1826年に発表された、ジェームズ・フェニモア・クーパーの”モヒカン族の最後”を基に製作された作品。 小説”Leatherstocking Tales”シリーズ5作品中の2作目。 製作、監督、脚本マイケル・マン、主演ダニエル・デイ・ルイス、 マデリーン・ストウ、ピート・ポスルスウェイト他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ダニエル・デイ=ルイス / Daniel Day-Lewis / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・マン
製作総指揮
ジェームズ・G・ロビンソン
製作
マイケル・マン
ハント・ロウリー
原作:ジェームズ・フェニモア・クーパー”モヒカン族の最後”
脚本
マイケル・マン
クリストファー・クロウ
撮影:ダンテ・スピノッティ
編集
ドヴ・ホウニグ
アーサー・シュミット
音楽
トレヴァー・ジョーンズ
ランディ・エデルマン
出演
ホークアイ/ナサニエル・ポー:ダニエル・デイ・ルイス
コーラ・マンロー:マデリーン・ストウ
アリス・マンロー:ジョディ・メイ
チンガチェック:ラッセル・ミーンズ
ダンカン・ヘイワード少佐:スティーヴン・ウェディントン
マグア:ウェス・ステューディ
アンカス:エリック・シュウェイグ
エドモンド・マンロー大佐:モーリス・ローヴス
ルイ=ジョセフ・ドゥ・モンカルム将軍:パトリス・シェロー
ジャック・ウィンスロプ:エドワード・ブラッチフォード
ビームス大尉:ピート・ポスルスウェイト
アンブローズ少佐:コルム・ミーニイ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1992年製作 112分
公開
北米:1992年9月25日
日本:1993年3月13日
製作費 $37,000,000
北米興行収入 $75,505,860
■ アカデミー賞 ■
第65回アカデミー賞
・受賞
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1757年。
”フレンチ・インディアン戦争”3年目、アメリカ東部。
イギリス陸軍のダンカン・ヘイワード少佐(スティーヴン・ウェディントン)は、コーラ(マデリーン・ストウ)とアリス(ジョディ・メイ)の姉妹を、父であるエドモンド・マンロー大佐(モーリス・ローヴス)の元に送り届けるための、護衛隊を指揮する
ことになる。
コーラはヘイワードに求婚されるのだが、答えを返せないでいた。
その後ヘイワードは、モホーク族のマグア(ウェス・ステューディ)をガイドに、部隊を出発させる。
しかし、実はマグアは、フランス軍と結託するヒューロン族で、待ち伏せしていた仲間達と部隊を襲い、コーラ達に襲い掛かる。
全滅しかけた部隊だったが、そこに、モヒカン族の酋長であるチンガチェック(ラッセル・ミーンズ)、息子のアンカス(エリック・シュウェイグ)、そしてホークアイ(ダニエル・デイ・ルイス)が現れコーラ達を救う。 命を救われたコーラとアリスそしてヘイワードは、目的地の砦まで、ホークアイらに案内されることになる。 途中、焼き討ちに遭った友人一家の埋葬もせず、先を急ぐホークアイに興味を持ったコーラは、彼がイギリス人で、チンガチェックの養子だということを知る。 そして、ホークアイらは、フランス軍と交戦中の砦に到着し、無事にコーラ達をマンロー大佐の元に送り届ける。 ホークアイはマンロー大佐に感謝されるが、辺境地の移民やモホーク族の危険を伝えても、軍隊にそれを支援する余力はないことを知らされる。 大佐は、フランス軍との戦いに専念するようヘイワードに伝え、司令部に援軍要請の伝令を出す。 ホークアイらの襲撃を逃れたマグアは、フランス軍司令官のルイ・ジョセフ・ドゥ・モンカム将軍(パトリス・シェロー)に戦況を報告し、子供達の命と妻を奪ったマンローとその娘達への復讐を誓う。 その頃、砦ではホークアイとコーラが、お互い惹かれ合うものを感じ、彼女はヘイワードの求婚を断る。 民兵のジャック・ウィンスロプ(エドワード・ブラッチフォード)が、砦から脱出するのを手助けして、コーラと愛し合ったホークアイは、ビームス大尉(ピート・ポスルスウェイト)に逮捕されてしまう。 コーラは、処刑されることになったホークアイをかばい、父マンロー大佐やヘイワードと対立する。 やがて、フランス軍の総攻撃が始まり、マンロー大佐はそれに屈し降伏する。 降伏条件を受け入れたイギリス軍は解放されるが、マグア率いるヒューロン族が彼らに襲い掛かる。 マグアはマンロー大佐を殺して家族の仇を討ち、コーラとアリスを殺そうとするが、ホークアイやアンカスが彼女らを救い、カヌーに乗り湖から川に向かう。 滝の手前でカヌーを捨てたホークアイは、コーラとアリスを、同行していたヘイワードに託し滝壺に身を投げる。 その後、コーラ達はマグアらヒューロン族に捕らえられ、部族の村に連れて行かれる。 アンカスとチンガチェックは、ホークアイやアリスに思いを寄せながら、コーラ達を追い村にたどり着く。 マグアは酋長に、ヘイワードはフランス軍に売り、コーラとアリスは火炙りにすることを提案する。 そこにホークアイが現れ、ヘイワードを通訳にして、誇り高いヒューロン族は、イギリスやフランスと同じよう蛮行を行うべきでないと、姉妹と将校を解放するよう説得する。 酋長はマグアの行動を戒め、彼をアリスと結婚させて、ヘイワードはイギリス軍に返そうとする。 そして酋長は、コーラを火炙りにして、マグアの子供を弔うよう指示し、ホークアイには立ち去るよう告げる。 しかし、マグアは酋長の言葉に反発して、アリスを連れ村を去り、ヘイワードがコーラの身代わりになり火炙りにされる。 コーラを連れて村を去ったホークアイは、ヘイワードを苦しみから救うために射殺する。 マグアに連れられた、アリスを追ったアンカスは、単独でヒューロン族に立ち向かうが、マグアに殺されてしまう。 絶望したアリスも崖から身を投げてしまい、マグアを追ったチンガチェックは、彼を殺し息子の仇を討つ。 そしてチンガチェックは、神に召されたアンカスや部族の者が、最後のモヒカン族となった自分を迎え入れるよう、ホークアイと共に祈りを捧げる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1757年、アメリカ東部。
フレンチ・インディアン戦争の最中、イギリス陸軍のヘイワード少佐は、マンロー大佐の娘コーラとアリスを大佐のいる砦に護送する任務を命ぜられる。
途中、ガイドに扮して部隊に付き添ったヒューロン族のマグアは、家族を奪ったマンロー大佐への復讐を果たすため、娘達を殺そうとする。
しかし、モヒカン族の三人、酋長のチンガチェック、息子アンカス、そしてイギリス人の養子ホークアイが現れ彼女らを助ける。
ホークアイらはコーラ達を砦に案内し、移民や部族の保護を大佐に求めるのだが、それは叶わなかった。
その間、ヘイワードの求婚を断ったコーラは、心触れ合うようになった、ホークアイとの愛を深めていくのだが・・・。
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同じ題材として、「モヒカン族の最後」(1920)、1932年にハリー・ケリー主演で、1936年にはランドルフ・スコット主演で映画化されている。
”フレンチ・インディアン戦争”を一つのテーマにした、マイケル・マンらしい、リアリズムを追求した作品であるだけでなく、血統が滅びかける部族の誇りを懸けた戦い、その部族に育てられた青年と、イギリス人女性の愛を描いた、壮大なドラマに仕上がっている。
植民地政策の犠牲になる、アメリカ先住民達に巻き起こる紛争が、その勇ましく激しい戦いの影で、もの悲しさを感じる。
第65回アカデミー賞では、録音賞を受賞した。
翌年の「クリフハンガー」(1993)の音楽によく似ている、トレヴァー・ジョーンズの主題曲は印象に残る。
演技派ダニエル・デイ・ルイスが、精悍な表情で長髪をなびかせ、鍛え上げた肉体で森林を駆け巡る姿は、彼のイメージを一新して実に新鮮で、一流スターの役者魂も感じさせてくれる。
戦火の中で、一際映える美貌のマデリーン・ストウは、美しさだけでなく純朴なヒロインを好演している。
彼女の妹ジョディ・メイ、その父親役モーリス・ローヴス、ただ一人のモヒカン族の血統となる酋長ラッセル・ミーンズ、息子のエリック・シュウェイグ、最後に勇気を見せるイギリス軍少佐スティーヴン・ウェディントン、ヒューロン族の武闘派役ウェス・ステューディ、フランス軍司令官ルイ=ジョセフ・ドゥ・モンカルム将軍のパトリス・シェロー、民兵のエドワード・ブラッチフォード、軍人として端役出演のピート・ポスルスウェイト、コルム・ミーニイなどが共演している。