兄を亡くした女性とその遺書を代筆していた男性の関係を描く、主演ウィノナ・ライダー、ウェス・ベントリー、レイ・ロマーノ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェフリー・ヘイリー
製作総指揮
ローレンス・E・デイヴィス
ジェフ・ライス
ディエゴ・マタモロス
脚本:ジェフリー・ヘイリー
撮影:キース・ヴァン・オーストラム
編集:ファビエンヌ・ロウリー
音楽:ジョン・スウィハート
出演
シャーロット・モリス:ウィノナ・ライダー
エヴァン:ウェス・ベントリー
アベル:レイ・ロマーノ
ヒルデ・モリス:ジーナ・ヘクト
グレッグ:A・J・トラウス
クララ:キャサリン・ボエッチャー
ブラディ:ジョン・ビリングズリー
サミー:カート・カセレス
スーザン:アリソン・モイア
フランシス:アーラン・リッチ
峡谷の男:リチャード・リール
クリント:マイケル・コルナッキア
アメリカ 映画
配給 Deviant Films
2008年製作 90分
公開
北米:2008年4月20日(サンダンス映画祭)
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
遺書として詩を考え、それを代筆する仕事をしているエヴァン(ウェス・ベントリー)は、新聞の死亡記事で顧客だった”マシュー・モリソン”が亡くなったことを確認する。
依頼のあったアベル(レイ・ロマーノ)と打ち合わせをしたエヴァンは、今後の作業工程などを話す。
マシューの葬儀は行われ、妹のシャーロットは、その場でメモをとっていたエヴァンに声をかける。
仕事のことを話さなかったエヴァンは、マシューとは大学時代の友人だったことなどをシャーロットに伝えてその場を去る。
”The Last Word.com”というサイトを運営していたエヴァンは、ブラディ(ジョン・ビリングズリー)という男性からの問い合わせを受けて会うことになる。 エヴァンの詩を読んだブラディは感心し、物書きである自分が他人に遺書を書いてもらおうとしていることを考えて苦笑してしまい、話を聞いただけで止めることにする。 シャーロットからの電話を受けたエヴァンは彼女と会い、マシューとは疎遠だったという彼女の話を聞き、自分が詩を書く作家であることを伝える。 帰宅後、原案を書けないと言うアベルからの電話を受けたエヴァンは、作曲家である彼の職場のスタジオに呼ばれる。 他愛のない話を聞いたエヴァンはアパートに戻り、シャーロットからデートに誘われる。 行けると返事もしないまま電話を切られたエヴァンはクラブに向い、奔放なシャーロットとは話も合わず、踊る気にもなれない。 家まで送ると言うシャーロットにそれを断ったエヴァンは、バス停留所で降りる。 数日後、先日のことをシャーロットに電話で謝罪されたエヴァンは、彼女から好意も伝えられる。 最後でもいいので会いたいと言われたエヴァンは、桟橋でシャーロットと会う。 シャーロットが持参したサンドイッチを食べながら、エヴァンは子供時代の辛い思い出を語る。 いつもくつろぐ場所であるアパートの屋上にシャーロットを連れて行ったエヴァンは、マシューを自分に投影していないかと彼女に問う。 その時、シャーロットが全裸になったことに気づいたエヴァンは驚く。 周囲のビルの何人が自分達を見ているかなどを考えながら、シャーロットはエヴァンに迫り二人は抱き合いキスする。 シャーロットを部屋に招いたエヴァンは、シャワーを浴びて愛し合うかを聞かれる。 アベルと打ち合わせをしたエヴァンは、初稿を見せて気に入ってもらう。 その後、留守電にしたエヴァンはシャーロットからの電話を待ち、彼女からの連絡がないためアベルの仕事に身が入らず寝不足にもなる。 ようやく入ったシャーロットのメッセージを繰り返し聞いたエヴァンは、彼女に連絡しようとしない。 アベルに会ったエヴァンは、付き合っている相手に自分の仕事を話していないことを不思議に思われ、浮気して離婚したため助言を求めるなと言われる。 シャーロットとホテルで過ごしたエヴァンは、本に挟んであった詩を読まれてしまい、脚本で使うと伝える。 アベルに呼ばれたエヴァンは、音楽を仕事にするべきではなかったと考える彼から、それ以外の職業を考えるなら崖を買いたかったと言われる。 皆が不要なものを捨てられる崖で、FAXやパソコンなど苛立つ物を処分して怒りを発散させ、その様子をスローモーションで撮影し物が粉々になるのを見せるという話をアベルは語る。 オプションで爆破させたりしても面白いとアベルは付け加える。 シャーロットの家に招待されたエヴァンは、彼女の家族と共に食事をする。 グレッグ(A・J・トラウス)やクララ(キャサリン・ボエッチャー)は、エヴァンの言動が気になる。 マシューと同じコーネル大学だったグレッグは、エヴァンがその卒業生でないとシャーロットに伝える。 それをシャーロットから追及されたエヴァンは、彼女の母親ヒルデ(ジーナ・ヘクト)らの前で、コーネル大学を卒業したのは嘘だと話す。 地方の大学を卒業した後、コーネル大学の近くで働いていたエヴァンはマシューとバスで知りあい、その時に受け取ったというマシューとシャーロットの写真を見せる。 今回は許すが、今後はどんなに小さなことも話すようにとシャーロットに言われたエヴァンは、それを約束する。 その件をアベルに話したエヴァンは、運命の女性なら結ばれると言って励まされる。 エヴァンを連れて公園に向かったアベルは、赤ん坊を脅してストレスを発散する。 アベルが変わった人物だと思うエヴァンは、いつかは遺書と共に、ハイウェイの歩道橋から飛び降りるという話も聞く。 数年前に、その場の渋滞のせいで仕事をもらえなかった苦い経験があるアベルは、飛び降りて誰かを同じ目に遭わせると語る。 脚本が進んでいるかをシャーロットに聞かれたエヴァンは、ヨガ教室にいる脚本家に会ってみないかと言われる。 考えてみると言うエヴァンに、今日のランチに呼んであると伝えたシャーロットは、事前に教えなかったことを彼に責められる。 手助けしたかったと言うシャーロットは、現れたブラディをエヴァンに紹介する。 エヴァンの顔を見て久し振りだとブラディが言ったために、シャーロットは驚く。 初対面だと言うエヴァンは先手を打ち、シャーロットには気づかれないように脚本の話をして、ブラディに口止め料を払うことをそれとなく伝えて納得させる。 マシューの誕生日だと言うシャーロットは夜を静かに過ごし、気持ちを察するエヴァンは彼女に寄り添う。 翌日、エヴァンは女性の依頼人スーザン(アリソン・モイア)と打ち合わせをする。 UCLAで詩のシンポジウムに出席すると言っていたエヴァンが、女性と一緒にいるところを目撃してしまったシャーロットは動揺する。 その夜、シンポジウムのことをエヴァンに尋ねたシャーロットは、ついさっきまでそれに参加していたと彼が言うのでそれ以上は追及しなかった。 翌朝、人と会うと言っていたエヴァンを監視していたシャーロットは、彼が前日の女性と同じ場所にいるのを確認する。 女性がエヴァンの手を握ったため、シャーロットは苛立つ。 エヴァンのアパートに忍び込んだシャーロットは、自分の物を持ち去ろうとして顧客ファイルのキャビネットに気づく。 鍵を探しそれを開けたシャーロットは、マシューのファイルを見つける。 アパートに戻ったエヴァンは、机の上に広げられたマシューの資料を確認して驚き、シャーロットに電話して謝罪するメッセージを入れる。 留守電のメッセージを確認したエヴァンは、それが連絡がほしいというアベルのメッセージだったために無視する。 荷物を届けに来ただけで帰るシャーロットを追い話し合おうと伝えるエヴァンだったが、自分の詩のせいでマシューが自殺したと言われる。 マシューの死と自分の仕事は無関係だとエヴァンはシャーロットに伝えるものの、彼女は納得しない。 死にたいほど辛い人生もあると話すエヴァンは、死の手助けをする権利はないと言うシャーロットに、マシューが膵臓癌だったことを話す。 家族や友人にもそれを内緒にしていたと言うエヴァンは、マシューが痛みに苦しんでいたことを伝える。 シャーロットは混乱してその場を去る。 バーにいた男性サミー(カート・カセレス)に声をかけられたエヴァンは、財布の現金を見られる。 バス停にいたエヴァンは、近づいて来たサミーに銃を向けられ路地に連れて行かれる。 サミーに殴られて財布を奪われたエヴァンだったが、相手を叩きのめしてその場から逃げ去る。 アベルに電話したエヴァンは、死ぬところだったと言う彼に会うことを断られ電話を切られる。 ハイウェイの歩道橋のネットを切断していたアベルは、現れたエヴァンに死ぬ瞬間を見学したいと言われる。 エヴァンを追い払おうとしたアベルは、天国か地獄があったらどうすると言われ、その時に考えると答える。 自殺を止めさせようとするエヴァンは、ピザが食べたいので奢ると言って説得するが、それでは理由にならないとアベルに言われる。 その場に佇むエヴァンは、アベルの死を見守るしかなかった。 街を去る準備をしていたエヴァンは、現れたシャーロットと話をする。 最低の仕事をしているが、マシューを失ったのは自分のせいではないと、エヴァンはシャーロットに言われる。 戻って来るきがあるなら、生きていると連絡してほしいとエヴァンに伝えたシャーロットは、多分許しはしないだろうがと言い残してその場を去る。 ある峡谷。 その様子をアベルが撮影し、エヴァンはタイミングを見計らってそれを爆破させる。
...全てを見る(結末あり)
依頼人の男性は(リチャード・リール)は、準備はいいとエヴァンに言われ、FAXを抱えて崖から投げ捨てる。
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
遺書として詩を考え、それを代筆する仕事をしているエヴァンは、依頼人マシューの死を知り、その葬儀の際に彼の妹シャーロット・モリスに声をかけられる。
マシューとは大学の友人であり作家だと伝えたエヴァンは、その後シャーロットに誘われて交際を始める。
自殺願望のある作曲家アベルとの仕事を進めるエヴァンは、人付き合いが苦手なため、彼の助言を聞きながらシャーロットと親交を深める。
ところが、シャーロットの家族との食事の際に、マシューの学友だったというエヴァンの嘘がバレてしまい、シャーロットはショックを受ける・・・。
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まず、本作の内容で、ロマンチック・コメディそのものの邦題をつけられる神経を疑う・・・と思われた方がほとんどだと思う。
トップ・スターとは言えないまでも、知名度のあるウィノナ・ライダー、ウェス・ベントリー、レイ・ロマーノの出演作にも拘らず、”サンダンス映画祭”で上映されただけで北米公開もされず、DVDリリースのみで終わった作品であり、当然、日本でも劇場未公開であるため重要視されないのは理解できるが、それにしてもこの邦題は酷い。
実績とネームバリューでファーストクレジットはウィノナ・ライダーなのだが、主演、主人公と言えるのは、人との接触を極力避ける詩人であり、遺書代筆業をする青年のウェス・ベントリーで、彼の容姿から漂う異質な雰囲気が役柄にマッチしている。
奔放な性格だという描かれ方のウィノナ・ライダーなのだが、その行動はかなり身勝手に思える。
嘘をついたという前提はあるが、主人公の仕事は依頼人との合意の上のことであり、男の立場からすると、別れることになったのが正解と考えた方がいいとも言える。
その後はどうなるかは不明だが、自殺願望の依頼人の作曲家レイ・ロマーノが考案したビジネスを、楽しそうに実行する主人公の笑顔が印象的だ。
ヒロインの母親ジーナ・ヘクト、家族A・J・トラウス、キャサリン・ボエッチャー、アーラン・リッチ、依頼人の脚本家ジョン・ビリングズリー、同じくアリソン・モイアとマイケル・コルナッキア、暴漢カート・カセレス、ラストでFAXを崖に投げ捨てる男性リチャード・リールなどが共演している。