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ヒッチ・ハイカー The Hitch-Hiker (1953)

ヒッチ・ハイカーの殺人鬼と行動を共にすることになった2人の男性が体験する恐怖を描く、監督、脚本アイダ・ルピノ、主演エドモンド・オブライエンフランク・ラブジョイウィリアム・タルマン他共演の犯罪ドラマであるフィルム・ノワールの名作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:アイダ・ルピノ
製作:コリアー・ヤング
脚本
アイダ・ルピノ
コリアー・ヤング
撮影:ニコラス・ムスラカ
編集:ダグラス・スチュワート
音楽:リース・スティーヴンス

出演
ロイ・コリンズ:エドモンド・オブライエン
ギルバート・ボーエン:フランク・ラブジョイ
エメット・マイヤーズ:ウィリアム・タルマン
アルバラード警部:ホセ・トーヴェイ
本人:ウェンデル・ナイルズ
警視総監:ジャン・デル・ヴァル
政府捜査官:クラーク・ホーワット
ホセ:ナティヴィダッド・ヴァシオ
ウィリアム・ジョンソン:ロドニー・ベル

アメリカ 映画
配給 RKO Radio Pictures
1953年製作 71分
公開
北米:1953年3月20日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
街道でヒッチハイクをする男は、あるカップルの車に乗せてもらう。

男女を射殺した男は、現金を奪い車から離れる。

2人の遺体が発見されてヒッチ・ハイカーによる殺人事件は報道され、容疑者エメット・マイヤーズ(ウィリアム・タルマン)は全国指名手配となる。

その後も事件は起き、ウィリアム・ジョンソン(ロドニー・ベル)を殺して現金を奪ったヒッチ・ハイカーは、車を奪って逃走する。
...全てを見る(結末あり)

カリフォルニア州のエル・セントロに住む整備工のロイ・コリンズ(エドモンド・オブライエン)と友人で設計士のギルバート・ボーエン(フランク・ラブジョイ)は、メキシコカリフォルニア湾サン・フェリペに向かい釣りをすることを考える。

ロイは、メヒカリに行って飲むことをギルバートに提案して車を走らせる。

現地に着いたロイは、寝ているギルバートが起きないために、サン・フェリペに向かうことにする。

街道を走るロイとギルバートは、ガス欠で立ち往生していた男を車に乗せる。

車に乗ったマイヤーズは、ロイとギルバートに銃を向ける。

わき道に車を止めさせたマイヤーズは、グローブボックスの中を確認し、入っていた薬莢の箱をギルバートから受け取る。

警戒しながら2人を車から降ろしたマイヤーズは、財布を奪いトランクを開けさせる。

毛布と食料を出させたマイヤーズは、その場にあった銃を奪う。

車に乗り出発したマイヤーズは、ロイの運転で夜明けまで走しらせる。

検問所を通過し、目的地を訊かれても答えないマイヤーズは、ガソリンスタンドで地図を手に入れようとする。

給油して地図を手に入れたマイヤーズは、わき道に入り車を止めさせる。

地図をチェックして、カリフォルニア湾を渡るフェリーが金曜日に出ることを知ったマイヤーズは、十分に間に合うために、その場で射撃の遊びをする。

ビール缶をロイに岩に置かせたマイヤーズは、それを銃撃して見せる。

缶を岩に戻すようロイに指示したマイヤーズは、ギルバートに銃を渡して缶を銃撃させる。

ロイに缶を持たせたままギルバートに撃つよう指示したマイヤーズは、それを拒む彼に銃を向ける。

仕方なくギルバートは缶を撃ち、ロイは怒りを抑える。

出発したマイヤーズはラジオをつけるよう指示し、アメリカのニュースを聴く。

マイヤーズは、自分が犯した事件や捜査のニュースを聴き、追っ手が近くにはいないことを確認する。

その頃、アメリカ西海岸の各州では、FBIを含めた大規模な捜査が行われていることを、アナウンサーのウェンデル・ナイルズがラジオで伝える。

その夜、川の近くで野営をしたマイヤーズは、ロイとギルバートを見張りながら、片目を閉じることができないことを伝える。

銃を構えるマイヤーズが右目だけ開いているため、寝ているか分からないロイとギルバートは、何もできなかった。

ある町で食料を調達したマイヤーズは、道路に座っていたナンバーを見た男から声をかけられ、エル・セントロに住んでいたと言われるものの、スペイン語だったために理解できない。

その夜、野営をしたマイヤーズは、ロイとギルバートに悲惨だった少年時代の話をする。

ラジオを聴いたマイヤーズは、殺したジョンソンの車が見つかり、自分がメキシコにいることが知られたと、ロイとギルバートに伝える。

警察がカリフォルニアの”チョコレート山脈”でロイとギルバートを捜索していることを知ったマイヤーズは、彼らがメキシコに来た理由を考える。

翌日、車が揺れてクラクションに触れたロイは、鳴りやまなくなったために、配線を切ると言って停車する。

ロイはボンネットを開けて配線を切り、ラバを連れた男が通り過ぎるものの、何も起きなかった。

出発してラジオをつけるよう指示したマイヤーズは、スイッチが入らないと言われ、ロイが壊したと考え彼を殴る。

ギルバートに制止されたマイヤーズは、山なので電波が弱いと言われて納得し、運転を代わるよう指示する。

現地の警視総監(ジャン・デル・ヴァル)は、アメリカ政府捜査官(クラーク・ホーワット)に、マイヤーズを含めた3人のアメリカ人が食料を買い、ロイとギルバートの車のナンバーを確認した男がいることを伝える。

総監は、3人がサンタ・ロザリアに向かい、フェリーでグアイマスに渡る考えだろうと捜査官に伝える。

マイヤーズにスピードを上げるよう指示されたロイは、パンクしたために車を止める。

ロイとギルバートにタイヤ交換をさせたマイヤーズは、車が現れたために身を隠す。

停車した男はロイとギルバートに声をかけるものの、2人が返事をしないために走り去る。

その頃、ヘリコプターや飛行機を使った捜索が始まる。

地元警察のアルバラード警部(ホセ・トーヴェイ)は、道で2人の男を見かけた男性にマイヤーズの写真を見せるものの、分からないと言われ、場所は10キロ先だったことを知る。

現場に向かったアルバラードは、タイヤ痕と漏れたオイルを確認する。

夜になり、給油するために車を止めさせたマイヤーズは警戒し、吠える犬を射殺する。

ロイと共にポンプの鍵を壊し給油するギルバートは、その場に指輪を置いて行く。

給油所からの通報で駆けつけたアルバラードは、その場にあったギルバートの結婚指輪を確認する。

警視総監は、タイヤ修理の2人の男の様子がおかしかったことを捜査官に話し、マイヤーズが隠れていたと考える。

捜査官は、マイヤーズの居場所を偽り、ロイとギルバートのことは伏せる内容をアメリカのラジオで流し、メキシコでも放送することを警視総監に要請する。

使われていない滑走路付近で野営したマイヤーズは、ロイとギルバートを監視する。

マイヤーズが眠っていることに気づいたロイとギルバートは、その場から逃げる。

滑走路を走って逃げるロイとギルバートは、マイヤーズが車で追ってくることに気づく。

ロイは障害物に足が引っ掛かり転んでしまい、2人はマイヤーズに捕まる。

ギルバートは、抵抗しようとするロイを殴って気絶させる。

夜が明けて岩場で車を止めさせたマイヤーズは、井戸のあるその場で休息する。

ラジオを聴く3人は、ロイとギルバートがマイヤーズの逃亡とは無関係で、釣り旅行をしているという内容を確認する。

自分がサンタ・ロザリアからの逃亡を断念したと、警察が思っていることを知ったマイヤーズは、出発しようとする。

オイル漏れで車が走らないことをロイから知らされたマイヤーズは、釣り道具を持って歩いて目的地に向かう。

ギルバートは、足首を痛めているロイを気遣う。

その後、捜索のイヘリコプターに続き飛行機も現れ、ロイは叫んで助けを求めるものの、気づいてもらえなかった。

井戸の場所で故障した車を発見したアルバラードは、捜索を続ける。

橋の下で休んだマイヤーズは、体格が同じのロイと服を着替えることを考え、彼を自分に見せかけようとする。

サンタ・ロザリアに着いたマイヤーズは、酒場に向かい、店主からフェリーの情報を訊くものの、火事で乗れないことを知る。

ギルバートがスペイン語で話したために信用しないマイヤーズは、英語が話せるホセ(ナティヴィダッド・ヴァシオ)にフェリーのことを確認し、ボートを手配させるために金を渡す。

海岸に向かったマイヤーズは、我慢の限界に達したロイから、卑劣な行為を非難される。

その頃ホセは、手配書のマイヤーズの写真を見て驚き、警察に通報する。

夜になり桟橋に向かったマイヤーズは、ロイをおとりにして警戒する。

桟橋の先に向かったロイは、隠れていた警官に止まれと言われ、発砲される。

ロイは、警官に向かって自分がマイヤーズではないことを伝える。

ギルバートはマイヤーズに襲いかかり、2人は格闘になる。

銃が海に落ちたマイヤーズは、その場から逃げようとするものの、アルバラードに行く手を阻まれ観念し、手錠をかけられる。

抵抗するマイヤーズはロイに殴られ、連行される。

アルバラードに制止されたロイは冷静になり、もう大丈夫だと言うギルバートと共にその場を去る。/span>


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ヒッチ・ハイカーによる殺人事件が連続して起きる。
カリフォルニア州に住むロイ・コリンズと友人のギルバートは、釣り旅行に出発してメキシコに向かう。
途中、ガス欠で立ち往生していた男を乗せたロイとギルバートは、それがヒッチ・ハイカーの殺人鬼マイヤーズだったために驚く。
マイヤーズは、ロイとギルバートを逃亡に利用して、サンタ・ロザリアに向かいカリフォルニア湾を渡ろうとするのだが・・・。
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女流映画監督の先駆けである、人気女優アイダ・ルピノの8作の監督作品の中でも特に評価が高い作品。

精神病の殺人犯ビリー・クック(1928–1952)の犯した事件を基にした物語を参考に、アイダ・ルピノと元夫のコリアー・ヤングの脚本によるフィルム・ノワールの名作。

1998年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

ヒッチ・ハイカーを装う殺人鬼が、自分の目的達成だけに行動し、邪魔者は容赦なく排除していく状況下に置かれる、旅行者である2人の男性が体験する恐怖などを緊迫感溢れる映像で描く、アイダ・ルピノの演出手腕が見どころの作品。
物語には女性が殆ど登場せず、犯人の残忍さや場当たり的な行動なども含め、その演出も男性的であることにも注目したい。

楽しみしていた釣り旅行が最悪の事態になってしまう、殺人犯と共に旅をすることになる男性エドモンド・オブライエン、その友人であり、物事に冷静に対処するフランク・ラブジョイ、逃亡のために手段を選ばない凶悪犯ウィリアム・タルマン、事件の捜査を担当するメキシコ警察の警部のホセ・トーヴェイ、本人役で登場するラジオ・アナウンサーのウェンデル・ナイルズメキシコの警視総監ジャン・デル・ヴァル、アメリカ政府捜査官のクラーク・ホーワット、犯人に気づき通報するメキシコ人のナティヴィダッド・ヴァシオ、犯人に殺されるロドニー・ベルなどが共演している。


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