話し合った結果、起訴を取り下げることを判事に伝え、ルイスは釈放されて閉廷となる。 ハラーは、メアリーとドブスに感謝され、銃を返すことをルイスから約束される。 ところが、現れたカーレンらは、ルイスを殺人容疑で逮捕する。 ハラーは、役目を果たしたことを伝えて他の弁護士を雇うようルイスに伝え、銃を持っているという彼に、それを表沙汰にできるのかを尋ねてその場を去る。 ランクフォードは、暴行で無罪にしたルイスを殺人罪で逮捕させたハラーのやり方に意見する。 起訴に持ち込む証拠がないことを指摘するハラーだったが、恥をかかされた検事側が、ルイスを徹底的に叩くことをランクフォードは伝える。 アールから護身用の拳銃を受取ったハラーは、自分が切られた駐車違反チケットと、レヴィンのメッセージを聴き直してヒントを掴む。 ハラーはマギーに連絡し、ルイスの駐車違反チケットの件を調べれば、それがマルティネスの釈放に繋がることを伝えて警戒する。 ルイスが釈放されたことを知ったハラーは、ヴァルに連絡を入れて、追跡装置で彼の居場所を探らせる。 ハラーは、ルイスがマギーの家に行くことを突き止めて彼を待つ。 銃を手にしたハラーは、マルティネスを釈放させて、必ず刑務所に入れ死刑にするとルイスに言い放ち、バイカーのエディらにルイスを痛めつけさせる。 ハラーは、事件の夜、殺された娼婦の家の前でルイスが駐車違反をしていたことをマギーから知らされる。 自宅にメアリーがいることに気づいたハラーは、ルイスが、娼婦とレヴィンを殺した罪で死刑になることを伝える。 ハラーを銃撃したメアリーは、レヴィンを殺したのは自分だと告白するが、彼に射殺される。 メアリーが自分の銃を持っていたことを確認しながら、ハラーは救急車を呼ぶ。 手当てを受けたハラーは、アールからマルティネスが釈放されたことを知らされる。 世話になったバイカーのエディに、仲間の弁護を頼まれたハラーは、無料で受けると答える。 ハラーは、それを心配するアールに、次はふんだくると伝える。
...全てを見る(結末あり)
ハラーはマルティネスと面会して、事件の日の情況を聞く。
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス郡。
高級車”リンカーン・タウンカー”の後部座席をオフィスにする辣腕弁護士ミック・ハラーは、ドラッグ・ディーラーや娼婦を顧客に、強引な司法取引に持ち込み刑を軽減させることを主に引き受けていた。
保釈保証人ヴァルから、不動産業者メアリー・ウィンザーの息子ルイスの傷害事件を知らされたハラーは、早速、彼に会い弁護を引き受ける。
無実を訴えるルイスは保釈され、ハラーは、司法取引ではなく裁判の準備を始める。
しかしハラーは、かつて担当した殺人事件と今回の件の類似点に気づき、ルイスの考える陰謀に巻き込まれる・・・。
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心理学と哲学を学び、ロースクールを目指そうとした知的な雰囲気のマシュー・マコノヒーが、アウトロー的な辣腕弁護士を演ずることで話題になった作品。
絶大なる人気を誇る作家マイクル・コナリーの原作ということもあり、手の込んだ内容、脚本と、豪華キャストで見応え十分な作品に仕上がっている。
財力を利用して保身に走る者に立ち向かい、無実の囚人を助けようとする主人公の姿は差し詰め西部劇のヒーローのようでもあり、痛快なクライマックスを迎える。
主人公がオフィス代わりにする”リンカーン・タウンカー”も、風格のある初代を使っているところがいい。
北米興行収入は約5800万ドル、全世界では約7500万ドルと、ヒットと言えるかは別として、続編の製作も噂されている。
少々ワルというより犯罪者のような弁護士、主人公を雰囲気を出して演ずるマシュー・マコノヒーは、人情や人間味も感じさせるキャラクターを快演している。
主人公の妻で検事のマリサ・トメイ、役を得るためにオーディションを受けたという依頼人ライアン・フィリップ、私立探偵ウィリアム・H・メイシー、検事ジョシュ・ルーカス、保釈保証人ジョン・レグイザモ、終身犯のマイケル・ペーニャ、終盤で事件に大きく絡む依頼人の母親フランシス・フィッシャーの顧問弁護士役ボブ・ガントン、刑事ブライアン・クランストン、マイケル・パレ、ミカエラ・コンリン、主人公が世話をする娼婦キャサリン・メーニッヒ、被害者マルガリータ・レヴィエヴァ、証人のシェー・ウィガム、バイカー役のトランス・アドキンス、主人公の助手ペル・ジェームズ、ドライバーのローレンス・メイソンなどが共演している。