2008年に発表された、ステファニー・メイヤーのSF恋愛小説”ザ・ホスト”を基に製作された作品。 人間に寄生する生命体に抵抗する人々の戦いと恋を描く、監督、脚本アンドリュー・ニコル、主演シアーシャ・ローナン、マックス・アイアンズ、ジェイク・アベル、フランシス・フィッシャー、ダイアン・クルーガー、ウィリアム・ハート、ボイド・ホルブルック、ボイド・ホルブルック他共演のSFロマンス。 |
・SF
・シアーシャ・ローナン / Saoirse Ronan / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・ニコル
製作
ニック・ウェクスラー
スティーヴ・シュワルツ
ポーラ・メイ・シュワルツ
ステファニー・メイヤー
製作総指揮
ジム・セイベル
ビル・ジョンソン
マーク・バタン
クローディア・ブリュームフーバー
ウーヴェ・フォイヤーゼンガー
レイ・アンジェリク
原作:ステファニー・メイヤー”ザ・ホスト”
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:ロベルト・シェイファー
編集:トーマス・J・ノードバーグ
音楽:アントニオ・ピント
出演
メラニー・ストライダー/ワンダラー(ワンダ):シアーシャ・ローナン
ジャレド・ハウ:マックス・アイアンズ
イアン・オシェイ:ジェイク・アベル
マギー・ストライダー:フランシス・フィッシャー
ジェイミー・ストライダー:チャンドラー・カンタベリー
シーカー/レイシー:ダイアン・クルーガー
ジェベダイア”ジェブ”ストライダー:ウィリアム・ハート
カイル・オシェイ:ボイド・ホルブルック
ドク:スコット・ローレンス
ソウル・フルー:レイチェル・ロバーツ
ウェス:ショーン・カーター・ピーターソン
アーロン:リー・ハーディー
シーカー・ウェイヴァリー:フィル・オースティン
リリー:レーデン・グリア
トレヴァー・ストライダー:J・D・エヴァーモア
ワンダラー/ワンダ(ペタルズ・オープン・トゥ・ザ・ムーン/ペット):エミリー・ブラウニング
ブラント:ムスタファ・ハリス
ネイト:ボキーム・ウッドバイン
シーカー・バーンズ:アレックス・ラッセル
アメリカ 映画
配給 オープン・ロード・フィルムズ
2013年製作 125分
公開
北米:2013年3月29日
日本:2014年6月14日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $26,627,200
世界 $63,365,860
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
様々な問題を解決して平和が保たれていた人類だったが、”ソウル “と呼ばれる小さな寄生エイリアンに侵略されていた。
目の銀のリングでホストは識別され、ソウルは人類の殆どの体を占領し、生き残ったわずかな人間は逃げ続けた。
人間のメラニー・ストライダー(シアーシャ・ローナン)は、ホストのシーカー(ダイアン・クルーガー)に追われ、ビルから自ら身を投げる。
一命を取り留めたメラニーは、シーカーらにより搬送される。
ヒーラー(治療者)に再生されたメラニーはソウルを埋め込まれてホストとなり、ワンダラーと呼ばれる。
ワンダラーは、自分のホストであるメラニーの記憶が残っていることに気づく。
ワンダラーと話したシーカーは、自分たちに逆らう人類の抵抗軍の一人がホストだと伝えて、記憶をたどり抵抗軍の居場所を特定するよう指示する。
ルイジアナ州生まれのメラニーは、占領支配から家族と共に逃亡するものの、居場所が見つかり父親トレヴァー(J・D・エヴァーモア)は自ら命を絶った。
それをシーカーに話したワンダラーだったが、メラニーが抵抗する。 しかしワンダラーは、メラニーの弟ジェイミー(チャンドラー・カンタベリー)のことをシーカーに話してしまい、メラニーはワンダラーを非難する。 その夜メラニーは、ジャレド・ハウ(マックス・アイアンズ)と出会い、いきなりキスされた時のことを夢で見る。 お互い人間だということを確認したメラニーは、自己紹介して、弟ジェイミーが待っていることをジャレドに伝え、車で送ってもらう。 目覚めたワンダラーは、抵抗するメラニーの記憶を必死に抑えようとする。 シンカーと話したワンダラーは、ジャレドと出会ったメラニーは、ジェイミーと共に彼と行動を共にしたと伝える。 メラニーとジャレドは、不安を抱えながら惹かれ合うようになる。 移動したメラニーは、ジャレドが物資の調達に行っている間に見つかりそうになり、ジェイミーに隠れているよう指示して、ビルから飛び降りたのだった。 話は以上だとシーカーに伝えたワンダラーは、彼女が去った後で、ある場所の岩の形をメモに書く。 それを阻止しようとするメラニーは、ワンダラーにそれを破り捨てるよう指示する。 新たな情報が得られないシーカーは、ジャレドの居場所を特定できそうだとワンダラーに伝える。 それを不満に思うワンダラーは、抵抗しているホストをシーカーのホストと入れ替えると言われ、メラニーは、最初の望み通りに死ぬことを知らされる。 それを阻止しようとするメラニーは、逃げるようワンダラーに指示する。 メラニーから、ドアを塞ぎベランダに出るようにと言われたワンダラーは、地上の池に飛び込みその場から逃げる。 車を奪ったワンダラーは、ヒーラーを捜そうとする。 ワンダラーの部屋を調べたシーカーは、破られたメモを見つける。 メラニーが違う場所に行かせようとしていることに気づいたワンダラーは、それに抵抗しようとしてハンドルを誤り、車は横転してしまう。 無事だったワンダラーは、足跡を残さないように石の上を歩き進むようメラニーに指示される。 メモを張り合わせたシーカーは、ワンダラーが描いた線に似た地形の場所を捜し出す。 砂漠をさ迷うワンダラーは、叔父ジェベダイア”ジェブ”(ウィリアム・ハート)の小屋があると言うメラニーの言葉を信じて、それを捜す。 シーカーは、街道で横転した車を見つける。 木陰で倒れていたメラニーを見つけたジェブは、彼女が人間ではないことに気づく。 そこに現れたカイル・オシェイ(ボイド・ホルブルック)は、ワンダラーを殺そうとするものの、姪だというジェブに制止される。 ワンダラーに近づいたジェブの姉マギー(フランシス・フィッシャー)は、騙されないと言って彼女を殴る。 ジェブは、マギーに反対されるものの、ワンダラーに目隠しして、抵抗勢力の基地施設”コロニー”がある洞窟に連れて行く。 多くの人間が生存していたことを知ったメラニーは、ジャレドに気づくものの、殴られてしまう。 マギーは、ドク(スコット・ローレンス)にワンダラーの処置させるべきだとジェブに伝え、現われたジェイミーがそれに反対する。 事故現場を調べたシーカーは、仲間といるはずのメラニー(ワンダラー)を捜そうとする。 監禁されたワンダラーは、メラニーから、監視するジャレドに自分のことは内緒にするようにと言われ、その指示に従う。 そこにカイルらが現れ、ワンダラーに襲い掛かろうとする彼をジャレドが殴る。 ワンダラーはそれを制止しようとするが、カイルは弟イアン(ジェイク・アベル)に彼女を殺すよう指示する。 発砲したジェブは騒ぎを鎮めて、ワンダラーを殺すべきだと言うカイルらに、リーダーは自分だと伝える。 今後ここに入ったら射殺すると言って、カイルらに警告したジェブは、ジャレドと見張りを代わる。 その後カイルとイアンは、捜索しているシーカーらに気いて監視し、ジャレドもそれを知る。 ワンダラーは上の洞窟にいるジェイミーと穴を通して話し、あの夜のことを訊かれ、皆を守るために自殺したと答える。 メラニーの体に移植されたと言うワンダラーは、抵抗軍の情報を探るよう指示されているとジェイミーに話し、”ワンダラー”という名前があることを伝える。 ジェブは、2人の会話を聞いていた。 戻ったジャレドは、ワンダラーの話を信じるなとジェイミーに伝える。 イアンは、ワンダラーが普通のシーカーとは違うとジャレドに伝えるものの、納得してもらえなかった。 本部からの連絡を受けたシーカーは、この地区で人間が目撃されたために、大規模な捜索を始めることを知らされる。 ワンダラーを連れて洞窟内を案内するジェブは、彼女の名前を短縮して”ワンダ”と呼ぶことにする。 ジェブは、落ちたら助からない水流の場所をワンダラーに教えて、その近くで入浴させる。 シーカーは、ヘリコプターで上空から捜索する。 その後ワンダラーは、内部で栽培されている麦畑に案内され、ジェブから、鏡を使って日光を取り入れていることを知らされる。 ワンダラーは、この場に来た理由をメラニーの考えも含めて、ジェブが見抜いていることに気づく。 その場にいたジェイミーを呼んだジェブは上空のヘリに気づき、鏡を閉じて見つからずに済む。 ジェイミーにワンダラーの監視を任せたジェブは、マギーには、ジェイミーに渡した銃の銃弾は抜いていると伝える。 ジェイミーは、ワンダラーを監禁せずに、ツチボタルが夜空のように見える場所に案内する。 ワンダラーにメラニーは生きているか尋ねたジェイミーは、戻ると約束したと言われ、彼女に愛を伝えて抱き合う。 メラニーだけが特別で生き残れたと言うワンダラーは、彼女を助けたことをジェイミーに感謝され、このことを2人の秘密にする。 街に向かい物資を調達したジャレドらは、現われた敵を殴り倒して連れて行く。 刈り入れ時期となり、ワンダラーとジェイミーも作業するようにとジェブに指示される。 ワンダラーは、自分を見つめるイアンを意識するようになる。 ジェイミーは、誤ってカマで脚を傷つけてしまう。 ヘリに追跡されたジャレドの仲間は逃げ道を失い、トラックごと壁に激突して自ら命を絶つ。 その様子を見ているしかなかったジャレドとカイルはその場を去り、シーカーは仲間がいることに気づく。 その夜ワンダラーは、ソウルについてジェブらに話し、惑星を征服するのではなく、結びつきを強調して生き残っていることを皆に伝える。 ジャレドらを追い詰めたシーカーは、仲間を射殺してしまい、怒りのあまり過激に行動していることを批判される。 ドクから年齢を訊かれたワンダラーは、人間なら千歳以上だと答え、地球は美しいが問題もある場所だと伝える。 戻ったジャレドは、ワンダラーと親交を深めようとしているジェブらを批判し、イアンから敵ではないと言われるものの、仲間が殺されたことを伝える。 ジェイミーから、ワンダラーを殺せば、まだ中にいるメラニーも死ぬと言われたジャレドは、納得できなかった。 苦しむワンダラーに、時間が解決すると伝えたイアンは、彼女を自分の部屋に連れて行き、外で監視する。 その後、メラニーの夢を見たジャレドは、彼女の元に向かい話をする。 ジャレドは、メラニーが中にいるかワンダラーに尋ね、恋しい彼女を取り戻したいと伝える。 それを確かめようとするジャレドにキスされたワンダラーは、彼を殴ってしまう。 メラニーに同じ目に遭ったことを思い出したジャレドは、彼女がワンダラーの中にいることを確信して愛を伝える。 戸惑うワンダラーはその場を去り、メアリーはジャレドにも信じてもらえたものの、無意味だと考え苦しみが増すだけだった。 考え込むワンダラーは、捜しに来たカイルに見つからないようにするために水に潜る。 カイルが去ったために水から上がったワンダラーは、彼に襲われて抵抗する。 水流に落ちそうになったカイルを助けようとするワンダラーは、叫び声をあげる。 ジャレドとイアンがワンダラーとカイルを助け、ジェブから状況を訊かれたワンダラーは、事故だと答える。 イアンはカイルを疑い、ジェブは真実を知ろうとするものの、警告しただけで皆を許す。 再び街に向かうためにジェブに許可を得たジャレドは、カイルを連れて行くことを指示される。 ワンダラーを施設の外に誘ったイアンは、彼女に愛していると伝える。 体(メラニー)はジャレドを愛していると伝えたワンダラーは、自分の感情もあると言ってイアンにキスしようとする。 メラニーに気を遣ってもらおうと考えたイアンは、ワンダラーから、あなたが好きなのはこの体で本当の私ではないので、触れたら嫌いになると言われるものの、彼女とキスしてしまう。 メラニーに非難されたワンダラーだったが、気持ちを抑えることができなかった。 その後ワンダラーは、ジェイミーの傷のことでドクの元に向かい、ジェブらが、ソウルをホストから摘出していることを知りショックを受ける。 ジェブと話したワンダラーは、今のやり方では互いに犠牲者が増えるだけだと伝える。 ワンダラーは、自分たちの方法がダメならソウルの捕獲はやめにすると言う、ジェブの言葉を信じる。 その後ワンダラーは、容態が悪化したジェイミーを助けようとするものの、エイミーが消えてしまう。 エイミーを怒らせるためにイアンにキスしたワンダラーは、協力すると言う彼が連れて来たジャレドにキスするよう指示される。 ジャレドにキスされたワンダラーは、メラニーが戻ったためにジェイミーを救おうとする。 傷口の菌が血液中に入ったために薬がいると言うワンダラーは、それを手にれるために洞窟から出してほしいとジャレドに伝える。 ジャレドと街の病院に向かったワンダラーは、怪我人を装い治療を受け、ヒーラーの隙を見て薬を奪う。 洞窟に戻ったワンダラーは、薬をドクに渡して信じてもらう。 ドクは薬を使ってジェイミーの傷を治し、彼は回復する。 その後、ワンダラーを連れて街に向かい戻ったジャレドとイアンは、仲間のウェス(ショーン・カーター・ピーターソン)が崖から突き落とされて死んでいることに気づく。 そこに現れたシーカーは、3人に銃を向けるものの、ジェブが彼女の肩を銃撃する。 捕らえられたシーカーは薬を使い治療を受け、ワンダラーから、自分を追い続ける理由を訊かれる。 弱いソウルが脅威となると答えたシーカーは、戦う責務を果たしているとワンダラーに伝える。 人間との共存は無理だと言うシーカーは、別のシーカーが捜しに来ると伝える。 自分が死ねば危険も消えると言われたシーカーは、殺せばいいとワンダラーに伝える。 ドクと話したワンダラーは、これ以上ソウルを殺さないことを約束してもらい、自分を殺してほしいと言って、それしか方法はないと話し納得してもらう。 シーカーを眠らせてもらったワンダラーは、切開した首の裏から、ソウル自ら出ていかせるのが秘訣だと言って、それを実行する。 人間に戻り目覚めたレイシーは感激し、シーカーの中で叫び続けていたことを皆に伝える。 レイシーは、ホストと戦う方法と抵抗する者を探していたことをワンダラーに伝える。 ソウルを最も遠い星に送り出したワンダラーは、ジェイミーのためにメラニーを戻してあげることを考える。 誰も傷つけない対処方を知ったワンダラーは、メラニーを彼女自身に戻すことを、ジャレドとイアンに伝える。 イアンと愛を確認したワンダラーは、彼に別れを告げる。 メラニーにも愛を伝え別れを告げたワンダラーは、ドクの処置を受ける。 目覚めたワンダラーは、目の前にいたメラニーらから声をかけられる。 鏡で顔を確認したワンダラー(エミリー・ブラウニング)は、ドクが、自分を生かすために皆の意見を聞き約束を破ったことを知る。 他の命を奪いたくないと言うワンダラーは、ソウルを摘出しても目覚めなかった体を利用したたことを知り、殺したのではなく命を与えられたと話すメラニーの言葉で納得する。 幸せを実感するワンダラーは、イアンとの愛を確かめる。 数か月後。 人質だと思ったワンダラーがイアンの手を握り、人間とホストが共存していることを知ったバーンズは、仲間を呼ぶ。 現われたネイト(ボキーム・ウッドバイン)が人間だったために、メラニーは他にも生存者がいるかを確認する。 ネイトは、他に3グループいたことをメラニーに伝え、バーンズは、ワンダラーも自分と同じ乗り換えであることを知る。 ようやく故郷を見つけたと言うワンダラーは、皆と共に夜空を見上げる。
...全てを見る(結末あり)
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メラニー、ワンダラー、ジャレッド、イアンが乗る車を止めたシーカー・バーンズ(アレックス・ラッセル)は、銃を向けながら彼女らの目を確認する。
*(簡略ストー リー)
人類は、”ソウル “と呼ばれる小さな寄生エイリアンに侵略されていた。
逃げ延びたメラニー・ストライダーは、弟ジェイミーを守るために、シーカーの追跡を逃れて自殺する。
一命を取り留めたメラニーは、シーカーらに再生されてソウルを移植され、ワンダラーと呼ばれようになる。
メラニーの記憶が残っているワンダラーは、抵抗軍の居場所を知ろうとするシーカーの指示で、それを探ることになるのだが・・・。
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”トワイライト”シリーズで知られる人気作家ステファニー・メイヤーのSF恋愛小説”ザ・ホスト”を基に製作された作品。
人間に寄生する生命体”ソウル”に抵抗する人間たちの戦いと恋を描くSFロマンス。
近未来の地球を舞台にしたSFではあるが、高度に発展した未来の世界が描かれているのではなく、生命体に寄生されて絶滅寸前の人間そのものの戦いと愛が描かれた、ファンタジックでもある内容のドラマ。
脚本を兼ねるアンドリュー・ニコルの演出は平凡であり、ステファニー・メイヤーの描くロマンスの世界感もいまいち伝わってこない内容は、残念ながら批評家から酷評されてしまった。
注目は、主人公を演ずる若手演技派スター、シアーシャ・ローナンのパフォーマンスであり、撮影当時17~18歳の彼女は好演するものの、やや物足りなさを感じてしまうところが、彼女の実力の証明と言えるかもしれない。
主人公を愛する抵抗軍の青年マックス・アイアンズ、その仲間で主人公に移植された”ソウル”に惹かれるジェイク・アベル、その兄で主人公を嫌うボイド・ホルブルック、主人公の叔母フランシス・フィッシャー、主人公の弟チャンドラー・カンタベリー、主人公を追うシーカーのダイアン・クルーガー、主人公の叔父である抵抗軍のリーダー、ウィリアム・ハート、抵抗軍の医師スコット・ローレンス、ソウルに寄生された女性レイチェル・ロバーツ、主人公の父親J・D・エヴァーモア、主人公から摘出したソウルを受け継ぐエミリー・ブラウニング、人間の生存者ボキーム・ウッドバイン、その仲間であるシーカーのアレックス・ラッセルなどが共演している。