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陪審員 The Juror (1996)

陪審員の女性が無罪の主張を被告人のマフィアのボスに強要されながら息子を守るために戦う姿を描く、主演デミ・ムーアアレック・ボールドウィンジョゼフ・ゴードン=レヴィットアン・ヘッシュジェームズ・ガンドルフィーニ他共演、監督ブライアン・ギブソンによるサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・ギブソン

製作:アーウィン・ウィンクラー
原作:ジョージ・ドーズ・グリーン”The Juror”
脚本:テッド・タリー

撮影:ジェイミー・アンダーソン
編集:ロバート・M・レイターノ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
アニー・レアード:デミ・ムーア

マーク・コーデル/ティーチャー:アレック・ボールドウィン
オリヴァー・レアード:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
ジュリエット:アン・ヘッシュ
ルイ・ボファーノ:トニー・ロビアンコ
エディ:ジェームズ・ガンドルフィーニ
タロー:リンゼイ・クローズ
ジョゼフ・ボファーノ:マイケル・リスポリ
ブーン:マット・クレイヴン
ロドニー:マシュー・カウルズ
ワイツェル判事:マイケル・コンスタンティン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1996年製作 118分
公開
北米:1996年2月2日
日本:1996年5月18日
製作費 $44,000,000
北米興行収入 $22,754,730


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
マフィアのドンと孫が、殺し屋により殺害される。

彫刻家のアニー・レアード(デミ・ムーア)は、その事件の殺人の容疑者、別のファミリーのボス、ルイ・ボファーノ(トニー・ロビアンコ)の公判の陪審員に選ばれる。

アニーは、11歳の息子オリヴァー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)と郊外で暮らしていた。

ボファーノは、手下のエディ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)にアニーの監視を命ずる。

エディから連絡を受けた殺し屋(アレック・ボールドウィン)は、アニーらが留守の間に家を調べ盗聴器を仕掛ける。

翌日、ギャラリーに向かったアニーは、自分の作品を日本人のコレクターの代理人であるマーク・コーデル(アレック・ボールドウィン)が買ったことをオーナーから知らされる。
...全てを見る(結末あり)

2万4000ドルの小切手を見せられたアニーは、その半額を受取れることを喜ぶ。

ギャラリーを出たアニーは、コーデルに話しかけられてカフェに向かう。

お互いの身の上などを語った二人だったが、作品を投機目的で購入したコーデルにアニーは意見する。

しかしコーデルは、生活や子育てを心配せずに、創作に専念させたいと言って援助を約束し、アニーを説得する。

その後アニーは、友人のジュリエット(アン・ヘッシュ)にオリヴァーを任せてコーデルと夜を過ごす。

コーデルを自宅に招いたアニーだったが、彼は、昨日もこの場に来たことを話す。

自分とオリヴァーに危機が迫っていることと、監視されていることを知らされたアニーは、裁判で”無罪”を主張するよう脅される。

帰宅したオリヴァーは、コーデルと喧嘩をしたと言って動揺するアニーを心配する。

翌日、アニーは親交のあるブーン(マット・クレイヴン)のグアテマラからの電話を受ける。

しかし、電話が盗聴されていると考えたアニーは、新しい恋人ができたと言って手短に電話を切る。

買物に行ったアニーは、エディに話しかけられ、翌朝、ある場所に向かうよう指示される。

コーデルに会ったアニーは、裁判で名前の出た殺し屋”ティーチャー”が、彼だと気づいていることを伝える。

アニーは、脅しによって守るしかないとコーディに言われる。

裁判で、被害者の妻を証人として質問した検事タロー(リンゼイ・クローズ)は、事件の様子を彼女から聞き、それを陪審員席で聴くアニーは心を痛める。

アニーは迷い、オリヴァーに辛く当たってしまい、彼女の様子を気にしたジュリエットは悩みを聞く。

判事に会って相談すべきだと言うジュリエットは、自分ならば、マフィアの手先にはならずに、息子を守ると助言する。

オリヴァーが、脅されていることに気づいたために、ジュリエットを呼び寄せたことをアニーは知る。

アニーは、ワイツェル判事(マイケル・コンスタンティン)を訪ねるが、彼は、審理に差しさわりがあると言って面会を拒否しようとする。

判事は、陪審員を断る権利もあったアニーが、率先してそれを受けたことを確認し、それを拒む場合は、被告人に知らせる義務があると伝える。

自宅に戻ったアニーは、エディに付いてくるように言われ、ティーチャーに会い、知人ロドニー(マシュー・カウルズ)を紹介される。

ティーチャーは、酔ったロドニーを後部座席に、アニーを助手席に乗せて暴走運転を始める。

さらに、街道を自転車で走っていたオリヴァーを轢き殺そうとして、ティーチャーはアニーを脅す。

ティーチャーは、泥酔したロドニーを車に乗せて、崖から転落させ、エディにアニーを送るよう指示する。

その夜ティーチャーは、アニーとオリヴァーの会話で、彼女がジュリエットに相談したことに気づく。

アニーは、ティーチャーに知られないよう筆談でやり取りしながら、オリヴァーに戦うように言われるが、死の危険を知らせる。

医師であるジュリエットを病院に尋ねたアニーは、判事に相談することができなかったことを伝え、自分達に関わらないようにと説得する。

その後、陪審員は二人が無罪を主張し、審理は続き評決には至らなかった。

ティーチャーは、ボファーノの息子ジョゼフ(マイケル・リスポリ)に、無罪としたアニーら二人に圧力をかけるよう指示される。

アニーは、滞在先のモーテルに現れたティーチャーに、無罪で押切り逆転させるよう強要されて盗聴器を渡される。

陪審員を説得するアニーの話を盗聴するティーチャーは、自分が彼女を選んだことが間違いでなかったことを確信し愛すら感じるようになる。

ボファーノに無罪判決が言い渡されるが、アニーの複雑な表情をタロー検事は気にする。

盛大なパーティーで歓迎されたボファーノは、ティーチャーの働きに満足するが、アニーを警戒する。

ティーチャーは、アニーが安全だということをボファーノに伝え、彼女の監視を続ける。

タローに呼ばれたアニーは、脅されていることを見抜かれ、真実を話せば保護することを約束される。

考える猶予をもらったアニーだったが、ジュリエットが、殺し屋と知らずに付き合い始めていたティーチャーに殺害される。

ジュリエットが自殺したことを知ったアニーは、彼女がティーチャーに殺害されたことを察して姿を消す。

アニーは、オリヴァーを連れてグアテマラのブーンのいるトゥイ・クチ村に向かい、ティーチャーはそれを突き止める。

オリバーをブーンに預けたアニーは帰国し、それがエディからティーチャーに知らされる。

アニーはタローの元に向かい、ティーチャーに会い組織に近づき、ファミリーを崩壊させるための考えを伝える。

盗聴器をつけてティーチャーに会ったアニーは、それがタローの指示であるように彼に見せかけて外す。

アニーを信用したティーチャーは、ボファーノがボスとして無能であり、南米の組織からも手を切られると語る。

強くなろうと考えるようになった自分に驚く彼アニーに、ティーチャーは愛を告げる。

タローの元に戻ったアニーは、ティーチャーが現れなかったことを伝える。

アニーはボファーノの元に向かい、自分と息子から手を引けば、ある物を渡すと取引するが、彼は興味を示さなかった。

その場にいたエディが、知る価値があると口添えしたため、ボファーノは、アニーが録音したティーチャーの自分を裏切るテープを聴く。

ボファーノは、アニーらから手を引くことを誓いテープを受取り、彼女はティーチャーを殺すよう伝えてその場を去る。

ティーチャーは、ボファーノに呼び出されて裏切りを追求され、ジョセフらに殺されそうになる。

しかし、ティーチャーは、爆弾を仕掛けてあったボファーノのリムジンを爆破しジョセフらも殺す。

エディも殺したティーチャーは、アニーに電話をして、自分を信じなかったことを責め、オリヴァーを殺すことを伝える。

アニーはグアテマラに向かい、ティーチャーもトゥイ・クチに到着する。

ティーチャーに気づいたオリヴァーは、遺跡に向かうものの、飛行機をチャーターして先回りした、待ち構えていたアニーや村人に銃撃される。

アニーは、隠し持っていた銃を抜こうとしたティーチャーを射殺する。

そしてアニーは、無事だったオリヴァーと固く抱き合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
彫刻家のアニー・レアードは、11歳の息子オリヴァーと暮らしていた。
アニーは、マフィアのボス、ボファーノが、別の組織のボスを殺した容疑をかけられた裁判で、陪審員に選ばれてそれを受ける。
ボファーノはアニーに目をつけて、手下のエディと殺し屋ティーチャーに監視させる。
アニーの作品を買い近づいたティーチャーは、裁判で無罪を主張するよう脅迫する。
オリヴァーの命も狙われる状況で、アニーは、ティーチャーの指示に従うしかなかったのだが・・・。
__________

軒並み話題作に出演し、ハリウッド女優の頂点に立ったデミ・ムーア主演、豪華スター競演のサスペンスということで大いに話題になった作品。

羊たちの沈黙」(1991)でオスカーを獲得したテッド・タリーの脚本も注目で、細やかな表現もあるのだが、単調な物語を盛り上げるほどでもないというところだろうか。

批評家観客共に評価は低く、商業的にも成功しなかった作品。

製作費 $44,000,000
北米興行収入 $22,754,730

個人的に、あまり好きになれない女優であるデミ・ムーアなのだが、平凡な女性にも拘らず、エレガントさも感じる、非常に美しく思えたのは私だけだろうか。
彼女らしい、逞しさも感じる役柄も興味深いのだが、結構あれやこれやと叩かれていた時期で、本作でもラジー賞にノミネートされてしまった。

伊達男風の殺し屋、彼の役が好きになれるかどうかでも本作の評価が変わるアレック・ボールドウィン、主人公の息子を演ずる注目の子役、その後にスターと成るジョゼフ・ゴードン=レヴィット、主人公の友人で医師のアン・ヘッシュ、マフィアのボス役トニー・ロビアンコ、その息子役マイケル・リスポリ、手下ジェームズ・ガンドルフィーニ、検事のリンゼイ・クローズ、主人公の旧友役マット・クレイヴン、殺し屋の知人マシュー・カウルズ、判事マイケル・コンスタンティンなどが共演している。


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