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ジョルスン物語 The Jolson Story (1946)

伝説のスター、アル・ジョルスンの半生を描く伝記映画。
歌好きの家出少年が、いかにして国民に愛される大スターになったかを描く、主演ラリー・パークスイヴリン・キースウィリアム・デマレスト他共演、監督アルフレッド・E・グリーンによる名曲や歌や踊りをふんだんに盛り込んだヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:アルフレッド・E・グリーン

製作:シドニー・スコルスキー
脚本
ハリー・チャンドリー

スティーヴン・ロングストリート
アンドリュー・ソルト
撮影:ジョセフ・ウォーカー
編集:ウィリアム・A・ライオン
音楽:モリス・ストロフ

出演
ラリー・パークスアル・ジョルスン

イヴリン・キース:ジュリー・ベンソン
ウィリアム・デマレスト:スティーヴ・マーティン
ビル・グッドウィン:トム・バロン
ルドウィッグ・ドナス:キャンター・ヨールソン
タマラ・シャイン:ヨールソン夫人
スコット・ベケットエイサ・ヨールソン/アル・ジョルスン(少年期)

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1946年製作 123分
公開
北米:1946年10月10日
日本:1950年9月9日
製作費 $2,800,000


アカデミー賞 ■
第19回アカデミー賞

・受賞
作曲(ミュージカル)・録音賞
・ノミネート
主演男優(ラリー・パークス
助演男優(ウィリアム・デマレスト
撮影(カラー)・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
20世紀初頭、ワシントンD.C.
大衆劇場の芸人であるスティーヴ・マーティン(ウィリアム・デマレスト)は、自分のリクエストに応えて歌う少年エイサ・ヨールソン(スコット・ベケット)の美しい歌声に驚いてしまう。

マーティンはエイサの自宅に彼をスカウトに行くが、父親キャンター(ルドウィッグ・ドナス)からの許しを得ることが出来なかった。

良識のあるマーティンは、両親の許可がないままエイサを預かるわけにはゆかずに諦めてしまう。

しかしエイサは、マーティンと芸をしたい一心で、家出をしてしまう。

ボルチモア
その後、教会で世話になっていたエイサの元に、マーティンと両親とが現れる。

そこで、エイサの母親(タマラ・シャイン)は、我が子の美声に感激し夫を説得して、勉強をさせるという条件で、マーティンに息子を預けることにする。
...全てを見る(結末あり)

そして、全国を巡業するマーティンとエイサは、徐々に人気者になる。

やがて、エイサは声変わりをしてしまい、咄嗟に吹いた口笛で切り抜ける。

時は流れ、マーティンはエイサ(ラリー・パークス)に、”アル・ジョルスン”という芸名をつけて巡業を続ける。

ある舞台で、トム・バロン(ビル・グッドウィン)という芸人が酔ってステージに立てなくなり、アルが顔を黒塗りして代役を務めてしまう。

そのステージを客席で見ていた、オスカー・ハマースタインルー・ドックステイダーアルを気に入り、彼を自分のショーに招き入れる。

一人だけ呼ばれたアルは、マーティンと別れることになってしまうのだが、彼はアルの成功を祈り身を引く。

順調な仕事が続いたアルだったが、マンネリ化した自分のステージに、ジャズの感覚を取り入れることを思いつく。

久し振りに帰郷したアルは、代役事件後に芸人をクビになり、ブロードウェイの”ウィンター・ガーデン・シアター”の支配人となっていた、バロンから出演依頼を受ける。

バロンはマーティンの口添えでアルを呼び寄せたのだが、彼はステージで”My Mammy”を熱唱した彼は大評判となる。

そして、ブロードウェイのスターとなったアルは、失職していたマーティンをマネージャーとして迎える。

その後アルは、観客と一体化したステージや、客席に花道まで作る大胆なショーも成功させる。

そんなアルの、仕事尽くめの生活を見て、マーティンは彼の体調を気遣う。

その頃、ハリウッドトーキー映画の製作準備が進み、一度に100万人もの観客を魅了できることに興味を示したアルは、その第1作「ジャズ・シンガー」の主演に決まる。

ある舞台で、大興行主フローレンツ・ジークフェルドに同伴していた、ダンサーのジュリー・ベンソン(イヴリン・キース)に一目惚れしたアルは、その夜のパーティーで彼女に求婚してしまう。

静かな生活を夢見る、思慮深いジュリーは、大スターアルとの結婚をためらうが、彼の熱意に負けそれを受け入れる。

1927年10月。
ついに「ジャズ・シンガー」は公開され、記録的大ヒットとなる。

その後アルは、ジュリーをスターにするため、映画に出演させたりステージで共演したりもする。

しかし、次第にそれがジュリーの重荷になり、仕事のことしか頭にないアルを、彼女は理解できなくなってしまう。
それに気づいたアルは、ジュリーのために引退し、田舎暮らしを始める。

2年が過ぎ、両親が訪ねてきたことで、二人の結婚記念日を祝うことになったアルは、そこに現れたバロンが、自分をステージに誘うために来たものと勘違いし、彼に失礼な態度をとってしまう。

しかし、バロンがハリウッドに新人を発掘しに来ただけだとわかったアルは、彼に謝罪する。

翌日、両親の結婚記念日を祝う食事の席で、アルは二人のために思い出の歌を唄う。

その後、バロンが皆をナイトクラブに招待することになり、アルは気が進まないままそれに付き合う。

そして、アルはそのクラブで、お客から歌をせがまれるが、それを断ってしまう。

しかし、収まりがつかなくなったアルは、仕方なく一曲歌うことになる。

客席からアンコールを求められたアルは、自分を抑えられなくなり、ジュリー達のことを忘れて歌い始める。

その姿を見たジュリーは、アルの一番大切なものを奪うことが出来ず彼の元を去っていく。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
20世紀初頭、ワシントンD.C.
芸人マーティンに見出された歌好きの少年エイサ・ヨールソンは、両親の反対を押し切り家出をしてまでも芸の道を目指す。
両親はエイサを捜し出すのだが、彼の美声に感激し、勉強をさせる条件でマーティンに息子を預ける。
巡業を続け、人気者となったマーティンとエイサは、ある代役事件をきっかけに飛躍することになる。
エイサは、芸名を”アル・ジョルスン”として独り立ちし活躍を始め、ジャズを取入れた新感覚のステージが話題となり、ついにブロードウェイのスターになる。
マーティンをマネージャーにして映画がトーキー時代を迎えた時代、アルはその第一作「ジャズ・シンガー」の出演が決まる。
同じ頃アルは、ダンサーだったジュリーに一目惚れして結婚する。
しかし、仕事一筋のアルは、頭の中を他のことに切り替えることが出来ずに、周囲の目も気にせず自分の道を突き進んでしまう・・・。
__________

本作の成功により同じラリー・パークス主演で1950年に続編「ジョルスン再び歌う」も製作された。

ドラマのアル・ジョルスンの妻ジュリーは、実在の人物ではなく、全体的にかなり脚色されている。
*この役は、アル・ジョルスンの元妻ルビー・キーラーがモデル。

歴史的作品「ジャズ・シンガー」(1927)出演のエピソードは要点を簡潔に紹介する程度なのだが、これは同作がワーナー・ブラザーズ作品なので仕方のないことだ。
*本作はコロンビア・ピクチャーズ

第19回アカデミー賞では、作曲(ミュージカル)、録音賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優(ラリー・パークス
助演男優(ウィリアム・デマレスト
撮影(カラー)・編集賞

世界初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」(1927)で、アル・ジョルスンがスクリーン上で初めて発する言葉、”You ain’t heard nothin’ yet!” と言う有名なセリフも、決まり文句のように度々登場する。

アル・ジョルスンは、”スワニー”を歌う場面で実際に出演しているのだが、ラリー・パークスと区別がつかないようにロングショットでの登場となる。

アル・ジョルスン演ずるラリー・パークスは、本人の仕草や歌い方など、よく研究していることが窺える。
*歌の吹き替えはアル・ジョルスン

アカデミー助演賞候補になった、アル・ジョルスンを見出す芸人役ウィリアム・デマレストは、ドラマに重みを加わえる好演であった。

演技に硬さが見られるのがやや気になる、アル・ジョルスンの妻役イヴリン・キースだが、彼女の透きとおるような肌、そしてその美しさは印象的だ。
彼女は、「風と共に去りぬ」(1939)ではヴィヴィアン・リーの妹役で注目されるものの、その美貌とは裏腹に演技者としては低迷した。
しかし、ジョン・ヒューストンチャールズ・ヴィダー他と結婚するなど私生活では華やかだった。

主人公が飛躍するきっかけになる事件の芸人で、後に劇場支配人となるビル・グッドウィン、主人公の父のルドウィッグ・ドナス、母のタマラ・シャイン、そして少年時代の主人公を演ずるスコット・ベケットなどが共演している。


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