サイトアイコン That's Movie Talk!

インポッシブル The Impossible (2012)

2004年に起きたスマトラ島沖地震で津波に巻き込まれたスペイン人一家の体験を基に描く、主演ナオミ・ワッツユアン・マクレガートム・ホランド他共演、監督J・A・バヨナによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:J・A・バヨナ

製作
アルバロ・アウグスティン

ベレン・アティエンサ
ギスラン・バロウ
エンリケ・ロペス・ラビニュ
製作総指揮:ハビエル・ウガルテ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
撮影:オスカル・ファウラ
編集
エレーナ・ルイス

ベルナ・ヴィラプラーナ
音楽:フェルナンド・ベラスケス

出演
マリア・ベネット:ナオミ・ワッツ

ヘンリー・ベネット:ユアン・マクレガー
ルーカス・ベネット:トム・ホランド
トマス・ベネット:サミュエル・ジョスリン
サイモン・ベネット:オークリー・ペンダーガスト
老婦人:ジェラルディン・チャップリン

スペイン/アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(スペイン)
サミット・エンターテインメント(北米)
2012年製作 114分
公開
スペイン:2012年10月11日
北米:2012年12月21日
日本:2013年6月14日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $19,019,880
世界 $180,274,120


アカデミー賞 ■
第85回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優賞(ナオミ・ワッツ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2004年、クリスマス・イヴ、タイカオラック
イギリス人の内科医マリア・ベネット(ナオミ・ワッツ)は、夫のヘンリー(ユアン・マクレガー)と長男ルーカス(トム・ホランド)、次男のトマス(サミュエル・ジョスリン)、三男サイモン(オークリー・ペンダーガスト)と共にビーチ沿いのホテルに到着する。

クリスマスを迎え、プレゼントをもらえた子供達やマリアは喜び、家族はその日も楽しく過ごす。

12月26日。
ヘンリーは、会社を解雇される可能性があることをマリアに伝え、彼女は子育てのため休業していた医師に復帰する考えを語る。

プールで遊んでいたベネット一家だったが、周囲の異変に気付いた瞬間、ビーチサイドのホテルは巨大な津波に襲われる。
...全てを見る(結末あり)

ヘンリーはトマスとサイモンを抱きかかえながら波に飲み込まれ、マリアは必死に木にしがみつく。

ルーカスに気づいたマリアは、その場を離れて彼の元に向かおうとする。

二人は浮かぶマットレスにしがみつくものの、再び逸れてしまい二度目の津波が襲い掛かる。

無事を確認した二人は励まし合いながら陸地に向かうが、ルーカスは、マリアの足の怪我に気づき動揺する。

応急処置をしたマリアは、子供の声を聞き助けようとする。

次の津波を恐れるルーカスはそれに反対するが、マリアは、声が弟達であったらどうするかを彼に問う。

弟達は死んだと言って悲しむルーカスを説得したマリアは、ダニエルという幼児を発見して助ける。

三人は津波を避けるために木に登り、暫くして現れた現地人に助けられ村落に運ばれる。

村人に感謝したマリアは、姿が見えなくなったダニエルのことを気にしながら、ルーカスと共に病院に運ばれる。

治療を受けたマリアは、人々のために何かをするようにとルーカスに指示する。

ルーカスは、家族を捜す人達のために病院中を回り、ある父子を再会させる。

マリアの元に戻ったルーカスは、母親のベッドが空いていたために取り乱し、迷子の子供が集まる場所で保護される。

その頃、無事だったヘンリーは、ビーチでマリアとルーカスを捜す。

助かっていた息子二人の元に戻ったヘンリーは、マリアとルーカスを捜すために自分はこの場に残ることをトマスに伝え、サイモンを連れて皆と共に山に避難することを納得させる。

息子達と別れたヘンリーは、暗闇の中で怪我をしてしまい、結局は避難所に向かうことになる。

避難場所の山でサイモンを寝かしたトマスは、老婦人(ジェラルディン・チャップリン)に話しかけられる。

ルーカスは、病院側の手違いで記録が入れ替わっていたマリアの元に連れて行かれる。

マリアは胸の手術は受けたのだが、出血多量で体力がないため、足の手術はできないままだった。

翌日、避難所などを回ったヘンリーだったが、子供達だけが別の場所に移動したことを知る。

マリアに付き添っていたルーカスは、逸れたダニエルの姿を見かけて、彼が父親だと思われる男性と再会できたことを知る。

ルーカスはそれをマリアに知らせようとするが、彼女の足の傷の悪化に気づき、そのことを看護師に伝える。

飲み物が欲しいというマリアのために、水を探しに行ったルーカスは、父ヘンリーと思われる男性に気づき彼を追う。

マリアも、カーテンの向こうの人陰に何かを感じる。

駐車中に尿意を我慢できなかくなったサイモンがトラックを降りたため、トマスがそれに付き添い、ヘンリーを捜していたルーカスが二人に近づくが、彼は弟達に気づかない。

ヘンリーは諦めてトラックに戻るが、エンジンがかからない。

ルーカスは父親に向かって叫び声をあげ、それに気づいたトマスとサイモンは兄の元に駆け寄り、三人は抱き合う。

そこにヘンリーが現れて父子は再会を喜び、彼らはマリアの元に向かう。

マリアは、寄り添うヘンリーと子供達の無事を知り安堵し、死を覚悟しながら手術を受ける。

手術は成功して、マリアは家族と共にシンガポールの病院に搬送されることになる。

機内で母に寄り添ったルーカスは、ダニエルが父親と思われる男性と再会できたのを目撃したことを話す。

マリアはルーカスを抱きしめ、ダニエルを助けてくれたことを感謝する。

そして、一家を乗せた機は飛び立ち、マリアは神に感謝して涙する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
2004年12月26日、タイカオラック
クリスマス休暇を楽しんでいたイギリス人医師マリア・ベネットと夫ヘンリーと三人の子供達は、スマトラ島沖で発生した地震による津波に襲われる。
巨大津波は家族を飲み込み、マリアと長男のルーカスは何とか難を逃れる。
ヘンリーと子供達の行方が分からないまま、足を怪我したマリアは、ルーカスと共に幼児を救い木に登り救助を待つ。
現地の人々に救出されたマリアは病院に運ばれるのだが、大量出血のため体力が回復しないと手術ができない状況だった。
一方、無事だったヘンリーも、息子達を避難させてマリアとルーカスを捜す。
その後ルーカスは、マリアを励ましながら被害に遭った人々に力を貸そうとするのだが.・・・。
__________

世界中に衝撃を与えた、スマトラ島沖地震による津波被害の様子を生々しく映し出す映像は、2011年に発生した東日本大震災を経験した日本人にとって鑑賞するのに覚悟がいる作品でもある。

津波の凄まじさと、被害状況の信じ難いほどの映像は、どこまでが作りものなのか分からないほどリアルに表現されている。

普段、人命を助ける立場の医師である主人公が被害者になりながらも、人の命の尊さを息子に理解させようとする。
そして、重傷を負った主人公が殆ど身動きできない状況であるところがポイントと言える。

過酷な体験をした心細い少年は、両親の助けを借りたいところなのだがそれができず、幼いながら必死に考え抜く彼の姿や行動で、人間性や逞しさを表現する、J・A・バヨナの繊細な演出も素晴らしい。

未曽有の大災害を描くドラマは、その一瞬を人間らしく生き抜くことの大切さを教えてくれると共に、”愛”強く感じさせてくれる感動の物語に仕上がっている。

北米興行収入は約1900万ドルに終わるものの、全世界では約1億8000万ドルのヒットとなった。

主演のナオミ・ワッツは、救出された後は殆ど横たわった状態での演技なのだが、彼女の思いが息子に伝わり乗り移っているようにも感じる体を張った熱演で、第85回アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされた。

希望を失わずに妻と長男を必死に捜すユアン・マクレガー、余りにも過酷な状況下で、重症の母親を支える、好演が光るトム・ホランド、その弟役であるサミュエル・ジョスリンとオークリー・ペンダーガスト、二人に避難場所で語りかける老婦人ジェラルディン・チャップリンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了