ルービン”ハリケーン”カーターが獄中で書いた自伝”16thラウンド”を基に製作された作品。 ボクサーとして世界チャンピオンを次々と倒したルービン・カーターのキャリアの物語ではなく、冤罪に苦しむ一囚人の20年間にも及ぶ苦悩の人生を描く、製作、監督ノーマン・ジュイソン、主演デンゼル・ワシントン、ヴィセロウス・レオン・シャノン、デボラ・カーラ・アンガー、リーヴ・シュレイバー、ジョン・ハナー、ダン・ヘダヤ他共演の社会派ドラマ。 |
・デンゼル・ワシントン / Denzel Washington 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ノーマン・ジュイソン
製作
アーミアン・バーンスタイン
ジョン・ケッチャム
ノーマン・ジュイソン
原作:ルービン”ハリケーン”カーター(“The Sixteenth Round”)
脚本
アーミアン・バーンスタイン
ダン・ゴードン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ステファン・E・リヴキン
音楽:クリストファー・ヤング
出演
デンゼル・ワシントン:ルービン”ハリケーン”カーター
ヴィセロウス・レオン・シャノン:レズラ・マーティン
デボラ・カーラ・アンガー:リサ・ピータース
リーヴ・シュレイバー:サム・チェイントン
ジョン・ハナー:テリー・スウィントン
ダン・ヘダヤ:デラ・ペスカ刑事
デビー・モーガン:メイ・セルマ・カーター
クランシー・ブラウン:ジミー・ウィリアムス看守
デヴィッド・ペイマー:マイロン・ベドロック弁護士
ハリス・ユーリン:リオン・ベドロック
ロッド・スタイガー:サロキン判事
ヴィンセント・パストア:アルフレッド・ベロ
アル・ワクスマン:刑務所長
ベアトリス・ワインド:ルイーズ・クカーシャム
フルヴィオ・セセラ:警官
モハメッド・アリ:本人
エレン・バースタイン:本人
ルービン・”ハリケーン”・カーター:本人
ボブ・ディラン:本人
ジョー・フレイザー:本人
アメリカ 映画
配給
ブエナビスタ(世界)
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
1999年製作 145分
公開
北米:1999年12月29日
日本:2000年6月24日
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $50,668,910
世界 $73,956,240
■ アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(デンゼル・ワシントン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1963年12月20日。
”ハリケーン”の異名を持つルービン・カーター(デンゼル・ワシントン)は、ボクシング世界ウェルター級チャンピオン、エミール・グリフィスに、わずか1ラウンドでTKO勝ちしてしまう。
1966年6月17日、ニュージャージー州、パターソン。
カーターは、強盗殺人事件の犯人として逮捕され、翌年、終身刑を宣告される。
カーターは無罪を主張し、自伝”16thラウンド”を発表して、それがが反響を呼ぶ。
カナダ在住のレズラ・マーティン(ヴィセロウス・レオン・シャノン)は、数年後にその本を偶然見つける。
3人の扶養者、リサ・ピータース(デボラ・カーラ・アンガー)、サム・チェイントン(リーヴ・シュレイバー)、テリー・スウィントン(ジョン・ハナー)のに育てられていたレズラは、初めて買った本をむさぼり読んだ。 少年カーターは、生まれ故郷のパターソンで悪事を繰り返し、地元の刑事デラ・ペスカ(ダン・ヘダヤ)に、少年院送りにされる。 8年後に少年院を逃げ出したカーターは、陸軍に入り、空挺部隊員となり人生が変わる。 カーターは、黒人の歴史を知ることが解放のカギだということに気づき言葉を学び、ボクシングの陸軍・ヨーロッパウェルター級王者にまでなった。 やがて故郷に帰ったカーターは、メイ・セルマ(デビー・モーガン)と出会うが、ペスカ刑事に捕らえられて刑務所に入れられてしまう。 カーターは、服役中に人生の目的を決めて、ボクシングに励む。 本を読み学び、囚人が欲しがる欲望を捨て、強靭な肉体と精神力で何者をも寄せ付けず、カーターは1961年9月に出所する。 カーターは国内で敵なしのプロ・ボクサーとなり、メイと結婚して地元の英雄となる。 しかし、カーターは、白人の差別に対抗するする発言などで身に危険が及ぶ。 また、 白人ボクサー相手の試合で、明らかに勝利していたにも拘らず不利な判定で敗れてしまう。 1966年6月。 刑務所の規則に反発するカーターは、支給されるものを拒絶し、勉強を始めて、今回の事件の分析を始める。 7年後。 しかし、カーターの願いも空しく控訴は棄却され、希望を無くした彼は妻メイに別れを告げる。 一方、カナダのレズラは、カーターの本に心を動かされて、扶養者のリサから返信用の切手代をもらい、彼に手紙を書いた。 そして、レズラに返事が届き、感動した彼は再びカーターに手紙を書、き面会を申し出る。 カーターはレズラの面会で希望が沸き、彼に感化されたリサ、サム、テリーも彼に会う。 しかし、安易に服役のことを聞きたがる彼らに、カーターは腹をたててしまう。 レズラ達は根気よくカーターと接触し、彼は次第に心を開いていく。 そんなカーターだったが、控訴請求の願いがかなわないまま、彼は再び殻に閉じこもってしまう。 レズラ達は、カーターの悲痛な内容の電話を受け、彼の釈放を実現させるため、刑務所の近くに引っ越す決意をする。 リサ、サム、テリーは、真犯人発見のため調査や聞き込みをするうちに、目撃者がペスカ刑事に、カーターが犯人ではない供述をしていたことを知るが、彼は3人に脅しをかけてくる。 やがて、当時の事件の証拠書類のサインが、どの人物の物も全てペスカの筆跡であることがわかる。 そんな時、リサらは車に細工されて事故を起こしてしまう。 1985年11月8日。 新証拠を検討したサロキン判事(ロッド・スタイガー)は、カーターが、人種偏見を利用した不当裁判の犠牲者であることを認めて彼を釈放する。 州は連邦最高裁まで控訴してカーターと争ったが、1988年に最高裁は控訴を棄却、サロキン判決を支持する。 リサらはカナダに帰り、カーターもトロントに自宅を構え、冤罪で苦しむ受刑者を救う責任者になった。 その後、レズラはトロント大学を卒業して修士号を取得し弁護士になる。 1994年。
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...全てを見る(結末あり)
カーターは身に覚えのない罪で逮捕され、裁判で終身刑を宣告され再び刑務所送りとなる。
カーターの主張にボクサー仲間、モハメッド・アリやジョー・フレイザー、俳優エレン・バースタイン、歌手ボブ・ディランらが賛同し、抗議デモなどが起きる。
カーターは、レズラとリサらに見守られ、連邦裁判所で最後の闘いに挑む。
世界ボクシング評議会は、現役選手以外では初となる、世界ミドル級王者のチャンピオン・ベルトを、カーターに授与する。
*(簡略ストー リー)
少年ルービン・カーターは、悪事を繰り返して、地元の刑事ペスカに少年院送りにされる。
8年後に少年院を逃げ出したカーターは、陸軍の空挺部隊員となり、黒人の歴史を知ることが、解放のカギだということに気づき言葉を学び、ボクシングの陸軍・ヨーロッパ・ウェルター級王者にまでなる。
やがて帰国したカーターは、再びペスカに捕らえられ、刑務所に入れられてしまう。
しかしカーターは、ボクシングに励むことを人生の目的に定め、本を読み学び、肉体と精神力を鍛えて出所する。
その後、国内では敵なしのプロ・ボクサーとなったカーターは、結婚もして地元の英雄となる。
しかしカーターは、差別に対する発言で不当な扱いを受ける。
そして、強盗殺人事件の犯人として逮捕されて、終身刑を宣告されてしまう。
カーターは無罪を主張して、獄中で自伝”16thラウンド”を発表し、それを、カナダ在住の少年レズラ・マーティンが偶然見つける。
その本の内容に心を動かされたレズラは、3人の扶養者に励まされ、カーターと面会して親交を深めることになる・・・。
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監督はノーマン・ジュイソンが担当し、ルービン・カーター自身の悲惨な獄中生活を描くと共に、カナダで、偶然彼の著書に出会った少年と、その扶養者達が、自らを犠牲にしてまでカーターを救おうとする、友情と感動のドラマに仕上げている。
悪事の限りを尽くす少年から、軍隊生活で目標をつかみ、獄中での20年間の苦悩の末に名誉を回復するという、何人分もの人生を一人で体験したような人物のルービン・カーターを演じたデンゼル・ワシントンの見事な演技は、各方面から大絶賛された。
第72回アカデミー賞では、そのデンゼル・ワシントンが、主演男優賞にノミネートされた。
運命的に一冊の本と出合う少年レズラを演ずるヴィセロウス・レオン・シャノン、 その扶養者のデボラ・カーラ・アンガー、 リーヴ・シュレイバー、ジョン・ハナー、主人公を子供の時から偏見の目で見る刑事ダン・ヘダヤ、希望がなくなった夫慕い続ける、主人公の妻役デビー・モーガン、
「ショーシャンクの空に」(1994)では悪徳看守役で登場するが、今回は温かく主人公を見守る看守クランシー・ブラウン、主人公を20年間無報酬で弁護するデヴィッド・ペイマーとハリス・ユーリン、ラスト数分間しか登場しないが、存在感抜群の判事ロッド・スタイガーなどが共演し、モハメッド・アリ、ジョー・フレイザー、エレン・バースタイン、ボブ・ディラン、そして、主人公本人ルービン・カーターがニュース映像等で登場する。