2008年に発表された、スーザン・コリンズのベストセラー・シリーズ小説(3部作)”ハンガー・ゲーム”を基に製作された第1作。 妹の身代わりとなり命懸けのサバイバル・ゲーム”ハンガー・ゲーム”に挑むことになった少女の戦いを描く、主演ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、ドナルド・サザーランド、スタンリー・トゥッチ、エリザベス・バンクス他共演、監督、脚本ゲイリー・ロスによるSFアクション。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ゲイリー・ロス
製作
ニーナ・ジェイコブソン
ジョン・キリク
スーザン・コリンズ
ロビン・ビセル
原作:スーザン・コリンズ”ハンガー・ゲーム”
脚本
ビリー・レイ
スーザン・コリンズ
ゲイリー・ロス
撮影:トム・スターン
編集
ジュリエット・ウェルフリング
スティーヴン・ミリオン
音楽
ジェームズ・ニュートン・ハワード
T=ボーン・バーネット
主題歌:テイラー・スウィフト
”Safe&Sound”
”Eyes Open”
出演
カットニス・エヴァディーン:ジェニファー・ローレンス
ピータ・メラーク:ジョシュ・ハッチャーソン
ゲイル・ホーソーン:リアム・ヘムズワース
ヘイミッチ・アバーナシー:ウディ・ハレルソン
コリオラヌス・スノー大統領:ドナルド・サザーランド
シーザー・フリッカーマン:スタンリー・トゥッチ
セネカ・クレーン:ウェス・ベントリー
クラウディウス・テンプルスミス:トビー・ジョーンズ
エフィー・トリンケット:エリザベス・バンクス
シナ:レニー・クラヴィッツ
プリムローズ・エヴァディーン:ウィロウ・シールズ
マーヴェル:ジャック・クエイド
グリマー:レヴェン・ランビン
ケイトー:アレクサンダー・ルドウィグ
クローヴ:イザベル・ファーマン
ルー:アマンドラ・ステンバーグ
マリーナ:タラ・マッケン
ディラン:イーサン・ジェイミーソン
フォックスフェイス:ジャクリーン・エマーソン
スレッシュ:ダヨ・オケニー
エバディーン夫人:ポーラ・マルコムソン
アメリカ 映画
配給 Lionsgate Films
2012年製作 142分
公開
北米:2012年3月23日
日本:2012年9月28日
製作費 $78,000,000
北米興行収入 $408,010,690
世界 $691,247,770
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
未来の北米。
独裁国家パネムは12の各地区に対し、反乱を起こした罰として、12歳から18歳の少年と少女が、儀式で選出されてキャピトルへ護送され闘技場で戦い、残った一人が勝者となる富裕層の娯楽”ハンガー・ゲーム”を、年に一度開催していた。
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第12地区。
少女カットニス・エヴァディーン(ジェニファー・ローレンス)は、自分がハンガー・ゲームに選ばれる悪夢にうなされる妹のプリムローズ(ウィロウ・シールズ)を落ち着かせてなだめ抱き寄せる。
その後、立ち入り禁止区域に向かい、隠してあった弓と矢で鹿を仕留めようとしたカットニスは、幼馴染みのゲイル・ホーソーン(リアム・ヘムズワース)に出くわし、この地区から脱出することを提案される。 プリムローズを連れて行くことは不可能であり、カットニスは、ゲイルの気持ちだけは理解する。 その帰り道、廃品売り場でカットニスは、プリムローズに渡すために、マネシカケスのブローチを手に入れる。 家に戻り、儀式の支度をしたカットニスは、プリムローズに、お守りだと言ってブローチを渡す。 少年少女は集められ、地区担当者のエフィー・トリンケット(エリザベス・バンクス)は、大統領コリオラヌス・スノー(ドナルド・サザーランド)のメッセージを伝える映像を見せる。 そして、第74回”ハンガー・ゲーム”のプレイヤー選考が始り、不運にもプリムローズが選ばれてしまう。 覚悟を決めたプリムローズだったが、カットニスが志願して、妹を母(ポーラ・マルコムソン)の元に向かわせる。 カットニスはステージに上げられ、選ばれた少年のピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)と共にキャピトルに向かうことになる。 プリムローズは、面会を許されたカットニスに勝利を約束され、マネシカケスのブローチを渡す。 カットニスは、母に妹を任せることを伝えて別れを告げて、現れたゲイルに励まされ、ピータと共にエフィーに伴われて列車に向かう。 見たこともない豪華な内装と食材に驚きながら、カットニスとピータは、超高速列車の旅を楽しむよう、エフィーに言われる。 カットニスとピータは、以前に会ったことがあることを思い出しながら、教育係のヘイミッチ・アバーナシー(ウディ・ハレルソン)を待つ。 ヘイミッチと対面した二人だったが、彼は手助けなどする気のないことを伝えて立ち去ってしまう。 翌朝、ピータはヘイミッチを説得して、戦う方法を聞き出し、カットニスは、スポンサーを獲得することがポイントだと助言される。 やがて列車は、富裕層が支配する巨大都市キャピトルに到着する。 その後、パレードに参加するカットニスは、専属スタイリストのシナ(レニー・クラヴィッツ)の手によって美しく変身して、人工炎の衣装を身に着けて、ピータと共に10万人の観衆の声援に応える。 テレビ番組ホストであるシーザー・フリッカーマン(スタンリー・トゥッチ)とコメンテーターのクラウディウス・テンプルスミス(トビー・ジョーンズ)が登場し、ゲームメーカーであるセネカ・クレーン(ウェス・ベントリー)が、スノー大統領にスタンバイの合図をする。 そして、大統領はプレイヤー達を称えて”ハンガー・ゲーム”の開催を宣言する。 豪華な宿舎に案内されたカットニスは、戦い前の夜を過ごし、翌日からプレイヤー達の訓練は始まる。 自分が生き残れる可能性のないことで、自信を無くすピータだったが、パン屋の息子の彼に、かつてパンを恵んでもらったことのあるカットニスは、彼に恩を返そうとする。 ピータが腕力の強いことを知っていたカットニスは、彼を威嚇するケイトー(アレクサンダー・ルドウィグ)らの前で、鉄球を投げることを指示する。 それを見たケイトーらは、ピートに一目置くようになる。 個人審査を受けたカットニスは、得意の弓でターゲットを外してしまい、スポンサーやセネカらに無視される。 憤慨したカットニスは、セネカらの目の前の、豚の丸焼きの口のリンゴを射抜き、彼らを驚かせてその場を去る。 カットニスの行動に怒り心頭のエフィーだったが、ヘイミッチは彼女を擁護する。 中間評価でピータはまずまずの得点となり、カットニスは最高点となり皆で喜び合う。 セネカを呼び出したスノー大統領は、プレイヤー一人を勝たせるのは希望を与えることが目的ではあるが、燃え盛る炎は消し去るようにと伝える。 訓練も最終日となることで、結局は一人しか生き残れないために、ピータはカットニスと別の行動をとろうとする。 シーザーの番組にプレイヤー達は招かれ、それに登場したカットニスは、シナに指示されたように、人々に好かれるように努める。 その後に登場したピータは、シーザーの恋人はいるかとの質問に対し、片想いしている相手も、この場に来ていると答える。 カットニスは憤慨してピータに言い寄るが、ヘイミッチは、彼女の印象を良くする手段として、効果的だったと指摘する。 眠れない夜を過ごすカットニスは、起きていたピータに謝罪し、彼は殺人者に成り得るかを自分に問い、政府に、自分達が所有物でないことを分からせてやりたい考えを伝える。 カットニスは、プリムローズのために必ず勝つことをピータに語り、二人は戦いでの健闘を誓い合う。 翌日、ヘイミッチに励まされて送り出されたカットニスは、輸送機に乗り込み腕に追跡センサーを埋め込まれる。 シナに、マネシカケスのブローチが付けられたジャケットを着せられたカットニスは、闘技場に向かう。 武器や物資を前にしたプレイヤーは、戦いの開始と共に殺し合いを始め、カットニスは、物資を手に取り森林地帯に向かう。 ロープや水筒を確認したカットニスは、罠を仕掛けて食料と水を確保し、安全だと思われる大木に登り体を休める。 夜になり、カットニスは、ケイトーらが共同で行動し、その中にピータもいて、彼が、自分を捜し出すために生かされていることを知る。 その後、カットニスが闘技場の端まで達しようとしていることを知った監視センターのセネカの指示で、彼女は山火事に遭い、火の玉の攻撃を受ける。 更に妨害を受けたカットニスは、火傷を負いながら川に逃げるが、ケイトーらに見つかってしまう。 木に登ったカットニスをケイトーが追うが、ピータは、いずれ降りて来ると言ってその場で待つよう提案する。 負傷したカットニスを見て居たたまれなくなったヘイミッチは、自ら働きかけてスポンサーを探そうとする。 夜になり、カットニスは、ヘイミッチから火傷の治療薬が届いたことに気づき、それを傷口に塗り彼に感謝する。 翌朝、目覚めたカットニスは、傷が治りかけていることを確認して、同じく木の上に身を潜めていたルー(アマンドラ・ステンバーグ)から、猛毒を持つスズメバチの巣を落とすよう指示される。 蜂に刺されながら巣を落としたカットニスは、木から降りて、死んだグリマー(レヴェン・ランビン)の弓を奪い、ピータに逃げるよう言われる。 毒が回り気を失ったカットニスは、ルーに解毒処置をされて意識を取り戻す。 カットニスはルーと行動をと共にして、ケイトーらが確保した食料と物資を破壊しようとする。 一旦ルーと別れたカットニスは、誘き出したケイトーらがその場に向かっている隙に、物資の周辺の地雷を利用してそれを破壊する。 森に戻ったカットニスは、罠にかかったルーを助けるが、マーヴェル(ジャック・クエイド)が現れる。 カットニスはマーヴェルを倒すが、ルーが彼の槍を受けて死亡する。 その様子を見ていた第11区の人々は、暴動を起こして治安部隊と衝突する。 ヘイミッチは、カットニスを殺すべきでないことをセネカに伝え、若者の恋を演出するよう提案する。 スノー大統領は、その意見に賛成できないことをセネカに伝えるが、ルールは変更されて、同じ地区の二人が生き残った場合は両者が勝者となる。 それを知ったカットニスはピータを捜し、負傷した彼を見つけて洞窟に隠れる。 カットニスは、再びヘイミッチからの食糧の支援を受けて、ピータにそれを与える。 ピータは、幼い頃からカットニスを意識していたことを伝え二人は心触れ合い、その様子を見ていたゲイリーは気落ちする。 傷を負い発熱しているピータのために、カットニスは薬品を手に入れようとするが、クローヴ(イザベル・ファーマン)に襲われる。 しかし、同じ地区のルーを殺したのがクローヴらだと知ったスレッシュ(ダヨ・オケニー)は彼女を殺害し、カットニスには、今回だけ救ったと言ってその場を立ち去る。 薬品を持って戻ったカットニスは、ピータと自分の傷にそれを塗り、翌朝、傷が治っていることに気づく。 カットニスとピータは、残っている二人組は自分達だけだと言って希望を抱く。 その場を離れて食料を調達しようとした二人は、毒のある木の実を食べて死亡した、フォックスフェイス(ジャクリーン・エマーソン)を見つける。 戦いは最終段階を迎え、スレッシュが死に、セネカは猛獣を放ちカットニスとピータは襲われる。 それから逃れた二人はケイトーと格闘となり、彼を倒して勝利者となる。 しかし、二人は再びルールが元に戻されると言われ、ピータは、自分を殺して故郷に帰るようカットニスに伝える。 カットニスは、政府の言いなりにはならないことをピータに伝え、覚悟を決めて毒入りの木の実を食べようとする。 その時、それを制止するセネカの声で、勝者となった二人は抱き合う。 二人はキャピトルに戻るが、カットニスは、政府に恥をかかせたことで、厳しい立場に立たされたことをヘイミッチに知らされる。 セネカは責任を取らされて自決し、カットニスは、愛のために死を選ぼうとしたと言うようにヘイミッチに指示されて、シーザーの番組にピータと出演する。 カットニスはスノー大統領から勝者として称えられ、故郷の誇りとして、ピータと共に第12区に戻ることになる。 二人の関係は忘れた方がいいと言うカットニスに対し、ピータは、それに従えないことを彼女に伝える。 故郷に戻った二人は英雄として称えられ、カットニスは、プリムローズやゲイルそして母に迎えられる。 それをテレビのモニターで見ていたスノー大統領は、考えをめぐらせながらその場を立ち去る。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ハンガー・ゲーム」(2012)
・「ハンガー・ゲーム2」(2013)
・「ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス」(2014)
・「ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション」(2015)
*(簡略ストー リー)
未来の北米。
独裁国家パネムは、反乱を起こした12の地区に対し、その罰として、12~18歳の少年少女を一人ずる選出して戦わせ、生き残った一人だけが勝利者となる、富裕層の娯楽”ハンガー・ゲーム”を開催していた。
少女カットニス・エヴァディーンは、それに選ばれてしまった妹プリムローズの身代わりとなり、志願して少年ピータと共に富裕層の暮らす首都キャピトルに向かう。
教育係ヘイミッチの指示と訓練を受けながら、戦いの準備を始めたカットニスだったが、パン屋の息子ピータに、かつてパンを恵んでもらった恩を感じていた。
しかし、一人しか生き残れない現実を前にして、カットニスは、妹のために勝利することだけを考えながら戦いに挑む・・・。
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若者からの圧倒的支持を得る原作の映画化、そして、若手の演技派として今を時めくスター、ジェニファー・ローレンスの主演、更には、脇を固める実力派スターの豪華競演など、話題に事欠かない作品として注目を集めた。
期待通りファンの心を掴んだ本作は、2012年の北米興行収入第3位にランクされる約4億1000万ドルを記録し、全世界ではなんと約6億9000万ドルの大ヒットとなった。
美し過ぎることのない、素朴なイメージを感じさせる主演のジェニファー・ローレンスは、その表情や眼差しから、役柄だけでなく真の逞しさを感じさせる。
20代前半にして雰囲気を持つ、数十年に一人の逸材に思える彼女は、同年「世界にひとつのプレイブック」で早くもアカデミー主演賞を受賞し、その実力は誰もが認める結果となった。
ストーリーは単純明快で、独裁政府の抑圧に耐えながら、サバイバル・ゲームを強いられる貧しい者の戦いを描くアクションで、子供達が残忍な殺人者として描写されるショッキングなシーンもある。
しかし、戦いを繰り広げる中での家族愛や友情、そしてほのかな恋愛を含めた繊細なタッチの物語でもあり、また青春ドラマ的な要素もある。
全てを細かく分析しながら、弱者を含めた国民の心を動かす手段を思案する、大統領の姿で締めくくられるラストも印象的だ。
ヒロインに心を寄せながら、助け合い共に戦うジョシュ・ハッチャーソン、同じく彼女に惹かれる幼馴染みで、クリス・ヘムズワースの弟リアム・ヘムズワース、ヒロインの教育係を、人間味豊かに演ずるウディ・ハレルソン、ドラマに厚みを加える、強かだが風格ある大統領のドナルド・サザーランド、テレビ番組のホストを怪演するスタンリー・トゥッチ、ゲームメーカーのウェス・ベントリー、コメンテーターのトビー・ジョーンズ、異様な容姿が驚きの第12地区担当エリザベス・バンクス、人情味のあるヒロインのスタイリスト、レニー・クラヴィッツ、ヒロインの妹ウィロウ・シールズ、プレイヤーで、デニス・クエイドとメグ・ライアンの息子ジャック・クエイド、アレクサンダー・ルドウィグ、レヴェン・ランビン、イザベル・ファーマン、アマンドラ・ステンバーグ、タラ・マッケン、イーサン・ジェイミーソン、ダヨ・オケニー、ヒロインの母ポーラ・マルコムソンなどが共演している。