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スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー The Kid (2019)

パット・ギャレットビリー”ザ・キッド”に関わった姉弟の逃亡劇を描く、監督、原案ヴィンセント・ドノフリオ、主演イーサン・ホークデイン・デハーンレイラ・ジョージクリス・プラットヴィンセント・ドノフリオ他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ヴィンセント・ドノフリオ
製作
サム・メイドウ
デヴィッド・ミムラン
ジョーダン・シュア
ニック・サーロウ
製作総指揮
リチャード・ブリッケル
ジョナサン・ブロス
ジョジョ・チェヘバー
デヴィッド・ジェンドロン
アリ・ジャザイェリ
ジョナ・ループ
クリスチャン・マーキュリー
サミール・パテル
セジャル・パテル
カール・ステューブナー
原案
ヴィンセント・ドノフリオ
アンドリュー・ラナム
脚本:アンドリュー・ラナム
撮影:マシュー・J・ロイド
編集:キャサリン・マクカーリー
音楽
レイサム・ゲインズ
シェルビー・ゲインズ

出演
パット・ギャレットイーサン・ホーク
ビリー”ザ・キッド”ボニーデイン・デハーン
リオ・カットラー:ジェイク・シュア
サラ・カットラー:レイラ・ジョージ
グラント・カットラー:クリス・プラット
ボブ・オリンジャーアダム・ボールドウィン
ロメロ保安官:ヴィンセント・ドノフリオ
ポール・ヤンコフスキ:キース・ジャーディン
チャーリー・ボードレ:クリス・ビルスマ
トム・ピケット:クリント・オーベンチェイン
デイヴ・ルダボー:チャド・ダッシュノー
ビリー・ウィルソン:チャーリー・チャッペル
ジェームズ・W・ベル:ジョセフ・サントス
オーラン・モーラー:ホーク・ドノフリオ
ミラベル:ジェニー・ガブリエル

アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2019年製作 96分
公開
北米:2019年3月8日
日本:2020年1月31日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $1,508,590
世界 $1,561,700


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
14歳のリオ・カットラー(ジェイク・シュア)は、母を殴り殺した父を射殺してしまい、姉サラ(レイラ・ジョージ)は母の死を悲しむ。

兄の死を知ったグラント(クリス・プラット)は、激怒してリオを痛めつける。

抵抗したリオは、ガラスの破片でグラントの顔を傷つけ、サラが彼を殴り倒し、姉弟はその場から逃げる。

怯えるリオを励ましながら歩き続けたサラは、農家で馬を盗み、廃屋を見つけて体を休める。

グラントは、サラとリオが馬を盗んだことを知り、サンタフェに向かったと考える。

翌朝目覚めたサラとリオは、無法者のビリー”ザ・キッド”ボニーデイン・デハーン)と仲間のチャーリー・ボードレ(クリス・ビルスマ)、トム・ピケット(クリント・オーベンチェイン)、デイヴ・ルダボー(チャド・ダッシュノー)、ビリー・ウィルソン(チャーリー・チャッペル)がいることに気づく。

保安官のパット・ギャレットイーサン・ホーク)に追われていたビリーは、自分を知っていたリオが気に入り、一緒にいれば大丈夫だと伝える。
...全てを見る(結末あり)

ビリーに歌手だった母の写真を見せたリオは、彼も13歳の時に母を亡くしたことを知る。

馬を見に行ったチャーリーギャレットの部下に射殺され、銃撃戦になる。

ビリーは、ロープで馬を呼び込もうとするが、ギャレットが近づき馬を射殺する。

ギャレットと話したビリーは、逃げきれないと思う仲間から投降するべきだと言われ、仕方なくそれに従う。

ビリーから北に向かえと言われたリオは、彼からお守りの石を受け取り、同行しようとする。

サラは、父親殺しが知られるために身を潜めていようとするものの、リオは外に出てしまう。

ギャレットは、サンタフェに向かう途中に父とはぐれたと言うサラの話を疑いながら、デイヴを移送することを伝えて、姉弟を一緒に連れて行くことにする。

リオは、ビリーが絞首刑になることをギャレットに確認する。

町に着き、チャーリーの死体が降ろされ、妻マヌエラが泣きながらギャレットを責めたために、ビリーは彼を買収したことに気づく。

マヌエラと話したギャレットは謝罪を受け入れてもらえず、娘に葬儀代を渡す。

ビリーは、恋人のポーリータにキスして別れる。

出発した一行は民家に立ち寄り、夕食時にギャレットと話をするビリーに、リオはバターを渡す。

バターで手錠を外したビリーは、保安官補にナイフを向向ける。

銃を手にしたギャレットは、足首が鎖でつながれているデイヴを殺すとビリーに伝える。

諦めたビリーはナイフを捨てて、外に連れて行かれる。

その後ギャレットは、最初に殺した男のことをリオに話す。

ギャレットから、何か話したいことがあるか訊かれたリオは、何もないと答える。

リオは、事情を話せば分かってくれると考えるが、サラは、自分たちの人生が終わってしまうと言って納得させる。

リオから今後のことを訊かれたサラは、グラントが追ってこれない遠くに逃げるしかないと答えるしかなかった。

翌日、出発したリオは、昨日のことでビリーに感謝され、自分が彼に似ていると思う。

サンタフェに着き、住民の中にはビリーを擁護する者もいた。

ギャレットは、ロメロ保安官(ヴィンセント・ドノフリオ)から、デイヴと共にビリーもき取ると言われ、それを断固として断り、リンカーン郡に連れて行くと伝える。

駅馬車で移送することを考えたギャレットは、それを阻止しようとするロメロらを威嚇して出発する。

騒ぎの間に逃げたサラとリオは、母の友人ミラベル(ジェニー・ガブリエル)に会うために劇場に向かう。

ミラベルの部屋に案内されたサラとリオは、グラントに待伏せされ、母が売春婦だったことを知らされる。

サラを売春婦にするつもりのグラントは、それをリオに伝えて、追ってきたら姉と共に殺すと言って脅し放り出す。

その後リオは、絞首刑になるデイヴから、サラの居場所はビリーが知っていると言われ、ビリーからの手紙を受け取る。

デイヴの刑は執行され、銃を手に入れたリオは、馬を奪いリンカーン郡に向かう。

郡庁舎に着いたリオは、ビリーに会いたいことを保安官補のボブ・オリンジャーアダム・ボールドウィン)に伝えるものの、追い払われる。

リオは、逮捕されれるために貯蓄貸付組合を襲い、保安官補のジム・イーストに撃たれてしまう。

撃たれたのがリオだと知ったギャレットは驚き、彼の様子と姉のことを気にして騒ぐビリーを落ち着かせようとする。

少年を撃ってしまい動揺するジムを気遣うギャレットは、職務を果たしただけだと伝える。

回復したリオは壁越しにビリーと話し、デイヴが処刑されたことを伝えて、サラがプエルト・デ・ルナにいることを知る。

明日、脱獄するつもりだと言うビリーは、ついてきてもいいとリオに伝える。

翌日、ギャレットはリオに声をかけ、話したいことはないかと再び尋ねる。

ないと答えたリオは、サラのことを訊かれ、逃げるのに疲れて帰ったと伝える。

ギャレットは、ジムと共に町を離れる。

ボブは、拘留中の者たちに昼食を与えるために、庁舎を離れる。

保安官補のジェームズ・W・ベル(ジョセフ・サントス)を呼んで、用を足しに行ったビリーは、隙を見て彼を叩きのめし、逃げようとしたために銃撃する。

リオを解放したビリーは、彼を外で待たせる。

騒ぎに気づき、ジェームズがビリーを撃ったと思ったボブは、庁舎に戻ろうとする。

ジェームズが通りで倒れたために警戒するボブは、2階のビリーから声をかけられ射殺される。

馬を用意させたビリーは、リオを連れて逃亡する。

恋人ポーリータの牧場に寄ったビリーは、彼女が妊娠していることを知り驚く。

リオは、すぐにサラの元に向かおうとしないビリーに不満を抱く。

2人に追いついたギャレットは、警戒しながら牧場に向かう。

ポーリータを寝かせて外で肉を焼いていたビリーは、人の気配を感じて”誰だ?/Quién es?”と尋ねる。

ギャレットビリーを射殺し、それをジムらに伝える。

ポーリータは泣き崩れ、リオはショックを受ける。

ビリーの葬儀が行われ、リオは彼から受け取った石を遺体の手に握らせる。

ギャレットの元に向かったリオは、母を殴り殺した父を射殺したことを話す。

叔父グラントが連れ去ったサラの居場所をビリーが知っていたと話したリオは、彼を信じて行動を共にし、ウソをついていたことをギャレットに伝える。

訊かれた時に話さなかったことを後悔するリオは、ギャレットに助けを求める。

プエルト・デ・ルナ
町に着いたギャレットは娼館に向かい、サラがいることを確認して、リオに彼女を捜すよう指示する。

その場にいたグラントと話したギャレットは、サラを連れて行くと伝えて納得させる。

グラントは、兄が身内と寝たこを知り父に報告したものの、自分だけが叱られ殴られた話をギャレットにする。

リオは、自分に気づき動揺するサラを説得して部屋から出る。

グラントはリオに襲いかかり、ギャレットは1人を射殺して銃撃戦になる。

サラは、ギャレットに襲いかかる自分をレイプしたオーラン・モーラー(ホーク・ドノフリオ)を射殺する。

リオを連れて外に出たグラントを追ったギャレットは、逃げるという彼に、目撃者は大勢いて臆病者だと噂すると彼に伝える。

そんなことにはならないと言うグラントに、ギャレットは、何が真実かではなく、いなくなった後で噂になることが重要なのだと伝えて、彼に決闘を挑む。

それを受けたグラントはリオを放し、ギャレットと共に10数えながら後ずさりする。

サラが現れた瞬間にグラントは銃を抜き、ギャレットが発砲しようとする。

グラントは、サラの銃を手にしたリオに射殺される。

ギャレットは、何が公正かを考えながら涙するリオを抱きしめる。

町を去ろうとするギャレットは、旅立つリサとリオに、君たちにとっていい場所はたくさんあり、人生はやり直せると伝える。

その後リオは、辛い思いをしたサラに、かつて自分を励ましてくれた言葉を伝える。

恐れは悪いことではない、何か良いことを見つけるまで挑戦し、前進し続けるべきだと言われたのは正しかったと、リオはサラに伝える。

リオは、それが自分たちの未来だと信じる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
母を殴り殺した父を射殺した少年リオは、姉サラと共に叔父グラントに追われる。
無法者ビリー・ザ・キッドと仲間達に遭遇したサラとリオは、彼らを捕らえた保安官パット・ギャレットらに同行することになる。
その後サラとリオは、グラントに待伏せされて捕らえられ、リオは解放されるものの、サラは売春婦にされてしまう。
絞首刑になるビリーがサラの居場所を知っていたため、リオは、彼が拘留されているリンカーン郡に向かい、協力を求めるのだが・・・。
__________

個性派スタートして知られるヴィンセント・ドノフリオが、原案を兼ねて監督した作品。

パット・ギャレットビリー”ザ・キッド”を題材にした作品は多いが、彼らと関わることになる、叔父に追われる姉妹の逃亡劇が主なテーマとして描かれているところが面白い。

しかし、ビリー・ザ・キッドの物語に一捻り加えてはいるものの、西部劇的には他の作品と代わり映えしない内容であり、ヴィンセント・ドノフリオの下に集結した魅力的なキャスティングと演技に支えられた作品だ。

とは言え、ビリー・ザ・キッドリンカーン郡庁舎から逃れるために、保安官補のボブ・オリンジャーを射殺するシーンや、自身がパット・ギャレットに殺される際の、事実に近い演出は興味深い。

法の番人として職務を果たす保安官パット・ギャレットを雰囲気ある演技で演ずるイーサン・ホーク、悪童のような破天荒な無法者ビリー”ザ・キッド”ボニーを好演するデイン・デハーン、母を殺した父を射殺して叔父に追われる少年ジェイク・シュア、その姉レイラ・ジョージヴィンセント・ドノフリオの娘)、2人を追う叔父クリス・プラット、その仲間キース・ジャーディンビリーを監視しする保安官補で彼に射殺されるボブ・オリンジャーアダム・ボールドウィンサンタフェの保安官ヴィンセント・ドノフリオビリーの一味チャーリー・ボードレのクリス・ビルスマ、トム・ピケットのクリント・オーベンチェイン、デイヴ・ルダボーのチャド・ダッシュノー、ビリー・ウィルソンのチャーリー・チャッペル、ビリーに殺される保安官補ジェームズ・W・ベルのジョセフ・サントス、グラント(クリス・プラット)の仲間ホーク・ドノフリオ(ヴィンセント・ドノフリオの甥)、姉弟の母の友人ジェニー・ガブリエルなどが共演している。


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