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ライトシップ The Lightship (1985)

1960年に発表された、ジークフリート・レンツの小説”The Lightship”を基に製作された作品。
救助した強盗犯に占拠された灯台船の船長が自分を恨む息子との関係に苦悩しながら戦う姿を描く、監督イエジー・スコリモフスキ、主演ロバート・デュヴァルクラウス・マリア・ブランダウアーウィリアム・フォーサイスアーリス・ハワード他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:イエジー・スコリモフスキ

製作
ビル・ベネンソン

モリッツ・ボーマン
原作:ジークフリート・レンツ”The Lightship”
脚本
ウィリアム・メイ

デヴィッド・テイラー
撮影:チャーリー・スタインバーガー
編集
スコット・ハンコック

バリー・ヴィンス
音楽:スタンリー・マイヤーズ

出演
カルヴィン・キャスパリ:ロバート・デュヴァル

ミラー:クラウス・マリア・ブランダウアー
アレックス・ミラー:マイケル・リンドン
ユジーン:ウィリアム・フォーサイス
エディ:アーリス・ハワード
ネイト:バディア・ジョーラ
ソーン:ティム・フィリップス
クープ:トム・バウアー
スタンプ:ロバート・コスタンゾ

アメリカ 映画
配給 CBS Productions
1985年製作 88分
公開
北米:1986年9月26日
日本:1985年12月14日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
第二次大戦終結から10年、バージニア州、ノーフォーク
沿岸警備隊の灯台船(ライトシップ)”ハッタラス”のミラー船長(クラウス・マリア・ブランダウアー)は、繰り返して問題を起こす息子アレックス(マイケル・リンドン)を警官から引き取り船に連れて帰る。

アレックスは心を閉ざし、父ミラーとまともに口をきく気になれなかった。

翌朝ミラーは、強盗事件で3名が死亡し、犯人が逃亡中だというニュースをラジオで聴く。

その後、乗組員が漂流しているボートを発見したてめ、ミラーは、乗っていた者達を救助する。

迎えを呼ぶと言うミラーの話を聞いたアレックスは、彼らと共に陸に戻ろうと考える。

ボートに乗っていた、中年男性のカルヴィン・キャスパリ(ロバート・デュヴァル)は、ユジーン(ウィリアム・フォーサイス)とエディ(アーリス・ハワード)の兄弟を、ミラーらに紹介する。
...全てを見る(結末あり)

迎えを要請するというミラーに対し、キャスパリはそれを拒み、約束があることを伝えてボートの修理を頼む。

不躾なユジーンとエディの言動を気にするミラーは、彼らの積荷の中に銃などがあることを知り、強盗犯であることを確信する。

エディは、ボートの修理が不可能であると考えて動揺して騒ぎを起こす。

それを鎮めたキャスパリは、冷静に対処するものの、船の無線機を破壊して武器を没収しようとする。

ただならぬ気配を感じたアレックスは、保管ロッカーを開けて銃を取り出す。

その後ミラーは、それに気づきながら、キャスパリらに残りの銃を渡す。

キャスパリは、ユジーンとエディに銃を海に捨てるよう指示する。

ユジーンとエディは、ボートを動かして出発しようとするものの、船を奪おうとするキャスパリはそれを制止する。

船を渡すことをキャスパリに伝えたミラーは、部下ソーン(ティム・フィリップス)に抵抗しないように命ずる。

ソーンはそれに納得しないものの、指示に従うしかなかった。

アレックスは、戦争中の父ミラーの噂について気にするのだが、ソーンは、それには触れない方がいいと忠告する。

キャスパリは、牽制しても動ずることのないミラーと駆け引きを続けて、周囲はそれに干渉することなく事態を見守っていた。

その後ユジーンは、コックのネイト(バディア・ジョーラ)が飼っていた鳥を殺してしまい、二人は争いとなる。

ミラーがネイトを鎮め、キャスパリはユジーンに銃を降ろすよう命ずる。

ソーンは、ネイトやクープ(トム・バウアー)ら乗組員を説得して抵抗することを考える。

ミラーは、行動を開始しようとしたソーンらを制止して、アレックスに危険な状況を分からせようとする。

アレックスは、多くの者を見殺しにしたと言われている父ミラーから、その真実を聞く。

戦争中、駆逐艦の艦長だったミラーは、ドイツ出身だったためにからかわれていた。

輸送船を攻撃した潜水艦を追い、撃沈したミラーだったが、海に投げ出された船の乗組員を助けることができなかった。

潜水艦の追撃命令を下したミラーは、救助の件では罪に問われなかったものの、乗組員を助けられなかったことを今でも悔やんでいた。

戦争や戦いの悲惨さを知るミラーは、アレックスに武器を持つことのないよう警告する。

その後、船員スタンプ(ロバート・コスタンゾ)がユジーンとエディにからかわれ、アレックスも侮辱を受ける。

刃物を手にしたスタンプらは、抵抗する準備を始める。

スタンプはキャスパリを叩きのめして拘束し、気づいたエディはそれをユジーンに伝える。

エディに問い詰められたスタンプは、彼を刺し殺そうとするが、ユジーンの銃弾を受けて死亡する。

ミラーは気持ちを抑え、出て行くというキャスパリが、ボートを切り離したことを知る。

嵐の中、キャスパリは船を使って目的地に向かおうと考え、ミラーに銃を向ける。

ネイトは、恨みのあるユジーンを刺し殺して海に投げ落とす。

ユジーンがいないことに気づいたエディは、アレックスが抵抗しようとしていることを知り彼を追う。

エディは船酔いで動けなくなるものの、アレックスから銃を奪い殴り倒す。

天候は回復し、海上の機雷を発見したミラーは警戒する。

機雷は海上で爆破し、安全を確認したキャスパリは、錨を上げるようソーンに指示する。

ミラーは、それを阻止しようとしてキャスパリに銃撃され、それを見たアレックスは、エディに襲いかかり刺殺する。

瀕死のミラーは、船が動いていないかをアレックスに確認して息を引き取る。

仲間を失ったキャスパリは観念し、アレックスは父ミラーの考えを理解する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
第二次大戦終結から10年、
バージニア州、ノーフォーク
沿岸警備隊の灯台船(ライトシップ)”ハッタラス”のミラー船長は、反抗的な息子アレックスに手を焼いていた。
問題を起こしたアレックスを警官から引き取ったミラーは、漂流していた三人キャスパリと兄弟のユジーンとエディを救助する。
キャスパリらの言動を不審に思い、警戒するミラーは、彼らが武器を隠し持っていることを知り、事件を起こした強盗犯だと確信する。
その後、船の無線機を破壊して武器を没収したキャスパリらは、船を占拠して目的地に向かうことを考える。
乗組員のソーンらは抵抗しようとするのだが、ミラーはそれを許さず、息子アレックスの信頼も失っていく・・・。
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近年は俳優としても活躍する、ポーランド出身のイエジー・スコリモフスキの力作で、実力派の主演二人の演技のぶつかり合いは見もの。
孤立する海上で繰り広げられる、緊迫感あるストーリーに仕上がっている。

第42回ヴェネチア国際映画祭で、審査員特別賞(イエジー・スコリモフスキ)他を受賞した。

第二次大戦後10年という時代設定がポイントで、痛ましい体験に苦しむ船長と、それを理解できない息子との葛藤も描かれている。

「テンダー・マーシー」(1983)でアカデミー主演賞を受賞して間もないロバート・デュヴァルは悪党を紳士的に演じ、物腰は穏やかではあるが、人間的な深み、歴戦の兵士的な雰囲気を漂わせる船長役クラウス・マリア・ブランダウアーの好演は光る。

監督イエジー・スコリモフスキの実の息子で、この事件で父親の考えを理解し、人間的に成長する船長の息子役マイケル・リンドン、犯人ウィリアム・フォーサイスアーリス・ハワード、乗組員バディア・ジョーラ、ティム・フィリップス、トム・バウアーロバート・コスタンゾ等が共演している。


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