妻子を殺され復讐を誓ったコマンチに育てられた男が、囚われの身となりながらアパッチの襲撃に対抗する姿を描く、監督デルマー・デイヴィス、主演リチャード・ウィドマーク、フェリシア・ファー、スーザン・コーナー、ニック・アダムス他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:デルマー・デイヴィス
製作:ウィリアム・B・ホークス
脚本
ジェームズ・エドワード・グラント
デルマー・デイヴィス
グウェン・バグニー・ギルガット
原案:グウェン・バグニー・ギルガット
撮影:ウィルフリッド・クライン
編集:ヒュー・S・ファウラー
音楽:ライオネル・ニューマン
出演
”コマンチ”トッド:リチャード・ウィドマーク
ジェニー:フェリシア・ファー
ジョリー・ノーマンド:スーザン・コーナー
ビリー:トミー・レティグ
ヴァリンダ・ノーマンド:ステファニー・グリフィン
クリント:レイ・ストリックリン
リッジ:ニック・アダムス
オリバー・O・ハワード将軍:カール・ベントン・リード
ノーマンド大佐:ダグラス・ケネディ
ブル・ハーパー保安官:ジョージ・マシューズ
コール・ハーパー:ティモシー・ケリー
ケリー中尉:ジェームズ・ドルーリー
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1956年製作 98分
公開
北米:1956年9月21日
日本:1956年12月1日
製作費 $1,670,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1873年、アリゾナ準州。
両親を亡くしコマンチに育てられた”コマンチ”トッド(リチャード・ウィドマーク)は、ブル・ハーパー保安官(ジョージ・マシューズ)と二人の弟と対決していた。
弟の一人を倒したトッドは、弾切が切れたためにアパッチの居住地に逃げ込む。
それを知ったハーパーと弟のコール・ハーパー(ティモシー・ケリー)は、トッドが3日間何も食べていないはずであり、逮捕は武勇伝になると考えて追跡する。
疲労困憊して空腹に耐えながら相手を待ち伏せしたトッドは、コールに襲いっかってナイフで刺し殺す。
しかし、現れたハーパーに腕を撃たれたトッドは捕らえられ、オーククリークに連行されることになる。 途中、トゥーソンに向かう幌馬車隊の陸軍大佐ノーマンド(ダグラス・ケネディ)に声をかけられたハーパーは、殺人犯を連行することを伝える。 自分の部隊だけでアパッチの居住地を通ると言うノーマンドに同行することを伝えたハーパーは、トッドが危険な男ではないかと訊かれ、心配ないと答える。 ノーマンドは、保安官とトッドのことを幌馬車隊の皆に説明し、青年リッジ(ニック・アダムス)は、この場でトッドを処刑することをハーパーに提案するが、報奨金がもらえないと言われる。 幌馬車隊は野営することになり、トッドに対するハーパーの仕打ちを見かねたジェニー(フェリシア・ファー)と弟のビリー(トミー・レティグ)は、悪党であっても人間だと言って保安官を批判する。 ノーマンドにも意見され、彼と同じ考えの幌馬車隊の人々に対してハーパーは、トッドは自分の3人の弟を殺したと言って、見た目は白人だがコマンチだと伝える。 トッドが20年もコマンチと暮らしていると言って、先住民を好む白人にろくな者はいないと伝えたハーパーは、考えを変えようとしなかった。 それでも人間だと言うジェニーは、ハーパーを軽蔑する。 食事になり、トッドは何も食べないとハーパーはノーマンドに伝える。 ノーマンドは神に感謝して祈りを捧げ、トッドを気の毒に思ったビリーは、彼に食べ物を与える。 それを知ったハーパーが発砲したため、ビリーは彼に襲い掛かるものの投げ飛ばされる。 警告は一回しかしない、トッドは食べないと言ったはずだとハーパーは皆に伝える。 食べ物を与えた者は射殺すると伝えたハーパーは、銃を向けるノーマンドから、キリスト教徒として、空腹の同胞を無視することはできないと言われる。 ノーマンドはトッドの縄を解き、手錠の片方は馬車の車輪につなぐようハーパーに指示する。 逃げないことをトッドに確認したノーマンドは、ジェニーに食事を与えさせる。 自分達に二度と拳銃を向けるなと言って、ノーマンドはハーパーに警告する。 ジェニーがトッドの気を引こうとしていると言うノーマンドの娘ヴァリンダ(ステファニー・グリフィン)だったが、ナバホ族との混血である妹のジョリー(スーザン・コーナー)は、親切心からだと考える。 不純な考えだと言うジョリーに対し、父と彼女の母の行為を皮肉ったと伝えたヴァリンダは、妹を侮辱する。 そこに現れたノーマンドは、自分の言葉を恥じるようヴァリンダに伝え、ジョリーの母親を心から愛していたと話す。 それを知り母が命を絶ったのかとヴァリンダから問われたノーマンドは、彼女の頬を叩き、馬車に行くよう指示する。 ヴァリンダを許して欲しいと言われたジョリーは、人前で恥ずかしい思いをした彼女の気持ちを理解していることを父ノーマンドに伝える。 翌朝、話しかけて来たビリーにジェニーのことを訊いたトッドは、彼女がトゥーソンで結婚相することを知る。 リッジと話していたクリント(レイ・ストリックリン)は、トッドにパイプを渡してタバコを吸わせるが、それを奪ったハーパーに殴られる。 それを制止しようとした皆はハーパーに迫る。 一人が落した斧を拾ったトッドは、それを投げてハーパーを殺す。 トッドは拘束されるが、クリントを救おうとしただけだとジェニーはビリーに話す。 約束を破ったと言ってノーマンドに批判されたトッドだったが、正しい行動をしたまでだと伝える。 到着したら引き渡すが、逃亡を図れば射殺すると、トッドはノーマンドから言われる。 その夜、トッドにクッキーを食べさせてあげたビリーは、多くの人を殺したと言う彼に、天国に行けるか尋ねる。 自分は天国に行くと思うので、そこで再会して一緒に探索できると言うビリーは、トッドが女の馬車に誰かが近づいたことに気づいたために見に行く。 リッジから泳ぎに行こうと誘われたヴァリンダは断り、それを聞いていたジョリーが彼に付き合おうとする。 そこに行く気になったヴァリンダが現れてリッジの馬に乗り、ジョリーは同行すると言うビリーを乗せて川に向かう。 昼間のことでクリントに謝罪されたトッドは、必然の出来事だと言って、気にすることはないと伝える。 ビリーを捜していたジェニーは、弟がリッジとノーマンド姉妹と共に泳ぎに行ったことをトッドから知らされる。 ジェニーとクリントが連れ戻しに行くことになり、見張りを頼まれたトッドは彼女に惹かれる。 全裸で泳ぐジョリーを軽蔑するヴァリンダは水着で川に入り、現れたジェニーからビリーのことを訊かれる。 リッジから下流だと知らされたジェニーは、ビリーの叫び声を聞いて驚く。 ジェニーと共にビリーを助けたクリントは、滝が危険だと知っていたはずだと言ってリッジを批判して殴る。 リッジは殴り返すものの、夜明け前に帰らなければ皆に知られると言うジェニーに制止される。 夜が明けてジェニーらは野営地に戻るが、人々は襲撃を受けて皆殺しにされていた。 ジョリーとヴァリンダは、父が吊るされていることを知りショックを受け、幼い妹を殺されたクリントは悲しむ。 トッドがつながれていた馬車は崖下に落下し、彼が車輪の下敷きになっていることに気づいたビリーは、ロープを使いその場に向かう。 無事だったトッドに、皆が殺され助かったのは泳ぎに行っていた自分達だけだと伝えたビリーは、馬車を動かす。 ロープを車輪に縛り、ジェニーに馬で引き上げさせたトッドは、ビリーを助けるようクリントに指示する。 車輪のスポークにロープを縛り馬で引いて折るようビリーに指示したトッドは、見張りをしていたはずなのにぜ皆に警告しなかったのかをクリントから訊かれる。 警告したが目覚める前にアパッチに襲撃されたと答えたトッドは、一人生き残ったことで疑うリッジやヴァリンダに責められる。 ヴァリンダを黙らせたジョリーは、先住民の混血なので肩を持つと言われ、彼女の頬を叩く。 スポークを折るのを阻止しようとするリッジやヴァリンダに、トッドの力を借りるしかないと伝えたジェニーだったが、納得してもらえない。 のろしが上がっていることに気づいたトッドは、引き返すと言うヴァリンダにそれを確認させて、助かる道は”死の谷”を通るしかないと伝える。 クリントにスポークを撃ち抜くよう指示したトッドだったが、リッジが銃を奪う。 銃を向けられたトッドは、心の恐怖を知らない者は撃てないと伝えて、ジェニーにロープを引かせる。 スポークが折れて解放されたトッドは、水と食料を確認して出発しようとするが、ヴァリンダらは死者を埋葬しようとする。 自分達が助かることが優先だと言うトッドは、納得しないヴァリンダらを置いて、ジェニーとビリーと共に去ろうとする。 墓を作れば生き残りがいると判断する、アパッチの追跡は逃れられないと言うトッドに、それを理解したヴァリンダと家族の死を受け入れたクリントは同行することを伝える。 自分も同行するが、銃を持ち命令は受けず手錠は外さないと言うリッジに近づき殴ったトッドは、必要なものを集めるよう皆に指示する。 使えるもので馬車を組み立てると言うトッドは、ハーパーのバッジを見つける。 武器を探し遺体を物色するよう指示したトッドは、馬に乗りアパッチの野営地に向かう。 戻ったトッドは河原に300人のアパッチがいると言って、彼らが集結していることを伝える。 アパッチの女子供110人が白人に殺されたため、その報復が始まったと言うトッドは、”死の谷”を見ながら、自分に何かあった場合はそれをひたすら進むよう皆に指示する。 一台の馬車で皆を連れて出発したトッドは、砂塵で位置を知られないために、昼間は隠れて夜移動しようとする。 家族のことで悲しむクリントに、先住民は、勇敢に死んだ者は楽園に行くと考え、自分も妻と二人の幼い息子を殺されたことを話す。 三人が楽園にいることを信じたいと言うトッドは、林の中で食べ物を探そうとする。 不平や嫌味ばかり言うヴァリンダに、邪魔をするなら殺して捨てて行くと伝えたトッドは、彼女とリッジに口答えは許さないと警告する。 ジェニーと残りビリーに水の管理をさせる準備をさせたトッドは、コマンチだった妻の話などをしながら手錠を外そうとする。 トゥーソンで結婚する相手のことを訊かれたジェニーは、彼がビリーを養育してくれることを話す。 ファーストネームを訊かれたトッドは、洗礼名は”ジョナサン”だと答え、牧師だった父がつけてくれたと話し、父が死んだためにコマンチに拾われたと伝える。 手錠の鎖を切ったトッドは、それが武器に使えると言いながら食料を捜し、洞窟で鷲を捕える。 その後、ウサギを捕まえる方法をビリーに教えたトッドは、別の場所に罠を仕掛ける。 ビリーに襲い掛かろうとした先住民を弓矢で殺したトッドは、それが戦士ではないことを確認する。 ヴァリンダが蛇に噛まれてしまい、トッドが、取り乱す彼女の傷口から毒を吸い出す。 ヴァリンダが叫び声をあげるために殴って気絶させたトッドは、彼女を馬車に運ぶ。 ヘビを銃で撃ち殺したリッジの愚かな行為を嘆くトッドは、弾を無駄にしてアパッチに居場所が知られたと言って彼を批判する。 アパッチは見なかったと言うリッジの背後の高台に二人の戦士が現れ、トッドは、コマンチを恐れなければ来てみろと叫び相手を牽制する。 銃をクリントに渡すようリッジに指示したトッドは、アパッチが家族にしたことを思い出し、自分がやられたら女達を守るようクリントに伝える。 現れた二人と戦追うとしたトッドは、一人と格闘になり相手を殺す。 襲い掛かってきたもう一人も殺したトッドは、二人の馬を隠すよう指示する。 移動することをジェニーに伝えたトッドは、ヴァリンダが高熱だということを知る。 ヴァリンダが死ぬかもしれないとトッドから言われたジョリーは、手を尽くしてくれた彼に感謝する。 日が暮れて移動を始めたトッドは、人がいることに気づき覚悟を決めるものの、軍隊の可能性があるために調べようとする。 苦しむヴァリンダは、看病してくれたジェニーから水をたくさん飲むようにと言われる。 残り僅かだった水を、トッドとジョリーが自分のために飲んでいないことをヴァリンダは知る。 皆に憎まれていると思ったヴァリンダは、ビリーまで自分の水を与えて救ってくれようとする気持ちを理解する。 戻ったトッドは、アパッチが集結していると言って、斥候に見つかれば終わりだと皆に伝える。 それがアパッチだと信じないリッジは軍隊だと言い張り、トッドは、自分が嘘をつく理由を問う。 捜している軍隊に捕えられれば縛り首になるとクリントから言われたトッドは、考えられる状況だとジェニーからも指摘される。 嘘だとは思わないと言うジェニーに、ビリーとジョリーも同調する。 回復に向かっていたヴァリンダは、隠していた手錠の鍵をトッドに渡す。 鍵をビリーに渡して手錠を外してもらったトッドは、彼に息子達の面影を感じる。 先住民の誇りを忘れるなとジョリーに伝えたトッドは、高台で見張りアパッチが来たら教えるので出発するよう指示する。 自分は逃げても縛り首だと言うトッドは、弾を無駄に使うなとクリントに伝えてその場を去る。 高台に現れたジェニーから、さっきの言葉は別れに思えたと言われたトッドは、自分を慕っているというビリーがもう子供ではないと伝える。 自分達は軍などに死んだと思われていると言うジェニーは、トッドから、ビリーと共に一緒に暮らすことを提案され、彼の愛を受け入れる。 止んでいた太鼓の音が再び鳴り始め、今夜が最後だと覚悟したジェニーは、一緒に過ごしたいと言って、馬車には戻らないことをトッドに伝える。 夜が明けて、トッドは目覚めたジェニーに、軍隊が来たためアパッチが撤収したことを知らせる。 アパッチが丘から奇襲する気だと言うトッドは、ジェニーから、軍隊に警告できではないかと言われる。 兵士に合図を送ったトッドは、彼らを馬車に誘導する。 ビリーは、現れた兵士にはトッドのことは秘密だと皆に伝える。 軍曹は、ノーマンド大佐の娘だというジョリーから、他の者はアパッチに殺されたことを知らされる。 殺人犯”コマンチ”トッドのことを訊かれたビリーは、戻ってきたトッドを父親だと軍曹に伝える。 ジェニーが妻だと確認した軍曹は、先住民が使う合図だったと伝え、トッドから先住民に教わったと言われる。 本隊に戻るべきだと伝えたトッドは、アパッチが待ち伏せていることを知らせる。 軍曹から本隊はいないと言われたトッドは、幌馬車二台と8人しかいないことを知らされ、最悪だと思いながらも馬で移動しようとする。 この場はトッドに従おうとしたリッジは、手錠の鎖を隠す。 ケリー中尉(ジェームズ・ドルーリー)らと合流したトッドは、300人を相手に逃げ道もないことを確認する。 トッドらは二台の馬車を囲って戦いに備え、ジェニーらは避難してその様子を見守る。 丘を下りたアパッチは攻撃態勢を整え、トッドのバッジに気づいたケリーは、彼が”コマンチ”トッドであることを確認する。 脱出後に逮捕せざるを得ないとトッドに伝えたケリーは、退却するよう指示され、正体を知ったことを残念に思うと言って、トッドの勇気に敬意を表する。 握手を求めたケリーは、トッドから同じ気持ちだと言われてその場を離れる。 アパッチは襲い掛かり、矢で爆薬に火を放ったトッドは、ケリーに逃げるよう合図する。 馬車は大爆発を起こし、アパッチ襲撃を諦め、トッドも馬でその場から逃れる。 ケリーらは司令部のある砦に戻り、トッドは裁判にかけられる。 判事のオリバー・O・ハワード将軍(カール・ベントン・リード)は、ハーパー4兄弟を殺したことをトッドに確認する。 それを認めたトッドは、4人を計画的に殺したことを認めるが、ハワード将軍に何人、人を殺したかを問う。 戦争と謀殺は違うと言う将軍だったが、縛り首も人殺しであり、殺した相手の南軍も同胞のアメリカ人だとトッドに反論される。 自分達”コマンチ”は同胞の敵しか殺さないと言うトッドは、ハーパー兄弟は妻を辱め、母を助けようとした息子達と共に殺したと伝える。 悲鳴を聞いて駆け付けたが遅かったと言うトッドは、相手の顔は確認し、銃撃されたことも話す。 逆上して兄弟を追跡するものの心は冷め、相手を殺した時は冷静で喜びさえ感じたと言うトッドは、縛り首にしたいのならすればいいとハワード将軍に伝える。 後悔はしていないトッドは、同情はするが復讐する権利はないと将軍から言われる。 敵討ちはコマンチの掟だと伝えたトッドは、白人の法に従わなければならないと言われ、西部一帯にはそんなものはないと反論する。 あったとしても、先住民を殺した白人を白人の判事が裁けるのかと問うトッドは、ハワード将軍から当然だと言われる。 謀殺に変わりはなく肌の色は関係ないと言う将軍は、ハーパー兄弟が被告人なら死刑にしたはずだとトッドに指摘される。 それを将軍が認めたため、トッドは、自分が死刑を執行したと考えればいいと伝える。 資格はないと言われたトッドは、殺すなら同じであり、正義に従うべきだと主張する。 侮辱は許さないと言う将軍は、信念の下に正義を貫いてきたと伝える。 席を立ったジェニーは、トッドも同じだと言って、命を奪う話ばかりで、命を与える話をしないことはおかしいと伝え、多くの命を救ったトッドのお陰で自分達が生き延びられたと話す。 一人でも逃げられたのに自分を犠牲にして残ったと言うジェニーは、自分達はトッドのために喜んで命を捧げると伝える。 ヴァリンダがは、トッドのお陰で人として成長したと、ジョリーは自尊心という生きる糧を、クリントは情状酌量を求め、リッジも同じ気持ちだった。 ”命を与える”と言う言葉に感銘を受けたと言うハワード将軍は、トッドを愛しているかをジェニーに問う。 ジェニーはもちろんだと答え、挙手したビリーは、自分もトッドを愛していることを伝える。 将軍は、被告人は先住民に属しながら勇敢に戦い白人を助けたことを考慮し、ジェニーとビリーが許せば、トッドを二人の保護監督下に置く判決を下す。 ジェニーとビリーはそれに同意し、トッドと共に喜ぶ。 その後、ジョリーらに別れを告げたトッドとジェニー、そしてビリーは、新たな人生を始めるために旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1873年、アリゾナ準州。
20年間コマンチに育てられた”コマンチ”トッドは、妻子を殺したハーパー4兄弟と対決していた。
3人を殺したトッドだったが、ハーパー保安官に捕らえられ、その後、幌馬車隊に合流する。
幌馬車隊のジェニーと弟のビリーは、拘束されるトッドを気の毒に思う。
その夜、隠れて川に水浴びに行ったノーマンド大佐の娘でナバホ族との混血児のジョリーと異母姉ヴァリンダらとビリーを連れ戻しに行ったジェニーは、幌馬車隊がアパッチの襲撃を受けて全員が殺されたことを知る。
馬車と共に崖下に落とされるものの無事だったトッドは助けられ、自分を信じるジェニーとビリーと共に、アパッチの襲撃を前にその場を去ろうとするのだが・・・。
__________
保安官とその兄弟に妻子を殺されたコマンチに育てられた男の復讐と、アパッチの襲撃を受けた幌馬車隊の生存者が、親交を深めると共に反発し合いながら、命を懸けて敵に立ち向かう姿を描く正統派西部劇。
白人と先住民の戦いを単純に描くのではなく、人種偏見や先住民に対する白人の率直な考え、そして軍による討伐の正当性の追及などを描く、深いドラマに仕上がている。
勇気や正義が伴う犠牲などを一貫して説く主人公と、彼に惹かれる姉弟との親交や愛情、主人公の行動が人間の心を動かす姿なども描く、デルマー・デイヴィスの力強い演出が見どころの作品。
オーククリーク・キャニオンなどで行われたロケは効果を上げてドラマを盛り上げ、シネマスコープに映える風景なども美しく、ライオネル・ニューマンの音楽も印象に残る。
主演のリチャード・ウィドマークは、勇気ある行動で、その瞬間に最善を尽くす正義感溢れる男を熱演している。
リチャード・ウィドマークは冒頭から登場するものの、上映から20以上も一言もセリフを発しないことで、長年コマンチとして生きてきた男の雰囲気を演出している。
主人公に惹かれながら彼を常に支えるフェリシア・ファー、同じく主人公を信頼する弟のトミー・レティグ、ナバホ族と白人の混血である陸軍大佐(ダグラス・ケネディ)の娘スーザン・コーナー、彼女を軽蔑するその異母姉ステファニー・グリフィン、家族をアパッチに殺される幌馬車隊の少年レイ・ストリックリン、当初は主人公に反発する青年ニック・アダムス、軍の司令官で判事も兼ねる将軍のカール・ベントン・リード、弟達と共に主人公の妻子を殺した保安官のジョージ・マシューズ、その弟ティモシー・ケリー、主人公の勇気に敬意を表する軍の中尉ジェームズ・ドルーリーなどが共演している。