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腰抜けペテン師 The Lemon Drop Kid (1951)

ギャングに恨まれた詐欺師が要求された金を返すために奮闘する姿を描く、監督シドニー・ランフィールドフランク・タシュリン(クレジットなし/脚本兼)、主演ボブ・ホープマリリン・マックスウェルロイド・ノーランジェーン・ダーウェル他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

クリスマスにお勧めの映画


スタッフ キャスト
監督

シドニー・ランフィールド
フランク・タシュリン(クレジットなし)
製作:ロバート・L・ウェルチ
原作
デイモン・ラニアン
エドモンド・ベロイン
脚本
エドマンド・ハートマン
フランク・タシュリン
ロバート・オブライエン
撮影:ダニエル・L・ファップ
編集:アーチー・マーシェック
音楽
ヴィクター・ヤング

出演
レモン・ドロップ・キッド:ボブ・ホープ
ブレイニー・バクスター:マリリン・マックスウェル
オックスフォード・チャーリー:ロイド・ノーラン
ネリー・サーズデー:ジェーン・ダーウェル
ステラ:アンドレア・キング
ムース・モラン:フレッド・クラーク
ストレートフラッシュ・トニー:ジェイ・C・フリッペン
グルーミー・ウィリー:ウィリアム・フローリー
外科医のサム:ハリー・ベラバー
リトル・ルイ:シド・メルトン
シンギング・ソリー:ベン・ウェルデン
バードレディ:アイダ・ムーア
ヘンリー:フランシス・ピエロ
グーンバ:チャールズ・クーリー
警官:ハリー・シャノン
スーパー・スウェディッシュ・エンジェル:トー・ジョンソン
ノーサムズ・チャーリー:トム・ドゥーガン
キッドと路上でぶつかる男性:エモリー・パーネル
ホリー・セラー:メアリー・モダー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1951年製作 91分
公開
北米:1951年4月2日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フロリダ、クリスマス・シーズン。
ニューヨークの詐欺師レモン・ドロップ・キッド(ボブ・ホープ)は、競馬場で警官を警戒しながらカモを探していた。

アイアン・バーという馬に2000ドルを賭けようとしている女性ステラ(アンドレア・キング)に目をつけたキッドは、自分を信用させて違う馬に賭けるよう指示する。

ところが、ステラがギャングのムース・モラン(フレッド・クラーク)の金を賭けようとしていることを知ったキッドは焦る。

違う馬に賭けたことをステラから知らされたムースは、キッドに騙されたことに気づき、苛立ちながらレースを見守るものの、結局アイアン・バーが勝つ。

警官の元に向かったキッドは、違法行為を認めてムースを騙したと言って逮捕してもらおうとするが、相手にしてもらえない。

ホテルに戻ったキッドは、ムースの手下に連れて行かれる。

ムースに会ったキッドは拷問を見せられ、勝てるはずだった1万ドルの話をされる。
...全てを見る(結末あり)

キッドは、男を拷問していた外科医のサム(ハリー・ベラバー)を紹介される。

金は用意できるとムースに伝えたキッドは、クリスマスの朝までに渡せば許すと言われ、その場を去る。

ニューヨーク
吹雪の中、新聞を売る友人ネリー・サーズデー(ジェーン・ダーウェル)と話したキッドは、家賃滞納で立ち退きを迫られ、夫のハリー(フランシス・ピエロ)が犯罪者なのでホームにも入れないことを知り気の毒に思う。

ネリーと別れたキッドは、恋人のブレイニー・バクスター(マリリン・マックスウェル)のアパートに向かう。

結婚証明書を手に入れるために10ドル必要だと言うキッドは、ブレイニーを騙して金を受け取りその場を去る。

10ドルでスーツとコートを手に入れたキッドは、ギャングのボス、オックスフォード・チャーリー(ロイド・ノーラン)の元に向かう。

税金問題で頭を抱えていたチャーリーは、ムースに1万ドルの借りがあると言うキッドの話も聞かずに追い払う。

通りに出たキッドは、サンタクロースの衣装を着て救済を呼びかけ、小銭を集めることを考える。

それを実行したキッドは、顔見知りの警官(ハリー・シャノン)に魂胆を見抜かれて逮捕され、裁判にかけられる。

キッドは、許可なしで寄付を募った罪で、10日の拘留か50ドルの罰金を言い渡される。

家賃が払えず訴えられたネリーと出くわしたキッドは、チャーリーのクラブに電話をしてブレイニーに助けを求めるものの、それを断られる。

ダンサーのブレイニーは、チャーリーにキッドのことを話し、彼を釈放させるために50ドルを借りる。

留置場に現れたサムと話したキッドは、閉鎖されたムースのカジノを利用する考えを伝える。

キッドは、夫のハリーが犯罪者であるネリーが老人ホームに入るのを断られたため、彼女ら老女をカジノに集め、施設にして役所に向かい寄付を募る考えをサムに話す。

サムに50ドルを払ってもらおうとするものの断られたキッドは釈放され、それを払ってくれたブレイニーに感謝する。

街の悪党ストレートフラッシュ・トニー(ジェイ・C・フリッペン)やグルーミー・ウィリー(ウィリアム・フローリー)らに声をかけたキッドは、ホームの計画を実行し、ネリーをその場に案内する。

自分の名前がついた施設に着いたネリーは、カジノだった場所なので戸惑うが、入居者やブレイニーに迎られて嬉しくなり、キッドに感謝する。

ブレイニーと共にネリーらを寝かせたキッドは、警察の手入れ用に用意された装置が壊れてしまい騒ぎになる。

翌日からキッドは、サンタに扮したトニーやウィリーらを街に向かわせて、ホームのための募金を集めさせる。

クリスマスまでステージを降りることにしたブレイニーは、小銭を集めるキッドの募金活動を疑問に思うチャーリーに、4日で2000ドルが集まったことを伝える。

驚いたチャーリーは、ある考えが閃く。

キッドは、集めた金を裏庭の石造の中に隠した。

手下を集めたチャーリーは、キッドの商売を乗っ取る計画を話し、人々が注目するのはネリーであり、彼女と老女らを連れ去ることを考える。

ウィリーと共にホームに戻ったキッドは、ネリーやブレイニーの姿が見えず、隠してあった募金もなくなっていることに気づく。

チャーリーの仕業だと考えたキッドは、ウィリーらと共にナイアックの彼の屋敷に向かう。

募金を自分のものにしているキッドに騙されているとウィリーらに話したチャーリーは、ムースとの電話がつながっていることを伝える。

ムースと話したトニーは、自分たちが騙されたことを確認し、それを知ったネリーはショックを受ける。

チャーリーは、姿を消したキッドを捜そうとするウィリーらを仲間に引き入れる。

キッドを追い非難したブレイニーは、逃げようとする彼に、引き下がるべきではないと伝える。

クリスマス・イヴが2日後に迫り、キッドは、結婚指輪を質に出そうとするネリーを制止し、卑劣な者たちから必ずカネを奪い返すと伝える。

キッドは、屋敷から運よく逃げ出せたネリーに、ウィリーらと共に裁判所に向かうよう指示する。

ショーウィンドウのマネキンの衣装を盗んだキッドは、警官に見つかるものの、その場から逃げる。

老女に扮したキッドはチャーリーの屋敷に向かい、ホームに入れてもらえることになる。

現金の入ったカバンを持って出ようとするキッドは、それに気づいたチャーリーに制止される。

入居者に紹介されたキッドは場所を移動することを知り、老女(アイダ・ムーア)が彼のバッグを間違えて持ち去ってしまう。

それに気づかないキッドは、老女のバッグを手にしてチャーリーの元に向かい、バッグから銃を取り出そうとする。

銃がないことに気づいたキッドは、騒ぐチャーリーを痛めつけて現金のバッグを奪う。

その場から逃げようとしたキッドはチャーリーの手下に見つかり、殴られた勢いで窓を突き破ってしまう。

少年の自転車を借りたキッドは街に戻り、警官に見つかるもののホテルに逃げ込み、トイレで服を着替える。

その後、カジノに向かったムースは、待っていたキッドから現金を受け取り、そこにチャーリーが現れる。

チャーリーが自分のバッグの金は1600ドルだと言ったために、騙されたムースは憤慨してその場は混乱し、キッドは装置のボタンを押す。

隠れていたウィリーらが現れて、賭けを始めたためにムースは焦り、キッドが連絡していた警官が現れる。

ムースは違法賭博で逮捕され、ネリーのホームの募金活動をしたチャーリーは、寄付金を判事に没収される。

キッドは賭博の演技をしてくれた皆に感謝し、ネリーへの贈り物を用意する。

出所した夫ヘンリーと抱き合うネリーは、キッドのおかげだと言って彼を夫に紹介する。

皆は主賓のネリーとヘンリーを歓迎し、そしてパーティーが始まり、銀食器が金庫にあることを知らせたキッドは、それを開けることができないことを知る。

キッドは、金庫破りの名人であるハリーにそれを任せる。

キッドが何をしたのか気になるブレイニーは、心配いらないと言う彼から結婚する計画を知らされ、キスしながら耳を塞がれる。

爆風でドアが吹き飛び、金庫を開けたヘンリーは銀食器を運び出す。

キッドは、今後の生活資金の心配をするブレイニーに、銀食器を質に入れると伝える。

部屋から出てきた牛の”クロスビー”に静かにするようにと話しかけたキッドは、ブレイニーにキスする。


解説 評価 感想

(簡略ストー リー)
フロリダ、クリスマス・シーズン。
ニューヨークの詐欺師レモン・ドロップ・キッドは、競馬場でギャングのムースの愛人ステラを騙してしまう。
レースで勝てたはずの1万ドルをキッドに要求したムースは、金は用意できると言う彼にクリスマスまでの猶予を与える。
ニューヨークに戻ったキッドは、金を用意しようとするものの思うようにいかない。
焦ったキッドは、友人の老女ネリーを助けると言う口実で老人ホームを運営し、悪党仲間と共にサンタクロースに扮して寄付金を集めようとするのだが・・・。
__________

1934年に公開された同名作品”The Lemon Drop Kid”のリメイク的な物語。

ギャングに恨まれた詐欺師が、要求された金を返すために奮闘する姿を描くコメディ。

詐欺師やギャングが登場する裏社会の現実を描きながら、その中で巻き起こる騒動をユーモラスに描くシドニー・ランフィールドの演出手腕と、クレジットなしで監督を兼ねたフランク・タシュリンの巧みな脚本が見どころの作品。

犯罪者ばかりが登場する内容ではあるが、詐欺の手段として利用した老人とその施設での出来事が、人情味豊かに描かれた快作コメディとして十分に楽しめる作品。

まさにはまり役である、ケチな詐欺師を演ずるボブ・ホープの個性を活かしてた熱演は見ものであり、クリスマスを舞台にした物語ということで、恋人役のマリリン・マックスウェルと”クリスマス・ソング”を歌うシーンも盛り込まれた、贅沢な作品に仕上がっている。

クライマックスで登場する、施設で飼う牛をボブ・ホープが”クロスビー”と呼び、盟友ビング・クロスビーをからかうラストシーンも実に可笑しい。

主人公の考えを横取りしようとするニューヨークのギャングのボス、ロイド・ノーラン、主人公を信用する友人である老女ジェーン・ダーウェル、犯罪者であるその夫フランシス・ピエロ、主人公を脅すフロリダのギャングのボス、フレッド・クラーク、その愛人アンドレア・キング、主人公に協力する悪党のジェイ・C・フリッペンウィリアム・フローリー(1934年の作品にも出演)、シド・メルトン、レスラーのトー・ジョンソントム・ドゥーガンベン・ウェルデン、チャールズ・クーリー、ホームの老女アイダ・ムーア、ムース(フレッド・クラーク)の手下である外科医と言われる男ハリー・ベラバー、主人公を知る警官のハリー・シャノン、主人公と路上でぶつかる男性エモリー・パーネル、他メアリー・モダーなどが共演している。


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