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ガン・ファイター The Last Sunset (1961)

保安官と殺人犯と恋人の微妙な三角関係を描く、監督ロバート・アルドリッチ、脚本ダルトン・トランボ、主演ロック・ハドソンカーク・ダグラスドロシー・マローンキャロル・リンレイジョセフ・コットン他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
ラッド・フルトン監督:ロバート・アルドリッチ

製作
ユージン・フレンキ

エドワード・ルイス
原作:ハワード・リグスビー”Sundown at Crazy Horse”
脚本:ダルトン・トランボ

撮影:アーネスト・ラズロ
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:アーネスト・ゴールド

出演
ダナ・ストリブリング:ロック・ハドソン

ブレンダン”ブレン”オマリー:カーク・ダグラス
ベル・ブレッケンリッジ:ドロシー・マローン
メリッサ”ミッシー”ブレッケンリッジ:キャロル・リンレイ
ジョン・ブレッケンリッジ:ジョセフ・コットン
エド・ホッブス:ジャック・イーラム
フランク・ホッブス:ネヴィル・ブランド
ジュルスバーグ・キッド:ラッド・フルトン
ミルトン・ウィング:レジス・トゥーミー

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1961年製作 112分
公開
北米:1961年6月7日
日本:1961年9月9日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
メキシコ
保安官のダナ・ストリブリング(ロック・ハドソン)は、殺人犯のブレンダン”ブレン”オマリー(カーク・ダグラス)を捜す旅を続けていた。

メキシコ国境。
オマリーは、牧場主ジョン・ブレッケンリッジ(ジョセフ・コットン)の牧場を訪れ、留守だった主人に代わり、妻ベル(ドロシー・マローン)や娘メリッサ(キャロル・リンレイ)の歓迎を受け、紳士的に挨拶して宿泊を許される。

牧童頭のミルトン・ウィング(レジス・トゥーミー)は、町で人を捜していた男がいたことをオマリーに伝え、彼はその男を知っている素振りを見せる。

夜も深まり、実は、かつてベルと愛し合う仲だったオマリーは、彼女との思い出を語り抱き寄せるが、ベルはそれを受け入れようとする自分を抑える。
...全てを見る(結末あり)

翌日、ジョンが牧場に戻り、オマリーに会った彼は、1000頭の牛を、国境を越えてテキサスに運ぶ人手を探していることを伝える。

オマリーは、牛の1/5と妻を頂くという条件をジョンに出し、それを本気だと思わない彼は、その”賭け”を受けることにする。

その後、仕事を始めたオマリーは、現われたストリブリングと対面し、自分に逮捕状が出ていることを知らされる。

この場では、自分が逮捕されないことを知るオマリーは余裕を見せて、テキサスに連行すると言うストリブリングを、牛追いに同行させようとする。

ストリブリングは、ジョンが考えている牛追いの困難を伝え、さらにベルには、オマリーが殺人犯である、危険人物だと言って警戒させる。

ベルの前で侮辱されたオマリーは苛立つが、ストリブリングは、彼が殺した男の妻が、自分の妹だということを伝える。

翌日、ジョンら一行は牧場を出発し、途中ジョンは、物騒な町であるトレス・サントスに向かう。

ストリブリングは、帰りの遅いジョンの様子を見に、オマリーを伴い町に向かう。

二人は、共に戦った南軍兵に、酒場で侮辱されるジョンを助けようとするが、彼は銃撃されて死亡する。

ジョンを埋葬した一行は旅を続け、妹を不幸にしたことで自分を恨むストリブリングに、オマリーは彼女の不貞を話して聞かせる。

それを聞いたストリブリングはオマリーに襲い掛かり、二人は激しい殴り合いとなるが、ベルがそれを制止する。

そしてストリブリングは、オマリーが男を殺した後、妹が首を吊って自殺したことを伝える。

ベルに心を寄せるようになっていたストリブリングは、自分を頼って欲しいことを彼女に告げる。

翌日、一行を襲うことを考える、フランク・ホッブス(ネヴィル・ブランド)とエド(ジャック・イーラム)の兄弟、ジュルスバーグ・キッド(ラッド・フルトン)の三人が、ジョンに雇われたと言って現われる。

ストリブリングは三人を仲間に入れ、オマリーは、ベルに近づこうとするキッドに脅しをかける。

その夜、オマリーはベルへの変わらぬ愛を語り、それを見たストリブリングは、彼女に結婚を迫る。

翌日、オマリーが、現われた先住民を射殺してしまい、一行は襲撃に備える。

しかし、遺体を運んだストリブリングは、先住民にオマリーの受け取る分の牛を渡すことで話をつける。

その後、ストリブリングが流砂にはまってしまい、オマリーが彼を助けている隙に、ホッブス兄弟らがベルとメリッサに襲い掛かる。

ストリブリングとオマリーは、兄弟とキッドを倒して二人を助ける。

しかし、ベルを助けたストリブリングが、彼女の愛を手に入れたかに見えたオマリーは、心穏やかでなくなる。

目的地のクレージー・ホースが近づき、その夜、一行は野営地でパーティーを開くことになる。

かつてベルが着た、思い出のドレスに身をまとったメリッサを見たオマリーは驚いてしまう。

メリッサはオマリーに愛を告げるが、彼女がベルの面影にしか思えなかったオマリーも、その愛を受け入れようとする。

翌日、クレージー・ホースに向かうストリブリングとオマリーは、仕事を終えた後、夕暮れに決着をつけることで話がまとまる。

ベルは、オマリーを逃がすように、彼への憎しみも薄らいでいたストリブリングを説得しようとする。

オマリーとベルの関係を気にするストリブリングは、彼女から、かつて二人が愛し合っていたことを知らされる。

ストリブリングの考えが変わらないことで、ベルはオマリーに逃げるように説得する。

メリッサを連れて行こうとするオマリーに、ベルはメリッサが彼の娘だということを告げる。

ショックを受けて動揺するオマリーは、それを信じることができずに、怒りのあまりベルに手を出してしまう、

メリッサの元に向かったオマリーは、彼女と将来のことを語り、父親ほど年が違う自分が逝った後は、他の男性との愛を育てるよう伝える。

そしてオマリーは、夕陽が沈んだ後、二人で旅立つために戻ることをメリッサに告げる。

決闘の場所に向かったストリブリングとオマリーは相対するが、それに気づいたベルはその場に向かう。

銃声を聞いたメリッサもその場に向かい、オマリーを倒したストリブリングは、彼の愛用していたデリンジャーに弾が入っていなかったことを確認する。

ストリブリングは、現われたベルにそれを伝え、オマリーの死を知ったメリッサは彼に寄り添う。

メリッサは、牧童頭のミルトンから、オマリーに預かったと言って、約束してあった桜草を渡され、彼を思い涙する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
殺人犯ブレンダン・オマリーを追う保安官のダナ・ストリブリングは、彼を追いメキシコ入りする。
同じく国境を越えていたオマリーは、かつての恋人ベルの牧場を訪れる。
ベルは、牧場主ジョン・ブレッケンリッジと結婚して、娘のメリッサと暮らしていた。
かつて愛し合っていたオマリーとベルだったが、彼女は、突然現われたオマリーの愛を受け入れる気持ちを抑える。
ジョンは、牛1000頭をテキサスに運ぶためにオマリーを雇い、出発の準備を始めさせる。
そこに現われたストリブリングだったが、この地では逮捕できないことを知るオマリーは、彼を牛追いの旅に同行させ、テキサスに向かい決着をつけようとする。
その後、旅を始めた一行だったが、その途中、ジョンが銃弾に倒れて命を落とす。
そして、ストリブリングは美しいベルに惹かれて彼女に愛をつげ、二人の関係を気にしながら、オマリーは旅を続けるのだが・・・。
__________

1957年に発表された、ハワード・リグスビーの小説”Sundown at Crazy Horse”を基に製作された作品。

前年の「スパルタカス」(1960)で、”赤狩り”による追放から名誉を回復したとも言えるダルトン・トランボが、再びカーク・ダグラスと組んで脚本を担当している。

微妙な三角関係と、かつての恋人同士に隠された意外な真実、牛追いの迫力や、ラストで見せるスマートな決闘、西部劇の醍醐味などを含め、肉親、そして恋の敵として相手と闘わなければならない男達の、友情に近い描写など、ロバート・アルドリッチらしい演出が楽しめる、忘れ難い作品に仕上がっている。

ロック・ハドソンの主演作ではあるが、役柄や風貌などを含めて、カーク・ダグラスの個性が際立っている。

軽快な身のこなし、殺人犯として登場するものの、その人間味のあるキャラクター、歌を口ずさんだりもするユーモアを含めた演技、哀愁漂うラストも印象深い、正に主演の活躍をしている。

ややカーク・ダグラスに押され気味ではあるが、長身で統率力もあり、ヒロインとの愛も手に入れる保安官役のロック・ハドソン、西部の地で一段と映える美しいドロシー・マローン、中盤以降に重要な役を演ずるその娘役キャロル・リンレイ、旅の途中で命を落とす牧場主役で名優のジョセフ・コットン、途中から旅に加わる悪党役の三人ジャック・イーラムネヴィル・ブランド、ラッド・フルトン、牧童頭役レジス・トゥーミーなど、豪華共演者も注目だ。


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