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硝煙のカンサス The Kansan (1943)

旅の途中で連邦保安官となった流れ者が悪と戦う姿を描く、監督ジョージ・アーチェインバウド、主演リチャード・ディックスジェーン・ワイアットアルバート・デッカーユージン・パレットヴィクター・ジョリー他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・アーチェインバウド

製作:ハリー・シャーマン
原作:フランク・グルーバー”Peace Marshal”
脚本:ハロルド・シューメイト
撮影:ラッセル・ハーラン
編集:キャロル・ルイス
音楽:ジェラード・カーボナラ

出演
ジョン・ボニウェル:リチャード・ディックス
エレノア・サーガー:ジェーン・ワイアット
スティーヴ・バラット:アルバート・デッカー
トム・ワゴナー:ユージン・パレット
ジェフ・バラット:ヴィクター・ジョリー
マラキー:ロバート・アームストロング
スーブレット:ベリル・ウォーレス
クレム:クレム・ベヴァンス
ジョシュ・ハドキンズ市長:ホバート・カバノフ
ギル・ハットン:フランシス・マクドナルド
ボーンズ:ウィリー・ベスト
ベン・ナッシュ:ダグラス・ファウリー
ケルソ:ロッド・キャメロン
エド・ギルバート:エディ・ウォーラー
メッセンジャー:レイ・ベネット
銀行員:ジェイソン・ロバーズSr.
ジェシー・ジェームズジョージ・リーヴス
医師:フォレスト・テイラー
酒場の酔っ払い:ジャック・ノートン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1943年製作 79分
公開
北米:1943年9月10日
日本:1950年8月5日


アカデミー賞
第16回アカデミー賞

・ノミネート
音楽賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1800年代後半、カンザス州、ブロークン・ランス。
旅の途中で立ち寄ったジョン・ボニウェル(リチャード・ディックス)は、無法者ジェシー・ジェームズジョージ・リーヴス)の襲撃を知り、勇敢に立ち向かうものの、銃弾を受けて負傷する。

銀行の頭取スティーヴ・バラット(アルバート・デッカー)と弟のジェフ(ヴィクター・ジョリー)は、医師(フォレスト・テイラー)の診断を受けたジョンを診療所に運ぶよう指示する。

病人を見舞うエレノア・サーガー(ジェーン・ワイアット)は、無事だったジョンにも声をかけて、連邦保安官に選出されたことを彼に伝える。

驚いたジョンは、現れたジョシュ・ハドキンズ市長(ホバート・カバノフ)とバラットから挨拶され、町と銀行を救ったことを感謝される。

その後、退院したジョンは、バレットが、悪党のギル・ハットン(フランシス・マクドナルド)を自分が追っていることなどを知っていたために驚く。

地元紙の編集長エド・ギルバート(エディ・ウォーラー)から声をかけられたジョンは、後で話をすることを約束して、バレットと共にハドキンズ市長のオフィスに向かう。
...全てを見る(結末あり)

自分が保安官に選ばれた理由をハドキンズに尋ねたジョンは、信頼できる人物だとバラットが市民に話し、彼が推薦したことを知る。

しかし、オレゴンに行く予定があったジョンは、選出を断りその場を去る。

ホテルに向かいチェックインしようとしたジョンは、エレノアがオーナーだと知り、自分が町に必要だと言われて、長期滞在することを決める。

そこに現れたジェフから挨拶されたジョンは、保安官の提案を再検討すると兄のバレットに伝えてほしいと言いながら、エレノアと共に部屋に向かう。

お尋ね者のハットンとベン・ナッシュ(ダグラス・ファウリー)は、殺されたと思っていたジョンが保安官になったことを知り、ブロークン・ランスに向かおうとする。

エレノアに会ったジェフは、惹かれている彼女に、結婚について話をするものの、はぐらかされてしまう。

起きて来たジョンと朝食を共にしたジェフは、エレノアのことを話題にして、父親と共に東部から越してこのホテルを買い、父親が死んだために彼女が後を継いだことを話す。

自分とエレノアの仲は町では有名なのだが、結婚の返事はもらっていないと、ジェフはジョンに話す。

町を仕切るバレットが、自分の土地の通行料をとっていることを知ったハットンは、番人のクレム(クレム・ベヴァンス)の警告を無視しようとする。

ジェフと共に現れたジョンは、ハットンに通行料を払わせて、町外れに向かう。

牧場主で友人のトム・ワゴナー(ユージン・パレット)に出くわしたジョンは、牛を移動させる彼が通行料を払わないために揉めていることを知る。

自分が保安官になったことに気づいたワゴナーから適任だと言われたジョンは、ここがバラットの土地だということを知る。

今夜はここで野営するようワゴナーに指示したジョンは、地主と話をつけてくると伝える。

町に戻りバラットと話したジョンは、自分を保安官にした理由を尋ね、通行料を払わせるために利用されていると考えて辞職することを伝える。

法の下に選出されたので訴えることになると言われたジョンは、ハットンらがハドキンズに発砲して脅していることを知る。

ハットンらに銃を向けたジョンは、発砲しようとしたケルソ(ロッド・キャメロン)の腕を撃ち、診療所に向かわせて逮捕はしなかった。

ワゴナーのキャンプに向かったジョンは、牛を暴走させてバレットの土地を通過させる。

町に戻りジェフらとポーカーをしていたジョンは、バラットからワゴナーを逮捕するようにと指示されるものの、それを無視する。

暴走する牛に道案内ができるかと伝えたジョンは、バレットがワゴナーを訴えると言っても気にしなかった。

ホテルに戻りエレノアと話したジョンは、バレットのことについて尋ねる。

バレットは金の亡者であり、ジェフも信頼できない楽観主義者だが嫌いではないと言うエレノアは、彼は無職のギャンブラーだが兄が2倍稼いでいるとジョンに伝える。

エレノアの使用人ボーンズ(ウィリー・ベスト)から、ハットンが酒場にいることを知らされたジョンは、その場に向かう。

酒場の前で、現れたワゴナーに感謝されたジョンは、ハットンが中にいることを伝える。

ジョンに気づいたハットンは言いがかりをつけ、ワゴナーは、銃を抜いた男を殴り倒す。

その場は乱闘になり、ハットンらを叩きのめしたジョンは、ワゴナーと加勢してくれたジェフに感謝する。

翌日、誘き出されたワゴナーは、ハットンに殺される。

エレノアと食事をしていたジョンは、現れたジェフに、人から搾取して町を支配するバレットは、いない方が町のためだと率直に伝える。

牧童のマラキー(ロバート・アームストロング)から、ワゴナーがハットンに殺されたことを知らされたジョンは、留置場にいるはずのハットンが保釈されたと言うギルバートの話を聞く。

ロリマー判事の元に向かったジョンは、その場にいたバラットが保釈金を払うことを知り、殺人罪のハットンは現れないと言ってその場を去る。

バレットは、金を借りに来たジェフが、エレノアのこともあり、ジョンに消えてもらいたいことを知る。

1万ドル渡すので、運ばれる現金2万5000ドル奪うよう指示したジョンは、全額要求するジェフから、職務怠慢でジョンを追い出せると言われて納得する。

その後、ジェフは現金の入った鞄を奪い、ホテルに向かう。

エレノアと話し部屋を取ったジェフは、ボーンズに鞄を運ばせる。

犯人を探すジョンは、鞄を持った男がホテルに入ったことを知り、その場に向かう。

ジョンは、鞄を持っていた様子のジェフを犯人だと確信し牽制する。

エレノアはジェフが銃を手にしていることに気づき、彼をかばい思い違いだとジョンに伝える。

ジョンは、一応、納得して立ち去る。

ジェフに感謝されたエレノアは涙し、あなたを助けたわけではないと伝える。

エレノアがジョンに思いを寄せていることを知ったジェフは、鞄を持ってジョンの元に向かい、拾ったと言って彼に渡す。

その後ジェフは、バレットがハットンを使いジョンを殺そうとしていることを知る。

翌日ジョンは、叔母の家に向かうエレノアに誘われて、ボーンズを連れて馬車で町を離れ、それがバレットに知らされる。

途中で休んだエレノアは、鞄の件はウソで、ジェフが拳銃を手にしていたことをジョンに話す。

ウソに気づいていたと言うジョンは、現れたジェフから、ハットンが追ってきていることを知らされる。

エレノアを巻き込みたくないと言うジェフは、彼らと共に馬車に乗って町に向かう。

追ってくるハットンらをまいたジョンは、彼らをおびき寄せると言うジェフと別れる。

ボーンズと馬車に乗ったジェフはハットンらに追いつかれ、バレットの弟だと伝える。

ニューヨークからの電報を受け取ったジョンは、土地を手に入れる訴訟を起こしたバレットがいる法廷に向かう。

ジョンは、本名”ステファン・バリーマン”のバレットが、重窃盗罪で起訴され逮捕の前に逃亡したことを判事に伝えて、彼を連行する。

バレットから町を襲えという指示を受けたハットンは、橋に向かうことをジェフに提案される。

ハットンを納得させたジェフは、ボーンズに、橋にダイナマイトを仕掛けるようにとジョンに伝えることを指示し、町に向かわせる。

ハットンはそれに気づくが、ジェフは、襲撃される町にはボーンズは戻らないと伝える。

川を渡ったボーンズは、追っ手から逃れて町に向かい、ジェフの伝言をジョンに伝える。

それをエレノアに伝えたジョンは、マラキーらと共に橋に向かう。

橋にダイナマイトを仕掛けたジョンらは、脅すだけで十分だと考えながら、ハットンらを待つ。

ハットンらは橋に到着し、ジョンらは発砲する。

引き返したハットンは、ナッシュらを歩いて渡らせようとする。

ナッシュに指示されて先頭を歩くジェフは橋に向かい、ジョンは爆破の合図を送ろうとする。

合図した後で、ジョンはジェフがいたことに気づき、彼が覚悟を決めていたと考える。

町に戻り襲撃に備えたジョンは、到着したハットンらを人々と共に迎え撃ち全滅させる。

傷を負い再び診療所で治療を受けたジョンは、エレノアに介抱されながら、町の人々が通りで祝っていることに気づく。

エレノアから婚約したと言われたジョンは、看護師から、自分と彼女のことだと知らされ驚く。

ジョンは、エレノアとの結婚に同意してキスする。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1800年代後半、カンザス州、ブロークン・ランス。
流れ者のジョン・ボニウェルは、ジェシー・ジェームズの襲撃から町を救い負傷する。
町を支配する銀行の頭取バレットは、ジョンを連邦保安官に推薦する。
旅の途中だったためにそれを断ろうとしたジョンは、ホテルのオーナーであるエレノアに惹かれ、滞在してほしいと言われたために町に残ることにする。
保安官も引き受けたジョンは、土地の通行料を払わせるためなどに、自分がバレットに利用されていることに気づき、彼に対抗し始めるのだが・・・。
__________

フランク・グルーバーの小説”Peace Marshal”を基に製作された作品。

旅の途中で立ち寄った町で連邦保安官となった流れ者が、悪と戦う姿を描く西部劇。

サイレント時代から活躍したジョージ・アーチェインバウドが、晩年に監督した作品。

気骨のある主人公が、敢然と悪と立ち向かう姿を描く正統派西部劇であり、恋や友情なども盛り込んだ内容にユーモアも加えた作品に仕上がっている。

また、牛の暴走や酒場の大乱闘、そして銃撃戦など、西部劇としての醍醐味も十分に楽しめる見応えある作品。

第16回アカデミー賞では、音楽賞(ドラマ・コメディ)にノミネートされた。

立ち寄った町で連邦保安官に指名され悪党に立ち向かう男を貫禄で演ずるリチャード・ディックス、彼と惹かれ合うホテルの経営者で美しさ際立つジェーン・ワイアット、主人公と対立する町の支配者である銀行の頭取アルバート・デッカー、その弟でギャンブラーではあるが、主人公の協力者を好演するヴィクター・ジョリー、主人公の友人である牧場主ユージン・パレット、彼に雇われる牧童のロバート・アームストロング、酒場の踊り子ベリル・ウォーレス、有料橋の番人クレム・ベヴァンス、市長のホバート・カバノフ、頭取に雇われる悪党フランシス・マクドナルド、その手下ダグラス・ファウリーロッド・キャメロン、ヒロインの使用人ウィリー・ベスト、新聞社編集長のエディ・ウォーラー、銀行員のジェイソン・ロバーズSr.ジェイソン・ロバーズの父)、冒頭で登場するジェシー・ジェームズ役のジョージ・リーヴス、医師のフォレスト・テイラー、酒場の酔っ払いジャック・ノートンなどが共演している。


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