1912年に発表された、エドガー・ライス・バローズの小説”Tarzan of the Apes”を基に製作された作品。 かつてアフリカのジャングルで”ターザン”と呼ばれたイギリス人貴族が再び故郷に戻り部族民の生活を脅かす悪と戦う姿を描く、製作総指揮、監督デヴィッド・イェーツ、主演アレクサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー、サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツ、ジャイモン・フンスー、ジム・ブロードベント他共演アクション・アドベンチャー。 |
・マーゴット・ロビー / Margot Robbie / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・イェーツ
製作
ジェリー・ワイントローブ
デヴィッド・バロン
アラン・リッシュ
トニー・ルドウィグ
製作総指揮
スーザン・イーキンス
ニコラス・コルダ
キース・ゴールドバーグ
デヴィッド・イェーツ
マイク・リチャードソン
ブルース・バーマン
原作:エドガー・ライス・バローズ”Tarzan of the Apes”
原案
クレイグ・ブリュワー
アダム・コザッド
脚本
アダム・コザッド
クレイグ・ブリュワー
撮影:ヘンリー・ブラハム
編集:マーク・デイ
音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
ターザン/ジョン・クレイトン3世/グレイストーク卿:アレクサンダー・スカルスガルド
ジェーン・ポーター・クレイトン:マーゴット・ロビー
ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ:サミュエル・L・ジャクソン
レオン・ロム:クリストフ・ヴァルツ
族長ムボンガ:ジャイモン・フンスー
英国首相:ジム・ブロードベント
ターザン(18歳):ローリー・J・セイパー
ターザン(5歳):クリスチャン・スティーヴンズ
カーコバー少佐:キャスパー・クランプ
ジョン・クレイトン2世:ハドリー・フレイザー
アリス・クレイトン:ジェネヴィーヴ・オライリー
フラム:サイモン・ラッセル・ビール
ムヴィロ:ユール・マシテン
ワシンブ:シドニー・ラリースェール
クエテ:オシ・イカイル
ムール大尉:ベン・チャップリン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2016年製作 110分
公開
北米:2016年7月1日
日本:2016年7月30日
製作費 $180,000,000
北米興行収入 $126,585,310
世界 $356,743,060
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1884年のベルリン会議で、欧米の列強諸国はコンゴの植民地支配について合意した。
ベルギー国王レオポルド2世は、象牙と資源が豊富にあるコンゴ盆地の領有権を得た。
それから5年、国王は、植民地で巨額の負債を抱え、軍隊の給料も滞り追い詰められ、側近のレオン・ロム(クリストフ・ヴァルツ)を、秘境オパールのダイヤを求めて現地に派遣した。
アフリカ、コンゴ。
ロムと共にオパールに着いたムール大尉(ベン・チャップリン)は、部下に攻撃準備を命ずる。
現地人に銃撃を加えて前進した部隊は、攻撃を受けて全滅し、ロムだけが生き残る。
部族に囲まれたロムは、近付いた戦士の1人を殺し、現れた族長ムボンガ(ジャイモン・フンスー)に会いに来たと伝える。 目的がダイヤの原石であることをロムに確認したムボンガは、見返りとして、”あの男”を連れてくるようにと伝えてダイヤを渡す。 イングランド、ロンドン。 それを首相(ジム・ブロードベント)から知らされたグレイストーク卿は、コンゴの現状の説明を受けて、債務不履行に陥った国王がビジネスパートナーを探しているため、我が国にとって大きなチャンスになると言われる。 その場にいた、アメリカ特使で南北戦争時の兵士でもあるジョージ・ワシントン・ウィリアムズ(サミュエル・L・ジャクソン)は、話が回りくどいと言って、類人猿、そしてジャングルの王”ターザン”と呼ばれたことをグレイストーク卿に確認する。 人気者のターザンが視察した現場について語れば、国が借金を払いアメリカが儲かるという単純な話だとウィリアムズから言われたグレイストーク卿は、それを断る。 グレイストーク卿は、国王に謝辞を伝えてほしいと言って席を立つ。 自分はターザンではなくジョン・クレイトン3世だとウィリアムズに伝えたグレイストーク卿は、その場を去る。 ジョンを追ったウィリアムズは謝罪し、視察に同行するアメリカ特使であることを伝え、自分の目的は米英両国の考えとは違うため、依頼を受けてほしいと言って彼を説得する。 その目的を訊かれたウィリアムズは、レオポルド2世がコンゴに進出して7年、全財産を投じて鉄道を建設して入国を禁止したのだが、その理由をしりたいと話す。 育った故郷の現状を知りたいはずだとウィリアムズから言われたジョンは、奴隷労働などの可能性がある不正を見つけ、世界を説得できる人物が必要だと話す彼の意見を聞き入れる。 船が難破してジャングルに避難した父ジョン・クレイトン2世(ハドリー・フレイザー)は、病気で妻アリス(ジェネヴィーヴ・オライリー)を失う。 アリスを埋葬したクレイトンは、幼い息子ジョンを残し、マンガニ種の猿に襲われて殺される。 ジョンは、猿に見つかり連れ去られる。 グレイストーク邸。 しかし、ジェーンの気持ちを察したジョンは彼女の同行を認め、ウィリアムズと共にコンゴに向かう。 現地に着いた3人は、警戒して手前で船を降り、徒歩でクバに向かおうとする。 それを知ったロムは、傭兵を手配するフラム(サイモン・ラッセル・ビール)に、国王の返済を待たせるように指示してダイヤの原石を渡す。 クバに着いたジョンとジェーンは、族長ムヴィロ(ユール・マシテン)やワシンブ(シドニー・ラリースェール)との再会を喜ぶ。 歓迎されたジョンは、周囲を警戒しているムヴィロから、奴隷商人が村人をさらっていると言われる。 アメリカ人の学者の父と共にこの地で育ったジェーンは、ターザン(ジョン)と出会った時のことを思い出しながら、彼と愛し合う。 村を襲ったロムは、指示に従わない族長ムヴィロを射殺し、ジョンとジェーンを捕えて村を焼き払う。 反撃したウィリアムズは、ジェーンを連れ去る彼らに逃げられるものの、ジョンを助ける。 自分を狙っていたロムがムボンガの山に向かったと考えたジョンは、森を抜けて先回りしようとする。 鉄道が敷かれている別のルートがあることを知らされたジョンは、同行すると言うウィリアムズに無理だと伝える。 自分達がレオポルド2世の依頼で派遣されたことをロムに伝えたジェーンは、そう仕向けたのは自分であると彼から言われる。 ジェーンとウィリアムズは余計だったと言うロムは、ジョンをある部族長が殺そうとしているため彼を引き渡すことを伝える。 部族の戦士達と共に森を動物のように駆け抜けるジョンは、仕方なく連れてきたウィリアムズを気にせずに列車に追いつこうとする。 大木の上で、背中にしがみつくようにとウィリアムズに伝えたジョンは、蔓を利用して列車に飛び乗り、捕えられた大量の奴隷が拘束されていることを確認する。 兵士達を叩きのめしたジョンとウィリアムズは、指揮官からロムの軍隊のために橋を建設しようとしていると言われ、50の要塞が造られ2万人の傭兵の動員を準備し、全ての部族を奴隷にしようとしていることを知る。 ジョンは、総督になるロムが、指揮していると言われる。 捕えられていたワシンプを殺すと言って脅されたジェーンは、ロムと食事をすることになる。 国王の軍が6日後に着き、ターザンをムボンガに渡すと言うロムに、ジョンならそれに立ち向かうと、ジェーンは彼に伝える。 台帳を見つけたウィリアムズは列車を止めたジョンに、ロムが、部族には賃金を払わず、ダイヤモンド鉱山で奴隷労働をさせて、国王に富を与えようとしていることを伝える。 列車を降りて草原を抜けようとするジョンに同行することを伝えたウィリアムズは、証拠の台帳を戦士に預ける。 ボマ港で会うことを戦士に伝えたジョンは、自分達が戻らない場合は、台帳をロンドンの祖父に渡すよう指示して出発する。 ジャングルに入ったジョンは、兄弟として育ったマンガニ種の猿のリーダー、アクートと戦い叩きのめされる。 ジョンの傷の手当てをしたウィリアムズは、金のために南北戦争とその後のインディアン戦争で戦った自分が、ベルギー人と同じだと話す。 抵抗したジェーンは、檻ごと川に落とされたワシンプを救うために飛び込み、彼と共にジャングルに逃げ込む。 ワシンプに仲間を呼ぶようにと指示して別れたジェーンは、猿の群れと遭遇する。 追って来たロムに、猿達を殺さないことを約束させたジェーンは、彼と共にその場を離れようとするが、一人の兵士が猿を撃ってしまう。 それに気づいたジョンはその場に向かい、仲間を殺されたアクートらが兵士を殺すのを目撃する。 かつて、育ての母である猿のカラをムボンガの息子に殺されたターザンは、その仇を討ったのだった。 ムボンガの元に向かい格闘になったジョンは、ロムに殺されると言って、それを否定する彼にダイヤが目的だと伝える。 ジョンはムボンガに剣を向けて脅し、そこにウィリアムズが現れて銃を捨てる。 最愛の母を殺されたことをムボンガに伝えたジョンは、息子はまだ子供であり、大人の自分に誇りはなかったのかと言われる。 誇りなど知らなかったと言うジョンはムボンガを放し、そこにアクートと仲間達が現れる。 戦うのを止めるようムボンガに伝えたジョンとウィリアムズは、ロムは皆殺しにする記だと言って説得する。 ムボンガが戦わない意思を示したため、ジョンとウィリアムズは、ジェーンを救うためにその場を去る。 船に戻りターザンの声を聴いたジェーンは安心し、ロムは警戒する。 ボマ港。 ロムは、傭兵を運ぶ船団を確認する。 動物の大群を引き連れたジョンは町を襲い、ジェーンは救い出され、ウィリアムズはロムが乗る船を機関銃で銃撃する。 ジョンに襲い掛かり拘束したロムだったが、抵抗されてワニの餌食になる。 ボイラーの爆発で船は木っ端微塵となり、その様子を見ていた、部族を引き連れたワシンプは雄叫びを上げる。 ダイヤを受け取れなかったフラムは、ただでは戦わないと言って引き上げる。 ジョンはジェーンの元に戻り、二人を見つめるウィリアムズは満足する。 互いの戦いぶりを称えたジョンとウィリアムズは抱き合う。 1890年、7月18日、ロンドン。 1年後、クバ。 動物達の支配者であるターザンは、育ての母カラの形見である石をジャングルに戻す。
...全てを見る(結末あり)
かつて”ターザン”と呼ばれたジョン・クレイトン三世/グレイストーク卿(アレクサンダー・スカルスガルド)の元に、レオポルド2世からコンゴ視察の依頼が届く。
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視察には同行させられないとジョンから言われた妻のジェーン(マーゴット・ロビー)は、夫と同じ自分の故郷でもあるコンゴに行きたいことを伝えるが、それを拒まれる。
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現地に着き兵力を確認したジョンは、仲間を集めることをウィリアムズに伝えて内陸に向かう。
コンゴ領地の調査結果を首相に渡したウィリアムズは、現地人を奴隷にして虐待した証明を示したという書簡を、ベルギー国王レオポルド2世に送る。
ジョンは、ジェーンが村人達に見守られながら無事に出産したことを知らされ、我が子を抱く。
*(簡略ストー リー)
ベルギー国王レオポルド2世は、コンゴの領地権を得るものの巨額の債務を抱え、特使のレオン・ロムを現地に派遣し、部族民の奴隷化と共に豊富なダイヤを手に入れようとする。
かつてコンゴのジャングルで猿に育てられ”ターザン”と呼ばれたイギリス人貴族ジョン・クレイトン3世/グレイストーク卿は、レオポルド2世から現地の調査を依頼される。
それを首相に断ったジョンだったが、アメリカ特使のウィリアムズから、コンゴで奴隷労働などが行われている可能性を指摘され、その不正を暴くために現地に向かうことになる。
同じくコンゴで育った妻ジェーンとウィリアムズと共に、かつて世話になったクバの部族の元に向かったジョンは、村人が奴隷商人にさらわれていることを族長から知らされる。
その後、村は部隊を率いるロムに襲われ、ジョンはジェーンを連れ去られてしまい、ウィリアムズと共に彼女を取り戻そうとするのだが・・・。
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エドガー・ライス・バローズによる、古典的人気冒険小説の映画化で、「ハリー・ポッター」シリーズで知られるデヴィッド・イェーツが、製作総指揮を兼ねて監督した、豪華スター競演の超大作。
かつてアフリカのジャングルで動物達に育てられた、イギリス人貴族の冒険と戦いを描く物語で、主人公”ターザン”の動物的な驚異の身体能力の描写などが見所の作品。
中部アフリカのガボンで行われた、雄大な大地と密林が映し出される映像はスケール感があり、動物達のCG映像の出来もよいのだが、他の同類作品を超えるようなものではなく、1億8000万ドルもの巨費をかけたのなら、もう少し驚かせてほしかったいうのが正直なところだろうか。
批評家の評価も低かったのだが、北米興行収入は約1億2700万ドル、全世界では約3億5700万ドルの大ヒットとなった。
主人公のターザン(ジョン・クレイトン3世/グレイストーク卿)を演ずるアレクサンダー・スカルスガルドは、鍛え抜かれた肉体で熱演はしているものの、長身と甘いマスクは悪くはないにしても、野性味などが感じられないところが気になる。
アメリカ特使として主人公の調査に同行するジョージ・ワシントン・ウィリアムズ役のサミュエル・L・ジャクソンと、ベルギー国王レオポルド2世の特使として現地部族民の奴隷化を進め、豊富なダイヤを奪おうとするレオン・ロム役のクリストフ・ヴァルツの出演がドラマに重みを加えているが、逆に言えば二人の共演がなければ駄作に終わったかもしれない。
主人公の妻ジェーンを無難に演ずるマーゴット・ロビー、主人公に息子を殺されたために復讐を誓っていた部族長ジャイモン・フンスー、イギリス首相のジム・ブロードベント、18歳のターザン、ローリー・J・セイパー、5歳のクリスチャン・スティーヴンズ、ロムの部下である少佐キャスパー・クランプ、主人公の父親ハドリー・フレイザー、母親ジェネヴィーヴ・オライリー、ロムの依頼で傭兵を派遣するサイモン・ラッセル・ビール、クバの部族長ユール・マシテン、戦士のシドニー・ラリースェールとオシ・イカイル、ロムに同行する部隊の大尉ベン・チャップリンなどが共演している。