1984年に公開された「ベスト・キッド」のリメイク作品。 母の転勤で北京に向かった少年とカンフーの達人の男性との親交を描く、製作ウィル・スミス、ジェイダ・ピンケット=スミス、主演ジェイデン・スミス、ジャッキー・チェン、タラジ・P・ヘンソン他共演、監督ハラルド・ズワルトによるドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ハラルド・ズワルト
製作総指揮
ダニー・ウルフ
スーザン・イーキンス
ハン・サンピン
製作
ジェリー・ワイントローブ
ウィル・スミス
ジェイダ・ピンケット=スミス
ジェームズ・ラシター
ケン・ストヴィッツ
原案:ロバート・マーク・ケイメン
脚本:クリストファー・マーフィー
撮影:ロジャー・プラット
編集:ジョエル・ネグロン
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
ドレ・パーカー:ジェイデン・スミス
ハン:ジャッキー・チェン
シェリー・パーカー:タラジ・P・ヘンソン
メイ・イン:ウェンウェン・ハン
チョン:チェンウェイ・ワン
リー:ユー・ロングァン
ハリー:ルーク・カーベリー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2010年製作 140分
公開
北米:2010年6月11日
日本:2010年8月14日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $176,591,620
世界 $359,126,020
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
父を亡くし、母シェリー(タラジ・P・ヘンソン)と二人暮しだった12歳の少年ドレ・パーカー(ジェイデン・スミス)は、母の転勤で西デトロイトを旅立つ。
中国、北京。
目的地に着いた二人は、新居となるアパートに到着する。
ドレは、同じアパートに住むアメリカ人少年ハリー(ルーク・カーベリー)に出会う。
母シェリーにシャワーが出ないと言われ、管理人のハン(ジャッキー・チェン)を呼びに行ったドレは、そのことを彼に伝え、隣接する公園に向かう。
ハリーと遊んでいたドレは、ベンチで音楽を聴く少女メイ・イン(ウェンウェン・ハン)に声をかける。
しかし、現れた少年チョン(チェンウェイ・ワン)に言いがかりをつけられ、叩きのめされてしまう。 翌日、学校に登校したドレは、シェリーに顔のアザについて問質される。 柱にぶつかったと言い逃れたドレは、その後メイに再会するが、またしてもチョンに嫌がらせを受けてしまう。 その後、チョンに対抗しようとも考えたドレは、家に帰りトレーニングを始める。 そこに、管理人ハンが現れ、シャワーの使い方を教えるが、物静かな彼はドレの様子を観察する。 ドレは、学校でチョンを見かけては身を隠していたが、メイのレッスンを見た後、彼らに囲まれてしまう。 チョンに、自分達に近づくなと脅されたドレは落ち込み、それを母シェリーにも伝えられない。 休日に、シェリーと買い物に出かけたドレは、街中でカンフー道場を見つけて目を輝かせる。 しかし、そこでチョンの姿を見たドレはショックを受けて、彼は、故郷のデトロイトに帰りたいとシェリーに訴えるだけで、心を閉ざしてしまう。 そんなドレは、チョンに復讐を試み、彼らに追われて捕らえられ、痛めつけられてしまう。 チョンは、容赦なしにドレに攻撃を加えるが、そこにハンが現れ彼らを撃退する。 ハンは、傷ついたドレを自分の部屋に連れて行き、中国の古代から伝わる治療法で彼の手当てをする。 ドレは、ハンがカンフーの達人だと知り、それを伝授してもらおうとする。 しかし、カンフーを平和への道と考えるハンは、復讐を考えるドレに、それを教える気にはならない。 それならばとドレは、カンフー道場に同行して欲しいとハンに頼み、仕方なく彼は道場に向かう。 道場の師範リー(ユー・ロングァン)は、徹底的に相手にダメージを与える、情け無用の教えを弟子達に叩き込んでいた。 平和的に話をつけようとしたハンだったが、リーに引き止められて、決着をつけることを求められる。 そこでハンは、カンフーのオープン大会で戦うことを提案し、それまでは、チョンらがドレに手を出さないことを約束させる。 中国語が分からなかったドレは、自分が襲われない代わりに、大会で戦わされると聞いて驚いてしまう。 しかし、ハンから本当のカンフーを伝授すると言われ、ドレはその気になって意気込む。 自分の運動神経がいいことを自慢するドレは、カンフーのトレーニングに期待する。 ハンは、ドレが家で上着を脱ぎ捨て、シェリーに注意されるのを見ていたため、彼に上着を脱いで掛ける動作を繰り返すことを命じ、それを何日も続ける。 メイとお祭りの会場で会う約束をしていたドレは、シェリーとハンと共にその場に向かう。 ドレは、メイが出場する、音楽院入学のためのバイオリンのオーディションに行く代わりに、自分の大会にも来て欲しいことを彼女に伝え、そして二人はキスをする。 その後、上着を掛けることが、礼儀を教え込むだけのことだと考えたドレは、うんざりして修行を諦めて帰ろうとする。 しかしハンは、上着を脱ぐことや掛けること、全ての動作にカンフーの奥義があることをドレに伝え、それらが修行につながっていたことを悟らせる。 数日後、ハンは自分が修行をした武当山に向かい、どんな戦いにも勝てると言う”龍の泉”にドレを案内し、力の源となる”氣”についてを学ばせる。 ”やり過ぎはよくない”と、ハンに言われていたドレは、オーディションを明日に控えたメイを誘い、気晴らしに遊びまわる。 ところが、オーディションがその日に変更されてしまい、メイは会場に向かい、ドレもそれを追う。 メイは、リラックスできたお陰で見事な演奏をするのだが、両親から、その場に現れたドレとの交際を禁じられてしまう。 その後、ドレはハンの元に向かうが、彼は修理していた車をハンマーで叩き壊していた。 ハンが修行を休もうと言ったその日は、妻子を交通事故で亡くした命日だったのだ。 いつになく落ち込み泣き崩れるハンを誘い、ドレは彼の悲しみを消し去るためにトレーニングを始め、現れたシェリーはそれを見守る。 メイには無視され続けるが、ドレは厳しいトレーニングの日々を送る。 そして大会前日、ハンは絶望の時を乗り越えることを教えられたドレに感謝し、彼に武道着を贈り、二人は友情を確かめ合う。 ドレは、ハンに協力してもらい、メイと彼女の父親に会い、中国語で自分の気持ちを伝える。 メイの父親はドレを理解し、娘が大会に行くことを許可したことを伝え、彼の健闘を祈る。 大会当日、ルールも知らないままに試合に挑んだドレだったが、見事に初戦を突破する。 その後、ドレとチョンは順調に勝ち進み、それぞれが準決勝に進出する。 チョンが先に勝利して決勝に進むが、ドレの相手でリーの弟子の選手は、彼にケガをさせるよう指示を受ける。 ドレは、足を狙われて負傷し、反則勝ちになるものの、試合続行は無理と判断される。 会場に来ていたシェリーとメイは、ドレの様態を心配するが、彼は、古来の治療法で足を治してほしいことをハンに伝える。 ハンは十分に戦ったとドレを励ますが、彼の情熱に負けて治療を施す。 不戦敗寸前に会場に戻ったドレは、怪我の影響を感じさせない戦いをするものの、チョンにポイントを取られてしまう。 その後、2ポイントを取り返されたチョンは、リーからドレの足を攻めろと命ぜられる。 足を狙いポイントを取ったチョンに対し、ドレは激痛でずくまってしまう。 何とか立ち上がったドレは、武当山で習得した”氣”で立ち向かい、見事にチョンを倒す。 チョンは、潔く負けを認めドレにトロフィーを渡し、ハンの元に向かい、仲間達と共に彼に敬意を表する。 そして、困難に立ち向かったハンとドレは、勝利の喜びを実感する。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ベスト・キッド」(1984)
・「ベスト・キッド2」(1986)
・「ベスト・キッド3」(1989)
・「ベスト・キッド4」(1994)
・「ベスト・キッド」(2010)
*(簡略ストー リー)父を亡くし、母シェリーと二人暮しだった少年ドレは、彼女の転勤で北京に向かうことになる。
現地に着き、メイという少女と出会ったドレだったが、地元の少年チョンの嫌がらせに遭う。
チョンらに痛めつけられたドレは、アパートの管理人ハンに救われる。
ハンがカンフーの達人だと知ったドレは、それを伝授してもらおうとする。
ハンは、ドレがカンフーを復讐に使おうと考えていることを知りそれを断るものの、大会に出場し決着をつける提案をする。
早速、修行を受けようとしたドレだったが、ハンは彼に上着を脱いで掛ける動作を繰り返しさせるだけだった。
それを不満に思うドレは、修行を諦めようとするが、ハンは全ての動作がカンフーの奥義につながり、行っていたことが無駄ではなかったことを彼に理解させる。
その後、ハンが心の傷を背負っていることを知ったドレは彼の支えにもなる。
そして、ハンの教えが確かなものと確信したドレは、激しいトレーニングを積み、いよいよ大会の日を迎える・・・。
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旧作の筋立てをほぼ継承して、四半世紀の時代の流れと共に、かなり洗練された雰囲気で繰り広げられる作品に仕上がっている。
「ロッキー」(1976)により大成功していたジョン・G・アヴィルドセンの監督だった旧作は、期待以上にヒットし話題となりシリーズ化もされた。
その旧作を知って本作を見ると、懐かしくもあり思わず嬉しくなるシーンが多々ある。
しかし、あまり現実味がない主人公の修行方法が、意外にもカラテの奥義につながる場面などは旧作の方が面白味があり、師匠を演じたノリユキ・パット・モリタが日本人役ということで、完璧な日本語を話すところなども親近感を感じた。
北米興行収入は約1億7700万ドル、全世界では3億6000万ドルに迫る大ヒットとなった。
本作が、キャスティング他、ヒットする条件は整っていたのを考えると、総合的に見て、ラストの盛り上がりなどを含め旧作の方が遥かに見応えある作品に思える。
ジェイデン・スミスは、子役の枠を超えた体を張った見事な演技とパフォーマンスを見せる。
サポート役のジャッキー・チェンも、自分の技は控え目にして、精神的な強さを伝授しつつ、逆に心の傷を癒され少年に支えられる師匠を好演している。
主人公の母親タラジ・P・ヘンソン、主人公と親交を深める少女のウェンウェン・ハン、敵対する少年のチェンウェイ・ワン、その師匠役のユー・ロングァン、近所の少年ルーク・カーベリーなどが共演している。