前作「ターミネーター2」(1991)で圧倒的な支持を得たアーノルド・シュワルツェネッガーと「プレデター」(1987)でもコンビを組んだジョン・マクティアナン演出のアクション超大作。 オースティン・オブライエン、ロバート・プロスキー、アンソニー・クイン、チャールズ・ダンス、F・マーリー・エイブラハム他共演。 |
・アーノルド・シュワルツェネッガー / Arnold Schwarzenegger 作品一覧
・アンソニー・クイン / Anthony Quinn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・マクティアナン
製作
スティーヴ・ロス
ジョン・マクティアナン
製作総指揮:アーノルド・シュワルツェネッガー
原案
ザック・ペン
アダム・レフ
脚本
デヴィッド・アーノット
シェーン・ブラック
撮影:ディーン・セムラー
編集
ジョン・ライト
リチャード・A・ハリス
音楽:マイケル・ケイメン
出演
アーノルド・シュワルツェネッガー:ジャック・スレイター/本人
オースティン・オブライエン:ダニエル”ダニー”マディガン
ロバート・プロスキー:ニック
アンソニー・クイン:トニー・ビバルディ
チャールズ・ダンス:ベネディクト
F・マーリー・エイブラハム:ジョン・プラクティス
フランク・マクレー:デッカー警部
ブリジット・ウィルソン:ホイットニー・スレイター/メレディス・カプリス
アート・カーニー:フランク
トム・ヌーナン:リッパー/本人
マーセデス・ルール:アイリーン・マディガン
ジョーン・プロウライト:教師
ティナ・ターナー:市長
アンジー・エヴァーハート:ビデオ・ショップ店員
ダニー・デヴィート:ウィスカーズ
イアン・マッケラン:死神
ノア・エメリッヒ:ルーキー
M.C.ハマー
シャロン・ストーン
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
チェヴー・チェイス
ロバート・パトリック
リトル・リチャード
ジェームズ・ベルーシ
テモシー・ダルトン
マリア・シュライバー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2000年製作 130分
公開
北米:1993年6月18日
日本:1993年8月28日
製作費 $85,000,000
北米興行収入 $50,016,390
世界 $137,298,490
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
アクション映画の好きな少年ダニー・マディガン(オースティン・オブライエン)は、アーノルド・シュワルツェネッガーが演ずる、ロサンゼルス市警の”ジャック・スレイター”が活躍するシリーズ映画に夢中だった。
ある日ダニーは、映写技師のニック(ロバート・プロスキー)に誘われて、”ジャック・スレイター”シリーズの次回作のフィルム・ チェックをすることになる。
映画のせいで学校に遅刻までするダニーに、母アイリーン(マーセデス・ルール)は呆れるばかりだったが、 彼は映画の持つ夢の世界にのめり込み憧れていた。
一人で家にいたダニーは強盗に遭い、映画館に行くのが遅れてしまう。
ダニーは、別世界へのパスポートだという、光り輝くチケットをニックから受け取る。
そして、上映は始まり、ギャングのボス、トニー・ビバルディ(アンソニー・クイン)、スレイターの従弟のフランク(アート・カーニー)、ビバルディの手下で、義眼の殺し屋ベネディクト(チャールズ・ダンス)らが絡み合う、息詰まる展開に加えたアクション・シーンが繰り広げられる。 しばらくすると、ダニーのチケットが輝き、彼はスクリーンの中に吸い込まれて、スレイターの車に乗り、カーチェイスのシーンに紛れ込んでしまう。 警察署に向かったスレイターは、ダニーが映画の話ばかりすることを気にしながら、いつものように上司デッカー警部(フランク・マクレー)にどやされる。 スレイターとデッカーは、自分達や追っている事件にやけに詳しいダニーを不思議に思う。 そんなダニーを、デッカーはスレイターの相棒にしてしまう。 ダニーは自分の話を信用しないスレイターを、フランクの捕まっていたビバルディの屋敷へ案内して納得させる。 スレイターに対応したベネディクトだったが、自分などに詳しいダニーの言葉を気にする。 ビバルディは、スレイター殺害をベネディクトに命じて、彼はダニーについて調べようとする。。 その後、スレイターは別れた妻の家に向かい、ダニーと娘ホイットニー(ブリジット・ウィルソン)を残して外出するのだが、そこにベネディクトらが押し入ってくる。 ベネディクトは、自分のことを知っている理由をダニーに尋ねて彼を脅す。 しかし、映画のヒロインでもある”メレディス・カプリス”に変貌したホイットニーが、ベネディクトの手下を襲い、銃を奪いその場に現れる。 そこに帰宅したスレイターが、二人の危機を知り一味を撃退して、ベネディクトは逃走してしまう。 その後ベネディクトは、ダニーの持っていた光るチケットに、何か秘密が隠されていることに気づく。 その頃、警察が事件現場の検証をしていたが、ベネディクトの落としていった義眼が爆発する。 騒ぎを起こしたスレイターは、デッカーにクビを言い渡されてしまうが、ダニーから、ビバルディ一味の抹殺計画を聞かされる。 ギャング同士の抗争を利用して、金儲けを企んでいた同僚のジョン・プラクティス(F・マーリー・エイブラハム)に裏切られたスレイターは、 ダニーと共にグルだったビバルディらに捕らえられる。 しかし、アニメ・キャットのウィスカーズ(ダニー・デヴィート)が現れてプラクティスを射殺し、スレイターとダニーは救い出される。 そして二人は、ギャングの葬式の遺体に仕掛けられた、毒ガス爆発を阻止する。 ベネディクトはビバルディを射殺してしまうが、スレイターがそこに現れ、フランクの敵を討つために、彼を叩きのめそうとする。 しかし、ベネディクトは、チケットで現実の世界へ逃げこんでしまい、スレイターとダニーもそれを追う。 現実の世界に戸惑いながら、スレイターはベネディクトを追跡するものの取り逃がし、ダニーと共にニックの元に向かう。 自分が、作り物の産物だと嘆くスレイターをニックは励ますが、劇場は閉鎖されるため、彼も引退することになっていた。 その後ダニーは、スレイターを自宅に連れて行き、映画スター”アーノルド・シュワルツェネッガー”だと言って母アイリーンに彼を紹介する。 その頃、ベネティクトは、現実の世界で犯罪を犯しても、周囲は関心を示さないことに気づく。 ベネディクトは、映画の世界から、スレイターの息子を殺した”切り裂き魔”リッパー(トム・ヌーナン)を連れ出し、実際の映画スター”アーノルド・シュワルツェネッガー”を殺そうとする。 一方、スレイターは、自分がロサンゼルスの刑事だと言ってアイリーンと意気投合し、現実の世界を楽しむ。 ベネディクトが”シュワルツェネッガー”を狙っていることを知ったスレイターは、ダニーと共に「ジャック・スレイター4」のブレミア会場へ向かう。 会場には、主演であるシュワルツェネッガーと妻のマリア・シュライバー、続いて、映画のコスチュームでリッパーも姿を現す。 しかし、その直後に、彼を現実で演ずるトム・ヌーナンも現れ、インタビュアーは戸惑ってしまう。 スレイターらも、スターや有名人が集結する会場に到着して、そしてダニーが、リッパーがシュワルツェネッガーを狙っていることをスレイターに知らせる。 ダニーはリッパーに捕らえられ、スレイターは劇場の屋上に誘い出される。 リッパーはダニーを突き落とすが、スレイターは彼を感電死させる。 壁の電灯にしがみついていたダニーを助けたスレイターは、現れたベネディクトと対決となる。 銃弾を浴びたスレイターは、ベネディクトの義眼の爆弾を撃ち抜き、彼を爆死させる。 ベネディクトの持っていた光るチケットは、イングマール・ベルイマンの「第七の封印」がリバイバル上映されていた劇場の前に落ちる。 病院に運ばれる途中のスレイターだったが、映画の世界ならかすり傷だとダニーが気づき、銃で脅して救急車を奪い、ニックの劇場に戻ろうとする。 その頃、「第七の封印」から死神(イアン・マッケラン)が抜け出し、劇場内の観客は騒然となる。 劇場に着いたダニーが、ニックにスレイターの映画を上映してもらおうとした時、死神が現れる。 死神は、チケットの半券を探すように助言して姿を消し、ダニーがそれを見つけて、スレイターを映画の世界に戻すことに成功しする。 スレイターは、ダニーに現実に戻るよう伝え、彼は別れを惜しみながら去って行く。 そして、スレイターはかすり傷も負っていなかったことが確認され、怒鳴り散らすデッカーのオフィスに向かい彼を黙らせる。 それを劇場で観ていたダニーは、ニックから半券のチケットを譲り受けて、彼の映画の話に聞き入る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
映画”ジャック・スレイター”シリーズの魅力にとり憑かれている少年ダニーは、ある日、映画館の撮影技師ニックから、シリーズ最新作のフィルム・チェックに誘われる。
ニックに、別世界へのパスポートだという、光り輝くチケットを渡されたダニーは、上映後、間もなくスクリーンに吸い込まれてしまう。
スレイターの活躍するシーンに紛れ込んでしまったダニーは、彼に不審に思われながらも、映画のストーリーに対する豊富な知識でサポートしようとする。
しかし、ダニーを怪しむ殺し屋のベネディクトは光るチケットを奪い、彼は現実の世界へ逃げ去ってしまう。
そして、ベネディクトを倒すために、スレイターとダニーも、彼を追って現実の世界に向かう・・・。
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当時のジョン・マクティアナンは、「ダイ・ハード」(1988)、「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)など大ヒットを飛ばしていた時期で、勢いに乗っていたため、大いなる期待がかかった本作に抜擢された。
しかし、批評家の間でも、史上最高のアクション映画になるだろうとまで言われた本作は、残念ながら公開直後から大不評となってしまう。
製作費に8500万ドルをかけたにも拘らず、北米興行収入は約5000万ドル、全世界では約1億3700万ドル、当初の予想をはるかに下回る失敗作に終わった。
カメオ出演を含め、品評会のように顔を出す、超豪華な出演者の登場場面も在り来たりで、凝ってはいるが、コメディ・タッチの派手なストーリーも面白みに欠けている。
驚くほどの迫力シーンもなく、アクションというより、お笑い作品として観た方がいいかもしれない内容だ。
前作「ターミネーター2」(1991)の衝撃度に足元にも及ばない、シュワルツェネッガーの演技も今一で、この年のラジー賞で最悪俳優にノミネートされている。
しかも、作品、監督、脚本をはじめ、重要人物の少年役のオースティン・オブライエンまでも、同賞で”最悪”のレッテルを貼られてしまった。
個人的には、お気に入りのベテラン、アンソニー・クインの出演が非常に嬉しかった。
映画館の映写技師役のロバート・プロスキーもいい味を出していて、二人のベテランだけが救いのような作品でもある。
また、「ハリーとトント」(1974)でアカデミー主演賞を受賞した名優アート・カーニーの遺作となった。
ボスを裏切る殺し屋のチャールズ・ダンス、悪徳刑事F・マーリー・エイブラハム、主人公の上司のフランク・マクレー、娘ブリジット・ウィルソン、切り裂き魔トム・ヌーナン、ダニー(A・オブライエン)の母マーセデス・ルール、教師のジョーン・プロウライト、市長のティナ・ターナー、アニメ・キャットのダニー・デヴィート、ビデオ・ショップ店員のアンジー・エヴァーハート、死神のイアン・マッケラン他、ノア・エメリッヒ、M.C.ハマー、シャロン・ストーン、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、チェヴー・チェイス、ロバート・パトリック、リトル・リチャード、ジェームズ・ベルーシ、テモシー・ダルトン、そして、シュワルツェネッガー夫人マリア・シュライバーなどが共演している。