1984年に発表された、トム・クランシー原作”ジャック・ライアン”シーリーズの第1作”The Hunt for Red October”を基に製作された作品。 ソ連の最新鋭巨大原子力潜水艦艦長の行動と原潜を調査するCIA情報分析官他の活動を描く、監督ジョン・マクティアナン、撮影ヤン・デ・ボン、主演ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール他共演のサスペンス。 |
・ショーン・コネリー / Sean Connery 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・マクティアナン
製作総指揮
ラリー・デウォーイ
ジェリー・シャーロック
製作:メイス・ニューフェルド
原作:トム・クランシー”The Hunt for Red October”
脚本:ラリー・ファーガソン
編集
デニス・ヴァークラー
ジョン・ライト
撮影:ヤン・デ・ボン
音楽:バジル・ポールドゥリス
出演
マルコ・ラミウス:ショーン・コネリー
ジャック・ライアン:アレック・ボールドウィン
バート・マンキューソ:スコット・グレン
ボロディン:サム・ニール
ジェフリー・ペルト:リチャード・ジョーダン
ジェームズ・グリーア提督:ジェームズ・アール・ジョーンズ
ペトロフ:ティム・カリー
ツポレフ:ステラン・スカルスガルド
ジョーンズ:コートニー・B・ヴァンス
スキップ・タイラー:ジェフリー・ジョーンズ
ペインター提督:フレッド・トンプソン
ダヴェンポート艦長:ダニエル・デイヴィス
リセンコソ連大使:ジョス・アックランド
プーティン:ピーター・ファース
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1990年製作 135分
公開
北米:1990年3月2日
日本:1990年7月14日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $122,012,640
世界 $200,512,640
■ アカデミー賞 ■
第63回アカデミー賞
・受賞
音響編集賞
・ノミネート
編集・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ソ連、ムルマンスク沿岸ボリャルヌイ水路。
最新鋭原子力潜水艦”レッド・オクトーバー”の艦長マルコ・ラミウス(ショーン・コネリー)は、秘かな決意を胸に、副官ボロディン(サム・ニール)に出航命令だす。
イギリス。
その頃、CIAの情報分析官ジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)が、イギリス情報局から入手した資料と写真を基に、謎に包まれたソ連のタイフーン級巨大原子力潜水艦レッド・オクトーバーの調査を終え、アメリカに帰国する。
ラングレー、CIA本部。 同じ頃、レッド・オクトーバーの動きが、アメリカ原潜ダラス により確認され、バート・マンキューソ艦長(スコット・グレン)は、ソナー員のジョーンズ(コートニー・B・ヴァンス)に監視を命ずる。 ラミウス艦長は、政治士官プーティン(ピーター・ファース)が持参した、今回の指令を確認する。 しかし、ラミウスはプーティンを殺害し、命令書を燃やしてしまう。 タイラーの助言で、レッド・オクトーバーがソナーでも探知できない、最新鋭キャタピラー推進装置を装備している可能性があることをライアンは知る。 それが事実だとすると、レッド・オクトーバーは、誰にも気づかれずに、ワシントンD.C.とニューヨークを核攻撃できることになる。 レッド・オクトーバーの軍医ペトロフ(ティム・カリー)は、政治士官補充のための帰還を提言する。 ラミウスはそれを受け入れず、キャタピラーを作動させて、アメリカ軍ソナー網を掻い潜り、キューバに向かうことを乗組員に告げる。 その頃、原潜ダラスも、レッド・オクトーバーを見失ってしまい、 ライアンは、ラミウスが亡命する可能性を視野に入れる。 国家安全保障担当補佐官のジェフリー・ペルト(リチャード・ジョーダン)から、3日以内にラミウス亡命説を証明するよう命じられたライアンは、北大西洋沖の空母エンタープライズに向かう。 一方、レッド・オクトーバー撃沈の命令を遅れて受けた、ソ連の原潜コノヴァロフのツポレフ艦長(ステイラン・スカルスガルド)は、全艦隊の出撃を知り、全速力でレッド・オクトーバーを追う。 ラミウスは、レッド・オクトーバーの士官達を前にして、出航前に、司令官宛に亡命の意向を示した手紙を送っていたことを説明する。 レッド・オクトーバーの動きを察知した、原潜ダラスのマンキューソ艦長は、待ち伏せを考える。 ラミウス は、ソ連の対潜航空機から降下された魚雷をかわすが、レッド・オクトーバー艦内で破壊工作が発覚する。 同じ頃、ソ連潜水艦船団が迫り緊迫する中、ライアンは、エンタープライズからダラスに行くことを、ペインター提督(フレッド・トンプソン)に許可される。 ダラスに乗り込んだライアンは、ソ連大使リセ ンコ(ジョス・アックランド)の要請で、レッド・オクトーバーの撃沈命令がだされたことを、マキューソ艦長から知らされる。 レッド・オクトーバーとダラスは臨戦態勢となり、ライアンは、ラミウスの意図をモールス信号で窺う。 それを受けたラミウスは、亡命する場合の指示に従い、ローレンシア海溝北方グランド・バンクに向かう。 その時、レッド・オクトーバーの原子炉で異常事態が発生し、 艦を海面浮上させたラミレスは、乗組員を退艦させる。 そこに、アメリカのフリゲート艦が現れ、ラミウスは士官と 共にレッド・オクトーバーを自沈させようとする。 しかしこれは、亡命に乗組員を巻き込まないラミレスの 予定通りの計画だった。 フリゲート艦から飛び立ったヘリコプターから、魚雷が投下されてレッド・オクトーバーに向かうが、艦上のグーリア提督が、命中寸前で爆破する。 レッド・オクトーバーは、撃沈されたことになり原潜ダラスにも報告される。 ラミレスの考えは亡命だと確信するライアンは、マキューソ艦長を説得してレッド・オクトーバーに乗り込む。 マキューソ艦長は、レッド・オクトーバーの引渡しとラミウスの亡命を受け入れるが、ソ連原潜コノヴァロフから発射された魚雷が迫る。 その時、破壊工作を企てる乗組員が発砲し、ボロディンが命を落としラミウスは負傷する。 ライアンは犯人を倒し、レッド・オクトーバーは魚雷攻撃をかわし、コノヴァロフに魚雷を命中させる。 レッド・オクトーバーは深海に沈み、捜索不可能ということになる。
ジェームズ・グリーア提督(ジェームズ・アール・ジョーンズ)に、その件を報告したライアンは、情報入手のため、海軍技術開発顧問のスキップ・タイラー(ジェフリー・ジョーンズ)の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)
レッド・オクトーバーは、撃沈されたかのように見せかけることに成功する。
参考:
・「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)
・「パトリオット・ゲーム」(1992)
・「今そこにある危機」(1994)
*(簡略ストー リー)
ソ連の、最新鋭巨大原子力潜水艦”レッド・オクトーバー”の艦長マルコ・ラミウスは、秘かな決意を胸に出航命令だす。
その頃、CIA情報分析官ジャック・ライアンは、入手した資料と写真を基にして、謎のソ連原潜レッド・オクトーバーの調査を終え、アメリカに帰国する。
CIA本部で、本件をグリーア提督に報告したライアンは、レッド・オクトーバーが、ソナーでも探知できない、最新鋭キャタピラー推進装置を装備している可能性があることを、その後の調査で知る。
それが事実であれば、レッド・オクトーバーは、誰にも気づかれずに、ワシントンD.C.とニューヨークを核攻撃できることになる。
同じ頃、レッド・オクトーバーの動きを、アメリカ軍原潜ダラスが確認し、マンキューソ艦長は、部下に監視を命ずる。
意を決したラミウスは、政治士官を殺害して命令書を燃やし、キャタピラーを作動させる。
そしてラミウスは、アメリカ軍ソナー網を掻い潜り、キューバに向かうことを乗組員に告げるのだが・・・。
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巨大原子力潜水艦の動向を中心に、当時の米ソ間の政情やスパイ劇の緊迫感、原潜同士の戦いの駆け引きと迫力を、見事に描いたジョン・マクティアナンの演出と、ヤン・デ・ボンの撮影も素晴らしい、見応え十分な作品。
亡命を果たしたラミウスが、ライアンに静かに語りかけるラスト、暗闇のペノプスコット川の映像が実に美しい。
北米興行収入は約1億2200万ドル、全世界では2億ドルを超すヒットとなった。
第63回アカデミー賞では、音響編集賞を受賞した。
・ノミネート
編集・録音賞
ショーン・コネリーの、妻を亡くした哀愁漂う表情、また、男臭さや、指揮官としての絶大なる指導力と存在感ある演技には、惚れ惚れしてしまう。
亡命者ラミウスの人間像を読み取り、緻密な分析で問題の謎を解こうとする、CIA情報分析官ジャック・ライアンを、まだスマートなアレック・ボールドウィンが、彼のキャリアの中でもベストと言える好演を見せている。
アメリカ原潜艦長役、スコット・グレンの渋みを増した、抑えた演技も印象に残る。
命を落とすラミウスの副官サム・ニール、亡命裏工作を指揮する国家安全保障担当補佐官のリチャード・ジョーダン、 ライアンの上司である提督のジェームズ・アール・ジョーンズ、軍医ティム・カリー、自ら放った魚雷で撃沈してしまうソ連の原潜艦長役のステラン・スカルスガルド、海軍技術顧問役のジェフリー・ジョーンズ、空母エンタープライズに乗艦する艦隊指揮官フレッド・トンプソン、原潜ダラスのソナー員コートニー・B・ヴァンスら豪華な顔ぶれ、そして各人の熱演がドラマに厚みを加えている。