1969年に公開された同名イギリス映画のリメイク。 金塊を奪った窃盗団のリーダーらが裏切った仲間に復讐を果たすまでを描く、主演マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、エドワード・ノートン、ドナルド・サザーランド、ジェイソン・ステイサム、セス・グリーン、監督F・ゲイリー・グレイによる痛快アクション。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:F・ゲイリー・グレイ
製作総指揮
ティム・ビーヴァン
ジム・ダイヤー
エリック・フェルナー
ウェンディ・ジャフェット
製作:ドナルド・デ・ライン
原案:トロイ・ケネディ・マーティン”The Italian Job”
脚本
ドナ・パワーズ
ウェイン・パワーズ
撮影:ウォーリー・フィスター
編集
リチャード・フランシス=ブルース
クリストファー・ラウズ
音楽:ジョン・パウエル
出演
チャーリー・クローカー:マーク・ウォールバーグ
ステラ・ブリジャー:シャーリーズ・セロン
スティーヴ・フレゼリ:エドワード・ノートン
ジョン・ブリジャー:ドナルド・サザーランド
ライル:セス・グリーン
ハンサム・ロブ:ジェイソン・ステイサム
レフト・イヤ:モス・デフ
レンチ:フランキー・G
マシュコフ:オレク・クルパ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2003年製作 111分
公開
北米:2003年5月30日
日本:2003年6月21日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $106,126,010
世界 $176,070,170
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ヴェニス。
伝説の金庫破りで保釈中のジョン・ブリジャー(ドナルド・サザーランド)は、娘ステラ(シャーリーズ・セロン)に電話をかけ、プレゼントを贈ることを伝える。
ステラは、足を洗ったはずの、保釈の身のジョンのことを心配する。
サン・マルコ広場。
窃盗団のリーダーで盗みのプロ、チャーリー・クローカー(マーク・ウォールバーグ)に会ったジョンは、ある計画のため、コンピューターの天才で自称”ナップスター”を作った男ライル(セス・グリーン)、ドライバーのハンサム・ロブ(ジェイソン・ステイサム)、爆破のエキスパートのレフト・イヤー(モス・デフ)と合流し、既に現場に侵入していた
スティーヴ(エドワード・ノートン)と共に、金庫を運河に水没させる。
ロブは、金庫を奪いボートで逃走したように見せかけて相手を引き付け、その間に水中で、ジョンとチャーリーが金庫を開ける。
ジョン、チャーリー、スティーヴは、金庫内の金塊3500万ドルを難なく奪い、仲間達は合流して、雪山で祝杯を挙げる。
しかし、下山する途中、道を車で塞がれたチャーリーらは、スティーヴに裏切られて、ジョンが射殺されてしまう。 スティーヴは金塊を奪い、チャーリーらを乗せたまま車は水中に沈められる。 チャーリーらは、酸素ボンベを使って水中に潜み命は助かるが、ジョンの死にショックを受ける。 1年後、フィラデルフィア。 父ジョンを巻き込んだことで、チャーリーを恨むステラだったが、彼が、ロサンゼルスにいるらしいスティーヴを見つけたことを知る。 チャーリーは、スティーヴが金庫を購入したという情報を掴み、復讐のために、それを開ける手助けをステラに頼むのだが、彼女は首を縦に振らない。 しかしステラは、自分にとっても、ジョンは父親同然だったというチャーリーの言葉が気になり、仕事を受けることを彼に伝える。 感情で行動する素人を、仲間にすることをロブは不安視するが、ジョンを想う気持ちで行動しようとしている、自分達も同じだとチャーリーは言葉を返す。 ステラは、チャーリーと共に仲間と顔を合わせて、ロサンゼルスに向かう。 現地に着いた5人は、スティーヴが住む屋敷の周辺などを入念に調べて、金塊強奪計画を練る。 ロブが奪った、ケーブル会社の車とユニフォームを着て、ステラが作業員に扮し、隠しカメラをつけてスティーヴの屋敷に向かい内部を調べて金庫を探す。 屋敷には、ロブが、金塊の分け前で手に入れようとしていた”アストンマーチン/V12ヴァンキッシュ”や、ライルの欲しがっていたステレオ・システムなどがあった。 ステラは、父を殺した男スティーヴを前に、やや動揺しながら、彼に口説かれ食事をする約束をして、作業を終えて戻る。 内部の様子が分かったチャーリーは、金塊を運ぶ方法として、屋敷内に”ミニ”を乗り入れてそれを運ぶことを考えてシュミレーションする。 車は3台用意されて改造することになり、レンチ(フランキー・G)が呼ばれてそれを担当する。 準備は着々と進み、ライルは交差点の信号を操作することに成功し、改造が終わった車のテスト走行も始まる。 その頃スティーヴは、金塊をさばいていた売人がヴェニスの事件を知っていることで、彼を殺して警戒する。 いとこだった売人を殺された、ウクライナ人のギャング、マシュコフ(オレク・クルパ)は、金塊のことを探った男の元に向かう。 計画実行の日、スティーヴはステラとの食事のために屋敷を離れ、チャーリーらが”ミニ”でその場に向かう。 しかし、近所でパーティーが開かれていたために計画は中止され、ステラがスティーヴとのデートに向かう。 いいムードとなり語り合っていた二人だったが、ステラが、ジョンと同じ言葉を話したために、スティーヴは彼女がその娘だと気づく。 そこにチャーリーらが現れ、ロブとレフト・イヤがステラを連れ出す。 スティーヴは余裕を見せて、金塊は売りさばいたなどと伝えるが、チャーリーは彼を殴り倒し、必ず決着をつけると言ってその場を去る。 ステラの元に戻ったチャーリーは、動揺する彼女を慰めて勇気づける。 スティーヴが、金塊を運び出してメキシコに向かうような動きを見せたため、チャーリーはそれを利用しようと考える。 渋滞する道路で、トラックを襲う計画に疑問を抱くロブだったが、チャーリーは、イタリアでやった方法でけりをつけることを語る。 そんな時チャーリーは、金塊の件がウクライナのギャング(マシュコフ)に気づかれてしまったことを知る。 チャーリーは行動を開始して、屋敷から出てきた三台のトラックの内の、一台が金塊を積んでいると気づく。 ライルが、信号を操作して渋滞を起こしラックを誘導し、それを知ったヘリコプターで移動中のスティーヴは、チャーリーらの仕業だと気づき屋敷に戻る。 チャーリー、ステラ、ロブが運転する三台の”ミニ”は地下鉄構内にに突入し、線路を通り爆弾を仕掛けた場所まで向かう。 そして、レフト・イヤが天井を爆破して、頭上のトラックは落下する。 待機していたレンチが、トラックに積載された看板を倒して道路の穴を塞ぐ。 トラックの荷台を開けたチャ-リーらだったが、ステラが、金庫の型が違うことに気づく。 ステラは何んとか金庫を開けることに成功し、2700万ドル分の金塊を”ミニ”に積んだチャーリーらは、その場を離れる。 三台の”ミニ”は排水路から脱出しようとするが、スティーヴの部下がバイクでそれを追う。 ロブがそれを妨害して三台は外に出るが、スティーヴのヘリがそれを見つけて追跡する。 スティーヴは、ヘリを引き付けて二台を逃がしたチャーリーを追い詰める。 車を奪ったスティーヴはチャーリーを追い、貨物列車に三台を隠したレンチに、金を払いそれを取り戻そうとする。 しかし、現れたチャーリーは、銃を向けるスティーヴを、裏で手を打っていた、彼にいとこを殺されたマシュコフに引き渡す。 ステラはスティーヴを殴り倒し、彼は、マシュコフの所有するスクラップ場に連れて行かれる。 列車内のチャーリーらは、ジョンを想い祝杯を挙げる。 金塊を手に入れるよりも、復讐が目的ではあったが、ロブは”アストンマーチン”を手に入れ、レフト・イヤはスペインで家を持ち、ライルは、”ナップスター”を作った男として、雑誌”ワイアード”の表紙になり、念願のステレオ・システムを購入、チャーリーは、ジョンの助言を実行して、ステラと共に暮らし始める。
...全てを見る(結末あり)
親譲りの金庫破りの腕前で、警察への協力などをしていたステラの前にチャーリーが現れる。
参考:オリジナル作品
「ミニミニ大作戦」(1969)
*(簡略ストー リー)
ヴェニス。
チャーリー・クローカーをリーダーとする犯罪のプロ・チームは、伝説の金庫破りジョンと共に、金塊3500万ドルを奪う。
しかし、仲間のスティーヴに裏切られてジョンを殺され、金塊を奪われてしまう。
何んとか命は助かったチャーリー、ライル、ロブ、レフト・イヤは、ジョンの死にショックを受けて、スティーヴへの復讐を誓う。
1年後、親譲りの金庫破りの腕を持つ、ジョンの娘ステラを訪ねたチャーリーは、スティーヴを見つけたことを伝えて協力を求める。
父を巻き込んで死なせたことで、チャーリーを恨むステラだったが、ジョンは自分にも父親同然だったというチャーリーの言葉で心が動き、それを引き受ける。
チャーリーはステラを仲間達に紹介し、彼らはスティーヴがいるロサンゼルスに向かう。
スティーヴの屋敷周辺などを調べて計画を練ったチャーリーらは、まず、金庫の場所などを知ろうとする。
そして、ステラがスティーヴに近づき屋敷内を調べ、計画は実行されるのだが・・・。
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まず語らなければならないのは本作の邦題だ。
内容、出演者他を考えると到底納得のいかない、子供アニメ番組のようなタイトルは信じ難い。
1969年公開のオリジナル作品も同じ邦題なのだが、若手ではあるが既に活躍していたマイケル・ケインや、名優のノエル・カワードらが出演する作品に、”ミニ”が活躍するだけが理由で、このタイトルをつけるとは頭を傾げたくなる。
この”邦題論争”はネット上などでは話題で、最悪邦題作品に上げる人も多く私も同意見だ。
コミカルな場面もあるので少々妥協しても、私自身は怒りさえ感じているほどで、リメイク作はタイトルを変えるべきだったと思う。
サスペンス・タッチでありスタイリッシュなアクションに、この邦題が合わないことは確かだ。
因みに、仲間内では絶対にこの邦題は口にしない。
それはともかく、生きのいい期待の若手スター競演、序盤で姿を消してしまうのが残念なドナルド・サザーランドの登場など、ファンにはたまらない作品であり、F・ゲイリー・グレイの軽快な演出も見応え十分だ。
新型”ミニ”を使ったスピード感溢れる斬新なカー・アクションも見もので、ありがちな色恋も極力排除してあるところもいい。
リーダーではあるが、あまり大袈裟な演技で目立ち過ぎない役柄が正解というところのマーク・ウォールバーグ、美しさが際立つ金庫破りの達人、同年12月公開の「モンスター」(2003)で、アカデミー主演賞を受賞するシャーリーズ・セロン、悪役も決まっている演技派、仲間を裏切るエドワード・ノートン、伝説の金庫破りを雰囲気たっぷりに演ずるドナルド・サザーランド、”ナップスター”を盗まれた?男という設定が面白いコンピューターの天才セス・グリーン、男臭い役柄が似合う頼もしいジェイソン・ステイサム、爆破のプロ、モス・デフ、車を改造する協力者フランキー・G、ウクライナ人のギャング、オレク・クルパなどが共演している。